Danzig(1977.2.12)-北の踊り子とその子孫を辿る(No.7)-

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Danzig(ダンジグ/ダンチヒ/ダンツィヒ) 牡 鹿毛 1977.2.12生~2006.1.3没 米国・Derry Meeting Farm & W. S. Farish III生産 馬主・Henryk de Kwiatkowski 米国・Woodford C. Stephens厩舎

Danzig(1977.2.12)の4代血統表
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
種付け時活性値:1.75【7】
Nearctic
黒鹿毛 1954.2.11
Nearco
黒鹿毛 1935.1.24
Pharos 1920.4.4
Nogara 1928
Lady Angela
栗毛 1944
Hyperion 1930.4.18
Sister Sarah 1930
Natalma
鹿毛 1957.3.26
Native Dancer
芦毛 1950.3.27
Polynesian 1942.3.8
Geisha 1943
Almahmoud
栗毛 1947.5.18
Mahmoud 1933
Arbitrator 1937
Pas de Nom
黒鹿毛 1968.1.27
仔受胎時活性値:2.00(0.00)【8】

Admiral’s Voyage
黒鹿毛 1959.3.23
種付け時活性値:0.00【8】
Crafty Admiral
鹿毛 1948.6.6
Fighting Fox 1935
Admiral’s Lady 1942
Olympia Lou
黒鹿毛 1952
Olympia 1946
Louisiana Lou 1944
Petitioner
鹿毛 1952
仔受胎時活性値:1.75【15】
Petition
黒鹿毛 1944
種付け時活性値:1.75【7】
Fair Trial 1932
Art Paper 1933
Steady Aim
鹿毛 1943
仔受胎時活性値:2.00(0.00)【8】
Felstead
鹿毛 1925
種付け時活性値:0.25【17】
Quick Arrow
黒鹿毛 1937
仔受胎時活性値:1.25【5】

<5代血統表内のクロス:なし>

Danzig(1977.2.12)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Northern Dancer
(Nearctic系)
★Admiral’s Voyage
(Teddy系)
Petition
(Fair Trial系)
Felstead
(Spearmint系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Northern Dancer 7.00 or 5.00 or 3.00 曾祖母が英オークス馬
(No. 7-a)
2番仔?
(前年産駒なし後?)

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1979年のメイドン競走(ベルモントパーク・ダート5.5F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 2 Danzig 牡2 53.5 J. Brocklebank 1:03.6 Woodford C. Stephens 1
2 8 African Waters 牡2 53.5 Eddie Maple 8 1/2 Frank L. Brothers 2
3 6 I Speedup 牡2 53.5 Jeff Fell 1/2 Edward I. Kelly 4

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1980年のアローワンス競走(アケダクト・ダート6F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 5 Danzig 牡3 53.1 Eddie Maple 1:09.4 Woodford C. Stephens 1
2 3 Son of Solo せん3 53.1 Jeff Fell 7 1/2 Howard M. Tesher 3
3 6 Root of All Evil 牡3 53.1 J.Velazquez 2 3/4 William Burling Cocks 2

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1980年のアローワンス競走(ベルモントパーク・ダート7F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 2 Danzig 牡3 51.3 Eddie Maple 1:22.0 Woodford C. Stephens 1
2 4 Preferred List 牡3 51.3 Jean-Luc Samyn 5 3/4 Rick Ralston 3
3 5 Jihad 牡3 49.0 クビ Luke X. Hawkins 2

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Danzig。日本語読みの際に「ダンジグ」「ダンチヒ」「ダンツィヒ」等、読みの多彩さに困ってしまうことでおなじみのDanzigは、競走馬時代にアローワンスまでの出走で3戦3勝。その傑出したスピードを見込んで種牡馬として導入された関係者、クレイボーンファームの慧眼に敬服するばかりですが、Danzig、周囲の人間の期待に見事に応えました。

そんなDanzigの代表産駒を記しておきますと、、、

  1. Chief’s Crown(1982.4.7)
    →ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(米GI)、トラヴァーズS(米GI)、フラミンゴS(米GI)、ホープフルS(米GI)、ノーフォークS(米GI)、ブルーグラスS(米GI)、マールボロC(米GI)、カウディンS(米GI)ほか。エルハーブ(1991.5.24)★、Grand Lodge(1991.3.6)★、チーフベアハート(1993.2.4)等の父。名馬にして名種牡馬
  2. Contredance(1982.3.8)
    →アーリントンワシントンラッシーS(米GI)ほか。日本で走り洛陽S(OP)を制したほか重賞好戦したホッコービューティ(1994.1.25)の母。牝馬
  3. Stephan’s Odyssey(1982.3.16)
    →ハリウッドフューチュリティ(米GI)、ドワイヤーS(米GI)ほか。後述のLotkaの全兄
  4. Danzig Connection(1983.4.6)
    →ベルモントS(米GI)、ピーターパンS(米GI)ほか
  5. Green Desert(1983.4.16)
    →ジュライC(英GI)ほか。Cape Cross(1994.3.13)、Invincible Spirit(1997.2.17)、Oasis Dream(2000.3.30)★等が父系継承。日本でもシンコウフォレスト(1993.4.29)、メジロダーリング(1996.5.28)等が活躍
  6. Lotka(1983.3.27)
    →エイコーンS(米GI)ほか。上述のStephan’s Odysseyの全妹。古川平調教師と四位洋文騎手の師弟愛を見たダートGIII3勝のマンボツイスト(1995.1.24)の母。牝馬
  7. Polonia(1984.5.18)
    →アベイドロンシャン賞(仏GI)ほか。輸入種牡馬シルヴァーエンディング(1987.4.5)、クロコルージュ(1995.2.24)等の近親。牝馬
  8. Qualify(1984.4.12)
    →デルマーフューチュリティ(米GI)ほか
  9. ポリッシュネイビー(1984.5.4)
    →ウッドワードS(米GI)、シャンペンS(米GI)、カウディンS(米GI)ほか。ケンタッキーダービー(米GI)馬Sea Hero(1990.3.4)の父。日本でもゴッドスピード(1994.4.6)、エクセレンスロビン(1991.2.26)、トシザミカ(1995.4.16)等を輩出
  10. Polish Precedent(1986.3.16)★
    →ジャック・ル・マロワ賞(仏GI)、ムーラン・ド・ロンシャン賞(仏GI)ほか。ご存知ピルサドスキー(1992.4.23)のほか、愛オークス(GI)馬Pure Grain(1992.2.23)、GI6勝馬Rakti(1999.2.10)、ジョッケクルブ賞(仏GI)の勝ち馬Darsi(2003.4.12)★等の父
  11. シャーディー(1986.5.20)★
    →愛2000ギニー(GI)、セントジェームズパレスS(英GI)ほか。ドバイワールドカップ(UAE・GI)の勝ち馬にして輸入種牡馬であるムーンバラッド(1999.3.4)のブルードメアサイアーでもあります
  12. デインヒル(1986.3.26)
    →スプリントC(英GI)ほか。言わずと知れた世界的大種牡馬
  13. ワンオブアクライン(1986.4.15)★
    →オークリーフS(米GI)ほか。産駒ヤマニンザナドゥ(1994.5.25)がメジロドーベル(1994.5.6)の制した優駿牝馬(GI)の直線で落馬、競走中止になったことが印象に残っています。ともあれ、ヤマニンザナドゥはその後も元気に走ってくれたので良かったです。牝馬
  14. Dayjur(1987.2.6)
    →ナンソープS(英GI)、スプリントC(英GI)、アベイ・ド・ロンシャン賞(仏GI)ほか。とにかく速い快速馬。日本ではシンコウスプレンダ(1994.3.31)の父としても知られます
  15. アジュディケーティング(1987.4.27)
    →シャンペンS(米GI)、カウディンS(米GI)ほか。アジュディミツオー(2001.6.2)の父は、2001年から2008年まで8年連続NAR首位種牡馬に輝いた名種牡馬。後述のDisputeの全兄
  16. Dance Smartly(1988.4.5)
    →ブリーダーズカップ・ディスタフ(米GI)のほかクイーンズプレート、プリンスオブウェールズS、ブリーダーズSと加国三冠を達成。輸入種牡馬スキャターザゴールド(1997.2.26)の母にして、名種牡馬Smart Strike(1992.5.21)の半姉。牝馬
  17. Versailles Treaty(1988.4.17)
    →アラバマS(米GI)、ガゼルH(米GI)、テストS(米GI)、ラフィアンH(米GI)ほか。22歳時に出産した仔George Vancouver(2010.3.17)はブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフ(米GI)の勝ち馬。牝馬
  18. ポリッシュパトリオット(1988.3.24)
    →ジュライC(英GI)ほか。角居勝彦調教師に初勝利をもたらしたスカイアンドリュウ(1997.4.7)★の父。スカイアンドリュウは叔母シスタートウショウ(1988.5.25)、姪ウオッカ(2004.4.4)という良血馬でもありました
  19. Easy Now(1989.5.29)
    →ゴーフォーワンドS(米GI)ほか。サンデーサイレンス(1986.3.25)の宿敵Easy Goer(1986.3.21)の半妹。牝馬
  20. Furiously(1989.4.26)
    →ジェロームH(米GI)ほか
  21. Hamas(1989.4.29)
    →ジュライC(英GI)ほか。母が名繁殖牝馬Fall Aspen(1976.3.9)。ということはきょうだいにNorthern Aspen(1982.2.26)、Fort Wood(1990.5.5)、ティンバーカントリー(1992.4.14)のGI馬たち。さらに甥Dubai Millennium(1996.3.20)
  22. Lure(1989.5.14)
    →ブリーダーズカップ・マイル(米GI)2回、シーザーズ国際H(米GI)ほか。名マイラーは種牡馬として受胎率の低さに苦しみましたが、モルニ賞(仏GI)を制した産駒Orpen(1996.5.20)を経由して血を残しています。Orpenはサトノダイヤモンド(2013.1.30)の母父ですね
  23. Petit Loup(1989.4.1)
    →ミラノ大賞(伊GI)ほか
  24. Pine Bluff(1989.5.10)
    →プリークネスS(米GI)ほか。セントウルS(GIII)とファンタジーS(GIII)を制したテネシーガール(1997.3.14)の父
  25. Dispute(1990.5.8)
    →ケンタッキーオークス(米GI)、スピンスターS(米GI)、ベルデイムS(米GI)、ガゼルH(米GI)ほか。上述のアジュディケーティングの全妹。牝馬
  26. Maroof(1990.4.12)
    →クイーンエリザベス2世S(英GI)ほか
  27. Strolling Along(1990.4.5)
    →フューチュリティS(米GI)ほか。田中春美さんと勝春騎手親子の愛を垣間見たバイオマスター(1996.3.4)の父。バイオマスター、アーリントンC(GIII)の1位入線2着降着が惜しかった
  28. Tribulation(1990.3.12)
    →クイーンエリザベス2世チャレンジC(米GI)ほか。甥グラスワンダー(1995.2.18)、姪Wonder Again(1999.2.2)。牝馬
  29. Zieten(1990.3.23)
    →ミドルパークS(英GI)ほか。1994年に来日し京王杯SC(GII)でスキーパラダイス(1990.5.12)の2着に入ったザイーテン。後述のBlue Dusterの全兄
  30. Anabaa(1992.3.13)
    →ジュライC(英GI)、モーリス・ド・ゲスト賞(仏GI)ほか。Anabaa Blue(1998.4.12)Goldikova(2005.3.15)等の父であり、Treve(2010.4.7)の母父
  31. Langfuhr(1992.2.4)
    →メトロポリタンH(米GI)、カーターH(米GI)、ヴォスバーグS(米GI)ほか。アポロケンタッキー(2012.2.2)の父
  32. ヤマニンパラダイス(1992.4.25)
    →阪神3歳牝馬S(GI)ほか。デビューから3戦連続レコード勝ちの快速娘は母Althea(1981.5.20)が米GI3勝の良血馬でした。ヤマニンセラフィム(1999.4.13)ヤマニンアルシオン(2001.4.12)の母。牝馬
  33. Blue Duster(1993.3.3)
    →チェヴァリーパークS(英GI)ほか。上述のZietenの全妹。牝馬
  34. Elnadim(1994.4.24)★
    →ジュライC(英GI)ほか。半姉Mehthaaf(1991.2.3)は愛1000ギニー(GI)馬
  35. Military(1994.2.11)★
    →オークトゥリーターフチャンピオンシップS(米GI)ほか
  36. Yashmak(1994.5.8)★
    →フラワーボウル招待H(米GI)ほか。ウォーニング(1985.4.13)、コマンダーインチーフ(1990.5.18)等の半妹。牝馬
  37. パドレポンス(1994.4.17)★
    →チェヴァリーパークS(英GI)ほか。仏2000ギニー(GI)とイスパーン賞(仏GI)の勝ち馬Green Tune(1991.5.5)の半妹。牝馬
  38. アグネスワールド(1995.4.28)
    →ジュライC(英GI)、アベイ・ド・ロンシャン賞(仏GI)ほか。1999年の北九州短距離S(OP)で叩き出した芝1200m1分6秒5は今を以て日本レコード。私、忘れがちになりますがヒシアケボノ(1992.2.27)★の半弟
  39. Golden Snake(1996.4.18)
    →ガネー賞(仏GI)、ジャンプラ賞(仏GI)、オイロパ賞(独GI)、ジョッキークラブ大賞(伊GI)ほか。2000年のジャパンカップ(GI)を走ったゴールデンスネイクは、GI5勝の名牝Sayyedati(サイエダティ。1990.1.26)の半弟。姉弟共に日本で走ってくれたのですね
  40. Mujahid(1996.1.31)
    →デューハーストS(英GI)ほか
  41. Brahms(1997.3.31)
    →ハリウッドダービー(米GI)ほか
  42. War Chant(1997.5.22)
    →ブリーダーズカップ・マイル(米GI)ほか。母Hollywood Wildcat(1990.2.4)はブリーダーズカップ・ディスタフ(米GI)の勝ち馬であり、母仔2代のブリーダーズカップ制覇となりました。またダノンスマッシュ(2015.3.6)は甥です
  43. Ad Valorem(2002.4.27)★
    →ミドルパークS(英GI)、クイーンアンS(英GI)ほか
  44. Librettist(2002.4.17)★
    →ジャック・ル・マロワ賞(仏GI)、ムーラン・ド・ロンシャン賞(仏GI)ほか。上述のアグネスワールドの甥。またロジャーバローズ(2016.1.24)の母父
  45. Astronomer Royal(2004.4.7)
    →仏2000ギニー(GI)ほか
  46. ハードスパン(2004.5.10)
    → キングズビショップS(米GI)ほか。全日本2歳優駿(JpnI)勝ち馬サマリーズ(2010.5.6)の父。またダノンスマッシュの母父

46頭のGI勝ち産駒のうち牡馬33頭、牝馬13頭と牡馬優勢の仔出し。その他日本で走った産駒ではマグナーテン(1996.4.18)、ビコーペガサス(1991.2.8)、ヒカリサーメット(1994.5.18)★、ステキシンスケクン(2003.3.10)がJRA重賞勝ちを収めています。特にビコーペガサスの京成杯(GIII)は強く印象に残っています。ヒシアマゾン(1991.3.26)を負かして現年齢表記3歳1月に叩き出した中山芝1600m1分33秒9は「速い!!」と思ったものです。むぅ、1994年のことですから、もう27年も前の話です^^;

一般的にDanzig系は代を経て距離延長にも対応することでも知られていますが、Danzig系の種牡馬における0の遺伝的な見解を行いますと、「ミニモの遺伝を受けた種牡馬が良い仕事をしている」というところでしょうか。その筆頭は言わずもがなでデインヒル。全世界で349頭のステークスウイナーを輩出したという世界を股に掛けた大種牡馬は、Danzigが8歳時交配の0遺伝馬です。また、デインヒルと同じ1986年生まれ世代のPolish Precedentは上述の通りピルサドスキー等の父ですし、シャーディーもチェックイメイト(1995.5.10)★、タカラシャーディー(2000.3.31)とJRA重賞勝ち馬を輩出しています。チェックメイトは6歳時の2001年に「いざ安田記念へ」と思ったところで、夢が絶たれてしまったのが残念でした。そしてまたDanzigが24歳時交配の産駒であるWar Front(2002.2.11)★は、競走成績こそアルフレッドGヴァンダービルトBCH(米GII)勝ちに留まりましたが、種牡馬としてザファクター(2008.3.15)、デクラレーションオブウォー(2009.4.29)、アメリカンペイトリオット(2013.3.8)、U S Navy Flag(2015.2.6)War of Will(2016.4.17)等GI勝ち産駒を続出しています。

Wikipedia日本語版のDanzigの記事によりますと、

グリーンデザートやデインヒルなど後継の種牡馬もまた成功し、2016年頃にはノーザンダンサー系のおよそ50%がダンジグ以降の父系に支配されていた

ダンジグ (競走馬) – Wikipedia

というDanzig。世界中を駆ける仔孫の走り、空の上から見守っていてあげてください。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[Danzig(1977.2.12)の競走成績]

通算3戦3勝。

DANZIG

#クレイボーンファームのDanzigのページにおける「Accomplished Progeny」の中に「Agnes World」「Magnaten」「Yamanin Paradise」と3頭も日本調教馬を入れてくれています(^^)

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