ヤエノムテキ(1985.4.11)-五十音にて名馬を辿る(No.36)-

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ヤエノムテキ 牡 栗毛 1985.4.11生~2014.3.28没 浦河町・宮村牧場生産 馬主・(有)富士 栗東・荻野 光男厩舎

ヤエノムテキ(1985.4.11)の4代血統表
ヤマニンスキー
栗毛 1975.4.28
種付け時活性値:0.25【9】
Nijinsky
鹿毛 1967.2.21
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Flaming Page
鹿毛 1959.4.24
Bull Page 1947
Flaring Top 1947.3.27
アンメンシヨナブル
鹿毛 1970.3.25
Buckpasser
鹿毛 1963.4.28
Tom Fool 1949.3.31
Busanda 1947
Petticoat
栗毛 1961.5.11
Palestinian 1946
Sabana 1955.3.9
ツルミスター
鹿毛 1980.2.13
仔受胎時活性値:1.00【4】
イエローゴツド
栗毛 1967.3.21
種付け時活性値:1.00【12】
Red God
栗毛 1954.2.15
Nasrullah 1940.3.2
Spring Run 1948
Sally Deans
栗毛 1947
Fun Fair 1940
Cora Deans 1932
フジコウ
黒鹿毛 1964.4.10
仔受胎時活性値:1.75【15】
ソロナウエー
鹿毛 1946
種付け時活性値:0.25【17】
Solferino 1940
Anyway 1935
ハマミドリ
鹿毛 1955.4.20
仔受胎時活性値:2.00【8】
★トサミドリ
鹿毛 1946.5.20
種付け時活性値:0.00【8】
フジサカエ
栗毛 1949.5.8
仔受胎時活性値:1.25【5】

<5代血統表内のクロス:Nearco5×5、Menow5×5×5>

ヤエノムテキ(1985.4.11)の0の理論的総括
母父祖母父曾祖母父
ヤマニンスキー
(Nijinsky系)
イエローゴツド
(Red God系)
ソロナウエー
(Fairway系)
トサミドリ
(Blandford系)
形相の遺伝料の遺伝牝系母の何番仔?
イエローゴツド
(Sally Deans)
6.00 
(No. 1-o キーンドラー系)
初仔

*

1988年の第48回皐月賞(GI。東京芝2000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢騎手走破
時計
着差調教師
11ヤエノムテキ牡3西浦 勝一2:01.3荻野 光男9
216ディクターランド牡3菅谷 正己2:01.43/4菅谷 禎高14
32サクラチヨノオー牡3小島 太2:01.51/2境 勝太郎2
414カシママイテー牡3的場 均2:01.92・1/2飯塚 好次12
56トウショウマリオ牡3柴田 政人2:01.9アタマ奥平 真治3

1988年の第48回皐月賞。1枠1番の好発から道中は先行4番手。3角から4角、周りが動き出しても慌てずに内ラチ沿いを7番手辺りでいったん控え、直線。残り400mを切ったところで、内から2頭目の栗毛の四白流星。白い帽子に「白、赤一本輪、黄袖青一本輪」の勝負服、「世界のニシウラ」こと西浦勝一騎手が自信を持って追い出すと、さながら重戦車のように突進して、ラスト1ハロンでは先頭に立っていました。そうして、同じ白い帽子の2歳王者・サクラチヨノオー(1985.2.19)の追撃を抑え、大外から突っ込んで来たディクターランド(1985.4.3)の強襲を振り切り、ヤエノムテキ、見事4戦目でのGI戴冠。ほんの1ヶ月半前、1988年2月27日にデビューしたばかりの「遅れてきた大物」が、デビュー50日後の1988年4月17日の皐月賞で、一気に大輪を咲かせたのでした。

*

1988年の第36回京都新聞杯(GII。京都芝外2200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢
騎手走破
時計
着差通過
順位
上り
4F
馬体重
[増減]
調教師
11ヤエノムテキ牡357西浦勝一2:14.53-3-3-448.3496
[-2]
荻野光男1
28コウエイスパート牡357安田隆行2:14.71.1/27-9-3-248.5450
[0]
二分久男2
34メイショクボーイ牡357岩元市三2:15.01.3/41-1-1-149.1470
[-4]
二分久男7
416ディクターランド牡357清水英次2:15.42.1/215-15-15-748.6434
[-8]
菅谷禎高3
52サンピアレス牡357河内洋2:15.4ハナ10-9-7-1049.0444
[0]
田中良平9

*

1988年の第41回鳴尾記念(GII。阪神芝2500m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢
騎手走破
時計
着差通過
順位
上り
4F
馬体重
[増減]
調教師
15ヤエノムテキ牡358西浦勝一2:33.15-5-5-547.2500
[-4]
荻野光男1
23ハツシバエースせん556岡冨俊一2:33.1ハナ4-3-4-447.4478
[+2]
中村覚之助2
37カゲマル牡351柴田政人2:33.21/210-10-9-547.0456
[0]
高松邦男3
44マルブツファースト牡655村本善之2:33.62.1/28-7-8-547.5452
[-4]
大久保正陽4
58ミスターシクレノン牡351塩村克己2:33.71/23-3-2-248.3502
[+6]
小林稔8

*

1989年の第33回産經大阪杯(GII。阪神芝2000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢
騎手走破
時計
着差通過
順位
上り
4F
馬体重
[増減]
調教師
110ヤエノムテキ牡458西浦勝一2:01.43-3-4-348.4498
[0]
荻野光男1
213ランドヒリュウ牡758河内洋2:02.03.1/22-2-2-349.3500
[-4]
小林稔2
312ゴールドシチー牡557本田優2:02.11/23-3-2-249.3506
[+6]
清水出美7
48ヒデリュウオー牡557安田隆行2:02.1クビ1-1-1-149.5494
[-2]
大沢真8
56シンチェスト牡658田原成貴2:02.428-8-9-749.0530
[+4]
布施正12

*

1990年の第102回天皇賞・秋(GI。東京芝2000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢騎手走破
時計
着差調教師
17ヤエノムテキ牡5岡部 幸雄1:58.2レコード荻野 光男3
28メジロアルダン牡5横山 典弘1:58.2アタマ奥平 真治5
36バンブーメモリー牡5武 豊1:58.41・1/4武 邦彦4
410オサイチジョージ牡4丸山 勝秀1:58.51/2土門 一美2
53ランニングフリー牡7菅原 泰夫1:58.71・1/2本郷 一彦14

1990年の第102回天皇賞・秋。1990年の天皇賞・秋は最も繰り返し見ている天皇賞・秋かも知れません。直線で最内を抜け出して来る時のヤエノムテキと岡部幸雄騎手の姿が、とにかく、鮮やか過ぎます。残り400mを切った辺りで先頭に立つと、最後の最後まで我慢しきりました。ゴール後、岡部騎手がヤエノムテキの右首筋をポーンとひと叩きされていますが、会心の勝利だったのでしょう。この天皇賞・秋の折、岡部騎手はヤエノムテキ、メジロアルダン(1985.3.28)どちらにも騎乗することが出来たそうですが、岡部騎手はヤエノムテキを選ばれたそうな。そんな名手の選択に応えて、サクラユタカオー(1982.4.29)の持っていた1分58秒3を4年ぶりに更新するコースレコードで、ヤエノムテキは2年半ぶりのGI勝利を収めたのでした。

サクラユタカオー(1982.4.29)-五十音にて名馬を辿る(No.11)-
サクラユタカオー 牡 栗毛 1982.4.29生~2010.11.23没 静内町・藤原牧場生産 馬主・(株)さくらコマース 美浦・境 勝太郎厩舎

*

ヤエノムテキ。血統だけを見ると「隔世」を感じます。けれど血統は別として、ヤエノムテキが現役のままの姿で今を走ることが出来るならば、十二分にGI勝ち馬となれるでしょう。その中距離の強さは相当。皐月賞、天皇賞・秋、大阪杯、京都新聞杯、鳴尾記念と重賞5勝。ほかにも重賞2着4回、3着4回と堅実に走り、現年齢表記3歳秋の京都新聞杯以降は、GII以上のレースしか出走していません。ヤエノムテキ、超一線級の競走馬だったのです。

ヤエノムテキの生涯成績は[8-4-3-8]。これを距離で区切ると瞭然となり、2000m以下ならば[6-2-2-2]、2000mを超えると[2-2-1-6]。2000m以下の着外2回はデビュー3戦目の3歳春の毎日杯(GIII)4着、4歳秋の天皇賞・秋4着。つまり、2000m以下のレースでは4着を外したことは無かったのです。

そんなヤエノムテキの競走馬生のハイライトは、やはり、GI勝利を収めた3歳春の皐月賞と5歳の天皇賞・秋。共に東京芝2000m。ヤエノムテキが最も輝いた舞台でした。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

*

[ヤエノムテキ(1985.4.11)の主な競走成績]

  1. 皐月賞(GI)、天皇賞・秋(GI)、産經大阪杯(GII)、鳴尾記念(GII)、京都新聞杯(GII)
  2. 安田記念(GI)、日経新春杯(GII)2回、中日スポーツ賞4歳S(GIII)
  3. 宝塚記念(GI)、産經大阪杯(GII)、マイラーズC(GII)

通算23戦8勝、2着4回、3着3回。

*

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

このサイトの管理人、好きな天皇賞・秋はヤエノムテキさんの第102回と、ヤマニンゼファー(1988.5.27)さんの第108回が双璧って言っていました。

年度代表馬の同期生を辿る(其の伍)-ヤマニンゼファー(1988.5.27)-。
ヤマニンゼファー 牡 鹿毛 1988.5.27生~2017.5.16没 新冠・錦岡牧場生産 馬主・土井肇氏 美浦・栗田博憲厩舎
マイシンザン
マイシンザン

かたや馬人一体となった芸術的な最内抜け出しからのアタマ差、こなた外から自ら馬体を併せに行った馬の勝負根性を見たハナ差。

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

どちらのレースも本当に好勝負ですね。