El Gran Senor(エルグランセニョール) 牡 鹿毛 1981.4.21生~2006.10.18没 米国・E. P. Taylor生産 馬主・Robert Sangster 愛国・Vincent O’Brien厩舎
Northern Dancer 鹿毛 1961.5.27 種付け時活性値:0.75【19】 |
Nearctic 黒鹿毛 1954.2.11 |
Nearco 黒鹿毛 1935.1.24 |
Pharos 1920.4.4 |
Nogara 1928 | |||
Lady Angela 栗毛 1944 |
Hyperion 1930.4.18 | ||
Sister Sarah 1930 | |||
Natalma 鹿毛 1957.3.26 |
Native Dancer 芦毛 1950.3.27 |
Polynesian 1942.3.8 | |
Geisha 1943 | |||
Almahmoud 栗毛 1947.5.18 |
Mahmoud 1933 | ||
Arbitrator 1937 | |||
Sex Appeal 栗毛 1970.5.12 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
Buckpasser 鹿毛 1963.4.28 種付け時活性値:1.50【6】 |
Tom Fool 鹿毛 1949.3.31 |
Menow 1935.5.19 |
Gaga 1942 | |||
Busanda 青毛 1947 |
War Admiral 1934.5.2 | ||
Businesslike 1939 | |||
Best in Show 栗毛 1965.4.29 仔受胎時活性値:1.00【4】 |
Traffic Judge 栗毛 1952 種付け時活性値:1.00【12】 |
Alibhai 1938 | |
Traffic Court 1938 | |||
Stolen Hour 栗毛 1953.4.15 仔受胎時活性値:0.75【11】 |
Mr. Busher 栗毛 1946 種付け時活性値:1.50【6】 |
||
Late Date 黒鹿毛 1929 仔受胎時活性値:1.75【23】 |
<5代血統表内のクロス:Hyperion4×5、War Admiral4×5(母方)、Discovery5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Northern Dancer (Nearctic系) |
Buckpasser (Tom Fool系) |
Traffic Judge (Hyperion系) |
Mr. Busher (Man o’ War系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Buckpasser (Tom Fool) |
4.00 |
全兄トライマイベスト |
8番仔 (8連産目) |
*
着 順 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | El Gran Senor | 牡2 | 57.2 | P. Eddery | 1:24.90 | M. V. O’Brien |
2 | Rainbow Quest | 牡2 | 57.2 | S. Cauthen | J. Tree | |
3 | Siberian Express | 牡2 | 57.2 | Yves Saint-Martin | M. Saliba |
*
着 順 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | El Gran Senor | 牡3 | 57.2 | P. Eddery | 1:37.41 | M. V. O’Brien |
2 | Chief Singer | 牡3 | 57.2 | R. Cochrane | R. Shreather | |
3 | Lear Fan | 牡3 | 57.2 | B. Rouse | G. Harwood | |
4 | Rainbow Quest | 牡3 | 57.2 | S. Cauthen | J. Tree |
*
着 順 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | El Gran Senor | 牡3 | 57.2 | P. Eddery | 2:31.5 | M. V. O’Brien |
2 | Rainbow Quest | 牡3 | 57.2 | S. Cauthen | J. Tree | |
3 | ダハール | 牡3 | 57.2 | A. Lequex | M. Zilber |
*
El Gran Senor。欧州において強豪馬が揃いハイレベルと喧伝された1981年生まれ世代。日本でもシンボリルドルフ(1981.3.13)が輩出された世代ですが、欧州の競走馬で世代代表と目されたのがEl Gran Senor。2歳時に英国伝統のデューハーストSでRainbow Quest(1981.5.15)を負かして全兄トライマイベスト(1975.4.28)との兄弟制覇を果たし、3歳初戦のグラッドネスS(愛L)ではステーブルメイトのSadler’s Wells(1981.4.11)を負かしてヴィンセント・オブライエン厩舎の1番馬であること示し、

英2000ギニーでは後のサセックスS(英GI)&ジュライC(英GI)勝ち馬Chief Singer(1981.3.19)、ジャック・ル・マロワ賞(仏GI)勝ち馬Lear Fan(1981.2.2)を破り、愛ダービーでは三度Rainbow Questを、そして後にサンルイレイS(米GI)で上述のシンボリルドルフに土をつけることになるダハール(1981.5.7)-名花Dahlia(1970.3.25)の仔-を破りと、英愛クラシックを制する活躍を見せました。
そんなEl Gran Senorの代表産駒を確認しておきますと、
- Al Hareb(1986.4.17)
→英フューチュリティS(GI) - Belmez(1987.1.11)
→”キング・ジョージ”(英GI)ほか。1990年の第10回ジャパンカップ(GI)で1番人気7着 - Senor Tomas(1989.3.13)
→スーパーダービー(米GI)ほか。せん馬 - Toussaud(1989.5.6)
→ゲイムリーH(米GI)ほか。牝馬。Chester House(1995.2.1)、Honest Lady(1996.4.25)、Chiselling(1999.4.15)、エンパイアメーカー(2000.4.27)と4頭のGI馬を産んだ名繁殖牝馬 - ロドリゴデトリアーノ(1989.5.27)
→英2000ギニー(GI)、愛2000ギニー(GI)、英チャンピオンS(GI)、英インターナショナルS(GI)、ミドルパークS(英GI)ほか。エリモエクセル(1995.5.18)等の父 - Corrazona(1990.2.7)★
→ビヴァリーヒルズH(米GI)ほか。牝馬 - Lit de Justice(1990.1.12)★
→ブリーダーズカップ・スプリント(米GI)ほか - Helmsman(1992.4.11)
→ストラブS(米GI)ほか - Le Triton(1993.2.27)
→ジャンプラ賞(仏GI)ほか - Saratoga Springs(1995.1.21)
→レーシングポストT(英GI)ほか - Spanish Fern(1995.1.22)
→イエローリボンS(米GI)ほか。牝馬
牡馬7頭、せん馬1頭、牝馬3頭。種牡馬時代は受精率の低さから最も多い年でも年産40頭がやっとだったというEl Gran Senorですが、それでも14頭の初年度産駒から英フューチュリティSを制したAl Harebを輩出する等、その資質の高さは種牡馬としても確かなものでした。日本でも馴染みがある仔や孫が見え、Belmez(ベルメッツ)は上述の通り1990年の第10回ジャパンカップ(GI)を走ってくれましたし、ロドリゴデトリアーノは英愛GI5勝を引っさげて日本軽種馬協会により導入されると、優駿牝馬(GI)を制したエリモエクセルを始めとして、スーパーホーネット(2003.3.20)、ミヤギロドリゴ(1994.4.16)、イブキヤマノオー(1995.5.9)、グレイスナムラ(1996.4.22)、マイネルコンドル(1997.4.30)等多様な産駒を送り込みました。ジャドモントファームが誇るToussaudはGI馬4頭の母になるという名繁殖牝馬ぶりを見せ、やはり日本軽種馬協会が導入したベルモントS(米GI)勝ち馬エンパイアメーカーは、直系仔孫の活躍により米国に買い戻されていきました。
また、個人的に思い出に残っているEl Gran Senor産駒がいまして、1990年生まれ世代のエルジェネシス(1990.4.6)★。横浜の検疫所で生まれた持込馬エルジェネシス、1993年の初戦となった京都ダート1800mの未勝利戦を2着に2秒6差のぶっちぎり勝ちを見せ、翌週連闘できさらぎ賞(GIII)に挑みました。未勝利戦の勝ちっぷりから2番人気に推されたエルジェネシス、きさらぎ賞出走前に見ていたKBS京都の競馬中継で司会の青芝フック師匠から「ハマっ子エルジェネシス」と紹介されていました。エルジェネシスはきさらぎ賞ではツジユートピアン(1990.3.27)の10着に敗れましたが、ダートに戻ると準オープン勝ちまで収め、最終的には中央4勝を挙げました。
#エルジェネシスの生産者は早田牧場新冠支場。エルジェネシスと同い年の早田牧場新冠支場の生産馬で、やはり北海道に渡る前、福島県で生まれたのがビワハヤヒデ(1990.3.10)。
最後に。El Gran Senorのボトムラインの近親から、近年とんでもない牝馬が送り出されました。姪であるフサイチパンドラ(2003.2.27)★の娘こそ、アーモンドアイ(2015.3.10)。
*
[El Gran Senor(1981.4.21)の主な競走成績]
- 愛ダービー(GI)、英2000ギニー(GI)、デューハーストS(英GI)、愛ナショナルS(GII)、レイルウェイS(愛GIII)
- 英ダービー(GI)
通算8戦7勝、2着1回。
*
↑のEl Gran Senorの主な競走成績で示したとおり、El Gran Senorが敗れたのはたった1回だけ。そのたった1回が栄光の英ダービーだったのですが、El Gran Senorを負かした相手は故郷を共にする同じNorthern Dancer産駒でした。
セクレト(Secreto) 牡 鹿毛 1981.2.12生~1999.10.12没 米国・E. P. Taylor生産 馬主・Luigi Miglietti 愛国・David O’Brien厩舎
Northern Dancer 鹿毛 1961.5.27 種付け時活性値:0.75【19】 |
Nearctic 黒鹿毛 1954.2.11 |
Nearco 黒鹿毛 1935.1.24 |
Pharos 1920.4.4 |
Nogara 1928 | |||
Lady Angela 栗毛 1944 |
Hyperion 1930.4.18 | ||
Sister Sarah 1930 | |||
Natalma 鹿毛 1957.3.26 |
Native Dancer 芦毛 1950.3.27 |
Polynesian 1942.3.8 | |
Geisha 1943 | |||
Almahmoud 栗毛 1947.5.18 |
Mahmoud 1933 | ||
Arbitrator 1937 | |||
Betty’s Secret 栗毛 1977.5.4 仔受胎時活性値:0.75【3】 |
Secretariat 栗毛 1970.3.30 種付け時活性値:1.50【6】 |
Bold Ruler 黒鹿毛 1954.4.6 |
Nasrullah 1940.3.2 |
Miss Disco 1944 | |||
Somethingroyal 鹿毛 1952.3.12 |
Princequillo 1940 | ||
Imperatrice 1938.5.26 | |||
Betty Loraine 栗毛 1965.4.4 仔受胎時活性値:0.75【11】 |
Prince John 栗毛 1953.4.6 種付け時活性値:0.75【11】 |
Princequillo 1940 | |
Not Afraid 1948 | |||
Gay Hostess 栗毛 1957.4.9 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
Royal Charger 栗毛 1942 種付け時活性値:1.50【14】 |
||
Your Hostess 栗毛 1949.4.12 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
<5代血統表内のクロス:Nearco3×5×5、Princequillo4×4(母方)、Discovery5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Northern Dancer (Nearctic系) |
Secretariat (Bold Ruler系) |
Prince John (Princequillo系) |
Royal Charger (Nearco系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Secretariat (Bold Ruler) |
5.00 |
半弟Istabraq (No. 4-d) |
初仔 |
*
着 順 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | セクレト | 牡3 | 57.2 | Christy Roche | 2:39.12 | David O’Brien |
2 | El Gran Senor | 牡3 | 57.2 | Pat Eddery | Vincent O’Brien | |
3 | Mighty Flutter | 牡3 | 57.2 | Brian Rouse | D. Elsworth |
20世紀の巨星であるNorthern Dancer、産駒の英ダービー馬はNijinsky(1967.2.21)、The Minstrel(1974.3.11)に続いて3頭目。セクレトはNorthern Dancerにとって産駒最後の英ダービー馬であり、Northern Dancer産駒の英ダービー馬は、結局3頭共にエドワード・プランケット・テイラーの生産馬だったということですね^^;


またNorthern Dancer産駒によるワンツーフィニッシュは、セクレト&El Gran Senorの幼なじみ2頭によるこの1984年の第205回英ダービーのみ。そしてまたセクレトを管理されたデイヴィッド・オブライエン調教師は、El Gran Senorを管理されたヴィンセント師の実子。デイヴィッド師はセクレトで英ダービーを制した折は27歳であり、英ダービーを制した調教師の最年少記録として2021年現在も残っています。
勢いでセクレトの代表産駒もご紹介しておきますと、
- Mystiko(1988.2.22)
→英2000ギニー(GI)ほか。母父はゼダーン(1965)★ -
タムロチェリー(1999.4.2)
→阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)、小倉2歳S(GIII)
タムロチェリー、オリビエ・ペリエ騎手の3週連続JRA・GI制覇の3週目、ペリエマジックを見ましたm(_ _)m
*
[セクレト(1981.2.12)の主な競走成績]
- 英ダービー(GI)、テトラークS(愛GIII)
- 愛2000ギニー(GI)
通算4戦3勝、3着1回。
#セクレトが唯一敗れた愛2000ギニーを制したのはSadler’s Wells。ヴィンセント・オブライエン厩舎の番手に敗れた借りを、英ダービーでは厩舎のエースに返したという構図。とどの詰まりは、Northern Dancer産駒どうしの勝負でした。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。