ニシノデイジー 牡 鹿毛 2016.4.18生 浦河町・谷川牧場生産 馬主・西山 茂行氏 美浦・高木 登厩舎
ハービンジャー 鹿毛 2006.3.12 種付け時活性値:0.25【9】 |
▲ Dansili 黒鹿毛 1996.1.27 |
デインヒル 鹿毛 1986.3.26 |
★Danzig 1977.2.12 |
Razyana 1981.4.18 | |||
Hasili 鹿毛 1991.3.12 |
Kahyasi 1985.4.2 | ||
Kerali 1984.3.4 | |||
Penang Pearl 鹿毛 1996.3.11 |
Bering 栗毛 1983.3.20 |
▲Arctic Tern 1973 | |
Beaune 1974.4.10 | |||
Guapa 鹿毛 1988.5.4 |
Shareef Dancer 1980.3.3 | ||
Sauceboat 1972 | |||
ニシノヒナギク 鹿毛 2008.2.1 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
アグネスタキオン 栗毛 1998.4.13 種付け時活性値:0.25【9】 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 1969.2.7 |
Wishing Well 1975.4.12 | |||
アグネスフローラ 鹿毛 1987.6.18 |
ロイヤルスキー 1974.5.24 | ||
アグネスレデイー 1976.3.25 | |||
ニシノミライ 鹿毛 2003.4.17 仔受胎時活性値:1.00【4】 |
セイウンスカイ 芦毛 1995.4.26 種付け時活性値:1.75【7】 |
シェリフズスター 1985.4.27 | |
シスターミル 1990.4.8 | |||
ニシノフラワー 黒鹿毛 1989.4.19 仔受胎時活性値:1.25【13】 |
Majestic Light 鹿毛 1973.3.29 種付け時活性値:1.75【15】 |
||
デユプリシト 鹿毛 1985.5.7 仔受胎時活性値:0.75【3】 |
<5代血統表内のクロス:Danzig4×5、Northern Dancer5×5(父方)>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ハービンジャー (デインヒル系) |
アグネスタキオン (サンデーサイレンス系) |
セイウンスカイ (Forli系) |
Majestic Light (Raise a Native系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
セイウンスカイ (アンジユレスイート) |
4.75 |
曾祖母がGI3勝の名牝 (No. 2-s) |
3番仔 (流産後) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
通過 順位 |
平均 1F |
馬体重 [増減] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | ニシノデイジー | 牡6 | 63 | 五十嵐 雄祐 | 4:45.9 | 2-2-1-1 | 13.9 |
504 [+2] |
高木 登 | 5 | |
2 | 11 | ゼノヴァース | 牡5 | 63 | 森 一馬 | 4:46.4 | 3 | 4-4-4-2 | 14.0 |
460 [+4] |
小林 真也 | 3 |
3 | 7 | マイネルレオーネ | 牡10 | 63 | 植野 貴也 | 4:46.7 | 1 3/4 | 6-6-5-7 | 14.0 |
408 [-6] |
清水 久詞 | 6 |
4 | 6 | マッスルビーチ | 牡6 | 63 | 北沢 伸也 | 4:47.6 | 5 | 9-9-7-4 | 14.0 |
470 [-14] |
鈴木 孝志 | 10 |
5 | 2 | ビレッジイーグル | 牡5 | 63 | 大江原 圭 | 4:47.8 | 1 1/4 | 2-3-3-2 | 14.0 |
506 [0] |
竹内 正洋 | 7 |
2022年の第145回中山大障害。先日、ガストリック(2020.2.12)が東京スポーツ杯2歳S(GII)で勝利を収めた際ニシノデイジー(2016.4.18)もジャンプレースで頑張って、第1回の勝ち馬であるゴッドスピード(1994.4.6)のように「平地とジャンプレースで重賞制覇」を遂げて欲しいもの
と書きましたら、本当に実現してくれました。その馬名意味「冠名+すてきなもの」のとおり、J・GI勝利というすてきなものを蹄中に収めたニシノデイジー。2歳時に札幌2歳S(GIII)、東京スポーツ杯2歳Sと重賞2勝を挙げ、
ホープフルS(GI)ではサートゥルナーリア(2016.3.21)の3着。そして3歳時には東京優駿(GI)でロジャーバローズ(2016.1.24)の5着に入り、ワールドプレミア(2016.2.1)が制した菊花賞(GI)では2番人気に推された程の馬。6歳となった2022年、ジャンプレースに活路を求めて4戦目のジャンプ重賞初挑戦が、暮れの大一番、中山大障害。4分45秒9の長丁場、3分を経過したあたりからじわっと進出し始めたニシノデイジー、最後の周回に入ったところで先頭に立つと、サスガに平地重賞2勝馬の脚力を見せて、決勝点までトップを譲ることはありませんでした。
ニシノデイジー、見事な平地&ジャンプの二刀流での重賞制覇。私が確認する限りでは日本中央競馬会の所属馬では15頭目の記録でした。以下に15頭を記しますと、
- ダイニカツフジ(1950.6.7)
→朝日チャレンジC、京都大障碍2回ほか。5代母が天ノ川のサラ系 - タイシユウ(1963.3.11)
→きさらぎ賞、京都大障碍ほか。全妹に優駿牝馬の勝ち馬シヤダイターキン(1966.3.16) - ダテハクタカ(1966.7.13)
→阪神大賞典、阪神障害Sほか。ダテハクタカ事件についてはWikipediaの記事をご参照ください - メジロワース(1985.4.17)
→マイラーズC(GII)、中京障害S3回。メジロ牧場伝来牝系のひとつ3号族レデイアリス(1956)系から現れた快速ジャンプ馬でした - ナムラモノノフ(1985.5.19)
→阪神大賞典(GII)、京都大障害・春。共に岡冨俊一騎手による勝利であり、同じ馬に同じ騎手が騎乗して平地とジャンプの重賞を制した初めての事例となりました -
シンホリスキー(1988.4.3)
→スプリングS(GII)、きさらぎ賞(GIII)、中京障害S・春ほか。シンホリスキーが中京障害S・春を制した際は「サスガに平地脚が違う」と思いました - ゴッドスピード(1994.4.6)
→府中3歳S(GIII)、小倉3歳S(GIII)、中山大障害(J・GI)、阪神障害S・春ほか。「2歳時に重賞2勝を挙げ、長じて中山大障害を勝利した馬」の先例ですね(^^) - カネトシガバナー(1995.5.8)
→神戸新聞杯(GII)、愛知杯(GIII)、阪神スプリングジャンプ(J・GII)、東京ハイジャンプ(J・GII)ほか。カネトシガバナーの神戸新聞杯が秋山真一郎騎手の重賞初勝利でした - エーシンホワイティ(2007.3.27)
→ファルコンS(GIII)、新潟ジャンプS(J・GIII)ほか。祖母がタレンテイドガール(1984.4.27)ということで千代田牧場さん伝来のワールドハヤブサ(1967.3.30)系ですね - ケイアイドウソジン(2006.4.12)
→ダイヤモンドS(GIII)、阪神スプリングジャンプ(J・GII)。道祖神という和風の響きが好きな馬でした。平地とジャンプ併せて7年連続で勝利を収めています - ソロル(2010.3.29)
→マーチS(GIII)、小倉サマージャンプ(J・GIII)ほか。平地のダート重賞勝ち馬でジャンプ重賞を勝った初めての馬 - メドウラーク(2011.4.5)
→七夕賞(GIII)、阪神ジャンプS(J・GIII)ほか。2018年の7歳時に七夕賞を勝ち、2019年の8歳時に阪神ジャンプSを勝つという齢重ねてから平地とジャンプでダブル重賞制覇を果たしました - タガノエスプレッソ(2012.2.12)
→デイリー杯2歳S(GII)、京都ハイジャンプ(J・GII)、京都ジャンプS(J・GIII)、阪神ジャンプS(J・GIII)ほか。2014年のデイリー杯2歳S勝ちから2020年の阪神ジャンプSまでの重賞勝利間隔「5年10ヶ月3日」はグレード制導入後のJRA記録 -
アサクサゲンキ(2015.4.17)
→小倉2歳S(GIII)、小倉サマージャンプ(J・GIII)2回ほか。小倉2歳Sを制した折は牡馬でしたが、せん馬になってから小倉サマージャンプ連覇 -
ニシノデイジー(2016.4.18)
→東京スポーツ杯2歳S(GIII)、札幌2歳S(GIII)、中山大障害(J・GI)ほか。本稿の主役
4頭目のメジロワース以降はその現役時代に触れていることに「自分の競馬者としてのキャリアも長くなったものだ」と感じましたが、それはともかく、いずれ違わぬ力量馬の流れにニシノデイジーも加わりました。
オーナーの西山茂行氏もお喜びのようですし、
五十嵐雄祐騎手、高木登厩舎陣営、そして生産の谷川牧場。皆々様、おめでとうございました。
#小倉得意のアサクサゲンキは今回の中山大障害で落馬してしまいましたが、馬人共に無事でした。良かった。
*
出走したジャンプレース全32戦で一度も落馬しなかった真の飛越上手、ジャンプの絶対王者オジュウチョウサン(2011.4.3)。ラストランは6着でしたが、最後の飛越を終えた後に外から伸びようとする様を見て胸が熱くなりました。矜持を見せてくれたオジュウチョウサン、本当にお疲れ様でした。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。
#3着のマイネルレオーネ(2012.2.15)に騎乗された植野貴也騎手は2022年内の引退を発表されているため、今回の中山大障害が最後の重賞騎乗でした。1994年のデビュー時、スプリングバンブー(1990.5.26)の弟バンブーユージン(1991.5.29)で遂げた「初勝利が特別戦のゆきやなぎ賞」も、既に28年以上前の出来事。時は流れ、血は巡り、馬は駆けて跳ね、人は賭け続けます。