ゴールドアクター 牡 青鹿毛 2011.5.18生 新冠町・北勝ファーム生産 馬主・居城 要氏→居城 寿与氏 美浦・中川 公成厩舎
スクリーンヒーロー 栗毛 2004.4.18 種付け時活性値:1.50【6】 |
★ グラスワンダー 栗毛 1995.2.18 |
Silver Hawk 鹿毛 1979.4.20 |
Roberto 1969.3.16 |
Gris Vitesse 1966.3.2 | |||
Ameriflora 鹿毛 1989.1.29 |
Danzig 1977.2.12 | ||
Graceful Touch 1978.4.13 | |||
ランニングヒロイン 鹿毛 1993.4.8 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 1969.2.7 | |
Wishing Well 1975.4.12 | |||
ダイナアクトレス 鹿毛 1983.5.4 |
ノーザンテースト 1971.3.15 | ||
モデルスポート 1975.2.23 | |||
ヘイロンシン 黒鹿毛 1999.4.14 仔受胎時活性値:0.75【11】 |
★ キョウワアリシバ 鹿毛 1990.3.31 種付け時活性値:0.00【8】 |
Alysheba 鹿毛 1984.3.3 |
★Alydar 1975.3.23 |
Bel Sheba 1970.1.29 | |||
Sulemeif 栗毛 1980.4.26 |
Northern Dancer 1961.5.27 | ||
Barely Even 1969.4.22 | |||
ハッピーヒエン 栗毛 1987.3.30 仔受胎時活性値:0.75【11】 |
マナード 黒鹿毛 1973.2.26 種付け時活性値:1.25【13】 |
Captain’s Gig 1965.3.5 | |
Slipstream 1967 | |||
ブゼンフブキ 鹿毛 1977.4.3 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
セダン 鹿毛 1955.3.9 種付け時活性値:1.25【21】 |
||
トサクイン 鹿毛 1960.3.16 仔受胎時活性値:2.00【16】 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×5×5、Hail to Reason5×5(父方)>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
スクリーンヒーロー (Roberto系) |
★キョウワアリシバ (Raise a Native系) |
マナード (Turn-to系) |
セダン (Prince Bio系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
スクリーンヒーロー | 3.75 (【11】+【11】+【9】+【16】) |
マルタカタイソンと同牝系 (No. 1-p ミアンダー系) |
3番仔 (2連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | ゴールドアクター | 牡4 | 57 | 吉田 隼人 | 2:33.0 | 3-3-5-3 | 34.8 | 494 [+4] |
中川 公成 | 8 | |
2 | 9 | サウンズオブアース | 牡4 | 57 | M.デムーロ | 2:33.0 | クビ | 3-3-5-6 | 34.7 | 502 [0] |
藤岡 健一 | 5 |
3 | 11 | キタサンブラック | 牡3 | 55 | 横山 典弘 | 2:33.1 | 3/4 | 1-1-1-1 | 35.1 | 526 [-4] |
清水 久詞 | 4 |
4 | 16 | マリアライト | 牝4 | 55 | 蛯名 正義 | 2:33.1 | アタマ | 3-3-2-2 | 35.0 | 434 [+4] |
久保田 貴士 | 12 |
5 | 4 | ラブリーデイ | 牡5 | 57 | 川田 将雅 | 2:33.2 | 1/2 | 6-6-8-6 | 34.7 | 488 [+2] |
池江 泰寿 | 2 |
1F毎の ラップ |
7.0 – 11.7 – 12.2 – 12.5 – 12.7 – 12.8 – 12.6 – 12.6 – 12.0 – 11.9 – 11.5 – 11.3 – 12.2 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
7.0 – 18.7 – 30.9 – 43.4 – 56.1 – 1:08.9 – 1:21.5 – 1:34.1 – 1:46.1 – 1:58.0 – 2:09.5 – 2:20.8 – 2:33.0 |
上り | 4F 46.9 – 3F 35.0 |
2015年の第60回有馬記念。銀幕の英雄の仔、好発から道中先行3番手あたりの内ラチ沿いをピッタリ進み、三分三厘で動き出した1番人気馬ゴールドシップ(2009.3.6)のロングスパートにも慌てず呼吸を溜めていました。そして迎えた中山芝310mの直線、逃げ粘る当年の菊花賞(GI)馬キタサンブラック(2012.3.10)、番手から追うエリザベス女王杯(GI)の勝ち馬マリアライト(2011.2.19)の外から差し迫りました。「僅差の勝負でも脚勢は外が良し」と思い見ていると、更に外から「最強の2勝馬」の異名を取ったサウンズオブアース(2011.4.12)が鋭脚を発揮。決勝点、タイム差なしの勝負を「クビ」だけ先んじていたのは、青の帽子に「海老、黄一本輪、海老袖」の勝負服を乗せた青鹿毛の大作。ゴールドアクター4歳の秋、父スクリーンヒーローの軌跡をなぞるかのように、アルゼンチン共和国杯(GII)を制した後に挑んだGIレースで見事に戴冠。2015年最後の大舞台で最優秀主演男優賞を勝ち取ると共に、オーナーブリーダーである居城要氏(=北勝ファーム)、管理される中川公成調教師、鞍上の吉田隼人騎手、そしてゴールドアクター自身と、皆が皆、GI初勝利となったのでした。
ゴールドアクターの父であるスクリーンヒーローは、2015年の有馬記念時点で初年度産駒のモーリス(2011.3.2)、ゴールドアクターがGI勝ち馬となり、2年度産駒のミュゼエイリアン(2012.2.1)、グァンチャーレ(2012.2.27)がJRA重賞勝ちを収めていました。スクリーンヒーロー、0の理論的にはその父グラスワンダーが8歳時の0交配により父系に活が入った自力型の種牡馬で、上記の産駒より後にもトラスト(2014.3.29)、ジェネラーレウーノ(2015.1.27)、ウインマリリン(2017.5.23)、ウインカーネリアン(2017.4.16)、マイネルグリット(2017.3.21)、クールキャット(2018.2.21)、アートハウス(2019.2.26)、ピースオブエイト(2019.1.7)等を送り込んでいます。そしてまた「右回りならば最強」のグランプリ3連勝馬、グラスワンダー。毛色は違えど、久しぶりに「非根幹距離はRoberto系」を思い出させてくれたのは、孫のゴールドアクターでした。
合わせて、キョウワアリシバがグランプリホースのブルードメアサイアーになる日が来ようとは、驚きと共に嬉しいことでした。こちらもゴールドアクターの母であるヘイロンシンに8歳時交配のミニモの遺伝を与えており、0リフレッシュの意味を改めて教えてくれます。「高性能外車」なんて言葉がもてはやされていた1990年代初頭、キョウワアリシバもマル外として走っていたことを思い出します。よく見直すレースである1995年の朝日チャレンジC(GIII)、マイシンザン(1990.3.7)、スプリングバンブー(1990.5.26)の後に続いたのがキョウワアリシバでした。キョウワアリシバの母Sulemeifの血はその後も日本で活躍し、スティルインラブ(2000.5.2)、ローブデコルテ(2004.4.28)と、孫の世代で2頭の優駿牝馬(GI)勝ち馬を送り込みました。
そうして1号族p分枝系のミアンダー(1948)系にとっても、ゴールドアクターが初めてのGI勝馬となりました。ミアンダー系の分枝馬として、ゴールドアクターの前にJRA重賞を制したのは、1990年の目黒記念(GII)の勝ち馬マルタカタイソン(1986.5.18)というのですから、ゴールドアクターはミアンダー系から四半世紀ぶりに出たJRA重賞勝ち馬だったのです。見れば、ゴールドアクターとマルタカタイソンは同じ5月18日生まれ。同じ生まれ日の2頭によって東京芝2500mのハンデGII勝ちが成され、そうして、ゴールドアクターにより、ついにGI勝ちが果たされました。
意外な血脈から現れた黄金の男優、ゴールドアクター。地味な血統であろうと、強いものは強く、走るものは走る。そんなことを思った2015年の有馬記念でした。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。
*
[ゴールドアクター(2011.5.18 12歳)の主な競走成績]
- 有馬記念(GI)、オールカマー(GII)、日経賞(GII)、アルゼンチン共和国杯(GII)
- 宝塚記念(GI)
- 有馬記念(GI)、菊花賞(GI)
通算24戦9勝、2着3回、3着2回。
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ゴールドアクターが有馬記念を勝った時、「キョウワアリシバの孫、やりよった」って、やっぱり思ったなぁ。
キョウワアリシバさんは姪がスティルインラブとローブデコルテ、甥がビッグバイアモン(1993.4.16)と近親に活躍馬が見え、父がAlyshebaさんという良血馬ですものね。
ああ。血の確かさが母父になって活きたんやろうな。ちなみにキョウワアリシバの仔で血統登録されているのは7世代26頭で牡馬11頭、牝馬15頭。ゴールドアクターの母ヘイロンシンが牝駒の稼ぎ頭やわ。
ヘイロンシンは豊国ジャンプSを勝っていますものね。ゴールドアクター、長丁場でお母さんの血も活きたというところでしょうか。