ラストドラフト 牡 黒鹿毛 2016.3.11生 千歳・社台ファーム生産 馬主・(有)社台レースホース 美浦・戸田博文厩舎
ノヴェリスト 黒鹿毛 2009.3.10 種付け時活性値:1.50 |
Monsun 黒鹿毛 1990.3.4 |
Konigsstuhl 黒鹿毛 1976.5.17 |
Dschingis Khan 1961.2.8 |
Konigskronung 1965.1.18 | |||
Mosella 鹿毛 1985.3.25 |
Surumu 1974.2.26 | ||
Monasia 1979.3.3 | |||
Night Lagoon 黒鹿毛 2001.4.14 |
Lagunas 鹿毛 1981.3.11 |
イルドブルボン 1975.5.23 | |
Liranga 1973.3.18 | |||
Nenuphar 黒鹿毛 1994.3.19 |
Night Shift 1980.4.4 | ||
Narola 1989.3.8 | |||
マルセリーナ 鹿毛 2008.2.17 仔受胎時活性値:1.75 |
ディープインパクト 鹿毛 2002.3.25 種付け時活性値:1.25 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 1969.2.7 |
Wishing Well 1975.4.12 | |||
ウインドインハーヘア 鹿毛 1991.2.20 |
Alzao 1980.2.28 | ||
Burghclere 1977.4.26 | |||
マルバイユ 鹿毛 2000.2.10 仔受胎時活性値:1.75 |
Marju 黒鹿毛 1988.3.12 種付け時活性値:0.75 |
ラストタイクーン 1983.5.9 | |
Flame of Tara 1980.4.20 | |||
Hambye 鹿毛 1994.3.10 仔受胎時活性値:1.25 |
Distant Relative 鹿毛 1986.3.10 種付け時活性値:1.75 |
||
Paglietta Gener 鹿毛 1986.4.6 仔受胎時活性値:1.75 |
<5代血統表内のクロス:Literat5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ノヴェリスト (Bahram系) |
ディープインパクト (Halo系) |
Marju (Northern Dancer系) |
Distant Relative (Habitat系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Distant Relative (マルセリーナ) |
6.50 | 母が桜花賞馬 (No. 9-f) |
2番仔 (2連産目) |
2019年の第59回京成杯(GIII)。スローペースを見越してか、先行2番手から推し進めた4番人気のラストドラフトとクリストフ・ルメール騎手。1000m通過1分1秒1、さらに1200m通過が1分14秒1とゆっくりした流れ。この流れで上がりの勝負となれば、先に行った馬に利あり。ラストドラフト、ルメール騎手のエスコートに応えて脚を伸ばすと、やはり先行3番手から迫った2番人気のランフォザローゼス(2016.2.14)に1と4分の1馬身差を着けての快勝でした。東京芝1800mのデビュー戦から中山芝2000mの重賞を連勝して2戦2勝としたラストドラフト、その馬名意味は「小説の最終草稿。完成版」ということ。父ノヴェリスト(Novellist=独語で小説家の意味)からの連想なのでしょう。
さて、ラストドラフトの父ノヴェリストは、2世代目の産駒から初めてJRA重賞勝ち馬を送り込みました。古き良き時代のBlandford(1919.5.26)系が独国で地道に継承され、20世紀末に現れたMonsunという世界的種牡馬により、改めて日の目を見ることになりました。そんなMonsunの代表産駒の1頭であるノヴェリストは、現役時代に独英仏伊で11戦9勝、2着1回。その主な勝ち鞍に”キング・ジョージ”(英GI)、サンクルー大賞(仏GI)、バーデン大賞(独GI)、ジョッキークラブ大賞(伊GI)、ウニオンレネン(独GII)、バーディシェンウンターネーメン大賞(独GII)、メツレル春季賞(独GIII)と欧州のグループレース7勝、うちGIレース4勝。中でも特筆されるのは”キング・ジョージ”であり、ノヴェリストが制した2013年の第63回は、アスコット芝12Fを2分24秒60という超抜のレコードタイムでした。
では、以下にラストドラフトの簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。
Hambye 1994.3.10 5勝
|マルバイユ 2000.2.10 11勝 アスタルテ賞(仏GI) エミリオトゥラティ賞(伊GII) セルジオクマニ賞(伊GIII)ほか
||マルセリーナ 2008.2.17 5勝 桜花賞(GI) マーメイドS(GIII)ほか
|||ラストドラフト 2016.3.11 (本馬) 京成杯(GIII)
||グランデッツァ 2009.3.3 5勝 スプリングS(GII) 七夕賞(GIII) 札幌2歳(GIII)ほか
ラストドラフトの牝系は9号族f分枝系。母マルセリーナが桜花賞馬、祖母マルバイユがドーヴィル芝1600mの仏GI勝ち馬と筋が通った良血。母マルセリーナは種牡馬ディープインパクトの初年度産駒であり、産駒初めてのGI勝ち馬でもあります。また叔父グランデッツァも重賞3勝の活躍馬で、5歳時、屈腱炎後に復帰して、ダートで2回出走した後の都大路S(OP)で芝1800m1分43秒9という日本レコード駆けを見せました。
#余談。今回の京成杯の発走前、テレビ東京系の中継で矢野吉彦アナウンサーが「JRAに7つある鉄道云々」とおっしゃって、「サスガは『競馬と鉄道』で馬事文化賞を受賞」と思いました。なお、JRAに7つある、鉄道事業者を冠とした競走は
- 京王杯スプリングC(GII)
- 京王杯2歳S(GII)
- 京成杯オータムH(GIII)
- 京成杯(GIII)
- 京阪杯(GIII)
- 阪急杯(GIII)
- 名鉄杯(L)
です。よく見れば、名鉄杯はリステッドレースになっています。
*
ヴェロックス 牡 鹿毛 2016.3.4生 安平・ノーザンファーム生産 馬主・金子真人ホールディングス(株) 栗東・中内田充正厩舎
ジャスタウェイ 鹿毛 2009.3.8 種付け時活性値:1.50 |
ハーツクライ 鹿毛 2001.4.15 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 1969.2.7 |
Wishing Well 1975.4.12 | |||
アイリッシュダンス 鹿毛 1990.3.26 |
トニービン 1983.4.7 | ||
ビユーパーダンス 1983.2.26 | |||
シビル 鹿毛 1999.5.16 |
Wild Again 黒鹿毛 1980.5.22 |
Icecapade 1969.4.4 | |
Bushel-n-Peck 1958.3.21 | |||
シャロン 栗毛 1987.5.10 |
Mo Exception 1981.1.25 | ||
Double Wiggle 1978.2.4 | |||
セルキス 栗毛 2008.2.23 仔受胎時活性値:1.75 |
Monsun 黒鹿毛 1990.3.4 種付け時活性値:0.25 |
Konigsstuhl 黒鹿毛 1976.5.17 |
Dschingis Khan 1961.2.8 |
Konigskronung 1965.1.18 | |||
Mosella 鹿毛 1985.3.25 |
▲Surumu 1974.2.26 | ||
Monasia 1979.3.3 | |||
Schwarzach 栗毛 2000.1.25 仔受胎時活性値:1.75 |
★Grand Lodge 栗毛 1991.3.6 種付け時活性値:0.00 |
★Chief’s Crown 1982.4.7 | |
La Papagena 1983.5.26 | |||
Schwarzmeer 栗毛 1992.5.3 仔受胎時活性値:1.75 |
Kings Lake 鹿毛 1978.5.12 種付け時活性値:1.25 |
||
Sankt Johanna 鹿毛 1984.3.7 仔受胎時活性値:1.75 |
<5代血統表内のクロス:なし>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ジャスタウェイ (Halo系) |
Monsun (Blandford系) |
★Grand Lodge (Danzig系) |
Kings Lake (Nijinsky系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
ジャスタウェイ | 7.00 | 母が独GII勝ち馬 (No. 16-c) |
4番仔 (4連産目) |
2019年の若駒S(L)。馬群外側の先行4番手からさっそうと抜け出したのは、2番人気のヴェロックス。6番手から差し込んで来た1番人気のサトノウィザード(2016.3.30)を1と4分の3馬身抑え、京都芝2000mを2分0秒7での快勝でした。昨夏の小倉芝1800mのデビュー戦を1分48秒7の8馬身差圧勝で注目された素質馬ヴェロックス、野路菊S(OP)2着、東京スポーツ杯2歳S(GIII)4着からの巻き返しを、2019年の初戦で遂げました。ヴェロックス、その馬名意味は「素早い(ラテン語)」ということです。
さて、若駒Sのかつての勝ち馬を確認すると、
- ハクタイセイ(1987.4.17)
- トウカイテイオー(1988.4.20)
- ディープインパクト(2002.3.25)
- アンライバルド(2006.4.13)
- ヒルノダムール(2007.5.20)
- マカヒキ(2013.1.28)
と、後のGI勝ち馬を6頭輩出している出世レースです。また、競馬は時計だけではありませんが、今回のヴェロックスを含めて、京都芝2000m開催時の勝ち時計上位5頭を確認しますと
- トゥザワールド(2011.4.12)
→勝ち時計2分0秒0。弥生賞(GII)勝ちのほか、有馬記念(GI)2着、皐月賞(GI)2着、ザBMW(豪GI)2着など - ヴェロックス(2016.3.4)
→勝ち時計2分0秒7。本稿の主役 - ディープインパクト(2002.3.25)
→勝ち時計2分0秒8。言わずもがなのGI7勝馬。JRA顕彰馬 - アダムスブリッジ(2012.4.21)
→勝ち時計2分1秒1。結局、若駒Sが最後の勝利でした。シンハライト(2013.4.11)の半兄、故障がなければと悔やまれました - トウカイテイオー(1988.4.20)
→勝ち時計2分1秒4。言わずもがなのGI4勝馬。JRA顕彰馬
ヴェロックス、同じ勝負服の偉大な先輩よりも0秒1速い時計で出世レースを制したのですから、これからが楽しみとなりました。
では、以下にヴェロックスのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。
Schwarzach 2000.1.25 1勝
|Steuben 2006.2.21 2勝 アウフギャロップ大賞(独GIII)3着 バーデンヴュルテンベルクT(独GIII)3着
|セルキス 2008.2.23 2勝 ディアナトライアル(独GII)
||ヴェロックス 2016.3.4 (本馬) 若駒S(L)
ヴェロックスの牝系は16号族c分枝系。いわゆる、シュレンダーハン牧場のSラインですね。母セルキスはホッペガルデン芝2000mのディアナトライアル、すなわち独オークス(GI)のトライアルの勝ち馬です。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。
*
このサイトの管理人、某サイトのPOGでラストドラフトを指名しているそうな。
サートゥルナーリア(2016.3.21)に続いて、ベタベタな良血馬を選んだものですね。
某サイトのPOGは10頭まで選択できて、その10頭目がラストドラフトやったそうな。
別の意味で、ラストドラフトだったんですね。