マチカネフクキタル(1994.5.22)-五十音にて名馬を辿る(No.31)-

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マチカネフクキタル 牡 栗毛 1994.5.22生~2020.7.31没 浦河町・信成牧場生産 馬主・細川 益男氏 栗東・二分 久男厩舎

マチカネフクキタル(1994.5.22)の4代血統表
クリスタルグリツターズ
鹿毛 1980.5.30
種付け時活性値:1.25【13】
Blushing Groom
栗毛 1974.4.8
Red God
栗毛 1954.2.15
Nasrullah 1940.3.2
Spring Run 1948
Runaway Bride
鹿毛 1962
Wild Risk 1940
Aimee 1957
Tales to Tell
鹿毛 1967.3.18
Donut King
黒鹿毛 1959.2.8
Determine 1951.4.7
Strayed 1945
Fleeting Doll
鹿毛 1961.3.15
Fleet Nasrullah 1955.5.8
Chinese Doll 1949
アテナトウシヨウ
栗毛 1981.4.1
仔受胎時活性値:1.00【12】
トウシヨウボーイ
鹿毛 1973.4.15
種付け時活性値:1.75【7】
テスコボーイ
黒鹿毛 1963
Princely Gift 1951
Suncourt 1952
ソシアルバターフライ
鹿毛 1957.4.13
Your Host 1947
Wisteria 1948
グレイトウシヨウ
芦毛 1974.3.27
仔受胎時活性値:1.50【6】
シルバーシヤーク
芦毛 1963
種付け時活性値:0.50【10】
▲Buisson Ardent 1953.2.21
Palsaka 1954
ローズトウシヨウ
鹿毛 1965.4.13
仔受胎時活性値:2.00【8】
テユーダーペリオツド
栃栗毛 1957
種付け時活性値:1.75【7】
ワカシラオキ
鹿毛 1960.4.15
仔受胎時活性値:1.00【4】

<5代血統表内のクロス:Nasrullah4×5×5、Alibhai5×5>

マチカネフクキタル(1994.5.22)の0の理論的総括
母父祖母父曾祖母父
クリスタルグリツターズ
(Blushing Groom系)
トウシヨウボーイ
(Princely Gift系)
シルバーシヤーク
(Relic系)
テユーダーペリオツド
(Owen Tudor系)
形相の遺伝料の遺伝牝系母の何番仔?
トウシヨウボーイ5.50近親シスタートウショウ
(No. 3-l フロリースカツプ系)
8番仔
(8連産目)

*

1997年の第45回神戸新聞杯(GII。阪神芝2000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢
騎手走破
時計
着差通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
14マチカネフクキタル牡356南井克巳2:00.09-9-8-1135.2500
[-2]
二分久男2
28サイレンススズカ牡356上村洋行2:00.21.1/41-1-1-136.5438
[+6]
橋田満1
37トウジントルネード牡356福永祐一2:00.946-6-6-736.4480
[+2]
北橋修二5
45ナムラキントウン牡356秋山真一郎2:00.9クビ2-2-2-336.9520
[0]
野村彰彦4
56テイエムトップダン牡356和田竜二2:00.9アタマ3-3-3-236.9500
[+16]
岩元市三8

*

1997年の第45回京都新聞杯(GII。京都芝外2200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢
騎手走破
時計
着差通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
11マチカネフクキタル牡357南井克巳2:13.16-6-8-834.2510
[+10]
二分久男1
28パルスビート牡357四位洋文2:13.23/45-5-5-534.5438
[0]
安田隆行3
36メジロブライト牡357松永幹夫2:13.31/212-12-12-1134.1456
[+2]
浅見秀一2
43ステイゴールド牡357熊沢重文2:13.51.1/26-6-7-634.7412
[-4]
池江泰郎7
52エリモダンディー牡357河北通2:13.5クビ10-10-8-834.5412
[-8]
大久保正陽5

*

1997年の第58回菊花賞(GI。京都芝3000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢騎手走破
時計
着差調教師
14マチカネフクキタル牡3南井 克巳3:07.7二分 久男3
27ダイワオーシュウ牡3柴田 善臣3:07.91二ノ宮 敬宇7
314メジロブライト牡3松永 幹夫3:07.9ハナ浅見 秀一2
415トキオエクセレント牡3吉田 豊3:07.9クビ高橋 裕8
516シルクジャスティス牡3藤田 伸二3:08.11大久保 正陽1

*

最後方からの大外強襲を見せた神戸新聞杯、中団待機から馬場中央を突き抜けた京都新聞杯、そして道中5番手の内ラチ沿いを進み4角でワンテンポ遅らせて追い出し差し切った菊花賞と、怒涛の重賞3連勝を遂げた、マチカネフクキタル。夏の福島のさくらんぼSから数えると4連勝での戴冠は、私に「連勝している時のBlushing Groom系は恐ろしいな」と思わせてくれました。

そんなマチカネフクキタルによって、「マチカネ」の冠名で知られた細川益男オーナーの、馬主歴31年目のGI初制覇は成されました。また、管理された二分久男調教師にとっても、ノースガスト(1977.3.17)による1980年の菊花賞以来、17年ぶりのGI級レースの勝利でした。

実は私、マチカネフクキタルが制した菊花賞を現地で観戦していました。持っていた馬券はマチカネフクキタルとシルクジャスティス(1994.3.18)の馬連1点だけ。

シルクジャスティス(1994.3.18)-五十音にて名馬を辿る(No.12)-
シルクジャスティス 牡 栗毛 1994.3.18生~2019.6.3没 新冠町・早田牧場新冠支場生産 馬主・(有)シルクレーシング 栗東・大久保 正陽厩舎

4角の入り口辺りに居た私は、最後の直線で、「ふじたぁ!!」と何度も叫んでいました^^;

*
マチカネフクキタルが怒涛の重賞3連勝を果たした1997年の秋は、マチカネフクキタル、シンカイウン、テイエムオオアラシと、二分厩舎のマイナー血統馬が「これでもか」と活躍しました。

1997年当時活躍した二分久男厩舎の重賞勝ち馬について
馬名
(生年月日)
[F No.]
母の
何番仔?
4代血統構成
母父祖母父曾祖母父
GIマチカネフクキタル
(1994.5.22)
[3-l フロリースカツプ系]
8番仔
(8連産目)
[5.50]
クリスタルグリツターズ
(Blushing Groom系)
トウシヨウボーイ
(Princely Gift系)
シルバーシヤーク
(Relic系)
テユーダーペリオツド
(Owen Tudor系)
GIIIシンカイウン
(1992.3.16)
[16-a]
2番仔
(不受胎後)
[4.50]
シンチェスト
(Aureole系)
ハギノカムイオー
(Princely Gift系)
ハードツービート
(Pharis系)
Wild Risk
(Rabelais系)
GIIIテイエムオオアラシ
(1993.4.18)
[12 ビユーチフルドリーマー]
初仔
(不受胎後)

[3.75]
★セクレフアスター
(Bold Ruler系)
ハギノカムイオー
(Princely Gift系)
クラウンドプリンス
(Raise a Native系)
ハードリドン
(Pharis系)

シンカイウンが朝日CC(GIII)で先鞭をつけた後、マチカネフクキタルが上述の神戸新聞杯、京都新聞杯、菊花賞の3連勝、そしてテイエムオオアラシがカブトヤマ記念(GIII)と福島記念(GIII)の2連勝と、9月以降に重賞6勝の荒稼ぎでした。記録を辿ると、テイエムオオアラシも野分特別、スカイブルーS(準OP)、カブトヤマ記念、福島記念と4連勝を飾っていました。

#シンカイウンとテイエムオオアラシの母父が共にハギノカムイオー(1979.4.1)というのが、なんともはや、涙を誘います。そしてまた、両馬共に「父の0交配馬」かつ「母が不受胎後の仔」というのも、0の理論ユーザーの琴線に触れます。

##二分師や義兄である布施正調教師が管理された活躍馬の血統を開くと、どうも、0の理論的良馬に引っ掛かる訳です。上記以外の二分師の管理馬にはシンボリ牧場生産のアグネスホープ(1975.4.23)もいますが、その母ピエザリンダ(1970.3.22)の導入には中島国治氏のいっちょがみがあったようですし、後にはシンボリルドルフ(1981.3.13)の仔ツルマルツヨシ(1995.4.6)も活躍しました。母方が名繁殖系のツルマルツヨシは種牡馬になって欲しかった。また、布施師の管理馬だったハクタイセイ(1987.4.17)、ネーハイシーザー(1990.4.27)の血統は0の理論ユーザーにはおなじみですが、ラフオンテース(1977.3.30)もその父フィルモン(1960)が満16歳時交配のミニモの遺伝馬でした。

ハクタイセイ(1987.4.17)-五十音にて名馬を辿る(No.26)-
ハクタイセイ 牡 芦毛 1987.4.17生~2013.10.28没 三石町・土田農場生産 馬主・渡辺 重夫氏 栗東・布施 正厩舎
中島国治氏関連馬(其の伍)-ネーハイシーザー(1990.4.27)-
ネーハイシーザー 牡 黒鹿毛 1990.4.27生 浦河・大道牧場生産 馬主・(株)大丸企業 栗東・布施正厩舎 ヒマラヤンブルー 牡 鹿毛 1998.3.9生 静内・畠山牧場生産 馬主・杉岡弘氏→杉岡時治氏 栗東・伊藤雄二厩舎→園田・曾和直榮厩舎

*

1994年生まれ世代は役者が揃っていて好きな世代のひとつなのですが、世代の「最も強い馬が勝つ」と言われる菊花賞を制したマチカネフクキタル、現年齢表記3歳夏から秋の煌めきは本当に強烈でした。

晩秋の淀にて目の前で見た、黒いメンコに黒の帽子、「赤、青二本輪、青袖赤二本輪」の勝負服を乗せた栗毛の疾走。これからも、忘れずに思い出して行きたいと思います。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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[マチカネフクキタル(1994.5.22)の主な競走成績]

  1. 菊花賞(GI)、京都新聞杯(GII)、神戸新聞杯(GII)
  2. 産経大阪杯(GII)、京都記念(GII)

通算22戦6勝、2着4回、3着1回。

*

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

森秀行調教師は「Sports Graphic Number」の企画で「20世紀の最強馬」としてマチカネフクキタルを挙げられたそうです。

マイシンザン
マイシンザン

それくらい現年齢表記3歳夏から秋の4連勝が印象に残る強さやった訳やね。

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

このサイトの管理人も「菊花賞を現地で見られたのは幸運やった」って言っていました。