Medina Spirit(メディーナスピリット) 牡 黒鹿毛 2018.4.5生 米国・Gail Rice生産 馬主・Zedan Racing Stables 米国・Bob Baffert厩舎
Protonico 黒鹿毛 2011.2.21 種付け時活性値:1.50【6】 |
Giant’s Causeway 栗毛 1997.2.14 |
Storm Cat 黒鹿毛 1983.2.27 |
Storm Bird 1978.4.19 |
Terlingua 1976.2.7 | |||
Mariah’s Storm 鹿毛 1991.4.1 |
Rahy 1985.2.18 | ||
イメンス 1979.3.17 | |||
Alpha Spirit 黒鹿毛 2006.3.29 |
★A.P. Indy 黒鹿毛 1989.3.31 |
Seattle Slew 1974.2.15 | |
Weekend Surprise 1980.4.8 | |||
Wild Spirit 黒鹿毛 1999.7.28 |
Hussonet 1991.1.29 | ||
Wild Princess 1990.2.10 | |||
Mongolian Changa 鹿毛 2014.5.8 仔受胎時活性値:0.75【3】 |
Brilliant Speed 黒鹿毛 2008.4.22 種付け時活性値:1.25【5】 |
Dynaformer 黒鹿毛 1985.4.1 |
Roberto 1969.3.16 |
Andover Way 1978.4.11 | |||
Speed Succeeds 黒鹿毛 2001.2.18 |
★Gone West 1984.3.10 | ||
Daijin 1992.2.19 | |||
Bridled 鹿毛 2001.1.23 仔受胎時活性値:1.00【12】 |
Unbridled 鹿毛 1987.3.5 種付け時活性値:1.25【13】 |
Fappiano 1977.5.19 | |
Gana Facil 1981.2.9 | |||
Holy Niner 芦毛 1996.3.16 仔受胎時活性値:1.00【4】 |
Holy Bull 芦毛 1991.1.24 種付け時活性値:1.00【4】 |
||
Scoop the Gold 栗毛 1990.4.2 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
<5代血統表内のクロス:Roberto5×4、Mr. Prospector5×5×5、Secretariat5×5(父方)>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Protonico (Storm Cat系) |
Brilliant Speed (Roberto系) |
Unbridled (Mr. Prospector系) |
Holy Bull (Rough’n Tumble系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Protonico | 4.00 |
High Yieldと同牝系 (No. 2-n) |
初仔 |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
人 気 |
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1 | 8 | Medina Spirit | 牡3 | 57.2 | John R Velazquez | 2:01.02 | Bob Baffert | 6 |
2 | 7 | Mandaloun | 牡3 | 57.2 | Florent Geroux | 1/2 | Brad H Cox | 8 |
3 | 9 | Hot Rod Charlie | 牡3 | 57.2 | Flavien Prat | 1/2 | Doug O’Neill | 3 |
4 | 14 | Essential Quality | 牡3 | 57.2 | Luis Saez | アタマ | Brad H Cox | 1 |
5 | 6 | O Besos | 牡3 | 57.2 | Marcelino Pedroza | 4 1/2 | Gregory D Foley | 14 |

2021年の第147回ケンタッキーダービー(米GI)。19頭立てとなった”The Run for the Roses”、バラの首飾りを賭けた一戦を制したのは6番人気のMedina Spirit。戦前まで5戦2勝、2着3回だった成績を確認すれば、デビューとなった昨年11月のロスアラミトス・ダート5.5ハロンのメイドン、グレードレース初勝利となった今年1月のサンタアニタ・ダート8.5ハロンのロバートB.ルイスS(米GIII)では共に逃げての勝利。2着3回を見ればサンタアニタダービー(米GI)、サンフェリペS(米GII)、シャムS(米GIII)であり、その3レースは先行するものの逃げてという訳ではありませんでした。そして迎えた大一番のケンタッキーダービーではしっかりと逃げ、終始差がなく後続から圧を受けたものの、最後の最後まで頑張りきりました。チャーチルダウンズ・ダート10ハロンの勝ち時計2分1秒02は史上10位の好タイム。競馬は時計が全てではありませんけれど、Medina Spiritが自身で刻んだこの勝ち時計は立派です。
そんなMedina Spiritを御したのは「ザ・キャプテン」ジョン・ヴェラスケス騎手、昨年2020年の第146回を制したAuthentic(2017.5.5)に続いて、2年連続となるケンタッキーダービー逃げ切り勝ち。ヴェラスケス騎手は2011年の第137回をアニマルキングダム(2008.3.20)、2014年の第143回をAlways Dreaming(2014.2.25)で勝利を収められており、通算ではケンタッキーダービー4勝目。

そうしてMedina Spiritを管理されるボブ・バファート調教師は、調教師として単独で史上最多となるケンタッキーダービー7勝目(!!)を遂げられました。バファート師が管理されたケンタッキーダービー馬を生年順に確認しますと、
-
シルバーチャーム(1994.2.22)
→ケンタッキーダービー(米GI)、プリークネスS(米GI)、ドバイワールドC(UAE・GI)ほか -
Real Quiet(1995.3.7)
→ケンタッキーダービー(米GI)、プリークネスS(米GI)、ハリウッドゴールドC(米GI)、ピムリコスペシャルH(米GI)、ハリウッドフューチュリティ(米GI)ほか -
ウォーエンブレム(1999.2.20)
→ケンタッキーダービー(米GI)、プリークネスS(米GI)、ハスケル招待H(米GI)ほか -
American Pharoah(2012.2.2)
→ケンタッキーダービー(米GI)、プリークネスS(米GI)、ベルモントS(米GI)、ブリーダーズカップ・クラシック(米GI)、ハスケル招待S(米GI)、アーカンソーダービー(米GI)、フロントランナーS(米GI)、デルマーフューチュリティ(米GI)ほか -
Justify(2015.3.28)
→ケンタッキーダービー(米GI)、プリークネスS(米GI)、ベルモントS(米GI)、サンタアニタダービー(米GI) -
Authentic(2017.5.5)
→ケンタッキーダービー(米GI)、ブリーダーズカップ・クラシック(米GI)、ハスケルS(米GI)ほか - Medina Spirit(2018.4.5)
→ケンタッキーダービー(米GI)ほか。本稿の主役
シルバーチャームとReal Quietとウォーエンブレムは二冠馬、American PharoahとJustifyは三冠馬。ええ、イレギュラーな開催だった昨年のAuthenticを除けば、三冠の一冠目となるケンタッキーダービーを勝てば二冠以上は獲得ということです^^;。Authenticとてブリーダーズカップ・クラシックを制して2020年のエクリプス賞年度代表馬に選出されたのですから、バファート師が育てられた先代のケンタッキーダービー馬たちは、人々の耳目を集める特に格式の高い米GIレースを必ず2勝以上はしています。恐るべしはその手腕、名伯楽バファート師。
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Medina Spiritはフロリダ州産馬であり、2019年1月のオカラセールでクリスティ・ホイットマン氏に「1000米ドル」で購入され、コンサイニングの後、2020年7月のオカラセールで現オーナーに「35000米ドル」で購入されました。日本円にすると約11万円、約370万円で取引された馬がケンタッキーダービー馬となるのですから、サスガに夢があります。そしてまた、

によりますと、出産予定日から遅れていた初産の母Mongolian Changaは、Medina Spiritを産んだ時に初乳を与える準備が出来ていなかったそうです。結果、Medina SpiritはScribbling Sarah(2010.4.29)という別の繁殖牝馬の、冷凍保存されていた余分の初乳を与えられたそうな。むぅ、色んな物語があります。
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0の理論的にはMedina Spiritの最優性先祖でもある父Protonicoは、現役時代に7勝を挙げ、その主な勝ち鞍にアリシーバS(米GII)、ベンアリS(米GIII)、ディスカヴァリーH(米GIII)、スマーティジョーンズS(米GIII)と8ハロン70ヤードから9ハロンの米グレードレース4勝があります。特にベンアリSではキーンランド・ダート9ハロンのトラックレコードとなる1分48秒79で駆けました。今回のケンタッキーダービーにおいてMedina Spiritは逃げ切りで勝利を収めた訳ですが、父ProtonicoもベンアリSでは逃げてトラックレコード勝ちを果たしました。そんなProtonico、GIレースではクラークH(米GI)2着、ジョッキークラブゴールドC(米GI)3着がありますけれど、勝利には至らず。それでもProtonico自身が米グレードレース4勝、祖母Wild SpiritがラフィアンH(米GI)、アルベルトSマグナスコ賞(智GI)、ミルギニーズ(智GI)、智グランクリテリウム(GI)と米国と智国(チリ)でGI4勝という母系の血筋の良さを買われたのか、ケンタッキー州の老舗名門であるキャッスルトンライオンズファームにおいて種牡馬として繋養されています。
Protonico、2021年のスタッドフィーは5000米ドル(産駒誕生後)。「どうです旦那、こいつはお買い得ですぜ」と手揉みをしたくなるような種付け料ですが、初年度産駒からいきなりケンタッキーダービー馬を輩出したのですから、来年2022年からは値上がり必死ですね^^;。なお、米国ジョッキークラブによるProtonicoの種付け頭数(翌年の生産頭数)の推移は2017年34頭(19頭)、2018年51頭(35頭)、2019年23頭(16頭)、2020年16頭。Medina Spiritは19頭しかいないProtonicoの初年度産駒、2018年生まれ世代の1頭ということですね。
Medina Spiritの強みは、0の理論的な見解では父Protonicoの初年度産駒、輪を掛けて生産頭数が少ないマイナー種牡馬の仔、そして母Mongolian Changaの初仔というバックボーンがあることでしょうか。そしてまた父ProtonicoがA.P. Indyの0化を果たしており、Medina Spiritは繁殖入りした際にも良い働きが出来そうです。
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Medina Spirit。アメリカンドリームの新しい体現馬として向かう先にあるもの。三冠街道をひた走るであろうMedina Spiritの未来に幸多かれと祈り願います。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。