カデナ 牡 鹿毛 2014.3.30生 新ひだか・グランド牧場生産 馬主・前田幸治氏 栗東・中竹和也厩舎
ディープインパクト 鹿毛 2002.3.25 種付け時活性値:0.75 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
Cosmah 1953.4.4 | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 1963.2.17 | ||
Mountain Flower 1964.3.23 | |||
ウインドインハーヘア 鹿毛 1991.2.20 |
Alzao 鹿毛 1980.2.28 |
Lyphard 1969.5.10 | |
Lady Rebecca 1971.2.28 | |||
Burghclere 鹿毛 1977.4.26 |
Busted 1963.3.16 | ||
Highclere 1971 | |||
フレンチリヴィエラ 栗毛 1999.3.23 仔受胎時活性値:1.50 |
フレンチデピュティ 栗毛 1992.1.30 種付け時活性値:1.50 |
Deputy Minister 黒鹿毛 1979.5.17 |
Vice Regent 1967.4.29 |
Mint Copy 1970.2.24 | |||
Mitterand 鹿毛 1981.2.19 |
Hold Your Peace 1969.1.24 | ||
Laredo Lass 1971.3.19 | |||
Actinella 鹿毛 1990.5.28 仔受胎時活性値:2.00 |
Seattle Slew 黒鹿毛 1974.2.15 種付け時活性値:1.75 |
Bold Reasoning 1968.4.29 | |
My Charmer 1969.3.25 | |||
Aerturas 栗毛 1981.5.4 仔受胎時活性値:2.00(0.00) |
マナード 黒鹿毛 1973.2.26 種付け時活性値:1.75 |
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Amiel 鹿毛 1976.3.12 仔受胎時活性値:1.00 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ディープインパクト (Halo系) |
フレンチデピュティ (Deputy Minster系) |
Seattle Slew (Bold Ruler系) |
マナード (Turn-to系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Seattle Slew (My Charmer) |
6.50 or 4.50 |
半兄スズカコーズウェイ (No.16-h) |
9番仔 (4連産目) |
2016年の第3回京都2歳S(GIII)を制したのは、カデナ。道中は後方8番手を進んで、直線は1番人気のヴァナヘイム(2014.1.25)を目標にして、大外から一気の末脚を見せ、決勝点ではヴァナヘイムに1と4分の1馬身差を着けての勝利。カデナ、フランス語で「南京錠」を意味するその馬名、ロックしたのは重賞勝利によるクラシック挑戦権でした。
カデナの最優性先祖である祖母父Seattle Slewは現役時代に17戦14勝、2着2回。言わずと知れた史上10頭目の米国三冠馬にして、史上初めて無敗で米国三冠を達成した名馬中の名馬の1頭です。米国三冠であるケンタッキーダービー(米GI)、プリークネスS(米GI)、ベルモントS(米GI)のほかに、シャンペンS(米GI)、フラミンゴS(米GI)、ウッドメモリアルS(米GI)、マールボロC招待H(米GI)、ウッドワードS(米GI)、スタイヴァサントH(米GIII)と重賞合計9勝を挙げました。
そんなSeattle Slewは種牡馬としても大活躍を果たし、
- A.P. Indy(1989.3.31)
→ベルモントS、ブリーダーズカップ・クラシック(米GI)、サンタアニタダービー(米GI)、ハリウッドフューチュリティ(米GI)ほか。1992年エクリプス賞年度代表馬。現代のSeattle Slew系の「サイアーオブサイアーズ」。「馬喰」佐藤伝二氏が見出した馬としても知られています - Swale(1981.4.21)
→ケンタッキーダービー、ベルモントS、フロリダダービー(米GI)、フューチュリティS(米GI)、ヤングアメリカS(米GI)ほか。ベルモントS勝利の8日後に急死というアクシデントに見舞われました。1984年エクリプス賞最優秀3歳牡馬 - Slew o’ Gold(1980.4.19)
→ジョッキークラブゴールドC(米GI)2回、ウッドメモリアルS、ホイットニーH(米I)、ウッドワードS2回、マールボロC招待HとGI7勝。1983年エクリプス賞最優秀3歳牡馬、1984年エクリプス賞最優秀古牡馬 - Landaluce(1980.4.11)
→オークリーフS(米GI)、ハリウッドラッシーS(米GII)-21馬身差勝ち(!!)-、デルマーデビュータントS(米GII)ほか。Seattle Slew産駒初のGI勝ち馬。1982年エクリプス賞最優秀2歳牝馬を受賞するも、2歳時に死亡する不運 - Capote(1984.3.25)
→ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(米GI)、ノーフォークS(米GI)。1986年エクリプス賞最優秀2歳牡馬。半兄に名馬Exceller(1973.5.12)。Excellerは1978年のジョッキークラブゴールドCでSeattle Slew、Affirmed(1975.2.21)の2頭の三冠馬を下しました - Surfside(1997.1.21)
→フリゼットS(米GI)、ハリウッドスターレットS(米GI)、サンタアニタオークス(米GI)、ラスヴァージネスS(米GI)ほか。2000年エクリプス賞最優秀3歳牝馬 - Vindication(2000.1.28)
→ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル、ケンタッキーCジュヴェナイルS(米GIII)。2002年エクリプス賞最優秀2歳牡馬。種牡馬Seattle Slew最晩年の代表産駒も、満8歳時に夭折 - スルーザドラゴン(1982.4.3)
→ハリウッドダービー(米GI)ほか。輸入種牡馬としてミルフォードスルー(1988.3.18)、テンザンハゴロモ(1988.4.10)の2頭のJRA重賞勝ち馬を輩出 - シアトルミーティア(1986.4.23)
→スピナウェイS(米GI)、アストリアS(米GIII)ほか。輸入繁殖牝馬 - ダンツシアトル(1990.5.13)
→宝塚記念(GI)、京阪杯(GIII)。1995年の宝塚記念は京都芝2200mを2分10秒2という当時の日本レコードで勝利。2016年現在も軽種馬協会の九州種馬場で種牡馬として供用 -
タイキブリザード(1991.3.12)
→安田記念(GI)、大阪杯(GII)、京王杯SC(GII)ほか。半兄Theatrical(1982.3.13)という世界的良血馬は、そのクビを低く下げた走法が印象的でした。上述の1995年の宝塚記念ではダンツシアトルとのSeattle Slew産駒ワンツーを決めました - ヒシナタリー(1993.2.16)
→阪神牝馬特別(GII)、ローズS(GII)、小倉記念(GIII)、フラワーC(GIII)。満3歳時の1996年に年間重賞4勝を挙げ、宝塚記念でも4着に頑張りました - マチカネキンノホシ(1996.4.2)
→AJCC(GII)、アルゼンチン共和国杯(GII)ほか。こちらも伯父Alysheba(1984.3.3)という、世界的良血の藤沢和雄厩舎の所属馬でした
のほか、多数のGI勝ち馬、重賞勝ち馬を送り込みました。Bold Ruler(1954.4.6)系は、Seattle SlewがA.P. Indyを輩出したことによって、21世紀現在も勢力を保っていると言っても過言ではないでしょう。史上に残る偉大な馬でした、Seattle Slew。
ちなみに、真相は分かりかねますが、故・中島国治氏は、ファシグ・ティプトンのセリ名簿からSeattle Slewをチョイスされたそうな。
実は、このヌレイエフには忘れられない思い出がある。1978年の夏の初めにタイヘイ牧場の六郎田靖氏が、キーンランドで馬を買うからセリ名簿から選んでみてくれ、と私が牧場へ行ったときに頼まれた。タイヘイ牧場には、アメリカン・スタッド・ブック、スタリオン・ブックなど調べるための書物が十分にあった。私は2週間の間牧場に泊まり込み、セリの出場馬を1頭ずつ綿密に調べて、そして選び出した馬がヌレイエフであった。なぜ六郎田氏が私に頼んだかである。それは、1975年のファッシグチプトンの名簿の中から私が1頭選んだ馬がシアトルスルー(Seattle Slew 1974年)であったからだ。同馬はアメリカの三冠馬となった。
-『競馬最強の法則』誌、1998年10月号、P87より抜粋。-
<参考WEB>
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http://www.seattleslew.com/
→Seattle Slewのオフィシャルサイト。コピーライトとして「© 2016 Karen & Mickey Taylor, LLC. All rights reserved.」という記載があります。Seattle Slewの馬主だったテイラー夫妻ですね
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。