JRA賞になって以降の年度代表馬を辿る(其の肆)-オグリキャップ(1985.3.27)-。

オグリキャップ牡芦毛 1985.3.27生～2010.7.3没三石・稲葉不奈男氏生産馬主・小栗孝一氏→佐橋五十雄氏→近藤俊典氏笠松・鷲見昌勇厩舎→栗東・瀬戸口勉厩舎

オグリキャップ(1985.3.27)の4代血統表
★ ダンシングキヤツプ芦毛 1968.2.5 種付け時活性値：0.00【16】	Native Dancer 芦毛 1950.3.27	Polynesian 黒鹿毛 1942.3.8	Unbreakable 1935
			Black Polly 1936
		Geisha 芦毛 1943	Discovery 1931
			Miyako 1935
	Merry Madcap 黒鹿毛 1962	Grey Sovereign 芦毛 1948.3.30	Nasrullah 1940.3.2
			Kong 1933
		Croft Lady 栗毛 1958	★Golden Cloud 1941
			Land of Hope 1950
ホワイトナルビー芦毛 1974.6.17 仔受胎時活性値：0.50【10】	シルバーシヤーク芦毛 1963 種付け時活性値：0.50【10】	▲Buisson Ardent 栗毛 1953.2.21	Relic 1945
			Rose o’Lynn 1944
		Palsaka 芦毛 1954	Palestine 1947
			Masaka 1945
	ネヴアーナルビー黒鹿毛 1969.2.27 仔受胎時活性値：1.00【4】	★ネヴアービート栃栗毛 1960 種付け時活性値：0.00【8】	★Never Say Die 1951.3.26
			Bride Elect 1952
		センジユウ黒鹿毛 1963.3.29 仔受胎時活性値：1.25【5】	ガーサント鹿毛 1949.4.5 種付け時活性値：1.25【13】
			スターナルビー黒鹿毛 1957.4.22 仔受胎時活性値：1.25【5】

<5代血統表内のクロス：Nasrullah4×5、Nearco5×5>

オグリキャップ(1985.3.27)の0の理論的総括
父	母父	祖母父	曾祖母父
★ダンシングキヤツプ (Native Dancer系)	シルバーシヤーク (Relic系)	★ネヴアービート (Never Say Die系)	ガーサント (Hermit系)
形相の遺伝	料の遺伝	牝系	母の何番仔?
ガーサント (Bubbles)	4.00 (【10】+【4】+【5】+【5】)	半妹オグリローマン (No. 7-d シユリリー系)	6番仔 (5連産目)

1988年の第2回ペガサスS(GIII。阪神芝1600m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)
着順	馬番	馬名	性齢	斤量	騎手	走破時計	着差	通過順位	上り 4F	馬体重 [増減]	調教師	人気
1	4	オグリキャップ	牡3	56	河内洋	1:35.6		7-8-6	47.5	482 [0]	瀬戸口勉	2
2	10	ラガーブラック	牡3	57	村本善之	1:36.1	3	2-3-4	48.5	474 [-4]	大久保正陽	1
3	1	マチカネイトハン	牝3	53	猿橋重利	1:36.3	1.1/4	3-5-4	48.5	496 [-2]	武邦彦	5
4	5	メイショウコテング	牡3	55	西浦勝一	1:36.4	3/4	6-7-8	48.4	436 [-12]	高橋直	9
5	2	ワンダーテイオー	牡3	55	増井裕	1:36.8	2.1/2	3-5-6	49.0	464 [0]	白井寿昭	3

1988年の第2回ペガサスS(GIII。阪神芝1600m)のラップタイム
1F毎のラップ	12.4 – 11.5 – 11.5 – 12.0 – 11.7 – 12.3 – 12.0 – 12.2
ラップの累計タイム	12.4 – 23.9 – 35.4 – 47.4 – 59.1 – 1:11.4 – 1:23.4 – 1:35.6
上り	4F 48.2 – 3F 36.5

1988年の第35回毎日杯(GIII。阪神芝2000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)
着順	馬番	馬名	性齢	斤量	騎手	走破時計	着差	通過順位	上り 4F	馬体重 [増減]	調教師	人気
1	10	オグリキャップ	牡3	57	河内洋	2:04.8		7-7-10-8	50.5	476 [-6]	瀬戸口勉	1
2	3	ファンドリデクター	牡3	55	岩元市三	2:04.9	クビ	4-4-2-2	51.4	480 [0]	布施正	2
3	4	インターアニマート	牡3	55	田島良保	2:05.5	3.1/2	9-5-4-3	51.9	468 [0]	福島勝	7
4	7	ヤエノムテキ	牡3	55	西浦勝一	2:05.5	ハナ	7-7-7-3	51.5	502 [-4]	荻野光男	4
5	5	メイショウコテング	牡3	55	清水英次	2:06.1	3.1/2	9-7-7-8	52.1	438 [+2]	高橋直	9

1988年の第35回毎日杯(GIII。阪神芝2000m)のラップタイム
1F毎のラップ	12.7 – 11.0 – 12.5 – 12.2 – 12.5 – 12.5 – 12.6 – 13.2 – 12.8 – 12.8
ラップの累計タイム	12.7 – 23.7 – 36.2 – 48.4 – 1:00.9 – 1:13.4 – 1:26.0 – 1:39.2 – 1:52.0 – 2:04.8
上り	4F 51.4 – 3F 38.8

1988年の第34回毎日放送賞京都4歳特別(GIII。京都芝2000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)
着順	馬番	馬名	性齢	斤量	騎手	走破時計	着差	通過順位	上り 4F	馬体重 [増減]	調教師	人気
1	15	オグリキャップ	牡3	58	南井克巳	2:03.6		11-12-8-4	49.3	480 [+4]	瀬戸口勉	1
2	12	コウエイスパート	牡3	55	安田隆行	2:04.5	5	10-9-8-4	50.1	434 [+4]	二分久男	10
3	7	フミノアチーブ	牡3	55	丸山勝秀	2:05.1	3.1/2	11-12-13-10	50.4	486 [-4]	土門一美	7
4	8	ミントビガー	牝3	53	小島貞博	2:05.4	1.3/4	8-7-5-4	51.5	430 [0]	戸山為夫	5
5	14	パワーウイナー	牡3	55	山田和広	2:05.4	アタマ	3-4-2-2	51.7	502 [-2]	二分久男	4

1988年の第34回毎日放送賞京都4歳特別(GIII。京都芝2000m)のラップタイム
1F毎のラップ	12.8 – 11.7 – 12.0 – 12.3 – 12.4 – 12.4 – 12.1 – 12.9 – 12.7 – 12.3
ラップの累計タイム	12.8 – 24.5 – 36.5 – 48.8 – 1:01.2 – 1:13.6 – 1:25.7 – 1:38.6 – 1:51.3 – 2:03.6
上り	4F 50.0 – 3F 37.9

1988年の第6回ニュージーランドT4歳S(GII。東京芝1600m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)
着順	馬番	馬名	性齢	斤量	騎手	走破時計	着差	通過順位	上り 4F	馬体重 [増減]	調教師	人気
1	11	オグリキャップ	牡3	56	河内洋	1:34.0		7-4	47.1	480 [0]	瀬戸口勉	1
2	9	リンドホシ	牡3	56	的場均	1:35.2	7	10-9	48.0	478 [-2]	佐藤林次郎	3
3	4	トマム	牡3	56	柴田政人	1:35.3	3/4	9-7	48.2	460 [0]	畠山重則	2
4	10	ミスターブラウン	牡3	56	増沢末夫	1:35.6	2	5-4	48.8	456 [+2]	森安弘昭	5
5	12	ヤエノダイヤ	牡3	56	田島良保	1:36.1	3	3-2	49.6	484 [+2]	荻野光男	9

1988年の第6回ニュージーランドT4歳S(GII。東京芝1600m)のラップタイム
1F毎のラップ	11.9 – 10.5 – 11.6 – 12.0 – 12.1 – 12.2 – 12.1 – 11.6
ラップの累計タイム	11.9 – 22.4 – 34.0 – 46.0 – 58.1 – 1:10.3 – 1:22.4 – 1:34.0
上り	4F 48.0 – 3F 35.9

1988年の第18回高松宮杯(GII。中京芝2000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)
着順	馬番	馬名	性齢	斤量	騎手	走破時計	着差	通過順位	上り 3F	馬体重 [増減]	調教師	人気
1	2	オグリキャップ	牡3	55	河内洋	1:59.0	レコード	4-4-3-2	34.5	478 [-2]	瀬戸口勉	1
2	3	ランドヒリュウ	牡6	57	南井克巳	1:59.2	1.1/4	1-1-1-1	35.0	508 [+8]	小林稔	2
3	1	コスモドリーム	牝3	52	熊沢重文	1:59.9	4	6-6-5-6	35.1	442 [-4]	松田博資	4
4	6	タニノスイセイ	牡5	57	土肥幸広	2:00.5	3.1/2	8-8-5-4	35.9	446 [-6]	宮本悳	6
5	5	プレジデントシチー	牡5	57	田島信行	2:00.7	1.1/2	4-4-3-4	36.2	476 [-6]	中尾謙太郎	3

1988年の第18回高松宮杯(GII。中京芝2000m)のラップタイム
1F毎のラップ	12.9 – 11.4 – 11.8 – 12.3 – 12.1 – 11.9 – 11.8 – 11.6 – 11.6 – 11.6
ラップの累計タイム	12.9 – 24.3 – 36.1 – 48.4 – 1:00.5 – 1:12.4 – 1:24.2 – 1:35.8 – 1:47.4 – 1:59.0
上り	4F 46.6 – 3F 34.8

1988年の第39回毎日王冠(GII。東京芝1800m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)
着順	馬番	馬名	性齢	斤量	騎手	走破時計	着差	通過順位	上り 4F	馬体重 [増減]	調教師	人気
1	8	オグリキャップ	牡3	56	河内洋	1:49.2		9-8-8	47.2	494 [+16]	瀬戸口勉	1
2	7	シリウスシンボリ	牡6	59	加藤和宏	1:49.4	1.1/4	7-8-8	47.4	506 [-14]	二本柳俊夫	4
3	5	ボールドノースマン	牡4	57	柴田政人	1:49.6	1.1/4	4-3-3	47.8	464 [-10]	稗田研二	3
4	4	ランニングフリー	牡5	57	菅原泰夫	1:49.7	クビ	3-3-6	47.9	444 [-8]	本郷一彦	5
5	9	ダイナアクトレス	牝5	56	岡部幸雄	1:50.1	2.1/2	4-3-3	48.3	480 [+12]	矢野進	2

1988年の第39回毎日王冠(GII。東京芝1800m)のラップタイム
1F毎のラップ	12.8 – 11.8 – 12.3 – 12.3 – 12.3 – 11.7 – 12.0 – 11.6 – 12.4
ラップの累計タイム	12.8 – 24.6 – 36.9 – 49.2 – 1:01.5 – 1:13.2 – 1:25.2 – 1:36.8 – 1:49.2
上り	4F 47.7 – 3F 36.0

1988年の第33回有馬記念(GI。中山芝2500m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)
着順	馬番	馬名	性齢	騎手	走破時計	着差	調教師	人気
1	10	オグリキャップ	牡3	岡部幸雄	2:33.9		瀬戸口勉	2
2	11	タマモクロス	牡4	南井克巳	2:34.0	1/2	小原伊佐美	1
3	5	サッカーボーイ	牡3	河内洋	2:34.3	1/2＋1・1/2	小野幸治	3
4	1	ランニングフリー	牡5	菅原泰夫	2:34.4	クビ	本郷一彦	10
5	8	メジロデュレン	牡5	村本善之	2:34.6	1	池江泰郎	7

1988年の第33回有馬記念(GI。中山芝2500m)のラップタイム
1F毎のラップ	6.8 – 11.5 – 12.6 – 12.8 – 12.7 – 13.0 – 12.8 – 12.4 – 11.5 – 11.9 – 12.0 – 12.2 – 11.7
ラップの累計タイム	6.8 – 18.3 – 30.9 – 43.7 – 56.4 – 1:09.4 – 1:22.2 – 1:34.6 – 1:46.1 – 1:58.0 – 2:10.0 – 2:22.2 – 2:33.9
上り	4F 47.8 – 3F 35.9

昭和最後の年となった1988年。オグリキャップが天皇賞・秋(GI)、ジャパンカップ(GI)を共に0秒2差、1と4分の1馬身だけ後塵を拝していた相手が、1年先輩の芦毛馬タマモクロス(1984.5.23)でした。そんなタマモクロスの引退レースが第33回有馬記念。ここで勝てなければ、ずっとタマモクロスに勝てなかったと言われてしまう。覇気の塊だったオグリキャップ、「三度目の正直」となるこの一戦で、ようやく一矢報いたのでした。

1989年の第35回産經賞オールカマー(GIII。中山芝2200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)
着順	馬番	馬名	性齢	斤量	騎手	走破時計	着差	通過順位	上り 3F	馬体重 [増減]	調教師	人気
1	11	オグリキャップ	牡4	57	南井克巳	2:12.4	レコード	5-5-5-4	34.7	490 [-2]	瀬戸口勉	1
2	5	オールダッシュ	せん5	56	柴田善臣	2:12.7	1.3/4	8-8-9-9	34.6	468 [+2]	田中和夫	8
3	12	ミスターブランディ	牡7	56	津留千彰	2:13.0	1.3/4	2-2-2-1	35.9	474 [0]	大和田稔	6
4	13	ランニングフリー	牡6	56	菅原泰夫	2:13.0	クビ	10-10-9-6	35.0	450 [+4]	本郷一彦	4
5	1	ロジータ	牝3	53	野崎武司	2:13.1	3/4	3-3-3-3	35.7	452 [0]	福島幸三	3

1989年の第35回産經賞オールカマー(GIII。中山芝2200m)のラップタイム
1F毎のラップ	12.3 – 11.4 – 12.5 – 12.8 – 12.6 – 12.0 – 11.9 – 11.6 – 11.4 – 11.9 – 12.0
ラップの累計タイム	12.3 – 23.7 – 36.2 – 49.0 – 1:01.6 – 1:13.6 – 1:25.5 – 1:37.1 – 1:48.5 – 2:00.4 – 2:12.4
上り	4F 46.9 – 3F 35.3

1989年の第40回毎日王冠(GII。東京芝1800m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)
着順	馬番	馬名	性齢	斤量	騎手	走破時計	着差	通過順位	上り 4F	馬体重 [増減]	調教師	人気
1	6	オグリキャップ	牡4	59	南井克巳	1:46.7		6-4-4	46.3	498 [+8]	瀬戸口勉	1
2	4	イナリワン	牡5	59	柴田政人	1:46.7	ハナ	7-7-7	46.0	446 [-6]	鈴木清	3
3	7	メジロアルダン	牡4	58	岡部幸雄	1:46.9	1.1/2	3-3-3	46.7	512 [+8]	奥平真治	2
4	5	ウインドミル	牡4	57	蛯沢誠治	1:47.0	クビ	2-2-2	47.2	472 [0]	久保田敏夫	7
5	3	グランドキャニオン	牡4	57	東信二	1:47.2	1.1/2	3-4-4	46.8	460 [-6]	新関力	4

1989年の第40回毎日王冠(GII。東京芝1800m)のラップタイム
1F毎のラップ	12.3 – 11.2 – 11.6 – 12.1 – 12.0 – 12.1 – 12.1 – 11.7 – 11.6
ラップの累計タイム	12.3 – 23.5 – 35.1 – 47.2 – 59.2 – 1:11.3 – 1:23.4 – 1:35.1 – 1:46.7
上り	4F 47.5 – 3F 35.4

1989年の第6回マイルチャンピオンシップ(GI。京都芝1600m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)
着順	馬番	馬名	性齢	斤量	騎手	走破時計	着差	通過順位	上り 4F	馬体重 [増減]	調教師	人気
1	1	オグリキャップ	牡4	57	南井克巳	1:34.6		5-5	47.2	496 [0]	瀬戸口勉	1
2	4	バンブーメモリー	牡4	57	武豊	1:34.6	ハナ	8-5	46.9	500 [+4]	武邦彦	2
3	11	ホクトヘリオス	牡5	57	柴田善臣	1:35.3	4	14-13	46.9	468 [+4]	中野隆良	3
4	6	ルイジアナピット	牝4	55	岡潤一郎	1:35.6	2	13-13	47.4	428 [-10]	中村好夫	7
5	15	サンキンハヤテ	牡5	57	田島信行	1:35.8	1	16-13	47.0	434 [-6]	橋口弘次郎	14

1989年の第6回マイルチャンピオンシップ(GI。京都芝1600m)のラップタイム
1F毎のラップ	12.6 – 11.1 – 11.6 – 11.7 – 11.7 – 12.0 – 11.9 – 12.0
ラップの累計タイム	12.6 – 23.7 – 35.3 – 47.0 – 58.7 – 1:10.7 – 1:22.6 – 1:34.6
上り	4F 47.6 – 3F 35.9

関西テレビの中継では「負けられない南井克巳!譲れない武豊!」という、杉本清アナウンサーの名文句がゴール後に発せられた一戦。直線、先を行くバンブーメモリー(1985.5.14)と武豊騎手の姿からは、どう見ても届くはずがない感じだったのに、結局最後は内から「ハナ」だけ差し切ってしまった、オグリキャップと南井克巳騎手(現調教師)。なんという勝負根性。

オグリキャップの強さにしびれるこのレース、ぜひ動画をご覧ください。JRAも良い仕事をしていて、YouTubeのJRA公式チャンネルでは、グレード制導入後のGIレースについて、全レースの動画をアップしてくれています。多謝。

1989年の第9回ジャパンカップ(GI。東京芝2400m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)
着順	馬番	馬名	性齢	騎手	走破時計	着差	調教師	人気
1	2	ホーリックス	牝6	L.A.オサリバン	2:22.2	世界レコード	D.J.オサリバン	9
2	3	オグリキャップ	牡4	南井克巳	2:22.2	クビ	瀬戸口勉	2
3	14	ペイザバトラー	牡5	C.マッキャロン	2:22.7	3	R.フランケル	6
4	6	スーパークリーク	牡4	武豊	2:22.7	クビ	伊藤修司	1
5	8	ホークスター	牡3	R.ベーズ	2:22.9	1	R.マッカナリー	3

1989年の第9回ジャパンカップ(GI。東京芝2400m)のラップタイム
1F毎のラップ	13.0 – 11.1 – 11.5 – 11.4 – 11.5 – 12.0 – 12.0 – 11.6 – 11.7 – 12.2 – 11.9 – 12.3
ラップの累計タイム	13.0 – 24.1 – 35.6 – 47.0 – 58.5 – 1:10.5 – 1:22.5 – 1:34.1 – 1:45.8 – 1:58.0 – 2:09.9 – 2:22.2
上り	4F 48.1 – 3F 36.4

オグリキャップが敗れたレースではありますが、彼を語る際には、やはりこのレースを外す訳にはいきません。上述のマイルチャンピオンシップからのGI連闘で挑んだ、1989年の第9回ジャパンカップ。

元号が昭和から平成に変わった1989年、第9回ジャパンカップは芝12F2分22秒8というワールドレコードを持っていたホークスター(1986.2.19)の参戦もあり、世界の強豪と日本馬のスピード比べも楽しみとされました。

けれど、まさか芝2400mの世界記録が叩き出されようとは、戦前、誰が想像したでしょうか。いえ、サスガに誰も想像だにしなかったのではないでしょうか。

ジャパンカップ戦前まで4連勝中だったイブンベイ(1984.3.22)が~~阿呆みたいに~~ブンブン飛ばした結果、1800mの通過が1分45秒8と当時の日本レコードよりも速く、2200mの通過は現在の日本レコードと同じ2分9秒9というラップになっています。そうして、ゴールに辿り着いてみれば、2枠2頭、芦毛の現年齢表記6歳牝馬と現年齢表記4歳牡馬が刻んだ走破時計は｢2分22秒2｣。それまでの東京芝2400mのレコードが、1987年のジャパンカップ勝ち馬ルグロリュー(1984.2.18)による2分24秒9。一気に2秒7も縮めてしまった、驚愕かつ超絶の世界レコードでした。

1990年の第40回安田記念(GI。東京芝1600m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)
着順	馬番	馬名	性齢	騎手	走破時計	着差	調教師	人気
1	9	オグリキャップ	牡5	武豊	1:32.4	レコード	瀬戸口勉	1
2	12	ヤエノムテキ	牡5	岡部幸雄	1:32.7	2	荻野光男	4
3	14	オサイチジョージ	牡4	丸山勝秀	1:32.8	クビ	土門一美	2
4	15	シンウインド	牝6	南井克巳	1:33.0	1・1/2	二分久男	6
5	4	ホクトヘリオス	牡6	柴田善臣	1:33.4	2・1/2	中野隆良	5

1990年の第40回安田記念(GI。東京芝1600m)のラップタイム
1F毎のラップ	12.4 – 10.8 – 11.2 – 11.4 – 11.4 – 11.8 – 11.6 – 11.8
ラップの累計タイム	12.4 – 23.2 – 34.4 – 45.8 – 57.2 – 1:09.0 – 1:20.6 – 1:32.4
上り	4F 46.6 – 3F 35.2

「平成の天才」武豊騎手との初コンビとなった、1990年の第40回安田記念。前年の第34回有馬記念5着からぶっつけでの挑戦でしたが、番手先行から事も無げに抜け出し、1分32秒4のコースレコードで快勝を収めました。オグリキャップは笠松から中央に掛けて1600m戦では7戦7勝の負け無し。中央デビュー戦となったペガサスS、馬なりで1分34秒0を叩き出してしまったニュージーランドトロフィー4歳S、上述のマイルチャンピオンシップ、そしてこの安田記念を見るに付け、本質はやはりマイラーだったのでしょう。だって強すぎますもの、マイル戦のレースぶりが。

↑の0の理論的総括で示したとおり、オグリキャップの最優性先祖は、曾祖母父ガーサント。ガーサントは現役時代に14戦8勝を挙げ、その主な勝ち鞍に仏2000ギニー(現GI)、ガネー賞(現仏GI)、フォレ賞(現仏GI)、ハードウィックS(現英GII)、コロネーションS(現ブリガディアジェラードS、英GIII)、ジェベル賞(現仏GIII)と、1400mから12Fまでの距離で重賞6勝の名馬。特に仏2000ギニーは1分37秒47という当時のレコードタイムでの優勝でした。ガーサントは種牡馬として愛セントレジャー(現GI)馬Barclay(1956)、菊花賞(現GI)と天皇賞・秋(現GI)を制したニットエイト(1964.4.10)、優駿牝馬(現GI)の勝ち馬2頭ヒロヨシ(1963.4.6)&シャダイターキン(1966.3.16)、桜花賞(現GI)馬コウユウ(1965.4.15)と、距離の長短を問わない現GIレース勝ち産駒を送り込みました。そんなガーサントの競走成績と産駒成績が、そのままオグリキャップに現れているようにも思います。

なお、1分32秒4のコースレコードは、2002年の東京競馬場の馬場改修前までは、結局、破られることなく残り続けました。馬場改修後の初回となる2003年の第53回安田記念で、オグリキャップ同様にオールラウンダーの活躍を見せたアグネスデジタル(1997.5.15)が、1分32秒1のタイムを以て、ようやくレコードを塗り替えたのでした。

1990年の第35回有馬記念(GI。中山芝2500m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)
着順	馬番	馬名	性齢	騎手	走破時計	着差	調教師	人気
1	8	オグリキャップ	牡5	武豊	2:34.2		瀬戸口勉	4
2	5	メジロライアン	牡3	横山典弘	2:34.3	3/4	奥平真治	3
3	13	ホワイトストーン	牡3	柴田政人	2:34.4	クビ	高松邦男	1
4	3	オサイチジョージ	牡4	丸山勝秀	2:34.5	1/2	土門一美	5
5	1	オースミシャダイ	牡4	松永昌博	2:34.6	3/4	武邦彦	12

1990年の第35回有馬記念(GI。中山芝2500m)のラップタイム
1F毎のラップ	7.0 – 12.2 – 12.2 – 12.7 – 13.0 – 13.4 – 13.1 – 12.0 – 11.4 – 11.8 – 11.7 – 11.5 – 12.2
ラップの累計タイム	7.0 – 19.2 – 31.4 – 44.1 – 57.1 – 1:10.5 – 1:23.6 – 1:35.6 – 1:47.0 – 1:58.8 – 2:10.5 – 2:22.0 – 2:34.2
上り	4F 47.2 – 3F 35.4

天皇賞・秋(GI)6着、ジャパンカップ(GI)11着と精彩を欠いてしまった、1990年秋のオグリキャップ。「サスガのオグリも限界か……」と思ったファンも多かったでしょう。けれど、真のスーパースターは、最後の最後、自身の引退レースで勝利を収めるという、最高の幕引きを見せたのでした。

第35回有馬記念の当日には、しのぎを削った好敵手の1頭、イナリワン(1984.5.7)の引退式が行われました。前年の有馬記念勝ち馬イナリワンが辿った、1989年秋の戦績も、奇しくも天皇賞・秋6着、ジャパンカップ11着。

千両役者は、暮れの大一番で鮮やかに巻き返すものなのですね。

時折しもバブル全盛期、泡沫の夢の中に現れた、ひたむきさの権化。

人が、彼の中に見たのは、一体何だったのでしょう。

それは、人が忘れかけそうになった、「心」そのものだったのかも知れません。

それ故に、オグリキャップ。

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

[オグリキャップ(1985.3.27)の主な競走成績]

有馬記念(GI)2回、安田記念(GI)、マイルチャンピオンシップ(GI)、毎日王冠(GII)2回、高松宮杯(GII)、ニュージーランドT4歳S(GII)、オールカマー(GIII)、京都4歳特別(GIII)、毎日杯(GIII)、ペガサスS(GIII)、中京盃、ゴールドジュニア、ジュニアグランプリ、ジュニアクラウン、秋風ジュニア
ジャパンカップ(GI)、天皇賞・秋(GI)2回、宝塚記念(GI)
ジャパンカップ(GI)

通算32戦22勝、2着6回、3着1回。

#2023年02月05日(日)記事改め。