ニシケンモノノフ 牡 栗毛 2011.3.11生 新冠・八木常郎氏生産 馬主・西森鶴氏 栗東・庄野靖志厩舎
メイショウボーラー 黒鹿毛 2001.4.16 種付け時活性値:0.25 |
タイキシャトル 栗毛 1994.3.23 |
Devil’s Bag 鹿毛 1981.2.19 |
Halo 1969.2.7 |
Ballade 1972.3.10 | |||
ウェルシュマフィン 鹿毛 1987.3.15 |
Caerleon 1980.3.27 | ||
Muffitys 1982.3.7 | |||
ナイスレイズ 黒鹿毛 1994.4.10 |
▲Storm Cat 黒鹿毛 1983.2.27 |
Storm Bird 1978.4.19 | |
Terlingua 1976.2.7 | |||
Nice Tradition 鹿毛 1979.11.7 |
Search Tradition 1971.2.24 | ||
Nice Dancing 1970 | |||
グリーンヒルコマチ 栗毛 1998.2.16 仔受胎時活性値:1.00 |
アフリート 栗毛 1984.4.10 種付け時活性値:1.25 |
Mr. Prospector 鹿毛 1970.1.28 |
★Raise a Native 1961.4.18 |
Gold Digger 1962.5.28 | |||
Polite Lady 鹿毛 1977.3.13 |
Venetian Jester 1964.3.24 | ||
Friendly Ways 1968.5.10 | |||
ツネノコトブキ 栗毛 1988.3.16 仔受胎時活性値:0.25 |
サンシヤインボーイ 栃栗毛 1974.4.21 種付け時活性値:1.25 |
テスコボーイ 1963 | |
ソーダストリーム 1953 | |||
オリエントゴールド 鹿毛 1978.4.3 仔受胎時活性値:0.25 |
★タニノチカラ 栗毛 1969.4.14 種付け時活性値:0.00 |
||
センゾクチカラ 鹿毛 1971.5.10 仔受胎時活性値:1.50 |
<5代血統表内のクロス:Nashua5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
メイショウボーラー (Halo系) |
アフリート (Mr. Prospector系) |
サンシヤインボーイ (Princely Gift系) |
★タニノチカラ (Clarion系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
アフリート (Gold Digger) |
3.00 |
ステートジヤガーと同牝系 (No. 6 フエアペギー系) |
7番仔 (不受胎後) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 3F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | ニシケンモノノフ | 牡6 | 57 | 横山典弘 | 1:11.4 | 36.6 |
507 [0] |
庄野靖志 | 2 | |
2 | 10 | コパノリッキー | 牡7 | 57 | 森泰斗 | 1:11.4 | アタマ | 36.6 |
537 [-9] |
村山明 | 1 |
3 | 11 | ブルドッグボス | 牡5 | 57 | 内田博幸 | 1:11.4 | アタマ | 36.2 |
509 [-7] |
小久保智 | 3 |
4 | 15 | ネロ | 牡6 | 57 | 中野省吾 | 1:11.4 | クビ | 36.8 |
467 [-5] |
森秀行 | 8 |
5 | 3 | キタサンミカヅキ | 牡7 | 57 | 繁田健一 | 1:11.5 | 1/2 | 36.2 |
532 [0] |
佐藤賢二 | 4 |
2017年の第17回JBCスプリント。ジーワン10勝のコパノリッキー(2010.3.24)が新境地を開くべく、スプリント戦に矛先を向けてきたこの一戦。鞍上に2015年と2016年の全国首位騎手の森泰斗騎手を迎えたことも話題を呼び、やはり1番人気に推されました。ところが、スプリント戦では最も肝要な発馬で若干出負け加減となり、後方から。南関東4場を知り尽くす森騎手は、コパノリッキーの自力を信じて、スタート後2ハロンを超えた辺りから外目進出。4角では3番手まで進出したコパノリッキーは、番手先行のネロ(2011.5.27)を標的に直線で抜け出しに掛かりました。ただ、やはり勝手が違う距離であり、そしてまた敵もさるもの。粘るネロ、離そうとするコパノリッキー。さらに外からブルドックボス(2012.4.20)が迫り、そして内から鋭脚を見せたのがニシケンモノノフ。好発からレースの流れに乗っていたニシケンモノノフ、短距離戦ではやはりリズムがモノを言ったのか、4頭の激しい鍔迫り合いを僅かに制して、悲願のジーワン初制覇を遂げました。また、馬主である西森鶴オーナーにとっては、ひとつ前のレースである第7回JBCレディスクラシック(JpnI)で、ホワイトフーガ(2012.3.28)が3連覇を逃した後の、すぐさまの巻き返しでした。
ニシケンモノノフの父メイショウボーラーにとっても今回のJBCスプリントが産駒のジーワン初勝利となりました。メイショウボーラー産駒は、夏にラインミーティア(2010.2.26)がアイビスサマーダッシュ(GIII)を制しており、そして秋にニシケンモノノフがJBCスプリントを制してと、上昇気流に乗っている感があります。メイショウボーラー産駒といえば、兵庫チャンピオンシップ(JpnII)の勝ち馬エキマエ(2011.5.15)も戦列復帰しましたね。
そんなメイショウボーラーの代表産駒3頭の血統構成を確認してみると、、、
馬名 (生年月日) [F No.] |
母の 何番仔? |
4代血統構成 | |||
---|---|---|---|---|---|
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 | ||
ニシケンモノノフ (2011.3.11) [6 フエアペギー系] |
7番仔 (不受胎後) |
メイショウボーラー | アフリート | サンシヤインボーイ | ★タニノチカラ |
エキマエ (2011.5.15) [4-l トリーテイ系] |
10番仔 (10連産目) |
メイショウボーラー | コマンダーインチーフ | オウインスパイアリング | トウシヨウボーイ |
ラインミーティア (2010.2.26) [4-l トリーテイ系] |
初仔 (不受胎後) |
★メイショウボーラー | オース | オグリキャップ | ニルコス |
3頭いずれも「渋い」と唸ってしまいます。ラインミーティアは祖母父がオグリキャップ(1985.3.27)であることも話題となりました。ラインミーティアの祖母であるアラマサキャップ(1992.5.7)はオグリキャップの初年度産駒の1頭であり、クイーンS(GIII)ではサクラキャンドル(1992.4.9)の2着でした。エキマエとラインミーティアは共に豪州からの輸入牝馬トリーテイ(1959)を祖とする4号族。2頭共にアラキファームの生産馬であり、エキマエは曾祖母が第48回桜花賞(GI)の勝ち馬アラホウトク(1985.3.24)です。
そして本稿の主役であるニシケンモノノフ。祖母父サンシヤインボーイ、曾祖母父タニノチカラのシブさに輪を掛けて、牝系が小岩井の6号族フエアペギー(1902)系。フエアペギー系のジーワン級レースの勝ち馬は、私が見て来た中では、ニシケンモノノフが初めての馬です。フエアペギーを牝系に持つ馬は、テツザクラ(1937)、ヒロサクラ(1940.3.9)、トヨウメ(1943)、そして初代ヒシマサル(1955.4.5)等が古の活躍馬として知られており、21世紀に入ってからでは、キングカメハメハ(2001.3.20)が生涯唯一の敗戦を喫した、2004年の京成杯(GIII)の勝ち馬フォーカルポイント(2001.1.28)が知られるくらいです。そういえば、フォーカルポイントが京成杯を制した際の鞍上も、ニシケンモノノフ同様、横山典弘騎手でした。
では、以下にニシケンモノノフの簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。
センゾクチカラ 1971.5.10 2勝 |オリエントゴールド 1978.4.3 15勝 ||ツネノコトブキ 1988.3.16 2勝 |||グリーンヒルコマチ 1998.2.16 不出走 ||||ニシケンモノノフ 2011.3.11 (本馬) JBCスプリント(JpnI) 兵庫ジュニアグランプリ(JpnII) 北海道スプリントC(JpnIII) 兵庫ゴールドT(JpnIII)ほか |ステートジヤガー 1981.4.27 9勝 大阪杯(GII)ほか
ニシケンモノノフの近親では、やはり、ステートジヤガーの名前に目が行きます。大井、笠松で活躍した後、中央移籍初戦となった1985年のマイラーズC(GII)ではニホンピロウイナー(1980.4.27)から4分の3馬身差の2着、そして同年の大阪杯においてミスターシービー(1980.4.7)をハナだけ封じて中央重賞勝ち馬となったのでした。種牡馬として供用されたステートジヤガーは、7世代34頭という数少ない産駒から、アーリントンC(GIII)と毎日杯GIII)を制したメルシーステージ(1991.4.17)を輩出しました。確認すれば、メルシーステージは世代唯1頭の産駒であり、メルシーステージが生まれる前年、つまり1990年の種付け頭数は唯1頭だけ。一発一中のホームランが、メルシーステージでした。ただ、メルシーステージは牝系がかなりしっかりしており、母マミーブルー(1970.5.13)が京成杯3歳S(現京王杯2歳S、GII)の勝ち馬、半兄メルシーアトラ(1987.4.4)が日経新春杯(GII)の勝ち馬という良血馬でした。ついで述べれば、メルシーアトラ、メルシーステージ共に、母マミーブルーが不受胎後の仔でした。
最後はちょっと脱線してしまいましたが、和風味漂う渋い血統背景を持つニシケンモノノフ。砂上を駆け抜ける武士の走り、これからも期待しています。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。