思い出のGI1勝馬を辿る(其の捌)-メイショウドトウ(1996.3.25)-

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メイショウドトウ 牡 鹿毛 1996.3.25生 愛国・P. Hardy生産 馬主・松本好雄氏 栗東・安田伊佐夫厩舎

メイショウドトウ(1996.3.25)の4代血統表
Bigstone
鹿毛 1990.2.8
種付け時活性値:1.25
ラストタイクーン
黒鹿毛 1983.5.9
トライマイベスト
鹿毛 1975.4.28
Northern Dancer 1961.5.27
Sex Appeal 1970.4.21
Mill Princess
鹿毛 1977.5.21
Mill Reef 1968.2.23
Irish Lass 1962
Batave
栗毛 1982.5.11
ポツセ
栗毛 1977.5.15
Forli 1963.8.10
In Hot Pursuit 1971.5.12
Bon Appetit
栗毛 1967
Major Portion 1955
Sweet Solera 1958
プリンセスリーマ
栗毛 1984.4.24
仔受胎時活性値:0.75

Affirmed
栗毛 1975.2.21
種付け時活性値:0.00
Exclusive Native
栗毛 1965.4.17
Raise a Native 1961.4.18
Exclusive 1953.4.12
Won’t Tell You
鹿毛 1962
Crafty Admiral 1948
Scarlet Ribbon 1957.4.8
First Fling
栗毛 1977.4.14
仔受胎時活性値:1.50
Nijinsky
鹿毛 1967.2.21
種付け時活性値:0.25
Northern Dancer 1961.5.27
Flaming Page 1959.4.24
Fast Approach
鹿毛 1970.2.26
仔受胎時活性値:1.50
First Landing
鹿毛 1956.3.7
種付け時活性値:1.25
Pinny Gray
芦毛 1958
仔受胎時活性値:0.75

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×4>

メイショウドトウ(1996.3.25)の0の理論的総括
母父祖母父曾祖母父
Bigstone
(Northern Dancer系)
★Affirmed
(Raise a Native系)
Nijinsky
(Northern Dancer系)
First Landing
(Turn-to系)
形相の遺伝料の遺伝牝系母の何番仔?
Bigstone4.50半兄が伊GIII勝ち馬
(No. 4-p)
8番仔
(3連産目)

*

2001年の第42回宝塚記念(GI。阪神芝2200m)の結果(上位5頭)


馬名性齢
騎手走破
時計
着差通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
13メイショウドトウ牡558安田 康彦2:11.74-4-3-135.1508
[-6]
安田 伊佐夫2
24テイエムオペラオー牡558和田 竜二2:11.91 1/47-7-6-935.0474
[-4]
岩元 市三1
36ホットシークレットせん558柴田 善臣2:11.9ハナ1-1-1-235.4450
[-4]
後藤 由之8
49ステイゴールド牡758後藤 浩輝2:12.11 1/29-9-9-435.3424
[前計不]
池江 泰郎5
58エアシャカール牡458蛯名 正義2:12.31 1/410-10-10-635.3500
[-8]
森 秀行3

2001年の第42回宝塚記念。21世紀最初の春のグランプリにおいてメイショウドトウ、6度目のGI挑戦で悲願の戴冠。「目の上のたんこぶ」とも言えたテイエムオペラオー(1996.3.13)を封じるには先に行くしかない。安田康彦騎手の積極策に応えたメイショウドトウ、最後は1と4分の1馬身だけ「世紀末覇王」を抑えたところが決勝点。メイショウドトウ、自身のGI初制覇はそのまま安田伊佐夫調教師、そして大馬主の松本好雄オーナーにとっても初めてのGI勝利と相成りました。レース後、ガッシリと抱き合われた安田騎手と松本オーナーの姿を思い出します。

メイショウドトウは、天敵とも言えた「栗毛に星ひとつ」とは2000年の第41回宝塚記念で初顔合わせとなって以後、GIレースばかり9戦して2勝7敗でしたが、いつでもすぐ傍にいる馬どうしでした。

メイショウドトウvsテイエムオペラオー
レース名メイショウドトウテイエムオペラオー2頭の着差(タイム差)
第41回宝塚記念(GI)2着1着クビ
第122回天皇賞・秋(GI)2着1着2 1/2
第20回ジャパンカップ(GI)2着1着クビ
第45回有馬記念(GI)2着1着ハナ
第123回天皇賞・春(GI)2着1着1/2
第42回宝塚記念(GI)1着2着1 1/4
第124回天皇賞・秋(GI)3着2着2 1/2
第21回ジャパンカップ(GI)5着2着(0秒6差)
第46回有馬記念(GI)4着5着アタマ

メイショウドトウとテイエムオペラオーの対戦成績をまとめてみて、改めて「2頭とも、よくぞ元気で無事に走り続けてくれたもの」と思いました。テイエムオペラオーの古馬時代は、レースの2着がメイショウドトウ、ナリタトップロード(1996.4.4)、ラスカルスズカ(1996.4.17)と、1996年生まれ世代の同期生たちとの争いが多く、ともすれば「同じ馬たちとの決着ばかり」と思われました。けれど、それはそれぞれの馬たちが、いつでも元気にファンの前で走り続けてくれたことの証明でもあります。真に難しいことは、無事にレースに出走して、無事に完走すること。それをいつでも続けてくれた馬たちと関係者の皆様を、改めて礼賛したいと思います。

そんな中でもメイショウドトウ。敗れてもひるまずに挑み続けて、ついには2001年の第42回宝塚記念で先着し勝利を掴み取りました。「6度目の正直」を成した際には、テレビ中継の勝利騎手インタビューで安田騎手に対して拍手が沸き起こるという珍しい出来事もありました。ただ、メイショウドトウ自身には、やはり0の理論で言うところの「コンプレックス」があったのでしょうか、

メイショウドトウ|認定NPO法人引退馬協会
メイショウドトウ|1999年1月6日に京都競馬場でデビューし、2000年に重賞二戦目となった中京記念(GII)をレコードタイムで優勝。その後も重賞戦線で活躍し、今は亡き、テイエムオペラオー、ナリタトップロードとともに三強と呼ばれました。6歳を迎えた2002年の年明けに京都競馬場で最大のライバルだったテイエムオペラオーと...

によりますと、

人が大好きで、ことばを理解できる賢さを持ち、かつてのライバルの名前を聞くとお尻を向けてしまうユーモラスな一面もあります。

ということ。コンプレックスを跳ね返し、ライバルを振り切ったメイショウドトウ。鹿毛の大作が、赤の帽子に「青、桃襷、袖桃」の勝負服を乗せて駆けた姿。忘れがたき21世紀最初の春のグランプリホースです。

 

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[メイショウドトウ(1996.3.25)の主な競走成績]

  1. 宝塚記念(GI)、日経賞(GII)、オールカマー(GII)、金鯱賞(GII)、中京記念(GIII)
  2. ジャパンカップ(GI)、有馬記念(GI)、天皇賞・春(GI)、天皇賞・秋(GI)、宝塚記念(GI)、日経新春杯(GII)
  3. 天皇賞・秋(GI)、日経賞(GII)

通算27戦10勝、2着8回、3着2回。

*

マイシンザン
マイシンザン

メイショウドトウも終の棲家で幸せそうで何より。

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

ウマとヤギの愛らしい光景です。