ノーザンテースト(Northern Taste) 牡 栗毛 1971.3.15生~2004.12.11没 加国・E. P. Taylor生産 馬主・吉田善哉氏 仏国・John Cunnington, Jr.厩舎
Northern Dancer 鹿毛 1961.5.27 種付け時活性値:0.25【9】 |
Nearctic 黒鹿毛 1954.2.11 |
Nearco 黒鹿毛 1935.1.24 |
Pharos 1920.4.4 |
Nogara 1928 | |||
Lady Angela 栗毛 1944 ♀ |
Hyperion 1930.4.18 | ||
Sister Sarah 1930 | |||
Natalma 鹿毛 1957.3.26 |
Native Dancer 芦毛 1950.3.27 |
Polynesian 1942.3.8 | |
Geisha 1943 | |||
Almahmoud 栗毛 1947.5.18 |
Mahmoud 1933 | ||
Arbitrator 1937 | |||
Lady Victoria 黒鹿毛 1962.2.20 仔受胎時活性値:2.00(0.00)【8】 |
Victoria Park 鹿毛 1957.5.10 種付け時活性値:1.00【4】 |
★Chop Chop 黒鹿毛 1940 |
Flares 1933 |
Sceptical 1922 | |||
Victoriana 鹿毛 1952 |
★Windfields 1943 | ||
Iribelle 1942 | |||
Lady Angela 栗毛 1944 ♀ 仔受胎時活性値:0.25【17】 |
Hyperion 栗毛 1930.4.18 種付け時活性値:1.25【13】 |
Gainsborough 1915.1.24 | |
Selene 1919 | |||
Sister Sarah 黒鹿毛 1930 仔受胎時活性値:1.25【13】 |
Abbots Trace 栗毛 1917 種付け時活性値:1.00【12】 |
||
Sarita 黒鹿毛 1924 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
<5代血統表内のクロス:Lady Angela(♀)2×3>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Northern Dancer (Nearctic系) |
Victoria Park (Teddy系) |
Hyperion (Gainsborough系) |
Abbots Trace (Rock Sand系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Hyperion (Gainsborough) |
4.75 or 2.75 | 伯父Nearctic (No. 14-c) |
4番仔? (2連産目?) |
*
着 順 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破時計 ・着差 |
調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ノーザンテースト | 牡3 | 61.0 | J.C.Desaint | 1:29.0 | J.Cunnington |
2 | El Rastro | 牡4 | 1 | |||
3 | Speedy Dakota | 牡2 | アタマ |
*
1982年から1992年まで11年連続で中央首位種牡馬となったノーザンテースト。吉田照哉氏の慧眼により見出された同馬は、競走馬としてもフォレ賞を制したGI馬であり、日本のNorthern Dancer系種牡馬の先駆けかつ日本競馬史上に残る大種牡馬として、その名を残しました。
ノーザンテーストに関する0の理論的な見解について、中島国治氏の記述より一部引用しておきます。
血統の構成が種牡馬としての能力を支えている。同馬はレディアンジェラ(Lady Angela 1944年)のM2×S3の近親交配馬である。
牝の先祖の近親交配はまったく無弊害の交配であると同時に、牝の先祖は交配に当たり太陽のサイクルの支配外であり0の交配の意と同一の働きがある。(中略)また、母の父ヴィクトリアパーク(Victoria Park 1957年)は父チョップチョップ(Chop Chop 1940年)の0交配を、その母ヴィクトリアーナ(Victoriana 1952年)はウィンドフィールド(Windfield 1943年)の0の交配を受けている。
–KKベストセラーズ、「競馬最強の法則」1998年10月号、P85~P86より引用-
そんなノーザンテーストの代表産駒には、中央の八大競走勝ち馬7頭を含む49頭の中央及び地方交流重賞勝ち馬がいます。49頭の中央及び地方交流重賞勝ち馬を生年順に列挙いたしますと、、、
- アンバーシヤダイ(1977.3.10)
→有馬記念、天皇賞・春、AJCC2回、目黒記念・秋ほか。仔メジロライアン(1987.4.11)、孫メジロブライト(1994.4.19)&メジロドーベル(1994.5.6)と3代続けて中央GI級勝利を果たしました - シヤダイダンサー(1977.4.8)
→阪神4歳牝馬特別、京成杯3歳Sほか。牝馬 - ピーチシヤダイ(1977.4.12)
→東京障害特別・春 - シヤダイコスモス(1978.4.22)
→中山牝馬S(GIII)。牝馬。ダイナコスモス(1983.3.25)の叔母 - シヤダイアイバー(1979.2.23)
→優駿牝馬。牝馬。後述のダイナオレンジの全姉。エアジハード(1995.4.9)の祖母 - アスワン(1979.5.14)
→NHK杯、京成杯ほか。従兄Riverman(1969.3.22)という良血馬。父としてメジロアルダン(1985.3.28)等を輩出 - シャダイソフィア(1980.3.19)★
→桜花賞、阪急杯(GIII)、函館3歳S、サファイヤSほか。牝馬。アンテイツクヴアリユー(1979.2.25)の導入はシャダイソフィアの死も要因としてあったと推察します - ダイナカール(1980.5.10)★
→優駿牝馬ほか。牝馬。言わずと知れたエアグルーヴ(1993.4.6)の母、アドマイヤグルーヴ(2000.4.30)の祖母、ドゥラメンテ(2012.3.22)の曾祖母 - ギヤロツプダイナ(1980.4.25)★
→天皇賞・秋(GI)、安田記念(GI)、東京新聞杯(GIII)ほか - グローバルダイナ(1980.3.4)★
→北九州記念(GIII)、小倉大賞典(GIII)、阪神牝馬特別(GIII)ほか。牝馬。1985年の優駿賞最優秀5歳以上牝馬 - ダイナマイン(1980.4.30)★
→新潟記念(GIII)、牝馬東京タイムズ杯(GIII)ほか。牝馬。後述のダイナシユートの全姉。1993年と1994年のJRA賞最優秀障害馬ブロードマインド(1988.4.17)の母 - シヤダイチヤツター(1980.2.12)★
→小倉記念(GIII)ほか。牝馬。ラブリーデイ(2010.1.30)の高祖母 - ダイナシユガー(1981.5.27)
→報知杯4歳牝馬特別(GII)ほか。牝馬。ムッシュシェクル(1988.3.31)&シクレノンシェリフ(1990.4.21)の母 - ダイナシユート(1982.5.13)
→京成杯3歳S(GII)、七夕賞(GIII)、新潟3歳S(GIII)ほか。牝馬。アドマイヤマックス(1999.4.10)の母、ラインクラフト(2002.4.4)の祖母 - ダイナシユペール(1982.4.24)
→小倉3歳S(GIII)ほか。牝馬。ボールドエンペラー(1995.4.28)の祖母 - ダイナガリバー(1983.3.23)
→東京優駿(GI)、有馬記念(GI)、共同通信杯4歳S(GIII)ほか。半兄カズシゲ(1977.4.16)。ノーザンテースト産駒唯一の東京優駿勝ち馬 - ダイナアクトレス(1983.5.4)
→毎日王冠(GII)、スプリンターズS(GII)、京王杯スプリングC(GII)、京王杯オータムH(GIII)、函館3歳S(GIII)ほか。牝馬。1980年代の中央最強古馬牝馬。ステージチャンプ(1990.5.17)&プライムステージ(1992.3.25)の母、スクリーンヒーロー(2004.4.18)の祖母 - レジエンドテイオー(1983.4.2)
→アルゼンチン共和国杯(GII)、セントライト記念(GIII)ほか。産駒の稼ぎ頭であるセイカシミズダニ(1993.3.10)の名前の響きが好きでした - ダイナフエアリー(1983.4.30)
→オールカマー(GIII)、新潟記念(GIII)、エプソムC(GIII)、牝馬東京タイムズ杯(GIII)、京成杯(GIII)ほか。牝馬。サマーサスピション(1992.5.27)&ローゼンカバリー(1993.6.1)の母。ルヴァンスレーヴ(2015.1.26)&チュウワウィザード(2015.4.19)の高祖母 - ダイナオレンジ(1983.4.27)
→新潟記念(GIII)ほか。牝馬。上述のシヤダイアイバーの全妹。センターライジング(1993.3.27)の母 - ダイナサンキユー(1984.5.5)
→デイリー杯3歳S(GII)ほか。サンエイサンキュー(1989.4.7)の父 - スルーオダイナ(1984.5.6)
→ステイヤーズS(GIII)2回、ダイヤモンドS(GIII)2回。米GI7勝の名馬Slew o’ Gold(1980.4.19)の従弟 - ダイナレター(1984.3.3)
→札幌記念(GIII)、根岸S(GIII)ほか。1989年のJRA賞最優秀ダートホース - スカーレットリボン(1985.6.4)
→報知杯4歳牝馬特別(GII)。牝馬。後述のスカーレットブーケの全姉 - センリョウヤクシャ(1986.5.28)
→阪急杯(GIII)ほか - メインキャスター(1986.2.27)
→阪神牝馬特別(GIII)ほか。牝馬 - リストレーション(1986.4.2)
→牝馬東京タイムズ杯(GIII)。牝馬。ダンスダンスダンス(1988.4.3)の半姉 - ノーモアスピーディ(1987.2.21)
→京成杯(GIII)ほか。ベストタイアップ(1992.3.29)の半兄 - ノーザンドライバー(1988.4.16)★
→デイリー杯3歳S(GII)、ペガサスS(GIII)ほか。牝馬。1990年のJRA賞最優秀3歳牝馬 - ビッグファイト(1988.3.25)★
→京成杯3歳S(GII)、新潟3歳S(GIII)ほか。現年齢表記6歳時、1994年の銀嶺S(OP)の復活勝利は立派でした - スカーレットブーケ(1988.4.11)★
→中山牝馬S(GIII)、京都牝馬特別(GIII)、クイーンC(GIII)、札幌3歳S(GIII)ほか。牝馬。ご存知ダイワメジャー(2001.4.8)&ダイワスカーレット(2004.5.13)の母 - イイデサターン(1988.4.12)★
→毎日杯(GIII)ほか - ニフティダンサー(1988.5.28)★
→七夕賞(GIII)。ニフティニース(1987.5.25)の半弟 - タイヤン(1988.5.22)★
→京都大障害・秋 - アドラーブル(1989.3.28)
→優駿牝馬(GI)ほか。牝馬。後述のノーザンレインボーの全姉。エモシオン(1995.3.17)の母 - マチカネタンホイザ(1989.5.7)
→高松宮杯(GII)、AJCC(GII)、目黒記念(GII)、ダイヤモンドS(GIII)ほか。実は全8勝中7勝が左回りだったサウスポー - ディスコホール(1989.5.19)
→報知杯4歳牝馬特別(GII)、テレビ東京賞3歳牝馬S(GIII)ほか。牝馬 - エリザベスローズ(1989.5.3)
→セントウルS(GIII)ほか。牝馬。フサイチゼノン(1997.3.2)&アグネスゴールド(1998.4.10)&リミットレスビッド(1999.6.5)の母 - ノーザンコンダクト(1989.2.22)
→ラジオたんぱ杯3歳S(GIII)ほか。藤田伸二騎手の重賞初制覇のお相手。そしてまた伊藤修司調教師に27年連続中央重賞勝利をプレゼント - サマニベッピン(1990.4.15)
→阪神牝馬特別(GII)、府中牝馬S(GIII)、金鯱賞(GIII)ほか。牝馬。ダンツキッチョウ(2002.2.25)の半姉 - ノーザンレインボー(1990.5.6)
→中山大障害・春、東京障害特別・秋。前述のアドラーブルの全弟 - シャイニンレーサー(1991.3.10)
→マーメイドS(GIII)ほか。牝馬。フジキセキ(1992.4.15)の半姉、シャイニンルビー(1999.4.18)の母 - ビッグショウリ(1991.4.5)
→マイラーズC(GII)ほか。後述のビッグテーストの全兄。クラフテイワイフ(1985.1.17)一族の活躍馬の走り - ファッションショー(1992.4.20)
→マリーンC(統一GIII)ほか。牝馬。1996年のオールカマー(GII)でサクラローレル(1991.5.8)の2着に頑張ったことも印象に残っています - インターフラッグ(1993.4.13)
→ステイヤーズS(GII)ほか。1997年11月の清水S(準OP)を11番人気1着したのを京都競馬場の現地で見ていました。マルカコマチ(1995.3.25)の半兄 - クリスザブレイヴ(1994.2.18)
→富士S(GIII)ほか。「ノーザンテースト最後の大物」のフレーズもよく聞かれました - エアデジャヴー(1995.3.27)
→クイーンS(GIII)ほか。牝馬。エアシャカール(1997.2.26)の半姉、エアメサイア(2002.2.4)の母 - テイエムダイオー(1996.4.14)★
→京都ハイジャンプ(J・GII)、阪神ジャンプS(J・GIII) - ビッグテースト(1998.3.9)
→中山グランドジャンプ(J・GI)。上述のビッグショウリの全弟。2003年のJRA賞最優秀障害馬。常石勝義騎手にJ・GIをプレゼントしたことでも記憶に残ります
初年度の1977年生まれ世代から1996年生まれ世代まで、実に20世代連続で中央重賞勝ち馬を輩出。そして21世紀に入ってからもJ・GIの勝ち馬を送り込むなど存在感を放ち続けたノーザンテースト。上述の49頭の内訳を見れば、牡馬23頭、牝馬26頭と若干ではありますが牝馬優勢の仔出し。同じNorthern Dancer産駒のフォレ賞勝ち馬で、やはり名種牡馬となったLyphard(1969.5.10)にも似るところでしょうか。
ノーザンテーストの八大競走勝ち産駒7頭を改めて確認しておきますと、
No. | 馬名 (生年月日) [F No.] |
母の 何番仔? |
4代血統構成 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 | |||
1 | アンバーシヤダイ (1977.3.10) [4-m] |
3番仔 (不受胎後) [3.75] |
ノーザンテースト (Northern Dancer系) |
★Ambiopoise (Tourbillon系) |
Gallant Man (Bois Roussel系) |
◆Bull Lea (Teddy系) |
2 | シヤダイアイバー (1979.2.23) [8-g] |
2番仔 (2連産目) [4.00] |
ノーザンテースト (Northern Dancer系) |
Delta Judge (Hyperion系) |
Spy Song (Black Toney系) |
Mr. Trouble (Blenheim系) |
3 | シヤダイソフイア (1980.3.19) [9-f] |
3番仔? (前年産駒なし後) [3.25] |
★ノーザンテースト (Northern Dancer系) |
Bold Ruler (Nasrullah系) |
Tudor Minstrel (Owen Tudor系) |
★Bull Lea (Teddy系) |
4 | ダイナカール (1980.5.10) [8-f] |
2番仔 (2連産目) [4.50] |
★ノーザンテースト (Northern Dancer系) |
ガーサント (Hermit系) |
Never Say Die (Nasrullah系) |
Big Game (Bahram系) |
5 | ギヤロツプダイナ (1980.4.25) [3-n] |
初仔 [4.50] |
★ノーザンテースト (Northern Dancer系) |
★エルセンタウロ (Fairway系) |
Bold Ruler (Nasrullah系) |
To Market (Black Toney系) |
6 | ダイナガリバー (1983.3.23) [16-h] |
8番仔 (2連産目) [3.00] |
ノーザンテースト (Northern Dancer系) |
バウンテイアス (Rockefella系) |
Correlation (Blenheim系) |
Hasty Road (Teddy系) |
7 | アドラーブル (1989.3.28) [14-c] |
初仔 [6.75 or 4.75] |
ノーザンテースト (Northern Dancer系) |
Big Spruce (Herbager系) |
Dr. Fager (Himyar系) |
Intentionally (Intent系) |
八大競走勝ち馬7頭の内3頭は1980年生まれ世代です。0の理論的にはノーザンテーストが満8歳時交配のミニモの遺伝を受けた世代から輩出された、というところです。
併せて、名種牡馬はブルードメアサイアーとしても活躍するのが常ですけれど、ノーザンテーストもご多分に漏れず、ダイナコスモスから始まりレインボーダリア(2007.4.27)に至るまで、実に26頭のジーワン級レースの勝ち馬となりました。母父としては1991年から2005年まで15年連続で中央首位母父種牡馬に君臨しました。
ノーザンテースト。社台グループの屋台骨を支えた、正に日本競馬史上に残る大種牡馬。その血の威光は褪せること無く、これからもサラブレッドの血統表の中で輝き続けます。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。
*
[ノーザンテースト(1971.3.15)の主な競走成績]
- フォレ賞(仏GI)、トーマスブライアン賞(仏GIII)、エクリプス賞(仏GIII)
- ムーラン・ド・ロンシャン賞(仏GI)
- ウジェーヌアダム賞(仏GII)、リゾランジ賞(仏GIII)
通算20戦5勝、2着2回、3着3回。