Auguste Rodin(オーギュストロダン) 牡 青鹿毛 2020.1.26生 愛国・Coolmore生産 馬主・M Tabor & D Smith & Mrs J Magnier & Westerberg 愛国・A P O’Brien厩舎
ディープインパクト 鹿毛 2002.3.25 種付け時活性値:0.25【17】 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
Cosmah 1953.4.4 | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 1963.2.17 | ||
Mountain Flower 1964.3.23 | |||
ウインドインハーヘア 鹿毛 1991.2.20 |
▲Alzao 鹿毛 1980.2.28 |
Lyphard 1969.5.10 | |
Lady Rebecca 1971.2.28 | |||
Burghclere 鹿毛 1977.4.26 |
Busted 1963.3.16 | ||
Highclere 1971.4.9 | |||
ロードデンドロン 鹿毛 2014.2.11 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
Galileo 鹿毛 1998.3.30 種付け時活性値:1.75【15】 |
★Sadler’s Wells 鹿毛 1981.4.11 |
Northern Dancer 1961.5.27 |
Fairy Bridge 1975.5.4 | |||
Urban Sea 栗毛 1989.2.18 |
Miswaki 1978.2.22 | ||
Allegretta 1978.3.10 | |||
Halfway To Heaven 黒鹿毛 2005.4.25 仔受胎時活性値:2.00【8】 |
Pivotal 栗毛 1993.1.19 種付け時活性値:0.75【11】 |
Polar Falcon 1987.6.1 | |
Fearless Revival 1987.3.3 | |||
Cassandra Go 芦毛 1996.4.3 仔受胎時活性値:2.00【8】 |
Indian Ridge 栗毛 1985.3.22 種付け時活性値:0.50【10】 |
||
Rahaam 芦毛 1987.3.4 仔受胎時活性値:2.00【8】 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×4>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ディープインパクト (サンデーサイレンス系) |
Galileo (Sadler’s Wells系) |
Pivotal (Nureyev系) |
Indian Ridge (Clarion系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Galileo (Gold Digger) |
7.25 (【5】+【8】+【8】+【8】) |
母と祖母がGI3勝で叔母がGI7勝 (No. 3-d) |
初仔 |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破時計 ・着差 |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | Auguste Rodin | 牡3 | 58.1 | Ryan Moore | 2:33.24 | A P O’Brien | 1 |
2 | 1 | Adelaide River | 牡3 | 58.1 | Seamie Heffernan | 1 1/2 | A P O’Brien | 6 |
3 | 3 | Covent Garden | 牡3 | 58.1 | Declan McDonogh | 2 1/4 | A P O’Brien | 9 |
4 | 4 | Peking Opera | 牡3 | 58.1 | Tom Marquand | 5 1/2 | A P O’Brien | 8 |
5 | 8 | Up And Under | 牡3 | 58.1 | Mikey Sheehy | 1 1/2 | Joseph Patrick O’Brien | 5 |
ディープインパクト産駒Auguste Rodin、史上19頭目の英愛ダービーダブル制覇、成る。9頭立てを先行3番手から進めたAuguste Rodin、9ハロンから10ハロンに掛けて僚馬San Antonio(2020.1.27)にアクシデントが発生しましたが、それを内からくぐり抜けると、カラの直線およそ545ヤードでは逃げた僚馬Adelaide River(2020.3.11)との一騎打ち。シーミー・ヘファーナン騎手に鼓舞されたAdelaide Riverの粘りも見事でしたが、それをねじ伏せたのはサスガに英ダービー(GI)馬Auguste Rodinとライアン・ムーア騎手というところで、ゴール地点では1馬身半差を着けていました。Auguste Rodin、強い!!
上段で「史上19頭目の英愛ダービーダブル制覇」と記しました。そんな英愛ダービーダブル制覇を遂げた19頭を記しておきますと、
- Orby(1904)
→史上初の英愛ダービーダブル制覇を果たしたOrbyは、日本でも直曾孫ダイオライト(1927)を通じて大きな影響を残しました。はい、日本競馬史上初の三冠馬セントライト(1938.4.2)の父がダイオライトです - Santa Claus(1961)
→英ダービーの2着がインデイアナ(1961)、愛ダービーの2着がライオンハーテツド(1961)と後の本邦輸入種牡馬を負かしてのダブル制覇でした - Nijinsky(1967.2.21)
→言わずと知れた「偉大なる」Nijinsky。英国や仏国ではレスター・ピゴット騎手、愛国ではリアム・ウォード騎手が手綱を取りました - グランデイ(1972.4.3)
→英愛ダービー勝ちの後に挑んだ”キング・ジョージ”(英GI)のBustino(1971.4.14)との一騎打ちが「世紀のレース」としても知られています。私が競馬を見始めた頃に走っていた産駒ワンダーワーロック(1989.3.23)も懐かしい - The Minstrel(1974.3.11)
→栗毛の流星が炎の闘志を燃やして、叔父Nijinskyに続いて英ダービー、愛ダービー、さらに”キング・ジョージ”と連勝。愛ダービーの2着は叔父の仔ラツキーソヴリン(1974.1.28)でした - Shirley Heights(1975.3.1)
→英ダービーをアタマ差勝ち、愛ダービーを短アタマ差勝ちと勝負強さを見せた、Mill Reef(1968.2.23)の仔。世界的にはDarshaan(1981.4.18)やSlip Anchor(1982.4.5)の父ですが、日本では薔薇一族の開祖とも言うべきロゼカラー(1993.2.15)の父としても印象に残っています - Troy(1976.3.25)
→記念の第200回英ダービーを7馬身差で制したTroy、日本ではピルサドスキー(1992.4.23)、ファインモーション(1999.1.27)兄妹の母父としても知られています。ピルサドスキーと同じウェインストック卿の勝負服でした - Shergar(1978.3.3)
→英ダービーを10馬身差、愛ダービーを4馬身差で制したアガ・カーンIV世の傑作は誘拐事件の被害に遭い、消息が分からず行方不明のまま……。仔アウザール(1983.5.17)、孫イブキラジョウモン(1992.3.23)という名前も懐かしい - シャーラスタニ(1983.3.27)
→欧州選手権距離ヴィンテージ世代の一角を担ったNijinskyの仔、英ダービーはダンシングブレーヴ(1983.5.11)を半馬身凌ぐと、愛ダービーでは8馬身差の圧勝を見せました - Kahyasi(1985.4.2)
→名前を連ねてみればShergar、シャーラスタニに続くアガ・カーンIV世の持ち馬。私が最も好きなNijinsky系種牡馬であるイルドブルボン(1975.5.23)の仔は、日本ではカラジ(1995.2.20)の父、世界的にはHasili(1991.3.12)の父、Zarkava(2005.3.31)の母父としても知られています - ジェネラス(1988.2.8)
→英愛ダービー、”キング・ジョージ”を3連勝した時の鞍上はJRA短期免許の嚆矢とも言うべきアラン・ムンロ騎手でした。半弟オースミタイクーン(1991.3.23)、半妹Imagine(1998.2.20)。尊ぶべきは母Doff the Derby(1981.5.13) - コマンダーインチーフ(1990.5.18)
→父ダンシングブレーヴが2着に敗れた英ダービーの無念を晴らした孝行息子は、そのまま無敗で愛ダービーも制覇。英ダービーは当時は代打屋でもあったマイケル・キネーン騎手のテン乗りによる勝利でした - Sinndar(1997.2.27)
→3年連続で「バリサックスS、愛ダービートライアルS、英ダービー、愛ダービー」の連勝を果たす名馬たちの始まりを飾った20世紀末の最強馬Sinndar。ジョニー・ムルタ騎手を世界的な表舞台に立たせた馬という感もあります - Galileo(1998.3.30)
→言わずと知れた21世紀最初のワンダーホースにして種牡馬の巨星。英愛ダービーの後の”キング・ジョージ”勝ちを正面から捉えた写真が印象に残っています - High Chaparral(1999.3.1)
→近年の英ダービー馬にしては珍しく2歳、3歳、4歳と3年連続でGI勝ちを果たした、Sadler’s Wells(1981.4.11)産駒の中で私が1番好きな馬 - Camelot(2009.3.5)
→2歳時から数えればメイドン、レーシングポストT(英GI)、英2000ギニー(GI)、英ダービー、愛ダービーとデビュー以来5連勝でGI4連勝。それはNijinsky以来となる英三冠馬を狙いたくなります。Montjeu(1996.4.4)産駒の天才でした - Australia(2011.4.8)
→父Galileo、母Ouija Board(2001.3.6)というピッカピカの超良血馬Australia、今回の愛ダービーで2着だったAdelaide Riverの父でもあります。豪州の連想ですね - Harzand(2013.3.6)
→父Sea The Stars(2006.4.6)との父仔2代の英ダービー制覇の後、愛ダービーも制したアガ・カーンIV世の持ち馬5頭目の英愛ダービー馬 - Auguste Rodin(2020.1.26)
→本稿の主役。2歳時にマイルGIを勝ち、3歳時に英愛ダービー勝ち。オブライエン師が本物のクラシック血統
とおっしゃるのも頷けます
名前を列挙するだけで大変ですが「本物の名馬」しか成し得ない偉業を果たしたAuguste Rodin、名だたる先達に追い付け追い越せとばかりに、さらなる活躍を見せて欲しいと願います。
*
Auguste Rodinの鞍上のライアン・ムーア騎手は愛ダービー初制覇、そして管理されるエイダン・パトリック・オブライエン調教師は欧州クラシック100勝目(!)。前者は「超意外」な感がしますけれど、後者は「さもありなん」感が凄い。そんなオブライエン師は愛ダービー15勝目(!!)。もはや訳が分かりませんが15勝の内訳を確認しますと、デザートキング(1994.3.31)、Galileo、High Chaparral、Dylan Thomas(2003.4.23)、Soldier of Fortune(2004.2.20)、Frozen Fire(2005.2.19)、Fame And Glory(2006.3.20)、ケープブランコ(2007.4.20)、Treasure Beach(2008.3.25)、Camelot、Australia、Capri(2014.2.7)、Sovereign(2016.4.9)、Santiago(2017.3.11)、そしてAuguste Rodin。はい、当然のことながら、愛ダービー最多勝調教師ですm(_ _)m
英ダービー、愛ダービーと3歳選手権距離GIを連勝したことにより、現地ブックメーカーでは7月29日に行われる”キング・ジョージ”の1番人気にも推されているAuguste Rodin。
ただ、オブライエン師は慎重な構えを見せられていて、
今後については「1週間ほど様子を見てから厩務員たちと話し、彼らの見解を確認する」と明言を避けた。
欧州クラシック100勝目のオブライエン師、「オーギュストロダンは本物のクラシック血統」 | JRA-VAN World – 海外競馬情報サイト
本物のクラシック血統
故に、競走生活だけではなく「その後のこと」も大切にされたいのでしょう。ええ、祖父がケンタッキーダービー(米GI)馬、父が日本ダービー(GI)馬、そして自身が英愛ダービー馬というAuguste Rodin。青鹿毛の流星の未来に幸多からんことを。ただただ祈るばかりです。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。
#2024年07月15日(月)記事改め。