Tamara(タマラ) 牝 鹿毛 2021.2.12生 米国・Spendthrift Farm LLC生産 馬主・Spendthrift Farm LLC 米国・Richard E. Mandella厩舎
Bolt d’Oro 鹿毛 2015.3.17 種付け時活性値:1.25【5】 |
Medaglia d’Oro 黒鹿毛 1999.4.11 |
El Prado 芦毛 1989.2.3 |
Sadler’s Wells 1981.4.11 |
Lady Capulet 1974.4.3 | |||
Cappucino Bay 鹿毛 1989.2.12 |
Bailjumper 1974.3.28 | ||
Dubbed In 1973.5.31 | |||
Globe Trot 鹿毛 2008.2.1 |
A.P. Indy 黒鹿毛 1989.3.31 |
Seattle Slew 1974.2.15 | |
Weekend Surprise 1980.4.8 | |||
Trip 栗毛 1997.4.11 |
Lord At War 1980.10.1 | ||
Tour 1990.5.9 | |||
Beholder 鹿毛 2010.5.9 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
ヘニーヒューズ 栗毛 2003.4.5 種付け時活性値:1.50【6】 |
ヘネシー 栗毛 1993.3.25 |
▲Storm Cat 1983.2.27 |
Island Kitty 1976.2.23 | |||
Meadow Flyer 鹿毛 1989.1.22 |
Meadowlake 1983.3.12 | ||
Shortley 1980.3.11 | |||
Leslie’s Lady 鹿毛 1996.3.10 仔受胎時活性値:1.25【13】 |
Tricky Creek 鹿毛 1986.4.19 種付け時活性値:0.25【9】 |
▲Clever Trick 1976.3.10 | |
Battle Creek Girl 1977.3.10 | |||
Crystal Lady 鹿毛 1990.5.12 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
Stop the Music 鹿毛 1970.3.23 種付け時活性値:0.75【19】 |
||
One Last Bird 栗毛 1980.4.30 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
<5代血統表内のクロス:なし>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Bolt d’Oro (Sadler’s Wells系) |
ヘニーヒューズ (Storm Cat系) |
Tricky Creek (Nearctic系) |
Stop the Music (Hail to Reason系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
ヘニーヒューズ (Beholder) |
3.25 (【10】+【13】+【5】+【9】) |
母が米GI11勝の超名牝 (No. 23-b) |
4番仔 (4連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破時計 ・着差 |
調教師 | 人 気 |
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1 | 9 | Tamara | 牝2 | 54.4 | Mike E Smith | 1:22.41 | Richard E Mandella | 1 |
2 | 13 | Laurent | 牝2 | 54.4 | Edwin A Maldonado | 6 3/4 | Peter Eurton | 3 |
3 | 12 | Gate To Paradise | 牝2 | 54.4 | Kent J Desormeaux | 2 1/4 | John Shirreffs | 4 |
4 | 6 | Chatalas | 牝2 | 54.4 | Juan J Hernandez | 3 3/4 | Mark Glatt | 2 |
5 | 2 | Next Right Thing | 牝2 | 53.5 | Emily A Ellingwood | 1 3/4 | Ryan Hanson | 11 |
米国の2021年生まれ世代から楽しみな牝馬が現れました。8月のデルマー・ダート6.5ハロンのメイドンを2と4分の1馬身差で勝ち上がったTamara、返す刀で挑んだ9月のデルマー・ダート7ハロンのデルマーデビュタントS。12頭立てを番手先行、半マイル44秒45の淀みないペースを楽な手応えで抜け出すと、デルマーの直線306ヤードでも余裕綽々とばかりに脚を伸ばして独走。オレンジの帽子にオレンジとパープルの勝負服を乗せた鹿毛馬、最後は2着のLaurent(2021.2.13)に6と4分の3馬身差を着けたところがゴール地点。Tamara、「初めて社交界に出る女性。また、初舞台の女優」という意味のDebutanteを冠に持つ2歳牝馬GIレースで鮮烈な勝ちっぷりを見せ、デビュー2連勝。そうしてデルマーデビュタントSの走破時計1分22秒41は近10年では最速の勝ち時計でした。
Tamara、能力の確かさをレースで見せてくれていますが、やはりその血統背景に触れなければならないでしょう。以下にTamaraのごく簡単でもきらびやかな近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。
Leslie's Lady 1996.3.10 5勝 |Into Mischief 2005.3.28 3勝 キャッシュコールフューチュリティ(米GI)ほか |Beholder 2010.5.9 18勝 ブリーダーズカップ・ディスタフ(米GI)2回 ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ(米GI) パシフィッククラシックS(米GI) ゼニヤッタS(米GI)3回 サンタアニタオークス(米GI) ラスヴァージネスS(米GI) ヴァニティマイルS(米GI) クレメントLハーシュS(米GI)ほか ||Teena Ella 2020.1.15 セニョリータS(米GIII) ||Tamara 2021.2.12 (本馬) デルマーデビュタントS(米GI) |Mendelssohn 2015.5.17 4勝 ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフ(米GI) UAEダービー(UAE・GII)ほか
Tamaraの牝系は米国で継承されている23号族b分枝系。母Beholderは2歳から6歳まで5年連続で米GI勝ちを収めたGI11勝のスーパーメア、伯父Into Mischiefは2019年から2022年まで4年連続北米首位種牡馬のスーパーサイアー、叔父Mendelssohnは2018年の3歳時のUAEダービーにおける18馬身半差勝ちが印象に残るブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフの勝ち馬。Tamara、これはピッカピカの良血馬(^^)
Tamaraの母Beholderはラストランとなった2016年のブリーダーズカップ・ディスタフが名勝負。ぜひご覧になってみてください。Beholderは父ヘニーヒューズ、祖父ヘネシーと父系2代続けて本邦輸入種牡馬で親近感が湧いたということと共に、その鹿毛の美しさ、その勝負強さが強く印象に残った2010年代の超名牝の1頭です。
11戦11勝の無敗で臨んだ3歳牝馬Songbird(2013.4.30)の逃げを外から追った6歳牝馬Beholder。デビューから11戦、2着との最小着差が3と4分の3馬身という圧勝続きだったSongbird。初めての接戦の相手となったBeholder、年長馬の威厳を以て、年少馬を「ハナ」だけ封じました。Songbirdの主戦はマイク・スミス騎手でしたが、Songbirdを初めて負かした馬となったBeholderの娘Tamaraの鞍上を務められているのは、奇縁が巡ったのでしょうか。しっかしスミス騎手もずっと米国の超一線級で活躍されていますね。いま確認してみましたら、スミス騎手は1965年8月10日生まれで御年58歳(!!)。通算5600勝以上を数える米国の第一人者、その腕達者ぶりは齢重ねてますます盛んというところです。なお、Songbirdは2015年のデルマーデビュタントSの勝ち馬であり、Tamaraの前にデルマーデビュタントSを1分22秒台で制したのは、1分22秒65で走破したSongbirdでした。
最後は母と死闘を演じたデルマーデビュタントS勝ち馬の先輩の話題にもなりましたけれど、Tamara、今後は母仔2代のブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ勝ちを目指すのでしょう。米国の名門スペンドスリフトファームが送る2020年代の新名牝候補の未来に幸多かれと、日本の空の下から祈りを捧げておきます。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。