Inspiral(インスパイラル) 牝 鹿毛 2019.3.14生 英国・Cheveley Park Stud Limited生産 馬主・Cheveley Park Stud 英国・John & Thady Gosden厩舎
Frankel 鹿毛 2008.2.11 種付け時活性値:0.50【10】 |
▲ Galileo 鹿毛 1998.3.30 |
★Sadler’s Wells 鹿毛 1981.4.11 |
Northern Dancer 1961.5.27 |
Fairy Bridge 1975.5.4 | |||
Urban Sea 栗毛 1989.2.18 |
Miswaki 1978.2.22 | ||
Allegretta 1978.3.10 | |||
Kind 鹿毛 2001.4.21 |
デインヒル 鹿毛 1986.3.26 |
★Danzig 1977.2.12 | |
Razyana 1981.4.18 | |||
Rainbow Lake 鹿毛 1990.4.10 |
★Rainbow Quest 1981.5.15 | ||
Rockfest 1979.3.12 | |||
Starscope 栗毛 2009.4.19 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
Selkirk 栗毛 1988.2.19 種付け時活性値:1.00【20】 |
Sharpen Up 栗毛 1969.3.17 |
エタン 1961.3.14 |
Rocchetta 1961 | |||
Annie Edge 栗毛 1980.3.24 |
Nebbiolo 1974.2.2 | ||
Friendly Court 1971.1.28 | |||
Moon Goddess 栗毛 1998.3.5 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
★Rainbow Quest 鹿毛 1981.5.15 種付け時活性値:0.00【16】 |
Blushing Groom 1974.4.8 | |
I Will Follow 1975.4.29 | |||
Mystic Goddess 栗毛 1990 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
Storm Bird 鹿毛 1978.4.19 種付け時活性値:0.75【11】 |
||
Rose Goddess 鹿毛 1979 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
<5代血統表内のクロス:Rainbow Quest3×4、Northern Dancer4×5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Frankel (Galileo系) |
Selkirk (エタン系) |
★Rainbow Quest (Blushing Groom系) |
Storm Bird (Northern Dancer系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Selkirk | 3.00 |
母が英1000ギニー2着馬 (No. 3-o) |
4番仔? |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | Inspiral | 牝3 | 55 | Frankie Dettori | 1:34.07 | John & Thady Gosden | 2 |
2 | 7 | Light Infantry | 牡3 | 56.5 | Jamie Spencer | クビ | David Simcock | 8 |
3 | 5 | Erevann | 牡3 | 56.5 | Christophe Soumillon | クビ | J-C Rouget | 4 |
4 | 3 | Order of Australia | 牡5 | 59.5 | Ryan Moore | 3 | A P O’Brien | 6 |
5 | 6 | Coroebus | 牡3 | 56.5 | William Buick | 1 3/4 | Charlie Appleby | 1 |
2022年の第101回ジャック・ル・マロワ賞。7月のサセックスS(英GI)におけるBaaeed(2018.4.8)の4着に続き、果敢な挑戦を見せたゴドルフィンマイル(UAE・GII)勝ち馬バスラットレオン(2018.3.25)。
タイキシャトル(1994.3.23)が制したジャック・ル・マロワ賞を彷彿とさせる外ラチ沿いの先行策でしたが、最後は後続勢に飲み込まれての9頭立て7着。けれど透徹した意思を見せた競馬でした。記事には出来ませんでしたが、キングエルメス(2019.2.5)のジュライC(英GI)からのモーリス・ド・ゲスト賞(仏GI)と共に、馬人の英仏GI挑戦に「本当にお疲れ様でした」と声を掛けたいと思います。
*
しかし、欧州には強いマイラーがゴロゴロといるものです。3歳牝馬Inspiral、ドーヴィル芝1600mの直線コースを道中6番手あたりで折り合うと、残り600mを切ったあたりで追い始め、残り400mではバスラットレオンを交わして先頭。我慢強く脚を伸ばし続けたInspiral、鞍上のランフランコ・デットーリ騎手の左ムチに応えて、最後は外ラチのスタンド側から迫ったLight Infantry(2019.3.28)、内から詰め寄ったErevann(2019.4.30)を「クビ」「クビ」と抑えたところがゴール地点。青い帽子に「赤、白襷」の勝負服を乗せた鹿毛の流星Inspiral、牡馬、古馬相手のジャック・ル・マロワ賞でもまったく臆することなく走り、「サスガは2021年のカルティエ賞最優秀2歳牝馬」というところを見せてくれました。
Inspiralはこれでデビュー以来7戦6勝、2着1回。2歳10月にフィリーズマイル(英GI)を2と2分の1馬身差、4戦無敗で制した際は英1000ギニー(GI)の最有力候補となりましたが、体調が整わず3歳復帰戦は6月のロイヤルアスコット開催のコロネーションS(英GI)。そのコロネーションSでは英1000ギニー馬Cachet(2019.3.21)を差し置いて1番人気となり、それに応えて4と4分の3馬身差の圧勝。地力の確かさを改めて見せ付けたInspiral、古牝馬を交えた7月のファルマスS(英GI)では日本風に言えば単勝1.1倍の圧倒的な人気となりましたが、それまで3回勝負して1度も先着を許さなかったProsperous Voyage(2019.3.25)に差し返されて初の2着敗戦。Inspiral、捲土重来を期して臨んだのが、初めての英国外のレースとなった第101回ジャック・ル・マロワ賞でした。
上段でロイヤルアスコット開催と書きましたけれど、Inspiralを管理されるジョン・ゴスデン調教師とデットーリ騎手の間で不和の情報が流れたのが、ロイヤルアスコット開催の直後。一時は距離を置くと見られた両者でしたが、大人のやり取りがなされたのか、7月に入るとすぐにゴスデン師&デットーリ騎手のコンビは復活しました。しかしながら、InspiralがファルマスSで思わぬ敗戦を喫したり、Emily Upjohn(2019.3.8)が輸送機が飛べず愛オークス(GI)を出走取消となったり、仕切り直しで挑んだ“キング・ジョージ”(英GI)でまさかの惨敗があったり、大レースでは歯車が噛み合わない印象も残りました。そんな両者のウップンを晴らすかのようなInspiralのジャック・ル・マロワ賞の勝利。そうして、なんだかんだ言いながら、ゴスデン師&デットーリ騎手は3年連続ジャック・ル・マロワ賞制覇と相成りました。
えー、Native Trail(2019.2.3)の時もそうだったのですが、2021年のカルティエ賞で最優秀2歳に選ばれた牡牝は、2歳GIを制した際に下書きをしていたものの、私の気力が伴わず、共に記事をアップ出来ていませんでした^^;。ともあれInspiral、Native Trail2頭共に3歳時も活躍して、下書きが日の目を見ることになったのですから、有り難いことです。両馬と陣営に感謝。
そんな訳で、下書きの名残でInspiralがフィリーズマイルを制した際の動画と結果もどうぞ。
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | Inspiral | 牝2 | 57.2 | Frankie Dettori | 1:38.44 | John & Thady Gosden | 1 |
2 | 8 | Prosperous Voyage | 牝2 | 57.2 | Rob Hornby | 2 1/2 | Ralph Beckett | 5 |
3 | 2 | Cachet | 牝2 | 57.2 | James Doyle | クビ | George Boughey | 7 |
4 | 7 | Mise En Scene | 牝2 | 57.2 | Cieren Fallon | 短アタマ | James Ferguson | 2 |
5 | 9 | Wild Beauty | 牝2 | 57.2 | William Buick | 1/2 | Charlie Appleby | 2 |
*
2020年と2021年のジャック・ル・マロワ賞は、Baaeedの記事でも名前を出したPalace Pier(2017.3.20)による連覇。Palace Pierは通算11戦9勝、2着1回、3着1回。ジャック・ル・マロワ賞2勝の他セントジェームズパレスS(英GI)、クイーンアンS(英GI)、ロッキンジS(英GI)とGI5勝の超強豪マイラー、2度の敗戦は共にアスコット芝8ハロンのクイーンエリザベス2世S(英GI)でした。
という訳で、記事を書いている内に「プラスアルファでPalace Pierの紹介もしておいてやれ」と思ってしまいましたので、一昨年と昨年のジャック・ル・マロワ賞勝ち馬についても記しておきます。こうして自分の手数を増やしてしまう^^;
Palace Pier(パレスピア) 牡 鹿毛 2017.3.20生 英国・Highclere Stud and Floors Farming生産 馬主・Sheikh Hamdan bin Mohammed Al Maktoum 英国 ・John & Thady Gosden厩舎
Kingman 鹿毛 2011.2.26 種付け時活性値:1.25【5】 |
Invincible Spirit 鹿毛 1997.2.17 |
Green Desert 鹿毛 1983.4.16 |
Danzig 1977.2.12 |
Foreign Courier 1979.4.11 | |||
Rafha 鹿毛 1987.2.19 |
Kris 1976.3.23 | ||
Eljazzi 1981.4.12 | |||
Zenda 鹿毛 1999.2.18 |
Zamindar 鹿毛 1994.4.7 |
Gone West 1984.3.10 | |
Zaizafon 1982.1.18 | |||
Hope 鹿毛 1991.4.5 |
ダンシングブレーヴ 1983.5.11 | ||
Bahamian 1985.2.8 | |||
Beach Frolic 栗毛 2011.4.27 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
Nayef 鹿毛 1998.5.1 種付け時活性値:1.00【12】 |
Gulch 鹿毛 1984.4.16 |
Mr. Prospector 1970.1.28 |
Jameela 1976.3.15 | |||
Height of Fashion 鹿毛 1979.4.14 |
Bustino 1971 | ||
Highclere 1971.4.9 | |||
Night Frolic 鹿毛 2001.5.5 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
Night Shift 鹿毛 1980.4.4 種付け時活性値:1.00【20】 |
Northern Dancer 1961.5.27 | |
Ciboulette 1961.5.19 | |||
Miss d’Ouilly 鹿毛 1987.4.15 仔受胎時活性値:1.25【13】 |
★Bikala 鹿毛 1978.3.12 種付け時活性値:0.00【8】 |
||
Miss Satin 鹿毛 1975.3.16 仔受胎時活性値:0.75【11】 |
<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector5×4、Northern Dancer5×4>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Kingman (Danzig系) |
Nayef (Mr. Prospector系) |
Night Shift (Northern Dancer系) |
★Bikala (ゼダーン系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Kingman | 3.50 |
伯父が英GII勝ち馬 (No. 4-n) |
3番仔? (3連産目?) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | Palace Pier | 牡3 | 56.5 | Frankie Dettori | 1:38.06 | John Gosden | 1 |
2 | 7 | Alpine Star | 牝3 | 55 | Stephane Pasquier | 3/4 | Mrs John Harrington | 3 |
3 | 3 | Circus Maximus | 牡4 | 59 | Christophe Soumillon | 5 | A P O’Brien | 4 |
4 | 2 | Persian King | 牡4 | 59 | Pierre-Charles Boudot | 3 | A Fabre | 2 |
5 | 4 | Romanised | 牡5 | 59 | W J Lee | 2 1/2 | K J Condon | 5 |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | Palace Pier | 牡4 | 59.5 | Frankie Dettori | 1:35.96 | John & Thady Gosden | 1 |
2 | 6 | Poetic Flare | 牡3 | 56.5 | Kevin Manning | クビ | J S Bolger | 2 |
3 | 3 | Order of Australia | 牡4 | 59.5 | Ryan Moore | 1 3/4 | A P O’Brien | 6 |
4 | 7 | Midtown | 牡3 | 56.5 | William Buick | 3/4 | A Fabre | 4 |
5 | 8 | Chindit | 牡3 | 56.5 | Pat Dobbs | 短クビ | Richard Hannon | 8 |
2レース共に後方待機からの一気呵成の末脚で仕留めるレースぶり。僅差を凌ぎ切るその勝負強さは目を瞠ります。現在のところ、Baaeedと最も際どい勝負をした馬Palace Pier、サスガに伊達や酔狂でGI5勝は遂げられません。
*
厩舎の先輩に続いてジャック・ル・マロワ賞を制したInspiral。この後に向かうのは9月のムーラン・ド・ロンシャン賞(仏GI)か、10月のクイーンエリザベス2世Sか、11月のブリーダーズカップ・マイル(米GI)か。時と場合によっては、先輩の仇討ちの機会もあるかも知れません。Inspiral、ゴスデン師&デットーリ騎手と共に行く3歳牝馬の未来に幸多からんことを。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。