Storm Cat(1983.2.27)-北の踊り子とその子孫を辿る(No.13)-

Series

Storm Cat(ストームキャット) 牡 黒鹿毛 1983.2.27生~2013.4.24没 米国・W. T. Young Storage Inc.生産 馬主・William T. Young 米国・Jonathan E. Sheppard厩舎

Storm Cat(1983.2.27)の4代血統表
Storm Bird
鹿毛 1978.4.19
種付け時活性値:1.00【4】

Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic
黒鹿毛 1954.2.11
Nearco 1935.1.24
Lady Angela 1944
Natalma
鹿毛 1957.3.26
Native Dancer 1950.3.27
Almahmoud 1947.5.18
South Ocean
鹿毛 1967.4.8
New Providence
鹿毛 1956.5.10
★Bull Page 1947
Fair Colleen 1950.3.10
Shining Sun
鹿毛 1962.4.9
Chop Chop 1940
Solar Display 1951
Terlingua
栗毛 1976.2.7
仔受胎時活性値:1.50【6】
Secretariat
栗毛 1970.3.30
種付け時活性値:1.25【5】
Bold Ruler
黒鹿毛 1954.4.6
Nasrullah 1940.3.2
Miss Disco 1944
Somethingroyal
鹿毛 1952.3.12
Princequillo 1940
Imperatrice 1938.5.26
Crimson Saint
栗毛 1969.3.15
仔受胎時活性値:1.50【6】
Crimson Satan
栗毛 1959.5.4
種付け時活性値:0.25【9】
Spy Song 1943
Papila 1943
Bolero Rose
栗毛 1958.3.18
仔受胎時活性値:0.50【10】
Bolero
栗毛 1946
種付け時活性値:0.75【11】
First Rose
鹿毛 1946
仔受胎時活性値:0.75【11】

<5代血統表内のクロス:Nearco4×5>

Storm Cat(1983.2.27)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Storm Bird
(Northern Dancer系)
Secretariat
(Bold Ruler系)
Crimson Satan
(Black Toney系)
Bolero
(Rock Sand系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Secretariat
(Terlingua)
4.25 叔父ロイヤルアカデミー
(No. 8-c)
2番仔?
(2連産目?)

*

Storm Cat - 1985 Young America Stakes (Part Two)
A precocious two year old Storm Cat battles it out with Danzig Connection and Mogambo to the wire.
1983年の第9回ヤングアメリカS(米GI。メドウランズ・ダート8.5F)の結果(上位5頭)

馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 Storm Cat 牡2 54 Chris J. McCarron 1:43.3 Jonathan E. Sheppard
2 Danzig Connection 牡2 54 Pat Day ハナ Woodford C. Stephens
3 モガンボ 牡2 54 クビ LeRoy S. Jolley

*

終わっていた訳ではなかった「北の踊り子とその子孫を辿る」シリーズ。私の気力が伴わず、更新が後ろ倒しになっていただけです^^;

北の踊り子とその子孫を辿る
北の踊り子とその子孫を辿る

という訳で、久方ぶりの更新は現代の北米のNorthern Dancer系を支えるStorm Cat。競走馬としては2歳GIヤングアメリカSを制したに留まり、その全能力を発揮したとは言い難かったのですが、そのウップンは繁殖入り後種牡馬として晴らされることとなりました。1999年と2000年の北米首位種牡馬に輝いたStorm Cat、その種付け料は最も高額になった折には50万ドルとも言われた大種牡馬でした。

そんなStorm Catの代表産駒を確認しておきますと、、、

  1. Harlan(1989.3.2)
    →ヴォスバーグS(米GI)ほか
  2. November Snow(1989.5.18)
    →アラバマS(米GI)、テストS(米GI)ほか。牝馬
  3. Desert Stormer(1990.2.25)
    →ブリーダーズカップ・スプリント(米GI)ほか。牝馬
  4. Missed the Storm(1990.1.23)
    →テストS(米GI)ほか。牝馬
  5. Mistle Cat(1990.5.31)
    →ヴィットリオディカプア賞(伊GI)ほか
  6. Sardula(1991.5.4)
    →ケンタッキーオークス(米GI)、ハリウッドスターレットS(米GI)ほか。牝馬
  7. タバスコキャット(1991.4.15)
    →ベルモントS(米GI)、プリークネスS(米GI)ほか
  8. ヘネシー(1993.3.25)
    →ホープフルS(米GI)ほか
  9. Aldiza(1994.4.21)
    →ゴーフォーワンドH(米GI)。牝馬
  10. Sharp Cat(1994.2.24)
    →エイコーンS(米GI)、ベルデイムS(米GI)、ハリウッドスターレットS(米GI)、メイトロンS(米GI)、サンタアニタオークス(米GI)、ラフィアンH(米GI)、ラスヴァージネスS(米GI)ほか。牝馬
  11. Catinca(1995.4.13)
    →ラフィアンH(米GI)ほか。牝馬
  12. Aljabr(1996.2.3)
    →サセックスS(英GI)、サラマンドル賞(仏GI)、ロッキンジS(英GI)ほか
  13. Cat Thief(1996.1.30)
    →ブリーダーズカップ・クラシック(米GI)、スワップスS(米GI)ほか
  14. Forestry(1996.5.9)
    →キングズビショップS(米GI)ほか
  15. Tactical Cat(1996.5.7)
    →ハリウッドフューチュリティ(米GI)ほか
  16. Finder’s Fee(1997.5.8)
    →エイコーンS(米GI)、メイトロンS(米GI)ほか。牝馬
  17. Giant’s Causeway(1997.2.14)
    →エクリプスS(英GI)、英インターナショナルS(GI)、愛チャンピオンS(GI)、サセックスS(英GI)、セントジェームズパレスS(英GI)、サラマンドル賞(仏GI)ほか。ご存知「鉄の馬」は2009年、2010年、2012年の北米首位種牡馬でもあります
  18. High Yield(1997.3.30)
    →ホープフルS(米GI)、ブルーグラスS(米GI)、ファウンテンオブユースS(米GI)ほか
  19. Black Minnaloushe(1998.2.5)
    →愛2000ギニー(GI)、セントジェームズパレスS(英GI)ほか
  20. Raging Fever(1998.4.2)
    →フリゼットS(米GI)、メイトロンS(米GI)、オグデンフィップスH(米GI)ほか。牝馬
  21. Sophisticat(1999.1.25)
    →コロネーションS(英GI)ほか。牝馬
  22. Dessert(2000.2.27)★
    →デルマーオークス(米GI)。牝馬
  23. Hold That Tiger(2000.2.25)★
    →仏グランクリテリウム(GI)ほか
  24. Nebraska Tornado(2000.1.19)★
    →ディアヌ賞(仏GI)、ムーラン・ド・ロンシャン賞(仏GI)ほか。牝馬
  25. Storm Flag Flying(2000.4.11)★
    →ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ(米GI)、パーソナルエンスンH(米GI)、フリゼットS(米GI)、メイトロンS(米GI)ほか。牝馬。祖母Personal Ensign(1984.4.27)、母My Flag(1993.3.25)に続く母仔3代ブリーダーズカップ制覇の偉業達成
  26. Good Reward(2001.3.1)
    →ハリウッドダービー(米GI)、マンハッタンH(米GI)ほか
  27. One Cool Cat(2001.3.26)
    →フィーニクスS(愛GI)、愛ナショナルS(GI)ほか
  28. デネボラ(2001.4.6)
    →マルセルブサック賞(仏GI)ほか。牝馬
  29. Consolidator(2002.5.16)
    →ブリーダーズフューチュリティ(米GI)ほか
  30. Sweet Catomine(2002.2.14)
    →ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ(米GI)、サンタアニタオークス(米GI)、デルマーデビュタントS(米GI)ほか。牝馬。後述のLife Is Sweetの全姉
  31. After Market(2003.2.9)
    →チャールズウィッティンガム記念H(米GI)、エディリードH(米GI)ほか。後述のCourageous Catの全兄
  32. Bluegrass Cat(2003.1.23)
    →ハスケル招待H(米GI)ほか
  33. Mr. Sidney(2004.1.23)
    →メーカーズマークマイルS(米GI)ほか
  34. Life Is Sweet(2005.3.5)
    →ブリーダーズカップ・レディーズクラシック(米GI)、サンタマルガリータH(米GI)ほか。牝馬。前述のSweet Catomineの全妹
  35. Courageous Cat(2006.4.14)
    →シューメイカーマイルS(米GI)ほか。前述のAfter Marketの全弟

Storm Cat、牡馬19頭、牝馬16頭というGI勝ち馬たちを始めとして、数多の活躍馬、数多の後継種牡馬を送り込みました。日本で走った産駒ではジーワン2着9回でも知られた重賞5勝馬シーキングザダイヤ(2001.3.1)、統一GIII2勝のゲイリーイグリット(1995.5.14)がいます。名牝シーキングザパール(1994.4.16)の仔シーキングザダイヤは総獲得賞金5億6445万9000円を稼いだ馬主孝行な馬でしたが、Storm Catの仔として産駒稼ぎ頭でもありました。そしてまたその名血は智国(チリ)で花開き、当地で複数のGI勝ち馬を送り込んでいます。

またStorm Catはブルードメアサイアーとして、種牡馬ディープインパクト(2002.3.25)との相性の良さでも知られました。キズナ(2010.3.5)アユサン(2010.2.21)ラキシス(2010.1.31)エイシンヒカリ(2011.5.3)サトノアラジン(2011.2.16)リアルスティール(2012.3.1)Study of Man(2015.4.9)ラヴズオンリーユー(2016.3.26)ダノンキングリー(2016.3.25)等がこのニックから輩出されたGI馬。他の種牡馬が輩出した馬でもファレノプシス(1995.4.4)メイショウボーラー(2001.4.16)ロードカナロア(2008.3.11)ダノンレジェンド(2010.2.24)等が母父にStorm Catを持つ活躍馬。まま半きょうだい、全きょうだいも多いということです^^;

#ファレノプシス&キズナ姉弟、ラキシス&サトノアラジン姉弟、リアルスティール&ラヴズオンリーユー兄妹、ダノンレジェンド&ダノンキングリー兄弟。尊ぶべきはそれぞれのきょうだいの母たち。

Storm Catの直系子孫に目を戻しますと、「鉄の馬」Giant’s CausewayからShamardal(2002.3.27)、Lope De Vega(2007.2.19)という仏国二冠馬ラインが後継として活躍馬を送り込んでいます。またGiant’s Causewayの直仔で0の理論的には16歳時交配のミニモの遺伝を受けたブリックスアンドモルタル(2014.3.2)★は、社台スタリオンステーションで繋養されており、サンデーサイレンス(1986.3.25)系牝馬のお相手として期待されています。そしてまた近時勢いがある子孫としてヘネシー、ヨハネスブルグ(1999.2.23)、Scat Daddy(2004.5.11)のラインがJustify(2015.3.28)Mendelssohn(2015.5.17)ミスターメロディ(2015.3.29)等を輩出しています。ヘネシーはヘニーヒューズ(2003.4.5)を経由してアジアエクスプレス(2011.2.9)モーニン(2012.4.14)等を送り込み日本でも父系として根を下ろしています。ヘネシー産駒ではサンライズバッカス(2002.4.30)も懐かしい存在です。併せてTale of the Cat(1994.4.13)、Gio Ponti(2005.2.28)、ドレフォン(2013.2.19)と代を重ねた系統から2022年の皐月賞(GI)馬ジオグリフ(2019.2.25)も送り込まれています。とうの昔から北米や欧州ではGI馬を送り込んでいたStorm Cat系ですが、2020年代の今、改めて直父系から日本でもその影響力を見せつつあるという感じですね(^^)

##北米ではHarlan、Harlan’s Holiday(1999.4.6)から継承されたInto Mischief(2005.3.28)が2019年から2022年まで3年連続北米首位種牡馬に輝いています。Into MischiefはBeholder(2010.5.9)とMendelssohnの半兄。この3きょうだい、Into MischiefはHarlan’s Holiday、Beholderはヘニーヒューズ、MendelssohnはScat Daddyと、いずれもStorm Cat系種牡馬から輩出されているところが「サスガ」と思わされます。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[Storm Cat(1983)の主な競走成績]

  1. ヤングアメリカS(米GI)
  2. ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(米GI)

通算8戦4勝、2着3回。

###「種牡馬ディープインパクト×Storm Cat牝馬」のニックについて述べましたが、種牡馬Storm Catと相性が良かったのは、Rahy(1985.2.18)牝馬でした。Giant’s Causeway、Sophisticat、After Market&Courageous Cat兄弟とGI馬4頭の母父がRahy。Giant’s CausewayはやはりStorm Catの代表産駒筆頭と思いますし、Giant’s Causewayの全妹You’resothrilling(2005.2.5)は競走馬として英GII1勝、愛GIII1勝の上、母としてGI馬4頭を送り込んでいるように、この組み合わせはニックだったのでしょう。種牡馬Storm CatはBlushing Groom(1974.4.8)系との相性そのものが良好で、他にもMissed the Stormの母父がBlushing Groom、Aljabrの母父がバイアモン(1982.5.19)、Consolidatorの母父がクリスタルグリツターズ(1980.5.30)でした。

カルティエ賞年度代表馬を辿る(其の拾)-Giant's Causeway(1997.2.14)-
Giant's Causeway(ジャイアンツコーズウェイ) 牡 栗毛 1997.2.14生 米国・Orpendale & Michael Tabor生産 馬主・Sue Magnier & Michael Tabor 愛国・Aidan O'Brien厩舎
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