Nureyev(1977.5.2)-北の踊り子とその子孫を辿る(No.8)-

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Nureyev(ヌレイエフ) 牡 鹿毛 1977.5.2生~2001.10.29没 米国・Claiborne Farm生産 馬主・Stavros Niarchos 仏国・Francois Boutin厩舎

Nureyev(1977.5.2)の4代血統表
Northern Dancer(CAN)
鹿毛 1961.5.27
種付け時活性値:1.75【15】
Nearctic
黒鹿毛 1954.2.11
Nearco
黒鹿毛 1935.1.24
Pharos 1920.4.4
Nogara 1928
Lady Angela
栗毛 1944
Hyperion 1930.4.18
Sister Sarah 1930
Natalma
鹿毛 1957.3.26
Native Dancer
芦毛 1950.3.27
Polynesian 1942.3.8
Geisha 1943
Almahmoud
栗毛 1947.5.18
Mahmoud 1933
Arbitrator 1937
Special(USA)
鹿毛 1969.3.28
仔受胎時活性値:1.75【7】
Forli(ARG)
栗毛 1963.8.10
種付け時活性値:1.125 【4.5】
Aristophanes
栗毛 1948
Hyperion 1930.4.18
Commotion 1938
Trevisa
栗毛 1951
Advocate 1940
Veneta 1940
Thong(USA)
鹿毛 1964.4.23
仔受胎時活性値:1.00【4】
Nantallah(USA)
鹿毛 1953.3.5
種付け時活性値:0.50【10】
Nasrullah 1940.3.2
Shimmer 1945
Rough Shod(GB)
鹿毛 1944
仔受胎時活性値:0.75【19】
Gold Bridge(FR)
栗毛 1929
種付け時活性値:1.50【14】
Dalmary(GB)
黒鹿毛 1931
仔受胎時活性値:1.00【12】

<5代血統表内のクロス:Nearco3×5、Hyperion4×4>

Nureyev(1977.5.2)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Northern Dancer
(Nearctic系)
Forli
(Hyperion系)
Nantallah
(Nasrullah系)
Gold Bridge
(The Boss系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Northern Dancer 4.50 甥Sadler’s Wells
(No. 5-h)
3番仔
(前年産駒なし後?)

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1979年のトーマスブライアン賞(仏GIII。サンクルー芝1500m)の結果(上位3頭)

馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 Nureyev 牡2 54 Philippe Paquet 1:40.4 Francois Boutin
2 Wild Idea 牝2 52.5 Jean-Pierre Lefevre 6 P. Laille
3 Belgio 牡2 54 Maurice Philipperon 1 J. Cunnington jr.

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1980年のジェベル賞(L。メゾンラフィット芝1400m)の結果(上位3頭)

馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 Nureyev 牡3 58 Philippe Paquet Francois Boutin
2 Viteric 牡3 58 Alfred Gibert 6 M. Saliba
3 Royal Pleasure 牡3 58 Yves Saint-Martin  M. Saliba

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1980年の第182回英2000ギニー(GI。ニューマーケット芝8F)の結果(上位3頭+α)

馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 Known Fact 牡3 57.2 W. Carson 1:40.46 J. Tree 
2 ポツセ 牡3 57.2 P. Eddery クビ J. L. Dunlop 
3 Night Alert 牡3 57.2 L. Piggott  M. V. O’Brien 
失格 Nureyev 牡3 57.2 Philippe Paquet  Francois Boutin 1

1980年の第182回英2000ギニー。Nureyevは1着入線も、3着入線のポッセ(1977.5.15)に対するインターフェアにより、失格。結局、英2000ギニーの後はレースに出走することのなかったNureyev、レースでは他馬に先着されることはありませんでした。

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Nureyev。Northern Dancerの後継種牡馬の中でも五指に入る存在でしょう。Nijinsky(1967.2.21)やLyphard(1969.5.10)同様、父Northern Dancerからの連想で舞踏家ルドルフ・ヌレエフの名前を戴きました。

Nijinsky(1967.2.21)-北の踊り子とその子孫を辿る(No.2)-
Nijinsky(ニジンスキー) 牡 鹿毛 1967.2.21生~1992.4.15没 加国・Edward P.Taylor生産 馬主・Charles W. Engelhard Jr. 愛国・Vincent O'Brien厩舎
Lyphard(1969.5.10)-北の踊り子とその子孫を辿る(No.3)-
Lyphard(リファール) 牡 鹿毛 1969.5.10生~2005.6.10没 米国・J. O. Burgwin生産 馬主・Germaine Wertheimer 仏国・Alec Head厩舎

そんなNureyev。中島国治氏が「忘れられない思い出がある」と述べられた馬でもありました。中島氏がNureyevに関して述べられた文章を、以下に引用しておきます。

◎ヌレイエフ(Nureyev 1977年)は3戦2勝。トーマス・ブライアン賞(GIII)の勝ち馬で、イギリス2000ギニー(GI)において1着入線したが失格となった。以後競馬には出走せず種牡馬となった。同馬は2歳の夏、キーンランド・セレクト・セールにおいてユージン・オブライエン氏が130万ドルでセリ落とした。

実は、このヌレイエフには忘れられない思い出がある。1978年の夏の初めにタイヘイ牧場の六郎田靖氏が、キーンランドで馬を買うからセリ名簿から選んでみてくれ、と私が牧場へ行ったときに頼まれた。タイヘイ牧場には、アメリカン・スタッド・ブック、スタリオン・ブックなど調べるための書物が十分にあった。私は2週間の間牧場に泊まり込み、セリの出場馬を1頭ずつ綿密に調べて、そして選び出した馬がヌレイエフであった。

KKベストセラーズ、「競馬最強の法則」1998年10月号、P87より抜粋-

結果的には、Nureyevが日本の地を踏むことはなかったのですけれど、惜しかったですね。また、写真家・今井壽惠さんのコメントによりますと、

馬と対決していて恐ろしいと思うことがたまにありますが、ヌレイエフはその代表的な馬でした。日本であれば安楽死処分が取られるようなアクシデントからカムバックした精神力は神憑り的ですし、人間の知能では太刀打ちできないくらいの知能を持った馬だと思いました。

株式会社 中央競馬ピーアール・センター月刊『優駿』1999年3月号、P15より抜粋-

コメントと共に掲載されていた、今井さんが撮影されたNureyevの写真。神々しさをまとったように見えて、とても美しいものでした。

*

それではNureyevの代表産駒を確認しておきますと、、、

  1. Theatrical(1982.3.13)
    →ブリーダーズカップ・ターフ(米GI)、ターフクラシックS(米GI)、マンノウォーS(米GI)、ソードダンサーH(米GI)、ボーリンググリーンH(米GI)、ハイアリアターフC(米GI)ほか。タイキブリザード(1991.3.12)の半兄、ヒシアマゾン(1991.3.26)の父
  2. Sonic Lady(1983.2.15)
    →愛1000ギニー(GI)、ムーラン・ド・ロンシャン賞(仏GI)、サセックスS(英GI)ほか。ロジユニヴァース(2006.3.11)の曾祖母。牝馬
  3. Annoconnor(1984.4.15)
    →ラモナH(米GI)、ヴァニティH(米GI)、サンタアナH(米GI)ほか。牝馬
  4. Miesque(1984.3.14)
    →英1000ギニー(GI)、仏1000ギニー(GI)、ブリーダーズカップ・マイル(米GI)2回、ジャック・ル・マロワ賞(仏GI)2回、ムーラン・ド・ロンシャン賞(仏GI)、イスパーン賞(仏GI)、マルセルブサック賞(仏GI)、サラマンドル賞(仏GI)ほか。史上に残る名マイラーはKingmanbo(1990.2.19)、East of the Moon(1991.3.25)等の母となり、仔孫も繁栄中。牝馬
  5. ステートリードン(1984.2.11)
    →ハリウッドダービー(米GI)、セクレタリアトS(米GI)ほか。米国の芝の名馬Manila(1983.2.5)の半弟
  6. ソヴィエトスター(1984.4.20)
    →仏2000ギニー(GI)、ムーラン・ド・ロンシャン賞(仏GI)、サセックスS(英GI)、ジュライC(英GI)、フォレ賞(仏GI)ほか。同い年で同父のMiesqueと好勝負を演じた赤い星は、1981年の第1回ジャパンカップで1番人気3着だったThe Very One(ザベリワン。1975.4.1)の半弟
  7. Alwuhush(1985.3.10)
    →ミラノ大賞(伊GI)、伊共和国大統領賞(GI)、カールトンFバークH(米GI)ほか。1990年の第10回ジャパンカップ(GI)で5着だったアルワウーシュ
  8. Pattern Step(1985.5.13)
    →ハリウッドオークス(米GI)ほか。牝馬
  9. Zilzal(1986.3.31)★
    →クイーンエリザベス2世S(英GI)、サセックスS(英GI)ほか。Danzig(1977.2.12)産駒で同い年のPolish Precedent(1986.3.16)はいとこ。吉田照哉氏の勝負服で走った仏GII2勝のシャンクシー(1992.4.24)の父
  10. Polar Falcon(1987.6.1)
    →スプリントC(英GI)ほか。種牡馬としてPivoal(1993.1.19)を輩出したことにより、21世紀のNureyevの父系が継続したと言っても過言ではないでしょう
  11. Kitwood(1989.5.12)
    →ジャンプラ賞(仏GI)ほか。1993年の安田記念(GI)に出走してくれたキットウッド。半姉Miss Oceana(1981.2.13)は米GI6勝の名牝、甥にアーリントンC(GIII)を制したブレーブテンダー(1994.4.16)がいます
  12. Wolfhound(1989.4.22)
    →スプリントC(英GI)、フォレ賞(仏GI)ほか。母がLassie Dear(1974.5.2)ですから、甥にSummer Squall(1987.3.12)&A.P. Indy(1989.3.31)ですね
  13. Flagbird(1991.4.17)
    →共和国大統領賞(伊GI)ほか。牝馬
  14. Mehthaaf(1991.2.3)
    →愛1000ギニー(GI)ほか。半弟Elnadim(1994.4.24)はジュライC(英GI)の勝ち馬。牝馬
  15. ハートレイク(1991.4.22)
    →安田記念(GI)ほか。種牡馬としてCBC賞(GII)、シルクロードS(GIII)を制したプレシャスカフェ(1999.3.29)を輩出
  16. Atticus(1992.2.24)
    →オークローンH(米GI)ほか
  17. Joyeux Danseur(1993.4.28)
    →ターフクラシック招待S(米GI)ほか。母がFabuleux Jane(1974.4.11)ですから、甥にアラジ(1989.3.4)&Noverre(1998.5.2)ですね
  18. スピニングワールド(1993.3.5)
    →愛2000ギニー(GI)、ブリーダーズカップ・マイル(米GI)、ジャック・ル・マロワ賞(仏GI)2回、ムーラン・ド・ロンシャン賞(仏GI)ほか。ヌーヴォレコルト(2011.2.25)の母父
  19. Reams of Verse(1994.4.23)★
    →英オークス(GI)、フィリーズマイル(英GI)ほか。半兄Elmaamul(1987.2.8)はエクリプスS(英GI)とフィーニクスチャンピオンS(愛GI)の勝ち馬。牝馬
  20. パントレセレブル(1994.3.17)
    →ジョッケクルブ賞(仏GI)、凱旋門賞(仏GI)、パリ大賞(仏GI)ほか。1997年の凱旋門賞で叩き出した2分24秒60のレコードとレース振りは「圧巻」に尽きます
  21. ブラックホーク(1994.5.14)
    →安田記念(GI)、スプリンターズS(GI)ほか。叔父に芝12ハロンの世界記録保持馬として知られたホークスター(1986.2.19)、半妹にピンクカメオ(2004.4.24)
  22. Good Journey(1996.4.27)
    →アットマイル(加GI)ほか
  23. Gracioso(1996.5.16)
    →リュパン賞(仏GI)。伯父ジムフレンチ(1968.4.26)は東京優駿の勝ち馬バンブーアトラス(1979.4.27)の父となりました
  24. Senure(1996.4.21)
    →クレメントLハーシュ記念ターフチャンピオンシップS(米GI)、ユナイテッドネイションズH(米GI)ほか
  25. Skimming(1996.1.30)
    →パシフィッククラシックS(米GI)2回ほか。Skimmingは母父がLyphardですからNorthern Dancer2x3の強烈なクロスを持っています
  26. ストラヴィンスキー(1996.5.1)
    →ジュライC(英GI)、ナンソープS(英GI)ほか。種牡馬として英仏豪新でGI勝ち馬を輩出。日本では重賞4勝のコンゴウリキシオー(2002.3.27)の父として知られます
  27. No Matter What(1997.2.10)
    →デルマーオークス(米GI)。牡駒Just as Well(ジャストアズウェル。2003.3.23)は2009年の第29回ジャパンカップ(GI)に出走、牝駒Rainbow View(2006.5.21)はフィリーズマイル(英GI)、メイトロンS(愛GI)勝ち馬。牝馬
  28. Special Ring(1997.3.9)
    →エディリードH(米GI)2回ほか。せん馬
  29. ファスリエフ(1997.2.9)
    →モルニ賞(仏GI)、フィーニクスS(愛GI)ほか
  30. Crystal Music(1998.2.11)
    →フィリーズマイル(英GI)ほか。牝馬
  31. King Charlemagne(1998.3.1)
    →モーリス・ド・ゲスト賞(仏GI)ほか。牝駒Jacqueline(2006.4.9)は2009年12月から2010年2月にかけて印1000ギニー、印2000ギニー、印オークス、印ダービーを全て勝つという離れ業を演じました

31頭のGI勝ち産駒のうち牡馬22頭、せん馬1頭、牝馬8頭と牡馬優勢の仔出し。直仔のうち日本で重賞を制したのはブラックホークのみでしたが、ブラックホークと言えば、金子真人オーナーにGI初勝利を贈った馬として知られています。また、日本ではブルードメアサイアーとして多く活躍馬を送り込んでおり、トゥザヴィクトリー(1996.2.22)イーグルカフェ(1997.2.10)ジャングルポケット(1998.5.7)ゴールドアリュール(1999.3.3)フサイチパンドラ(2003.2.27)スリープレスナイト(2004.2.7)等がGI勝ち馬となりました。近年Nureyevを改めて意識したのは、やはりフサイチパンドラの娘によるものでしょう。アーモンドアイ(2015.3.10)はNureyev5×3のクロスを持った活躍馬でした。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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[Nureyev(1977.5.2)の主な競走成績]

  1. トーマスブライアン賞(仏GIII)

通算3戦2勝。