Snowfall(2018.2.9)-第243回英オークス(GI)の勝ち馬-

Result

Snowfall(スノーフォール) 牝 鹿毛 2018.2.9生 日本・Roncon, Chelston Ire & Wynatt(安平・ノーザンファーム)生産 馬主・Derrick Smith & Mrs John Magnier & Michael Tabor 愛国・A P O’Brien厩舎

Snowfall(2018.2.9)の4代血統表
ディープインパクト
鹿毛 2002.3.25
種付け時活性値:1.75【15】
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao
鹿毛 1980.2.28
Lyphard 1969.5.10
Lady Rebecca 1971.2.28
Burghclere
鹿毛 1977.4.26
Busted 1963.3.16
Highclere 1971.4.9
ベストインザワールド
鹿毛 2013.4.12
仔受胎時活性値:1.00【4】
Galileo
鹿毛 1998.3.30
種付け時活性値:1.50【14】
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
Urban Sea
栗毛 1989.2.18
Miswaki 1978.2.22
Allegretta 1978.3.10
Red Evie
鹿毛 2003.3.1
仔受胎時活性値:0.25【9】
★Intikhab
鹿毛 1994.5.8
種付け時活性値:0.00【8】
Red Ransom 1987.3.31
Crafty Example 1987.4.11
Malafemmena
鹿毛 1992.4.7
仔受胎時活性値:0.50【10】
Nordico
鹿毛 1981.3.8
種付け時活性値:0.50【10】
Martinova
鹿毛 1978.4.30
仔受胎時活性値:1.25【13】

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×5×5>

Snowfall(2018.2.9)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ディープインパクト
(サンデーサイレンス系)
Galileo
(Sadler’s Wells系)
★Intikhab
(Roberto系)
Nordico
(Northern Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ディープインパクト 3.00 伯母が凱旋門賞馬
(No. 1-m)
初仔

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2021年の第243回英オークス(GI。エプソムダウンズ芝12F6y)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 10 Snowfall 牝3 57.2 Frankie Dettori 2:42.67 A P O’Brien 3
2 4 Mystery Angel 牝3 57.2 Ben Curtis 16 George Boughey 13
3 1 Divinely 牝3 57.2 Seamie Heffernan 1 3/4 A P O’Brien 7
4 8 Save A Forest 牝3 57.2 Callum Shepherd 1 Roger Varian 11
5 7 Santa Barbara 牝3 57.2 Ryan Moore 3 A P O’Brien 1
【英・オークス】ディープインパクト産駒スノーフォールが16馬身差圧勝!/海外競馬レース結果 | 競馬ニュース - netkeiba.com
現地時間4日、イギリスのエプソム競馬場でG1・第243回オークス(3歳牝・芝2410m・14頭立て)が行われた 道中は馬群がほぼ一団。最後の直線では全馬が荒れた内を避け外ラチ沿いへと持ち出す展開。 … No.1競馬情報サイト「netkeib...

2021年の第243回英オークス。なんじゃこりゃ~。ノーザンファーム生産のディープインパクト産駒Snowfall、英オークス史上最大着差となる2着馬に16馬身差という深い衝撃の勝利。レース動画を見て「うわぁ、大圧勝、大圧勝!!」と言いながら、目を剥いてしまいました^^;。こんな辺境サイトまで足を運んでくださる方は既にレースをご覧になっているかと思いますが、未見の方がいらっしゃいましたら、是非レースをご覧ください。直線、外ラチ沿いを走る鹿毛のSnowfall、紫を基調としたおなじみの勝負服をまとったフランキーが追い出しに掛かった後の姿、これはシビレました。

Snowfallにはテン乗りとなったランフランコ・デットーリ騎手は第216回のBalanchine(1991.4.16)、第217回のMoonshell(1992.2.20)、第224回のKazzia(1999.4.12)、第239回のEnable(2014.2.12)、第241回のAnapurna(2016.3.31)に続いて英オークス6勝目。管理されるエイダン・パトリック・オブライエン調教師は第220回のシャトゥーシュ(1995.4.29)、第223回のImagine(1998.2.20)、第228回のAlexandrova(2003.4.23)、第234回のWas(2009.5.11)、第237回のQualify(2012.4.22)、第238回のマインディング(2013.2.10)、第240回のForever Together(2015.5.25)、第242回のLove(2017.4.13)に続いて英オークス9回目。「もう、お二方とも何回エプソムオークス勝ってはりますのん^^;」と苦笑いしてしまいますが、それでも英オークスの最多勝騎手、最多勝調教師という訳ではありませんので、243回という歴史の長さを思います。

Epsom Oaks - Wikipedia

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では、以下にSnowfallのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。

Red Evie 2003.3.1 9勝 ロッキンジS(英GI) 愛メイトロンS(GI)ほか
|Magical Dream 2010.1.30 2勝 愛パークS(GIII)ほか
|Found 2012.3.13 6勝 凱旋門賞(仏GI) ブリーダーズカップ・ターフ(米GI) マルセルブサック賞(仏GI)ほか
||Battleground 2018.5.10 現役 ヴィンテージS(英GII)
|ベストインザワールド 2013.4.12 2勝 ギヴサンクスS(愛GIII)ほか
||Snowfall 2018.2.9 (本馬) 英オークス(GI) ミュージドラS(英GIII)
|Divinely 2018.5.5 現役 フレイムオブタラS(愛GIII)ほか

Snowfallの牝系は主に愛国で継承されている1号族m分枝系。これは活力充分な良血。母ベストインザワールドは愛GIII勝ち、祖母Red Evieは英愛でGI2勝、伯母Foundはマカヒキ(2013.1.28)が挑んだ2016年の第95回凱旋門賞(仏GI)の勝ち馬です。

第95回凱旋門賞(仏GI)の勝ち馬。
Found 牝 鹿毛 2012.3.13生 愛国・Roncon, Wynatt & Chelston生産 馬主・Michael Tabor & Derrick Smith & Mrs John 愛国・Aidan P. O'Brien厩舎 F...

またSnowfallと同い年の叔母Divinelyは↑のレース結果にも名前が見えます。オブライエン厩舎のステーブルメイトでもあるDivinely、今回の英オークスで3着と頑張り、同一牝系馬の連動する活躍を見せてくれました。

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Snowfallについては、やはり昨年2020年のフィリーズマイル(英GI)における「あの事件」が思い出されます。

Pretty Gorgeous(2018.2.24)-第47回フィリーズマイル(英GI)の勝ち馬-
Pretty Gorgeous(プリティゴージャス) 牝 鹿毛 2018.2.24生 仏国・E.A.R.L. Ecurie Haras du Cadran et al生産 馬主・John C Oxley 愛国・Joseph Patrick O'Brien厩舎
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現地9日に英ニューマーケット競馬場にて行われたG1フィリーズマイル(2歳牝馬、芝8ハロン)で、3位入線したディープインパクト産駒スノーフォールと思われていた馬が、実は別の馬だったことがレース後に発覚
馬の取り違え発生の英G1フィリーズマイル、最終着順が確定 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト
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名馬には色々なエピソードが付きものです。Snowfall、その実力を以て、栄光の英国クラシックホースとして歴史に名前を刻みました。

……って、今年の第208回英1000ギニー(GI)を制したMother Earth(2018.4.24)の記事からの転用なのですが、

Mother Earth(2018.4.24)-第208回英1000ギニー(GI)の勝ち馬-
Mother Earth(マザーアース) 牝 鹿毛 2018.4.24生 愛国・Grenane House Stud生産 馬主・Derrick Smith & Mrs John Magnier & Michael Tabor 愛国・A P O'Brien厩舎

勝負事には不思議な流れがあると思いました。2歳時は珍事で名前を売った2頭が、3歳となって2頭共に英国の牝馬クラシック勝ち馬となったのですから。2頭共に「デリック・スミス氏を筆頭馬主としオブライエン厩舎所属の鹿毛馬」であることが珍事の引き金でしたが、クラシック制覇については2頭共に「テン乗りのデットーリ騎手による勝利」でした。むぅ、フランキー、やっぱりサスガです(^^)

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Snowfallが今回の英オークスで見せたスーパーパフォーマンスにより、欧州のブックメーカー各社は第100回の節目を迎える今秋の凱旋門賞の前売りオッズにおいて1番人気に押し上げた模様。Snowfall、父が成し得なかった凱旋門賞制覇となりますでしょうか。そしてまたクロノジェネシス(2016.3.6)レイパパレ(2017.1.28)等も登録している第100回凱旋門賞、日本生産海外調教馬と日本生産調教馬の対決がなされますでしょうか。

ともあれSnowfall、まずは超抜の走りの疲れを充分に癒してください。素晴らしい走り、本当にお疲れ様でした。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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#余談。今回の戦前までの英オークスにおける2着馬との最大着差は、第205回を制したSun Princess(1980.5.18)の12馬身差でした。英オークス、ヨークシャーオークス(英GI)、英セントレジャーS(GI)とGI3勝を挙げた名牝Sun Princess、ノーザンファームにも縁のある牝馬です。ええ。孫にフサイチコンコルド(1993.2.11)アンライバルド(2006.4.13)、曾孫にヴィクトリー(2004.4.3)ですからね(^^)