Authentic(2017.5.5)-第146回ケンタッキーダービー(米GI)の勝ち馬-

Result

Authentic(オーセンティック) 牡 鹿毛 2017.5.5生 米国・Peter E. Blum Thoroughbreds, LLC生産 馬主・Spendthrift Farm LLC, MyRaceHorse Stable, Madaket Stables LLC and Starlight Racing Owner Link 米国・Bob Baffert厩舎

Authentic(2017.5.5)の4代血統表
Into Mischief
鹿毛 2005.3.28
種付け時活性値:0.75【11】
Harlan’s Holiday
鹿毛 1999.4.6
Harlan
黒鹿毛 1989.3.2
Storm Cat 1983.2.27
Country Romance 1976.3.2
Christmas in Aiken
鹿毛 1992.3.25
★Affirmed 1975.2.21
Dowager 1980.5.8
Leslie’s Lady
鹿毛 1996.3.10
Tricky Creek
鹿毛 1986.4.19
▲Clever Trick 1976.3.10
Battle Creek Girl 1977.3.10
Crystal Lady
鹿毛 1990.5.12
Stop the Music 1970.3.23
One Last Bird 1980.4.30
Flawless
黒鹿毛 2007.4.10
仔受胎時活性値:0.25【9】
Mr. Greeley
栗毛 1992.5.2
種付け時活性値:1.50【14】
Gone West
鹿毛 1984.3.10
Mr. Prospector 1970.1.28
Secrettame 1978.3.15
Long Legend
栗毛 1978.4.26
Reviewer 1966.4.30
Lianga 1971
Oyster Baby
黒鹿毛 2002.3.24
仔受胎時活性値:1.00【4】
Wild Again
黒鹿毛 1980.5.22
種付け時活性値:1.25【21】
Icecapade 1969.4.4
Bushel-n-Peck 1958.3.21
Really Fancy
鹿毛 1983.3.28
仔受胎時活性値:0.50【18】
In Reality
鹿毛 1964.3.1
種付け時活性値:0.50【18】
Native Fancy
鹿毛 1978.3.31
仔受胎時活性値:1.00【4】

<5代血統表内のクロス:Icecapade5×4>

Authentic(2017.5.5)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Into Mischief
(Storm Cat系)
Mr. Greeley
(Mr. Prospector系)
Wild Again
(Nearctic系)
In Reality
(Intent系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Mr. Greeley
(Gone West)
2.75 曾祖母が米GIII勝ち馬
(No. 3-n)
3番仔?

*

2020年の第146回ケンタッキーダービー(米GI。チャーチルダウンズ・ダート10F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 18 Authentic 牡3 57.2 John R Velazquez 2:00.61 Bob Baffert 3
2 17 Tiz The Law 牡3 57.2 Manuel Franco 1 1/4 Barclay Tagg 1
3 9 Mr. Big News 牡3 57.2 Gabriel Saez 2 W Bret Calhoun 12
4 16 Honor A. P. 牡3 57.2 Mike E Smith 1 3/4 John Shirreffs 2
5 2 Max Player 牡3 57.2 Ricardo Santana Jr 2 Steven Asmussen 6

“The Run for the Roses”とも称されるバラを賭けた米国3歳馬たちの一戦。1番人気のベルモントS(米GI)&トラヴァーズS(米GI)の勝ち馬Tiz The Law(2017.3.19)が17番枠、2番人気のサンタアニタダービー(米GI)の勝ち馬Honor A. P.(2017.3.13)が16番枠、3番人気のハスケルS(米GI)の勝ち馬Authenticが大外18番枠。外枠不利と目されるチャーチルダウンズ・ダート10ハロンの大一番において、上位人気3頭が揃いも揃って外枠からの出走となったこの一戦。終わってみれば大外「18番枠ものかは(by 馬場鉄志アナ)」、機先を制したAuthenticとジョン・ヴェラスケス騎手、最終4コーナーで迫られ、直線でいったんは交わされかけたように見えたTiz The Lawとマニュエル・フランコ騎手の追撃を振り切り、決勝点では1と4分の1馬身差を着けての見事な逃げ切り勝ちでした。不意の9月開催ではありましたが、その勝ち時計2分0秒61は、ダート10ハロンで行われたケンタッキーダービーでは史上7回目となる2分1秒を切る好時計でした。

#ケンタッキーダービーを2分1秒を切るタイムで制したのは、Secretariat(1970.3.30)が1分59秒4、Monarchos(1998.2.9)が1分59秒97、Northern Dancer(1961.5.27)が2分0秒0、Spend A Buck(1982.5.15)が2分0秒2、Decidedly(1959.3.3)が2分0秒4、Proud Clarion(1964.1.19)が2分0秒6、そしてAuthenticが2分0秒61の7頭です。

*

さて、0の理論的にはAuthenticの料的遺伝値は「2.75」という数値です。この「2.75」という数値は、我らがサンデーサイレンス(1986.3.25)以降のケンタッキーダービー勝ち馬としては、そのサンデーサイレンスの「2.50」に次ぐ、弱小な数値となっています。

SS以降のエクリプス賞年度代表馬を辿る(其の壱)-サンデーサイレンス(1986.3.25)-
サンデーサイレンス(Sunday Silence) 牡 青鹿毛 1986.3.25生~2002.8.19没 米国・Oak Cliff Thoroughbreds, Ltd. 生産 馬主・Gaillard-Hancock III-Whittingham 米国・Charles E. Whittingham厩舎

Authenticの料的遺伝値の少なさを知ってか知らずか、名伯楽ボブ・バファート調教師はAuthenticがケンタッキーダービーに向かうに当たり、7月18日に行われたハスケルS1着から9月5日のケンタッキーダービーまで1ヶ月半の間を取って、Authenticを見事にバラを賭けた戦いの勝者に導かれました。

#余談。Authenticを含めたサンデーサイレンス以降のケンタッキーダービー馬の料的遺伝値の平均は「4.61」で、料的遺伝値の最大値は「6.00」を持つカリズマティック(1996.3.13)ウォーエンブレム(1999.2.20)Smarty Jones(2001.2.28)アイルハヴアナザー(2009.4.1)American Pharoah(2012.2.2)の5頭が並んでいます。さらに余談となりますが、バファート師が管理されたAuthentic以外の馬ではシルバーチャーム(1994.2.22)が「4.75」、Real Quiet(1995.3.7)が「4.50」、ウォーエンブレムが「6.00」(上述)、American Pharoahが「6.00」(上述)、Justify(2015.3.28)が「5.75」となっています。

*

COVID-19の影響によりベルモントS、ケンタッキーダービー、プリークネスS(米GI)という異例の順番となった2020年の米国クラシック戦線。最終のプリークネスSは10月3日に行われます。”The Run for the Carnations”と”Midsummer Derby”を制したTiz The Lawの巻き返しがあるのか、あるいは”The Run for the Roses”を制したAuthenticがその名の通り「本物の」王者であることを改めて見せ付けるのか、はたまた他馬の台頭があるのか。米国3歳精鋭たちの”The Run for the Black-Eyed Susans”の走りも楽しみにしたいと思います。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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