第124回愛オークス(GI)の勝ち馬-Sea of Class(2015.5.23)-

Result

Sea of Class 牝 栗毛 2015.5.23生 愛国・Razza Del Velino Srl生産 馬主・Sunderland Holding Inc 英国・William Haggas厩舎

Sea of Class(2015.5.23)の4代血統表

Sea The Stars
鹿毛 2006.4.6
種付け時活性値:0.00
Cape Cross
鹿毛 1994.3.13
Green Desert
鹿毛 1983.4.16
Danzig 1977.2.12
Foreign Courier 1979.4.11
Park Appeal
黒鹿毛 1982.4.9
Ahonoora 1975.4.12
Balidaress 1973.4.22
Urban Sea
栗毛 1989.2.18
Miswaki
栗毛 1978.2.22
Mr. Prospector 1970.1.28
Hopespringseternal 1971.5.27
Allegretta
栗毛 1978.3.10
Lombard 1967
Anatevka 1969
Holy Moon
鹿毛 2000.4.25
仔受胎時活性値:1.50
Hernando
鹿毛 1990.2.8
種付け時活性値:0.25
Niniski
鹿毛 1976.2.15
Nijinsky 1967.2.21
Virginia Hills 1971.3.15
Whakilyric
鹿毛 1984.2.17
Miswaki 1978.2.22
リリズム 1979.4.21
Centinela
栗毛 1992.4.7
仔受胎時活性値:1.75
Caerleon
鹿毛 1980.3.27
種付け時活性値:0.75
Nijinsky 1967.2.21
Foreseer 1969.4.12
New Generation
鹿毛 1981.5.12
仔受胎時活性値:0.50
Young Generation
鹿毛 1976.4.29
種付け時活性値:1.00
Madina
鹿毛 1965.2.17
仔受胎時活性値:1.75

<5代血統表内のクロス:Miswaki3×4、Nijinsky4×4(母方)、Northern Dancer5×5×5、Balidar5×5>

Sea of Class(2015.5.23)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
★Sea The Stars
(Danzig系)
Hernando
(Nijinsky系)
Caerleon
(Nijinsky系)
Young Generation
(Owen Tudor系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Young Generation 5.50 半姉に伊オークス馬3頭
(No. 14-f)
9番仔?
(8連産目?)

*

2018年の第124回愛オークス(GI。カラ芝12F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 7 Sea of Class 牝3 57.2 James Doyle 2:32.54 William Haggas 2
2 5 Forever Together 牝3 57.2 Donnacha O’Brien クビ A P O’Brien 3
3 2 Mary Tudor 牝3 57.2 W J Lee 1 1/2 W McCreery 5
4 4 Bye Bye Baby 牝3 57.2 Seamie Heffernan 3 1/2 A P O’Brien 4
5 3 Magic Wand 牝3 57.2 Ryan Moore 4 1/4 A P O’Brien 1

2018年の第124回愛オークス。道中は7頭立ての7番手、最後方から進んだSea of Classとジェームズ・ドイル騎手。最後の直線では先に抜け出していた第240代英オークス(GI)馬Forever Together(2015.5.25)とドナカ・オブライエン騎手を大外から追い掛け、決勝点で「クビ」だけ捉えていました。Sea of Class、デビュー戦となった今年4月18日のニューマーケット芝8Fのメイドンを2着、5月19日のニューベリー芝10FのフィリーズトライアルS(英LR)を1着、6月14日のニューベリー芝10FのアビングドンS(英LR)を1着と、きっちり1ヶ月に1走を守って挑んだ大一番が、自身4戦目、7月21日の第124回愛オークスでした。栗毛に「黄、紫星」の帽子と勝負服がターフに映えて、Sea of Class。見事なグループレース初挑戦初勝利でした。

Sea of Classの鞍上であるドイル騎手は愛オークス初制覇。近年はゴドルフィンの専属騎手として活躍を見せるドイル騎手、サスガの手綱さばきでした。Sea of Classを管理されるウィリアム・ハガス調教師も愛オークス初制覇。ハガス師と言えば、名手レスター・ピゴットの娘婿としても知られていますね。そのピゴット氏の進言もあったというShaamit(1993.2.11)による第217回英ダービー(GI)制覇、来日経験もあるDancing Rain(2008.4.24)での第233回英オークスの制覇も光ります。そして、馬主であるSunderland Holding Incも愛オークス初制覇。名義こそSunderland Holding Incですが、つまりはツイ家ですので、父Sea The Starsに続いての父娘2代のクラシック制覇は一入でしょう。それぞれにおめでとうございました。

*

では、以下にSea of Classの簡単でも豪華な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。

New Generation 1981.5.12 3勝
|Bright Generation 1990.3.23 3勝 伊オークス(GI)ほか
||Rumored 1999.1.27 0勝
|||Dabirsim 2009.2.5 5勝 ジャン・リュック・ラガルデール賞(仏GI) モルニ賞(仏GI) カブール賞(仏GIII)ほか
||Fathayer 2005.4.4 8勝 グイドベラルデリ賞(伊GIII)
|Centinela 1992.4.7 0勝
||Holy Moon 2000.4.25 5勝
|||Mooney Ridge 2006.3.24 2勝
||||Troublemaker 2013.3.11 伊セントレジャー(GIII)2着
|||Holy Ballet 2008.2.2 16勝
|||チェリーコレクト 2009.3.4 8勝 伊オークス(GII) 伊1000ギニー(GIII)ほか
|||チャリティーライン 2010.4.12 6勝 リディアテシオ賞(伊GI) 伊オークス(GII)
|||ファイナルスコア 2011.4.5 5勝 リディアテシオ賞(伊GI) 伊オークス(GII)
|||Wordless 2012.4.27 6勝 ヴェルジェール賞(伊GIII)
|||Magic Mystery 2013.5.16 3勝
|||Back On Board 2014.5.18 伊ダービー(GII)2着
|||Sea of Class 2015.5.23 (本馬) 愛オークス(GI)

欧州で継承され日本にも縁のある14号族f分枝系。Sea of Classの母Holy Moonは掛け値なしの名繁殖牝馬であり、Sea of Classが直仔5頭目のグループレース勝ち馬。そして、チェリーコレクト、チャリティーライン、ファイナルスコアと3年連続でオークスディターリアの勝ち馬を送り込んだことでも知られています。また、その3頭がいずれもカタカナ表記であることからお分かりのように、社台グループにより日本で繁殖牝馬として繋養されています。

Holy Moonが掛け値なしの名繁殖牝馬である所以は、名前を挙げた上記の産駒のそれぞれの父が、

  1. Mooney Ridge(2006.3.24)
    →父Indian Ridge(1985.3.22)は、Tourbillon(1928)系であるAhonoora(1975.4.12)直仔のミラクルサイアー
  2. Holy Ballet(2008.2.2)
    →父Shamardal(2002.3.27)は、Giant’s Causeway(1997.2.14)の仔でジョッケクルブ賞(仏GI)、仏2000ギニー(GI)、セントジェームズパレスS(英GI)、デューハーストS(英GI)などの勝ち馬
  3. チェリーコレクト(2009.3.4)
    →父Oratorio(2002.4.29)は、デインヒル(1986.3.26)の仔でエクリプスS(英GI)、愛チャンピオンS(GI)、ジャン・リュック・ラガルデール賞などの勝ち馬
  4. チャリティーライン(2010.4.12)
    →父Manduro(2002.3.9)は、Monsun(1990.3.4)の仔でプリンスオブウェールズS(英GI)、ジャック・ル・マロワ賞(仏GI)、イスパーン賞(仏GI)などの勝ち馬
  5. ファイナルスコア(2011.4.5)
    →父Dylan Thomas(2003.4.23)は、デインヒルが満16歳時交配のミニモの遺伝馬で、2007年のカルティエ賞年度代表馬
  6. Wordless(2012.4.27)
    →父ロックオブジブラルタル(1999.3.8)は、デインヒル産駒の最強マイラーで、2002年のカルティエ賞年度代表馬
  7. Magic Mystery(2013.5.16)
    →父Pour Moi(2008.1.10)は、Montjeu(1996.4.4)産駒3頭目の英ダービー(GI)馬
  8. Back On Board(2014.5.18)
    →父Nathaniel(2008.4.24)は、”キング・ジョージ”(英GI)、エクリプスSなどを制し、Enable(2014.2.12)の父としても知られています
  9. Sea of Class(2015.5.23)
    →父Sea The Stars。言わずと知れた2000年代の欧州最強馬は、ニューマーケット芝8Fからロンシャン芝2400mまで2009年の年間GI6連勝を遂げた、2009年のカルティエ賞年度代表馬

と、同父の仔を1頭も送り込んでいないところです。尊ぶべきは、良妻賢母Holy Moon。聖なる月の恵みは、世代を重ねる時、顕著に現れました。

なお、↑の近親牝系図に現れるDabirsimはハットトリック(2001.4.26)の仔、Troublemakerはヴィータローザ(2000.4.9)の仔と、やはり日本所縁の血が見られます。

*

英オークス馬を力勝負でねじ伏せたSea of Class。その英オークス馬Forever Togetherもそうですが、遅生まれの馬については、ゆっくりじっくりと力を付けていくのを待つところに、欧州競馬の懐の深さを思います。Sea of Class、伸び行く3歳乙女の将来に、どうぞ幸多からんことを。

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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