第160回ディアナ賞(独GI)の勝ち馬-Well Timed(2015.4.20)-

Result

Well Timed 牝 鹿毛 2015.4.20生 独国・Stall Ullmann生産 馬主・Stall Ullmann 独国・Jean-Pierre Carvalho厩舎

Well Timed(2015.4.20)の4代血統表
Holy Roman Emperor
鹿毛 2004.3.28
種付け時活性値:0.50

デインヒル
鹿毛 1986.3.26
Danzig
鹿毛 1977.2.12
Northern Dancer 1961.5.27
Pas de Nom 1968.1.27
Razyana
鹿毛 1981.4.18
His Majesty 1968.4.15
Spring Adieu 1974.5.10
L’On Vite
鹿毛 1986.4.20
Secretariat
栗毛 1970.3.30
Bold Ruler 1954.4.6
Somethingroyal 1952.3.12
Fanfreluche
鹿毛 1967.4.9
Northern Dancer 1961.5.27
Ciboulette 1961.5.19
Wells Present
鹿毛 2002.4.22
仔受胎時活性値:1.00

Cadeaux Genereux
栗毛 1985.3.22
種付け時活性値:0.00
★Young Generation
鹿毛 1976.4.29
Balidar 1966
Brig O’Doon 1967
Smarten Up
栗毛 1975.5.20
Sharpen Up 1969.3.17
L’Anguissola 1967
Wells Whisper
鹿毛 1992.1.20
仔受胎時活性値:0.25
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
種付け時活性値:0.50
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
Whakilyric
鹿毛 1984.2.17
仔受胎時活性値:1.75
Miswaki
栗毛 1978.2.22
種付け時活性値:1.25
リリズム
鹿毛 1979.4.21
仔受胎時活性値:1.00

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×4×4、Natalma(♀)5×5×5×5>

Well Timed(2015.4.20)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Holy Roman Emperor
(Danzig系)
Cadeaux Genereux
(Owen Tudor系)
Sadler’s Wells
(Northern Dancer系)
Miswaki
(Mr. Prospector系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Miswaki
(Whakilyric)
4.00 従兄が香港カップ勝ち馬
(No. 13-b)
8番仔?
(7連産目?)

*

2018年の第160回ディアナ賞(独GI。デュッセルドルフ芝2200m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 11 Well Timed 牝3 58 Filip Minarik 2:12.63 Jean-Pierre Carvalho 1
2 7 Night of England 牝3 58 Andrasch Starke 1 3/4 Henk Grewe 3
3 3 Wonder of Lips 牝3 58 Alexander Pietsch 2 1/2 Andreas Suborics 8
4 8 Sword Peinture 牝3 58 Jozef Bojko 1/2 A Wöhler 7
5 2 Barista 牝3 58 Martin Seidl 1 J Hirschberger 9

2018年の第160回ディアナ賞。北半球の主要国における、英オークス(GI)を範とした3歳牝馬限定のクラシックレースの掉尾を飾るのは、ディアナ賞。仏国のオークスであるディアヌ賞(GI)、独国のオークスであるディアナ賞と、読み方は若干違いますが、共にローマ神話の月の女神ディアーナを冠に戴くレースですね。

そんなディアナ賞の第160回を制したのは、1番人気のWell Timed。2017年10月のデビュー戦こそ4着に破れたものの、2018年の復帰戦1着、BMW賞(LR)1着、ディアナトライアル(独GII)1着、そしてディアナ賞1着と、距離が2000m以上のレースしか出走していない2018年は負け無しの4連勝での戴冠でした。2018年からWell Timedとコンビを組む鞍上のフィリップ・ミナリク騎手は、今年2018年にJRAの短期免許で来日されていたことでもおなじみで、ディアナ賞は2012年の第154回を制したサロミナ(2009.2.22)以来となる2勝目。管理されるジャンピエール・カルヴァロ調教師はディアナ賞初勝利。オーナーブリードのシュタル・ウルマンは、すなわちシュレンダーハン牧場ですね。シュレンダーハン牧場名義と合わせると、ディアナ賞は実に16勝目(!!)の模様。また、シュタル・ウルマン、カルヴァロ師、ミナリク騎手と言いますと、昨年2017年の第37回ジャパンカップ(GI)に出走したGuignol(ギニョール。2012.5.8)のトリオでもありますね。

*

では、以下にWell Timedの簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。

Whakilyric 1984.2.17 カルヴァドス賞(仏GIII)ほか仏GIII2着1回、仏GII3着2回、仏GIII3着1回
|Johann Quatz 1989.2.22 6勝 リュパン賞(仏GI) カーネルFWケスターH(米GII) ブリーダーズカップ・マイル(米GI)2着ほか
|Hernando 1990.2.8 7勝 ジョッケクルブ賞(仏GI) リュパン賞(仏GI) ニエル賞(仏GII) ゴントービロン賞(仏GIII)2回ほか
|Walter Willy 1991.2.8 4勝 ルイジアナダウンズH(米GIII)3着
|Wells Whisper 1992.1.20 0勝
||Wells Present 2002.4.22 2勝 ヴァルターJ.ヤコブス牝馬賞(独GIII)3着
|||Well Timed 2015.4.20 (本馬) ディアナ賞(独GI) ディアナトライアル(独GII)
||Wonder Why 2004.4.3 不出走
|||Akeed Mofeed 2009.2.14 6勝 香港カップ(GI) 香港ダービーほか
|||Jordan Sport 2013.2.26 マハーブアルシマール(UAE・GIII)
|Vingt et Une 1993.1.22 1勝
||Coconut Show 2001.3.19 3勝
|||Thai Haku 2007.2.12 3勝 ケープヴェルディS(UAE・GII)2着 ノーブルダムセルS(米GIII)3着 アンドレバボワン賞(仏GIII)3着
|||Albaraah 2008.3.8 3勝 フロール賞(仏GIII)2着
||||Alrahma 2014.3.4 2勝 カブール賞(仏GIII) モルニ賞(仏GI)2着
||||Efaadah 2015.3.20 ポルトマイヨ賞(仏GIII) オマール賞(仏GII)2着 サンドリンガム賞(仏GII)3着
|||La Belliere 2010.4.2 2勝
||||Boos 2014.2.16 クリテリウム・ド・メゾンラフィット(仏GII)2着
|Res Judicata 1995.3.13 5勝 カールトンFバークH(米GIII)2着 ゴントービロン賞(仏GIII)3着
|Adnaan 1996.3.10 3勝 ゴードンS(英GIII)3着
|Apsara 2000.5.16 0勝
||Curtain Call 2005.1.31 3勝 ベレスフォードS(愛GII) ムーアズブリッジS(愛GIII) フューチュリティS(愛GII)2着 ロイヤルホイップS(愛GII)2着
||Souen 2006.4.27 不出走
|||Three Balloons 2011.10.9 3勝 チェアマンズC(南阿GIII)2着 ケープサマーステイヤーズH(南阿GIII)2着ほか
||Launched 2012.3.7 モーリスドニュイユ賞(仏GII)2着
|Mine Excavation 2003.1.28 不出走
||Hint of A Tint 2010.3.17 3勝 愛1000ギニートライアル(GIII)2着 リッジウッドパールS(愛GII)3着

Well Timedの牝系は、世界各国で継承されている 13号族b分枝系。Well Timedの大伯父Johann Quatz(ヨハンクアッツ)、Hernando(エルナンド)は共にジャパンカップ出走経験があり、1994年の第14回ジャパンカップでは兄弟対決が実現しました。結果は兄が12着、弟が4着と、弟に軍配が上がりました。Hernandoは、私が購入した初めての月刊『優駿』である1993年7月号において、正面から捉えられた第153回ジョッケクルブ賞の決勝点の写真、目をギラつかせたその表情が非常に印象に残っています。そんなHernandoは、今年2018年の第124回愛オークス(GI)を制したSea of Class(2015.5.23)の母父でもあります。また、Well Timedの従兄Akeed Mofeedは2013年の第27回香港カップの勝ち馬であり、そのレースで1馬身差の2着がトウケイヘイロー(2009.4.22)でした。最後に、上図の範囲外ですが、Well Timedの高祖母リリズムはカタカナ表記でお分かりのとおり輸入繁殖牝馬であり、日本にも縁がある牝系と言えます。

*

2000m以上のレースではまだ負けていないWell Timed。この後の進路は、その名のとおり勝利の好機を捉えるべく、外国に転じて第113回ヴェルメイユ賞(仏GI)が目標の模様。Well Timed、時を重ねる独国の3歳牝馬の未来に幸多からんことを。

  

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

#余談。Johann QuatzとHernandoが出走した第14回ジャパンカップでは、もう1組兄弟対決がありました。Grand Flotilla(グランドフロティラ。1987.2.25)とマーベラスクラウン(1990.3.19)。こちらの兄弟対決は兄が8着-ナイスネイチャ(1988.4.16)と同着-、弟が見事1着でした。2組の兄弟対決は共に弟が兄に先着しましたが、マーベラスクラウンの勝利により、2組4頭共に国際GI勝ち馬になるという結果でした。これは賢兄賢弟です。尊ぶべきは、それぞれの母堂であるWhakilyricとモリタ(1978.10.30)。

<参考WEB>

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