ヤクシマ 牡 芦毛 2020.2.11生 英・Whitsbury Manor Stud生産 馬主・ゴドルフィン 栗東・寺島 良厩舎
Havana Grey 芦毛 2015.2.12 種付け時活性値:1.00【4】 |
Havana Gold 鹿毛 2010.4.13 |
Teofilo 鹿毛 2004.2.9 |
Galileo 1998.3.30 |
Speirbhean 1998.5.25 | |||
Jessica’s Dream 鹿毛 1998.4.6 |
Desert Style 1992.3.30 | ||
Ziffany 1992.2.15 | |||
Blanc de Chine 芦毛 2009.4.26 |
Dark Angel 芦毛 2005.4.4 |
Acclamation 1999.4.26 | |
Midnight Angel 1994.2.2 | |||
Nullarbor 鹿毛 1994.2.20 |
Green Desert 1983.4.16 | ||
Bloudan 1985.2.4 | |||
Satsuma 栗毛 2010.1.29 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
Compton Place 栗毛 1994.4.20 種付け時活性値:1.75【15】 |
★Indian Ridge 栗毛 1985.3.22 |
Ahonoora 1975.4.12 |
Hillbrow 1975 | |||
Nosey 鹿毛 1981.3.11 |
Nebbiolo 1974.2.2 | ||
Little Cynthia 1974.4.13 | |||
Jodrell Bank 栗毛 2003.3.8 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
Observatory 栗毛 1997.2.17 種付け時活性値:1.25【5】 |
Distant View 1991.5.9 | |
Stellaria 1986.4.5 | |||
Aravonian 栗毛 1998.3.5 仔受胎時活性値:1.00【4】 |
◆Night Shift 鹿毛 1980.4.4 種付け時活性値:0.25【17】 |
||
Age of Reality 鹿毛 1993.3.13 仔受胎時活性値:1.00【4】 |
<5代血統表内のクロス:Green Desert4×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Havana Grey (Galileo系) |
Compton Place (Ahonoora系) |
Observatory (Mr. Prospector系) |
◆Night Shift (Northern Dancer系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Compton Place (Nosey) |
3.75 (【9】+【6】+【4】+【4】) |
半姉が英GIII勝ち馬 (No. 10-c) |
6番仔 (6連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | ヤクシマ | 牡3 | 56 | C.ルメール | 1:21.1 | 2-2 | 33.6 |
498 [-8] |
寺島 良 | 3 | |
2 | 7 | サトノヴィレ | 牡3 | 56 | 三浦 皇成 | 1:21.2 | 3/4 | 4-4 | 33.5 |
500 [+2] |
鹿戸 雄一 | 6 |
3 | 8 | フロムダスク | 牡3 | 56 | 武 豊 | 1:21.5 | 2 | 1-1 | 34.2 |
492 [-8] |
森 秀行 | 1 |
4 | 2 | ロードディフィート | 牡3 | 56 | 田辺 裕信 | 1:21.6 | 3/4 | 10-9 | 33.2 |
438 [+10] |
和田 勇介 | 5 |
5 | 9 | スムースベルベット | 牝3 | 54 | 嶋田 純次 | 1:21.8 | 1 1/4 | 2-2 | 34.4 |
490 [+4] |
手塚 貴久 | 8 |
1F毎の ラップ |
12.3 – 11.2 – 11.7 – 12.1 – 11.3 – 11.0 – 11.5 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.3 – 23.5 – 35.2 – 47.3 – 58.6 – 1:09.6 – 1:21.1 |
上り | 4F 45.9 – 3F 33.8 |
2023年の第1回東京開催初日の芝1400m、晴の良馬場、10頭立て。JRA通算4400勝まで後1勝の武豊騎手騎乗のフロムダスク(2020.4.14)が二の脚でハナに立ち、1000m通過58秒6のしっかりした流れを導出。10頭立ての割にはバラけた感じの馬群で道中3番手、3角から4角のコーナーワークで内ラチから番手に上がったヤクシマ。1000m通過、つまりは残り400mを切ったあたりで先頭に立つと、緑のじゅうたんの上を芦毛の馬体が軽やかに駆けました。緑の帽子に「青、袖水色一本輪」の勝負服をまとった、テン乗りのクリストフ・ルメール騎手の右ムチに応えたヤクシマ、最後は外から伸びたサトノヴィレ(2020.3.18)が迫りましたが4分の3馬身差まで。競馬は時計がすべてではありませんが、ヤクシマが計時した1分21秒1は東京芝1400mで開催されたクロッカスSでは史上2位の好時計。1位の1分21秒0のフォーエバーマーク(2008.1.27)は後にキーンランドC(GIII)を勝ち、3位の1分21秒2のラウダシオン(2017.2.2)は後にNHKマイルC(GI)、京王杯スプリングC(GII)を制しています。ヤクシマについて、今日はリステッドを勝ちましたが、重賞でも足りると思います
というルメール騎手のコメントもあり、次走以降が楽しみになりました。
昨夏7月の小倉芝1200mの新馬戦を勝ち上がった際に馬名が話題となったヤクシマ、その馬名意味は「鹿児島県の島の名。母名より連想」という分かりやすさ。競走馬の血統を紹介しているサイトの端くれですので、ヤクシマの血統について簡単に確認しておきますと、
- 直父系Galileo系の世代交代の早さ
- 母父にAhonoora系のCompton Place
- サンデーサイレンスフリーのマル外馬
というところが気になりますでしょうか。直系曽祖父TeofiloはGalileoの2年度産駒、祖父Havana GoldはTeofiloの2年度産駒、父Havana GreyはHavana Goldの初年度産駒、そしてヤクシマはHavana Greyの初年度産駒と各代5歳までの若年期の交配で世代交代を果たしています。Galileoが高祖父の時代ですから、そりゃ私も歳を取るはずです^^;。ともあれ、Sadler’s Wells(1981.4.11)系は代を重ねてスピードを増して、日本の馬場にも適応する印象があります。TeofiloはデューハーストS(英GI)、ナショナルS(愛GI)と2歳GI2勝、Havana Goldはジャンプラ賞(仏GI)の勝ち馬、Havana GreyはフライングファイブS(愛GI)の勝ち馬であり、短距離寄りというおもむきが見て取れます。またヤクシマの母父はTourbillon(1928)の流れを汲むCompton Place。メジロマックイーン(1987.4.3)やトウカイテイオー(1988.4.20)、ダイタクヘリオス(1987.4.10)が走っていた頃が私の競馬原体験ですので、やはり異系の血に畏敬の念を持つというところです。そして最後に、ヤクシマはサンデーサイレンス(1986.3.25)フリーのマル外馬。今回のクロッカスSではヤクシマ、フロムダスク、スムースベルベット(2020.3.17)と掲示板の1、3、5着がサンデーサイレンスの血を持たない馬たちでした。もちろんサンデーサイレンスの血は大事、そしてまたサンデーサイレンスを持たない馬たちの血も大事、です。
「リステッド競走勝ち馬の記事は比較的薄目に」という勝手な取り決めをしているのですが、ヤクシマはデビュー勝ちの頃から気になっていた馬でしたので、思いの外、内容が濃くなりました。ヤクシマ、これからの活躍を期待したい若駒の1頭です(^^)
*
ユリーシャ 牝 栗毛 2020.3.31生 新冠町・スカイビーチステーブル生産 馬主・竹下 佳利氏 栗東・中村 直也厩舎
グレーターロンドン 鹿毛 2012.5.23 種付け時活性値:1.75【7】 |
ディープインパクト 鹿毛 2002.3.25 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 1969.2.7 |
Wishing Well 1975.4.12 | |||
ウインドインハーヘア 鹿毛 1991.2.20 |
Alzao 1980.2.20 | ||
Burghclere 1977.4.26 | |||
ロンドンブリッジ 栗毛 1995.5.6 |
ドクターデヴィアス 栗毛 1989.3.10 |
Ahonoora 1975.4.12 | |
Rose of Jericho 1984.3.14 | |||
オールフオーロンドン 鹿毛 1982.1.31 |
Danzig 1977.2.12 | ||
Full Card 1975.4.7 | |||
アンジェリカス 栗毛 2013.3.1 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
ハービンジャー 鹿毛 2006.3.12 種付け時活性値:1.50【6】 |
Dansili 黒鹿毛 1996.1.27 |
▲デインヒル 1986.3.26 |
Hasili 1991.3.12 | |||
Penang Pearl 鹿毛 1996.3.11 |
Bering 1983.3.20 | ||
Guapa 1988.5.4 | |||
ジョリーノエル 黒鹿毛 2002.3.15 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
スペシャルウィーク 黒鹿毛 1995.5.2 種付け時活性値:1.50【6】 |
★サンデーサイレンス 1986.3.25 | |
キャンペンガール 1987.4.19 | |||
クリスマスツリー 栗毛 1995.5.14 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
トニービン 鹿毛 1983.4.7 種付け時活性値:0.75【11】 |
||
オークツリー 栗毛 1989.4.14 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
<5代血統表内のクロス:サンデーサイレンス3×4、Danzig4×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
グレーターロンドン (サンデーサイレンス系) |
ハービンジャー (デインヒル系) |
スペシャルウィーク (サンデーサイレンス系) |
トニービン (ゼダーン系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
グレーターロンドン |
4.75 (【6】+【10】+【6】+【5】) |
伯父ユールシンギング (No. 8-g サワーオレンジ系) |
3番仔 (3連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | ユリーシャ | 牝3 | 54 | 松山 弘平 | 1:34.2 | 1-1-1 | 34.4 |
446 [-8] |
中村 直也 | 6 | |
2 | 11 | コナコースト | 牝3 | 54 | 鮫島 克駿 | 1:34.6 | 2 1/2 | 4-5-5 | 33.6 |
462 [-10] |
清水 久詞 | 4 |
3 | 8 | シングザットソング | 牝3 | 54 | 吉田 隼人 | 1:34.7 | クビ | 11-11-11 | 33.2 |
440 [+6] |
高野 友和 | 5 |
4 | 7 | クイーンオブソウル | 牝3 | 54 | 津村 明秀 | 1:34.7 | クビ | 8-5-5 | 33.7 |
460 [+12] |
林 徹 | 3 |
5 | 10 | アルーリングビュー | 牝3 | 54 | M.デムーロ | 1:34.7 | ハナ | 6-5-5 | 33.7 |
472 [+2] |
吉村 圭司 | 1 |
1F毎の ラップ |
12.4 – 11.6 – 11.6 – 12.1 – 12.1 – 11.4 – 11.1 – 11.9 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.4 – 24.0 – 35.6 – 47.7 – 59.8 – 1:11.2 – 1:22.3 – 1:34.2 |
上り | 4F 46.5 – 3F 34.4 |
2023年の第1回中京最終週の土曜日の芝1600m、晴の良馬場、11頭立て。ユリーシャ鞍上の松山弘平騎手は昨年11月の阪神芝1600mの未勝利戦を勝ち上がった時以来となる2回目の騎乗でしたが、その未勝利戦でも逃げて勝利に導かれました。ユリーシャの良さを察知されたのであろう松山騎手、今回のエルフィンSでも機先を制してハナに立つと、後続馬群を引き離しての逃げ。繰り出したのは半マイル通過47秒7、1000m通過59秒8という逃げ馬にとって余裕がある流れ。3角から4角でペースアップすると、中京Bコースの芝412.5mに入ったところで、勝負ありの感。栗毛の額に薄い星1つと両前脚に白いバンテージ、黄色の帽子に「桃、白菱山形、赤袖」の勝負服が颯爽と逃げると、決勝点では手綱を緩める様すら見せて、2着に追い込んだコナコースト(2020.3.158)に2と2分の1馬身差の快勝。ユリーシャ、松山騎手を背に逃げで臨んだレースでは2戦2勝と相成りました。
「小さな妖精のような」という意味のエルフィンを冠に持つレースですが、21世紀に入ってからの勝ち馬を見ても、エアメサイア(2002.2.4)、ウオッカ(2004.4.4)、レッドディザイア(2006.4.19)、マルセリーナ(2008.2.17)、そして松山騎手を牝馬三冠騎手にたらしめたデアリングタクト(2017.4.15)と、小さな妖精どころではないGI馬たちを輩出している出世レース。ユリーシャ、先達に続く活躍を期待したいものです。
そしてまたユリーシャの父はグレーターロンドン。種牡馬グレーターロンドンは2020年生まれ世代が初年度産駒であり、血統登録頭数44頭の中から小倉2歳S(GIII)の勝ち馬ロンドンプラン(2020.3.4)、そしてエルフィンSの勝ち馬ユリーシャと2頭のJRAオープン馬を送り込んでいます。
ロンドンプランの小倉2歳Sは色んな意味でビックリしたのですが、ロンドンプランの鞍上も松山騎手でした。松山騎手、グレーターロンドン産駒と手が合っているのでしょうか。ロンドンプランは右第1趾骨近位骨折により休養中ですが、元気にターフに戻って来てくれることを祈っています。
思えばグレーターロンドンが現役時代に唯一の重賞制覇を果たしたのは中京芝1600mの中京記念(GIII)。ユリーシャ、父が1分32秒3という当時のコースレコードを打ち立てたのと同じ舞台で孝行娘となりました。そんなユリーシャ、馬名意味は「人名より」とのことで、ちょいと気になったんですよね。確認してみれば、竹下佳利オーナーの持ち馬にユリーシャと同じ2020年生まれ世代の現3歳馬で、ドメル(2020.5.14)というクリエイターII(2013.3.30)産駒がいます。ユリーシャとドメル……、竹下オーナー、宇宙戦艦ヤマトが好きとお見受けしました(^^)
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。