年度代表馬の同期生を辿る(其の弐拾陸)-ヒシミラクル(1999.3.31)-

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ヒシミラクル 牡 芦毛 1999.3.31生 三石・大塚牧場生産 馬主・阿部雅一郎氏 栗東・佐山優厩舎

ヒシミラクル(1999.3.31)の4代血統表
サツカーボーイ
栃栗毛 1985.4.28
種付け時活性値:1.25【13】
デイクタス
栗毛 1967.4.11
Sanctus
鹿毛 1960.2.28
Fine Top 1949.4.12
Sanelta 1954
Doronic
栗毛 1960.3.25
Worden 1949.3.7
Dulzetta 1954.2.9
ダイナサツシユ
鹿毛 1979.3.16
ノーザンテースト
栗毛 1971.3.15
Northern Dancer 1961.5.27
Lady Victoria 1962.2.20
ロイヤルサツシユ
鹿毛 1966
Princely Gift 1951
Sash of Honour 1957
シュンサクヨシコ
芦毛 1992.4.15
仔受胎時活性値:1.50【6】
シエイデイハイツ
鹿毛 1984.5.17
種付け時活性値:1.75【7】
★Shirley Heights
鹿毛 1975.3.1
Mill Reef 1968.2.23
Hardiemma 1969
Vaguely
栗毛 1974
Bold Lad 1964
Vaguely Mine 1969
シユンサクレデイ
芦毛 1979.3.3
仔受胎時活性値:1.00【12】
ラナーク
芦毛 1963
種付け時活性値:1.75【15】
Grey Sovereign 1948.3.30
Vermilion O’Toole 1952
ムーンフイニツクス
黒鹿毛 1970.4.26
仔受胎時活性値:2.00【8】
フイダルゴ
鹿毛 1956
種付け時活性値:1.25【13】
ミチアサ
黒鹿毛 1960.3.29
仔受胎時活性値:0.25【9】

<5代血統表内のクロス:Nasrullah5×5>

ヒシミラクル(1999.3.31)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
サツカーボーイ
(Fine Top系)
シエイデイハイツ
(Mill Reef系)
ラナーク
(Grey Sovereign系)
フイダルゴ
(Nearco系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
シエイデイハイツ 4.75 オサイチジョージと同牝系
(No. 16-c ヘレンサーフ系)
3番仔
(3連産目)

*

第63回菊花賞(GI)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 2 ヒシミラクル 牡3 57 角田晃一 3:05.9 35.2 460
[+4]
佐山優 10
2 7 ファストタテヤマ 牡3 57 安田康彦 3:05.9 ハナ 34.8 448
[+10]
安田伊佐夫 16
3 14 メガスターダム 牡3 57 松永幹夫 3:06.0 1/2 35.4 498
[+2]
山本正司 3
4 3 アドマイヤドン 牡3 57 藤田伸二 3:06.4 2.1/2 35.6 456
[-4]
松田博資 5
5 16 バランスオブゲーム 牡3 57 田中勝春 3:06.5 クビ 35.7 454
[-4]
宗像義忠 6

2002年の第63回菊花賞。スタート直後に1番人気の第62代皐月賞(GI)馬ノーリーズン(1999.6.4)が落馬競走中止という波乱の幕開けとなった一戦。波乱は大波乱を呼び、最後は10番人気のヒシミラクルと16番人気のファストタテヤマ(1999.5.30)の決着。ヒシミラクル、道中は後方14番手、淀の勝負どころである坂の下りで7番手あたりまで進出すると、直線の入り口ではメガスターダム(1999.4.2)と共に先頭。メガスターダムとの追い比べでは脚色が勝ったヒシミラクル、決勝点では淀重賞2勝のファストタテヤマの猛追を「ハナ」だけ退けて、見事に第63代菊花賞馬に輝きました。

「秋に昇るHampton系」らしさを見せた、ヒシミラクル。サッカーボーイ産駒として、ナリタトップロード(1996.4.4)ティコティコタック(1997.3.11)に続く、秋の淀の3歳限定GI勝ち馬となりました。

*

第127回天皇賞・春(GI)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 11 ヒシミラクル 牡4 58 角田晃一 3:17.0 35.6 454
[-4]
佐山優 7
2 14 サンライズジェガー 牡5 58 後藤浩輝 3:17.1 1/2 35.4 470
[+2]
福永甲 8
3 12 ダイタクバートラム 牡5 58 武豊 3:17.1 クビ 35.6 506
[0]
橋口弘次郎 1
4 4 ツルマルボーイ 牡5 58 横山典弘 3:17.3 1.1/4 35.7 460
[-10]
橋口弘次郎 2
5 7 ダンツフレーム 牡5 58 藤田伸二 3:17.3 アタマ 36.0 510
[0]
山内研二 9

2003年の第127回天皇賞・春。阪神大賞典(GII)12着、大阪杯(当時GII、現GI)7着と、年明けの2戦も凡走を見せたヒシミラクルでしたが、大一番で見事に巻き返しました。この勝負強さが、サスガに菊花賞馬の底力。

この2003年の第127回天皇賞・春は、思い出のある天皇賞・春でして、予想が◎ヒシミラクル、△サンライズジェガー(1998.5.19)、○ダイタクバートラム(1998.4.2)でしたから、良い予想だったのです。が、当日は仕事があり、馬券は買えず(笑)。ヒシミラクルを本命にしていたのは、もちろん菊花賞馬ということもありましたが、大阪杯の追い込みの脚色が良く、印象が強く残ったのでした。

*

第44回宝塚記念(GI)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 10 ヒシミラクル 牡4 58 角田晃一 2:12.0 36.0 454
[0]
佐山優 6
2 9 ツルマルボーイ 牡5 58 横山典弘 2:12.0 クビ 35.6 458
[0]
橋口弘次郎 8
3 16 タップダンスシチー 牡6 58 佐藤哲三 2:12.2 1.1/2 37.0 500
[-2]
佐々木晶三 4
4 6 ネオユニヴァース 牡3 53 M.デムーロ 2:12.3 クビ 36.1 490
[+4]
瀬戸口勉 2
5 5 シンボリクリスエス 牡4 58 K.デザーモ 2:12.3 クビ 37.0 524
[-4]
藤沢和雄 1

2003年の第44回宝塚記念。伊達や酔狂で菊花賞、天皇賞・春を勝てるものではない。前年の年度代表馬シンボリクリスエス(1999.1.21)、果敢に挑戦して来た3歳の二冠牡馬ネオユニヴァース(2000.5.21)、後にGI馬となるタップダンスシチー(1997.3.16)ツルマルボーイ(1998.3.5)等を抑えて、ヒシミラクル。仁川芝2200mの中距離の舞台でも、その強さを見せたのでした。この宝塚記念には、防衛王者のダンツフレーム(1998.4.19)、GI6勝のアグネスデジタル(1997.5.15)、GI2勝のイーグルカフェ(1997.2.10)等も出走しており、豪華メンバーとなったレースでした。

*

ヒシミラクル。芦毛で菊花賞、天皇賞・春、宝塚記念のGI3勝というと、ビワハヤヒデ(1990.3.10)と同じGI勝ち成績。成績を振り返れば、ビワハヤヒデは超優等生、ヒシミラクルは一発大駆けでしたが、共に印象に残る強者です。

ヒシミラクルという馬は、道中追いっぱなしで追走が大変そうでも、4コーナーで周りの馬があらあらになってから、1番良い脚色を見せるという不思議な馬でした。無尽蔵のスタミナを持って、ライバルを蹴落としていく。

そんなヒシミラクルが斤量59kgを背負いながら、先行2番手で押し進めたのが、4歳秋の京都大賞典(GII)。逃げたタップダンスシチーの直後に付けたヒシミラクル。結果は2着でしたが、それまでに見せたレーススタイルとは違い、楽に先行した姿を見て「馬が本物になったのか」と思ったものです。

ただ、悲しいかな、このレースの後に、右前脚繋靭帯炎を発症。もう一度強いヒシミラクルを見たかったのですが、6歳時の京都記念(GII)で60kgを背負いながら3着に入ったのが、最後の輝きでした。

*

現在は北海道は浦河の中村雅明さんの牧場で余生を過ごしている、ヒシミラクル。すっかり白くなったようですが、いつまでも元気でいて欲しいと願う、思い出深い名馬です。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[ヒシミラクル(1999.3.31)の主な競走成績]

  1. 菊花賞(GI)、天皇賞・春(GI)、宝塚記念(GI)
  2. 京都大賞典(GII)
  3. 京都記念(GII)

通算28戦6勝、2着3回、3着4回。

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