コガネノソラ(2021.5.6)&エートラックス(2021.2.15)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.37)-

Pedigree

コガネノソラ 牝 芦毛 2021.5.6生 新冠町・ビッグレッドファーム生産 馬主・(有)ビッグレッドファーム 美浦・菊沢 隆徳厩舎

コガネノソラ(2021.5.6)の4代血統表
ゴールドシップ
芦毛 2009.3.6
種付け時活性値:0.75【11】
ステイゴールド
黒鹿毛 1994.3.24
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ゴールデンサッシュ
栗毛 1988.4.23
デイクタス 1967.4.11
ダイナサツシユ 1979.3.16
ポイントフラッグ
芦毛 1998.3.23
メジロマックイーン
芦毛 1987.4.3
★メジロテイターン 1978.3.22
メジロオーロラ 1978.3.8
パストラリズム
黒鹿毛 1987.5.15
プルラリズム 1980.4.9
トクノエイテイー 1978.3.2
マイネヒメル
栗毛 2009.2.22
仔受胎時活性値:0.75【11】

ロージズインメイ(USA)
青鹿毛 2000.2.9
種付け時活性値:0.00【8】
Devil His Due
黒鹿毛 1989.4.18
Devil’s Bag 1981.2.19
Plenty O’Toole 1977.2.15
Tell a Secret
黒鹿毛 1977.4.25
Speak John 1958.2.7
Secret Retreat 1968.5.13
コスモチェーロ(AUS)
栗毛 2003.10.11
仔受胎時活性値:1.125【4.5】
Fusaichi Pegasus(USA)
鹿毛 1997.4.12
種付け時活性値:1.375【5.5】
Mr. Prospector 1970.1.28
Angel Fever 1990.5.12
Shorwon(AUS)
栗毛 1983.11.11
仔受胎時活性値:0.75【19】
Buena Shore(USA)
栗毛 1973.3.21
種付け時活性値:0.25【9】
April Wonder(AUS)
栗毛 1959
仔受胎時活性値:1.75【23】

<5代血統表内のクロス:Halo4×5>

コガネノソラ(2021.5.6)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ゴールドシップ
(サンデーサイレンス系)
ロージズインメイ
(Halo系)
Fusaichi Pegasus
(Mr. Prospector系)
Buena Shore
(Bold Ruler系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Fusaichi Pegasus 4.375
(【11】+【4.5】+【19】+【23】)
叔母ウインマリリン
(No. 14-e)
6番仔
(6連産目)

*

レース結果 JRA
2024年のスイートピーS(L。東京芝1800m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 5 コガネノソラ 牝3 55 石川 裕紀人 1:45.6 6-8-8 34.1 448
[+2]
菊沢 隆徳 6
2 1 ニシノティアモ 牝3 55 田辺 裕信 1:45.6 クビ 6-5-5 34.4 424
[-2]
上原 佑紀 3
3 7 ベストミーエヴァー 牝3 55 T.オシェア 1:46.1 3 11-11-11 34.3 488
[-2]
国枝 栄 4
4 4 ミスティア 牝3 55 松岡 正海 1:46.2 クビ 4-4-4 35.3 468
[0]
戸田 博文 8
5 3 クインズスピカ 牝3 55 大野 拓弥 1:46.3 3/4 9-9-9 34.7 458
[0]
村田 一誠 10
2024年のスイートピーS(L。東京芝1800m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.2 – 10.5 – 11.3 – 11.6 – 11.9 – 12.4 – 12.2 – 11.9 – 11.6
ラップの
累計タイム
12.2 – 22.7 – 34.0 – 45.6 – 57.5 – 1:09.9 – 1:22.1 – 1:34.0 – 1:45.6
上り 4F 48.1 – 3F 35.7

東京芝1800m、晴の良馬場、13頭立て。

○ スイートピーステークス(L)(オークストライアル)
スイートピー(Sweet Pea)は、マメ科の蔓性の一年草。イタリアのシチリア島原産で、葉の脇に大形の紅・桃・紫・白色などの蝶形花を付ける。花言葉は「出発」「小さな喜び」。
なお、第 1 着馬には『優駿牝馬(オークス)』への優先出走権が与えられる。

2024年度第2回東京競馬特別レース名解説

21世紀に入ってからの勝ち馬にはカワカミプリンセス(2003.6.5)がいます。カワカミプリンセスは次走の優駿牝馬(GI)も制して4戦4勝、無敗でクラシックホースに登り詰めました。

という訳で2024年の第85回優駿牝馬への1枚の切符を賭けて行われた一戦を制したのは、戦前6番人気だったコガネノソラ。吉田豊騎手を背にしたエマロア(2021.2.25)が二の脚でハナに立って作り出したペースは入りの600m34秒0、1000m57秒5で通過というハイラップ。JRAレース動画のネットライブ配信を見ていた私は「前が速い」と思わず叫んでしまいましたが、流れが緩まず迎えた東京芝Aコースの直線525.9m。サスガにエマロアは疲れたという感じになり、ニューステソーロ(2021.2.25)、イゾラフェリーチェ(2021.3.19)、ミスティア(2021.1.31)という先行集団が攻防を見せる中、もう一段後ろにいたニシノティアモ(2021.3.12)が馬場中央を良い感じで抜け出そうとしたところで、大外からやって来たのが芦毛の馬体も鮮やかにコガネノソラ。最後100mを切ってからは後続を離してニシノティアモとの一騎打ちとなりましたが、決勝点で「クビ」だけ先んじたのはコガネノソラ。昨年10月の東京芝1800mの未勝利戦、今年4月の中山芝1800mの1勝クラス、そして東京芝1800mのスイートピーSと3連勝を決め、1分45秒6というスイートピーSのレースレコードを以て5月19日の優駿牝馬への挑戦権を獲得しました。

コガネノソラのごく簡単な近親牝系図を示しておきますと、

コスモチェーロ 2003.10.11 1勝
|マイネヒメル 2009.2.22 4勝
||ルシェルドール 2016.3.10 0勝
|||コラソンビート 2021.2.26 現役 京王杯2歳S(GII)ほか
||コガネノソラ 2021.5.6 (本馬) スイートピーS(L)
|ウインマーレライ 2011.4.15 3勝 ラジオNIKKEI賞(GIII)
|ウインマリリン 2017.5.23 6勝 香港ヴァーズ(GI) オールカマー(GII) 日経賞(GII) フローラS(GII)ほか

祖母からの近親に重賞勝ち馬が3頭もいる活力のある14号族e分枝系。叔母ウインマリリンは香港ヴァーズ勝ち、同い年の姪コラソンビートは京王杯2歳S勝ち、叔父ウインマーレライはラジオNIKKEI賞勝ち。岡田家の現代の基幹牝系のひとつと言えるでしょう。余談ですが、ウインマーレライは将棋の渡辺明九段が一口馬主として出資されていた馬でもありました。

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閑話休題。牝系の確かさと共に「父ゴールドシップ×母父ロージズインメイ」という組み合わせは優駿牝馬勝ち馬ユーバーレーベン(2018.1.27)と同じであるコガネノソラ。別路線からの挑戦者、惑星として挑む本番の走りも期待したいと思います。コガネノソラ、その馬名意味は「黄金の空」ということです。分かりやすい(^^)

*

エートラックス 牡 黒鹿毛 2021.2.15生 白老町・(有)社台コーポレーション白老ファーム生産 馬主・(有)サンデーレーシング 栗東・宮本 博厩舎

エートラックス(2021.2.15)の4代血統表
ニューイヤーズデイ
鹿毛 2011.4.22
種付け時活性値:0.25【9】
Street Cry
黒鹿毛 1998.3.11
▲Machiavellian
黒鹿毛 1987.1.31
Mr. Prospector 1970.1.28
Coup de Folie 1982.4.2
Helen Street
鹿毛 1982.4.4
Troy 1976.3.25
Waterway 1976.4.21
Justwhistledixie
黒鹿毛 2006.2.13
★Dixie Union
黒鹿毛 1997.3.7
★Dixieland Band 1980.3.20
She’s Tops 1989.3.12
General Jeanne
鹿毛 1999.3.13
Honour and Glory 1993.3.24
Ahpo Hel 1982.4.19
スパイラルステップ
鹿毛 2012.3.3
仔受胎時活性値:2.00【8】
シンボリクリスエス
黒鹿毛 1999.1.21
種付け時活性値:1.00【12】
Kris S.
黒鹿毛 1977.4.25
Roberto 1969.3.16
Sharp Queen 1965.4.19
Tee Kay
黒鹿毛 1991.2.9
★Gold Meridian 1982.4.14
Tri Argo 1982.5.18
スパイラルリング
栗毛 2002.4.3
仔受胎時活性値:0.25【9】
エンドスウィープ
鹿毛 1991.5.31
種付け時活性値:0.50【10】
フォーティナイナー 1985.5.11
Broom Dance 1979.4.10
ウェディングバンド
青毛 1987.3.27
仔受胎時活性値:1.50【14】
Mighty Appealing
栗毛 1982.2.6
種付け時活性値:1.00【4】
Ring of Steel
青毛 1969.5.9
仔受胎時活性値:0.25【17】

<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector4×5>

エートラックス(2021.2.15)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ニューイヤーズデイ
(Mr. Prospector系)
シンボリクリスエス
(Roberto系)
エンドスウィープ
(Mr. Prospector系)
Mighty Appealing
(Intent系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
シンボリクリスエス
(Kris S.)
4.00
(【8】+【9】+【14】+【17】)
シャンハイボビーと同牝系
(No. 8-h)
3番仔
(3連産目)

*

2024年の第25回兵庫チャンピオンシップ(JpnII。園田ダート1400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 3 エートラックス 牡3 57 J.モレイラ 1:28.4 1-1-1-1 39.2 497
[+1]
宮本博 1
2 1 チカッパ 牡3 57 吉村智洋 1:28.9 3 3-3-3-2 39.5 477
[-5]
中竹和也 4
3 11 モズミギカタアガリ 牝3 55 M.デムーロ 1:29.3 2.1/2 10-10-6-6 38.7 460
[+7]
藤岡健一 6
4 5 イーグルノワール 牡3 57 武豊 1:29.6 1.3/4 6-6-6-7 39.7 519
[-15]
音無秀孝 2
5 7 ギガース 牡3 57 森泰斗 1:29.6 クビ 3-4-2-3 40.2 517
[-6]
佐藤裕太 5

園田ダート1400m、雨の良馬場、11頭立て。今年2024年から

中央競馬・地方競馬ともに目標となる競走が不足していることから、兵庫チャンピオンシップの競走距離を1,870mから1,400mへと変更し、3歳春季短距離路線の頂点競走として位置付ける。

全日本的なダート競走の体系整備

と、3歳ダート短距離馬の春のチャンピオンを決める競走として生まれ変わった兵庫チャンピオンシップ。過去の園田ダート1870m時代の勝ち馬にはビッグウルフ(2000.5.12)グレイスティアラ(2003.5.11)コパノリッキー(2010.3.24)ケイティブレイブ(2013.5.11)クリソベリル(2016.2.10)等の姿が見えます。

そんな訳で新生となった兵庫チャンピオンシップの2024年の一戦を制したのは、戦前1番人気だったエートラックス。園田競馬場での騎乗は6年ぶり2度目だったというジョアン・モレイラ騎手に操られたエートラックス、「小回りは先手必勝」という鉄則を実践するかの如く逃げの手に出ると、後続のJRA勢のチカッパ(2021.4.12)モズミギカタアガリ(2021.3.31)イーグルノワール(2021.2.17)NAR勢のギガース(2021.2.18)等を尻目に3馬身差の逃走劇。2月の小倉ダート1700mのネモフィラ賞、3月の阪神ダート1400mのバイオレットS(OP)、そして4月の園田ダート1400mの兵庫チャンピオンシップと3連勝で重賞初制覇を遂げました。うーん、やっぱりStreet Cryの子孫は「勝ち始めたら止まらない」という属性があるのでしょうか^^;

テーオーパスワード(2021.5.20)&エートラックス(2021.2.15)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.33)-
テーオーパスワード(2021.5.20)&エートラックス(2021.2.15)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.33)-

エートラックスの簡単な近親牝系図を示しておきますと、

ウェディングバンド 1987.3.27 5勝
|City Band 1994.2.26 6勝 オークリーフS(米GI) ゴールデンロッドS(米GIII)ほか
||Storm Tide 2000.1.29 1勝
|||American Lion 2007.2.10 3勝 イリノイダービー(米GIII) ハリウッドプレヴューS(米GIII)ほか
||Bandstand 2003.4.19 1勝
|||Freedom Child 2010.5.18 2勝 ピーターパンS(米GII)
|Steel Band 1997.4.24 0勝
||Steelin' 2004.2.27 5勝
|||シャンハイボビー 2010.2.27 6勝 ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(米GI) シャンペンS(米GI) ホープフルS(米GII)ほか
|||Miz Kella 2012.5.22 不出走
||||Canoodling 2018.3.10 9勝 ウィルシャーS(米GIII) メガヘルツS(米GIII)
|スパイラルリング 2002.4.3 2勝
||スパイラルステップ 2012.3.3 4勝
|||エートラックス 2021.2.15 (本馬) 兵庫チャンピオンシップ(JpnII) バイオレットS(OP)

米国で継承されている8号族h分枝系。曾祖母ウェディングバンドを祖とする同牝系馬には輸入種牡馬シャンハイボビーの姿が見えます。2012年に5戦5勝でエクリプス賞最優秀2歳牡馬に選出されたシャンハイボビー、米国供用時代にシャトルサイアーとして南米で5頭のGI馬を輩出しています。日本で走った産駒にはマル外馬マリアズハート(2016.5.9)がルミエールオータムダッシュ(L)、韋駄天S(OP)を制して短距離のオープン馬として活躍し、日本供用の初年度産駒にマンダリンヒーロー(2020.3.20)がいます。同馬は4戦4勝で2022年のハイセイコー記念を勝ち、2023年のサンタアニタダービー(米GI)でハナ差の2着と奮戦しました。

昨年12月から月1走のペースで5戦4勝、2着1回としたエートラックス。管理される宮本博調教師によりますと次走は未定ということですが、近走の充実ぶりからは3歳どうしの走りだけではなく、古馬との戦いでも楽しみが多そうです。敷居の高い挑戦かとも思いますけれど、6月のさきたま杯(JpnI)3歳53kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減の定量戦であり斤量差で一発があってもおかしくありません。ともあれ、若きダートスプリンター・エートラックス、その未来に幸多からんことを。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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