サンサン(San San) 牝 黒鹿毛 1969.4.9生~1994.11.20没 米国・Harry F. Guggenheim生産 馬主・Countess Batthyany 仏国・Angel Penna, Sr.厩舎
Bald Eagle 鹿毛 1955.3.29 種付け時活性値:1.25 |
Nasrullah 鹿毛 1940.3.2 |
Nearco 黒鹿毛 1935.1.24 |
Pharos 1920.4.4 |
Nogara 1928 | |||
Mumtaz Begum 鹿毛 1932 |
Blenheim 1927.4.16 | ||
Mumtaz Mahal 1921 | |||
Siama 鹿毛 1947 |
Tiger 黒鹿毛 1935 |
Bull Dog 1927 | |
Starless Moment 1928 | |||
China Face 鹿毛 1940 |
★Display 1923 | ||
Sweepilla 1931 | |||
Sail Navy 鹿毛 1958.3.26 仔受胎時活性値:0.50 |
Princequillo 鹿毛 1940 種付け時活性値:0.25 |
Prince Rose 鹿毛 1928 |
★Rose Prince 1919 |
Indolence 1920 | |||
Cosquilla 鹿毛 1933 |
Papyrus 1920 | ||
Quick Thought 1918 | |||
Anchors Aweigh 鹿毛 1949 仔受胎時活性値:2.00(0.00) |
Devil Diver 鹿毛 1939 種付け時活性値:0.25 |
▲St. Germans 1921 | |
Dabchick 1931 | |||
True Bearing 栗毛 1945 仔受胎時活性値:0.75 |
★Sir Gallahad 鹿毛 1920 種付け時活性値:0.00 |
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Dead Reckoning 栗毛 1931 仔受胎時活性値:1.25 |
<5代血統表内のクロス:Teddy5×5、Plucky Liege(♀)5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
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Bald Eagle (Nasrullah系) |
Princequillo (Prince Rose系) |
Devil Diver (Swynford系) |
★Sir Gallahad (Teddy系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Bald Eagle (Sweepilla) |
4.50 or 2.50 |
仔に中央重賞勝ち馬2頭 (No. 7-c) |
4番仔? (2連産目?) |
*
1972年の第51回凱旋門賞(仏GI)を制したサンサン。同じ1969年生まれ世代のハードツービート(1969)、Roberto(1969.3.16)、Boucher(1969.4.7)、Steel Pulse(1969)、Rescousse(1969.2.18)、Regal Exception(1969.5.22)と言った各国のクラシック馬やサンシー(1969.3.25)、そしてまた年長のエリモホーク(1968)や日本からやって来たメジロムサシ(1967.2.22)を向こうに回して勝利を収めたのは、前走ヴェルメイユ賞(仏GI)でPaysanne(1969.4.20)との1着同着からやって来た3歳牝馬サンサン。ロンシャン芝2400mの勝ち時計2分28秒3は、前年の第50回凱旋門賞を制したMill Reef(1968.2.23)が計時したレースレコードと同タイムという優秀なものでした。サンサンの鞍上フレディ・ヘッド騎手は第45回のボンモー(1963.3.12)に続いて2回目の勝利となりました。
サンサンは、2019年現時点で日本に輸入された凱旋門賞馬の中で唯一の牝馬であり、繁殖牝馬として繋養されたのが新冠の明和牧場でした。そんなサンサンを牝系祖とする活躍馬、著名馬を以下の牝系図で示しておきます。牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。
サンサン 1969.4.9 (本馬) 5勝 凱旋門賞(仏GI) ヴェルメイユ賞(仏GI)ほか |リキサンサン 1977.5.27 4勝 ||サンゼウス 1988.4.25 2勝 ※当時のセリ市史上最高額となる3億6050万円(税込)での落札馬 |ウインザーノット 1980.3.3 函館記念(GIII)2回ほか |ポトマックチェリー 1981.3.13 0勝 ||レアシングチェリー 1988.5.20 1勝 |||マーブルチーフ 2000.3.31 3勝 京都新聞杯(GII)ほか ||キャリイアウト 1989.5.3 4勝 |||サクセスストレイン 1998.4.9 3勝 クイーンカップ(GIII)ほか ||||ゴールドストレイン 2005.3.20 1勝 新潟2歳S(GIII)3着 ||バリアントウイナー 1990.5.3 3勝 アメジストS(OP)ほか ||ネイティヴハート 1998.4.3 7勝 オーシャンS(GIII)ほか |ストームボーイ 1982.4.17 5勝 高松宮杯(GII)3着 |スプライトパッサー 1987.6.6 5勝 関屋記念(GIII)ほか
サンサンの牝系は7号族c分枝系。仔2頭、孫1頭、曾孫2頭が中央重賞勝ち馬となっています。願わくは、21世紀に仔孫からGI勝ち馬が出現して欲しいものです。なお、ストームボーイは上述のハードツービートとの間に出来た仔です。1969年生まれ世代の仏国の名馬2頭の愛の結晶でした。
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ラインゴールド(Rheingold) 牡 黒鹿毛 1969.5.11生~1990.3.16没 愛国・Dr. James Russell生産 馬主・Henry K. Zeisel 英国・Barry Hills厩舎
フアバージ 鹿毛 1961.4.19 種付け時活性値:1.75 |
Princely Gift 鹿毛 1951 |
Nasrullah 鹿毛 1940.3.2 |
Nearco 1935.1.24 |
Mumtaz Begum 1932 | |||
Blue Gem 鹿毛 1943 |
Blue Peter 1936.4.30 | ||
Sparkle 1935 | |||
Spring Offensive 鹿毛 1943 |
Legend of France 鹿毛 1935 |
Dark Legend 1914 | |
Francille 1927 | |||
Batika 鹿毛 1934 |
Blenheim 1927 | ||
Brise Bise 1922 | |||
Athene 鹿毛 1960 仔受胎時活性値:2.00 |
Supreme Court 黒鹿毛 1948 種付け時活性値:0.75 |
Precipitation 栗毛 1933 |
Hurry On 1913 |
Double Life 1926 | |||
Forecourt 鹿毛 1943 |
Fair Trial 1932 | ||
Overture 1937 | |||
Necelia 黒鹿毛 1949 仔受胎時活性値:0.50 |
◆Nearco 黒鹿毛 1935.1.24 種付け時活性値:1.25 |
Pharos 1920.4.4 | |
Nogara 1928 | |||
Cecily 黒鹿毛 1940 仔受胎時活性値:2.00 |
★Cecil 黒鹿毛 1931 種付け時活性値:0.00 |
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Matanilla 鹿毛 1927 仔受胎時活性値:1.00 |
<5代血統表内のクロス:Nearco3×4、Blenheim4×5(父方)、Fairway5×5、Blandford5×5(父方)>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
フアバージ (Princely Gift系) |
Supreme Court (Hurry On系) |
◆Nearco (Pharos系) |
★Cecil (Dark Ronald系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
フアバージ (Spring Offensive) |
5.50 or 3.50 or 1.50 |
(No. 10-c) |
4番仔? (2連産目?) |
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1973年の第52回凱旋門賞を制したラインゴールド。鞍上を務めたレスター・ピゴット騎手にとっては、初めての凱旋門賞勝利となりました。レースは2着がAllez France(1970.5.24)、3着がハードツービート。そんなラインゴールドについて、
によりますと、英国調教馬でありながら仏国でGI4勝を挙げたということ。サンクルー大賞(仏GI)連覇、ガネー賞(仏GI)、そして凱旋門賞。また、ラインゴールドが第52回を制したことにより、前年の第51回のサンサンに続いて、1969年生まれ世代の馬が連勝を果たしました。
ラインゴールドの名前は、近時フィエールマン(2015.1.20)の祖母父Noir Et Or(1975.5.6)の父として目にしますね。フィエールマンは母方が仏国競馬に適正がありそうでしたので、第98回凱旋門賞でも期待されました。
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長い余談となりますが、サンサンやラインゴールドと同い年の1969年生まれ世代は、日本でも強豪馬が多く見られた世代です。八大競走勝ち馬を列挙しますと、
- ランドプリンス(1969.3.8)
→皐月賞ほか。サラ系ミラ(1895)の末裔の「野武士」。関西三強の一角 - ロングエース(1969.4.2)
→東京優駿ほか。武邦彦騎手に「ダービージョッキー」の称号をプレゼントした馬。関西三強の一角 - イシノヒカル(1969.5.6)
→菊花賞、有馬記念ほか。1972年の年度代表馬にして最優秀3歳牡馬(現年齢表記)は、実は3歳牡馬として初めて有馬記念を制した馬 -
タイテエム(1969.4.14)
→天皇賞・春ほか。第38回凱旋門賞の勝ち馬セントクレスピン(1956)を父に持つ持込の「貴公子」。関西三強の一角 - タニノチカラ(1969.4.14)
→天皇賞・秋、有馬記念。タニノムーティエ(1967.5.9)の半弟は、1973年と1974年の最優秀4歳以上牡馬(現年齢表記)を連続受賞 - ストロングエイト(1969.3.23)
→有馬記念ほか。1973年の有馬記念勝ちは奥平真治調教師&中島啓之騎手にとっても八大競走初制覇
と、違う馬たちで3年連続有馬記念を制しているように、その世代の強力さが浮き彫りになります。八大競走勝ち馬の他にもジャンプホースとして唯1頭だけJRA顕彰馬に選出されているグランドマーチス(1969.5.13)や、ハマノパレード(1969.3.18)、ナオキ(1969.4.25)、ヒデハヤテ(1969.5.28)、トクザクラ(1969.4.13)など活躍馬が目白押し。これは強い世代。
そうして、1969年生まれ世代の「The Little Richman」が送り出したのが、「1980年代欧州最強馬」となる訳ですが、それは次回の講釈で。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。