メジロマックイーン(1987.4.3)-五十音にて名馬を辿る(No.34)-

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メジロマックイーン 牡 芦毛 1987.4.3生~2006.4.3没 浦河町・吉田 堅氏生産 馬主・メジロ商事(株) 栗東・池江 泰郎厩舎

メジロマックイーン(1987.4.3)の4代血統表

メジロテイターン
芦毛 1978.3.22
種付け時活性値:0.00【8】
メジロアサマ
芦毛 1966.2.23
パーソロン
鹿毛 1960
Milesian 1953
Paleo 1953
スヰート
芦毛 1951
First Fiddle 1939
Blue Eyed Momo 1944
シエリル
鹿毛 1971.5.15
スノツブ
鹿毛 1959.1.31
Mourne 1954.3.24
Senones 1952
Chanel
黒鹿毛 1961.4.29
Pan 1947
Barley Corn 1950
メジロオーロラ
栗毛 1978.3.8
仔受胎時活性値:2.00【8】
リマンド
栗毛 1965.2.16
種付け時活性値:1.00【12】
Alcide
鹿毛 1955
▲Alycidon 1945.3.15
Chenille 1940
Admonish
栗毛 1958
Palestine 1947
Warning 1950
メジロアイリス
黒鹿毛 1964.4.8
仔受胎時活性値:1.25【13】
ヒンドスタン
黒鹿毛 1946
種付け時活性値:0.25【17】
▲Bois Roussel 1935
Sonibai 1939
アサマユリ
栗毛 1959.3.17
仔受胎時活性値:1.00【4】
★ボストニアン
栗毛 1950.5.13
種付け時活性値:0.00【8】
トモエ
栗毛 1951.5.8
仔受胎時活性値:1.75【7】

<5代血統表内のクロス:なし>

メジロマックイーン(1987.4.3)の0の理論的総括
母父祖母父曾祖母父
メジロテイターン
(My Babu系)
リマンド
(Blenheim系)
ヒンドスタン
(Bois Roussel系)
ボストニアン
(The Tetrarch系)
形相の遺伝料の遺伝牝系母の何番仔?
メジロテイターン
(EX.P)
6.00半兄メジロデユレン
(No. 7-c アストニシメント系)
5番仔
(5連産目)

*

1990年の第51回菊花賞(GI。京都芝3000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢騎手走破
時計
着差調教師
12メジロマックイーン牡3内田 浩一3:06.2池江 泰郎4
21ホワイトストーン牡3柴田 政人3:06.41・1/4高松 邦男2
318メジロライアン牡3横山 典弘3:06.61・1/2奥平 真治1
49メルシーアトラ牡3河内 洋3:06.92小野 幸治6
55ツルマルミマタオー牡3田島 信行3:07.32・1/2橋口 弘次郎5

1990年の第51回菊花賞。兄メジロデュレン(1983.5.1)に続けとばかりに嵐山S(準OP)を制して菊花賞に挑むはずだったメジロマックイーン。その嵐山Sでまさかの2着に敗れたことで、陣営は鞍上の交代も考えられたとか。そんな中、「メジロのおばあちゃん」こと北野ミヤ氏の「1回のミスで交代は可哀相」の一声で、引き続きの鞍上となった内田浩一騎手。意気に感じない訳もなく、その恩に報いた結果が、史上3組目の兄弟菊花賞制覇。そうして、内田騎手も「クラシック初騎乗初制覇」の快挙を遂げられたのでした。

#2022年現時点の菊花賞の兄弟制覇は、セントライト(1938.4.2)とトサミドリ(1946.5.20)、キタノオー(1953.5.15)とキタノオーザ(1957.2.24)、メジロデユレン(1983.5.1)メジロマックイーン(1987.4.3)ビワハヤヒデ(1990.3.10)ナリタブライアン(1991.5.3)の4組です。

*

1991年の第39回阪神大賞典(GII。中京芝3000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢
騎手走破
時計
着差通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
14メジロマックイーン牡458武豊3:07.36-4-2-235.4488
[+4]
池江泰郎1
26ゴーサイン牡456南井克巳3:07.51.1/43-2-2-135.7480
[-4]
宇田明彦2
33ミスターアダムス牡657本田優3:07.92.1/24-4-6-435.9472
[0]
星川薫3
41マルカロッキー牡557西浦勝一3:08.21.3/42-2-2-236.4474
[0]
北橋修二5
55グリーンレクサス牡456熊沢重文3:08.33/46-7-6-736.2502
[-10]
宇田明彦9

*

1991年の第103回天皇賞・春(GI。京都芝3200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢騎手走破
時計
着差調教師
115メジロマックイーン牡4武 豊3:18.8池江 泰郎1
29ミスターアダムス牡6本田 優3:19.22・1/2星川 薫7
310オースミシャダイ牡5松永 昌博3:19.33/4武 邦彦12
41メジロライアン牡4横山 典弘3:19.3ハナ奥平 真治2
514キリサンシー牡6田中 勝春3:19.41/2西塚 安夫6

1991年の第103回天皇賞・春。「(メジロ)ティターンの仔で天皇賞を勝て」。メジロ牧場創始者・北野豊吉氏の遺言が果たされたのは、逝去から7年後、1991年の春のこと。祖父メジロアサマ、父メジロテイターンに続いて、史上初の「父仔3代天皇賞制覇」の偉業達成。武豊騎手は口取り式で豊吉氏の遺影を掲げられたのでした。

*

1991年の第26回京都大賞典(GII。京都芝外2400m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢
騎手走破
時計
着差通過
順位
上り
4F
馬体重
[増減]
調教師
14メジロマックイーン牡459武豊2:26.54-3-2-247.1486
[+2]
池江泰郎1
21メイショウビトリア牡457河内洋2:27.13.1/25-6-5-447.4480
[-2]
伊藤雄二2
37コウエイダッシュ牡557内田浩一2:27.23/42-2-5-447.5494
[+6]
二分久男4
45ミスターシクレノン牡658松永幹夫2:27.2ハナ5-3-2-347.8490
[-4]
小林稔5
53ダイユウサク牡657熊沢重文2:28.583-3-2-149.2498
[+8]
内藤繁春3

*

1992年の第40回阪神大賞典(GII。阪神芝3000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢
騎手走破
時計
着差通過
順位
上り
4F
馬体重
[増減]
調教師
14メジロマックイーン牡559武豊3:13.53-3-3-248.9492
[0]
池江泰郎1
25カミノクレッセ牡558南井克巳3:14.354-4-4-449.5496
[+2]
工藤嘉見2
36ポーカーフェイス牡657岡潤一郎3:15.796-6-6-650.7484
[-6]
安藤正敏6
43エリモパサー牡557猿橋重利3:15.7ハナ2-2-2-151.2516
[-2]
沖芳夫4
51ミスターアダムス牡757本田優3:16.12.1/24-4-4-551.3474
[-2]
星川薫3

*

1992年の第105回天皇賞・春(GI。京都芝3200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢騎手走破
時計
着差調教師
15メジロマックイーン牡5武 豊3:20.0池江 泰郎2
27カミノクレッセ牡5田島 信行3:20.42・1/2工藤 嘉見4
38イブキマイカグラ牡4南井 克巳3:21.35中尾 正3
43ホワイトアロー牡5田原 成貴3:21.51小野 幸治11
514トウカイテイオー牡4岡部 幸雄3:21.71・1/4松元 省一1

1992年の第105回天皇賞・春。「世紀の対決」と喧伝された一戦は、7戦全勝のトウカイテイオー(1988.4.20)対前年覇者のメジロマックイーン。その結果はメジロマックイーンが「史上初の天皇賞・春連覇」を果たし、武豊騎手に「天皇賞・春4連覇」をもたらしたのでした。なお、メジロマックイーンが現年齢表記4歳以降に出走したレースのうち、1番人気を他馬に譲ったのは、この1992年の第105回天皇賞・春だけでした。

*

1993年の第37回産經大阪杯(GII。阪神芝2000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢
騎手走破
時計
着差通過
順位
上り
4F
馬体重
[増減]
調教師
113メジロマックイーン牡659武豊2:03.32-2-2-149.0504
[+14]
池江泰郎1
25ナイスネイチャ牡558松永昌博2:04.1514-13-13-1049.0496
[-10]
松永善晴2
316ラッキーゲラン牡758内田浩一2:04.31.1/21-1-1-250.1466
[-4]
池江泰郎11
41エルカーサリバー牝455山田泰誠2:04.51.1/44-4-3-350.0460
[+2]
田中良平3
515ネーハイビクトリー牡557石橋守2:04.61/214-16-13-1049.5488
[+2]
新川恵8

*

1993年の皇太子殿下御成婚奉祝第34回宝塚記念(GI。阪神芝2200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢騎手走破
時計
着差調教師
16メジロマックイーン牡6武 豊2:17.7池江 泰郎1
22イクノディクタス牝6村本 善之2:18.01・3/4福島 信晴8
31オースミロッチ牡6松本 達也2:18.11/2中尾 正10
49セキテイリュウオー牡4南井 克巳2:18.41・3/4藤原 敏文9
54アイルトンシンボリ牡4柴田 政人2:18.53/4畠山 重則5

1993年の皇太子殿下御成婚奉祝第34回宝塚記念。ライスシャワー(1989.3.5)に天皇賞・春3連覇を阻まれたメジロマックイーンでしたが、その代わりに、同門の1987年生まれ世代の同期生であるメジロライアン(1987.4.11)メジロパーマー(1987.3.21)に続く「メジロ勢宝塚記念3年連続勝利」を果たしました。そしてまた、メジロマックイーン自身「4年連続GI制覇」を遂げたのでした。

*

1993年の第28回京都大賞典(GII。京都芝外2400m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢
騎手走破
時計
着差通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
11メジロマックイーン牡659武豊2:22.7レコード5-5-3-135.7496
[+2]
池江泰郎1
29レガシーワールドせん458河内洋2:23.33.1/23-3-3-236.3490
[+4]
森秀行2
310オースミロッチ牡658松本達也2:23.3アタマ4-4-1-336.3490
[0]
中尾正5
46シャコーグレイド牡557南井克巳2:24.256-6-6-536.4464
[-4]
矢野照正6
54トーワナゴン牝455岸滋彦2:24.83.1/27-7-7-537.0446
[-2]
佐山優7

1993年の第28回京都大賞典。王者が迎えた現年齢表記6歳秋。京都芝2400m、その勝ち時計は2分22秒7。同い年のオースミロッチ(1987.4.20)が持っていたコースレコード2分24秒6を1秒9も縮める大レコード。次走でジャパンカップ(GI)を制するレガシーワールド(1989.4.23)を0秒6差、3馬身2分の1離しての圧勝劇は、それまで叫ばれていた「スピード不足」を払拭するに充分なパフォーマンスでした。

恐るべしは、メジロイズムの結晶。齢重ねて衰えるどころか、なお成長を続けたその様。私は「最強古馬の姿」というと、夕陽に照らされた芦毛の馬体が淀の緑の芝を悠然と駆けた、1993年の京都大賞典を思い出すばかりです。

*

メジロマックイーン。死して後、その偉大さが再認識されることもあります。厩舎の後輩であるステイゴールド(1994.3.24)が父となり、

ステイゴールド(1994.3.24)-五十音にて名馬を辿る(No.13)-
ステイゴールド 牡 黒鹿毛 1994.3.24生~2015.2.5没 白老町・白老ファーム生産 馬主・(有)社台レースホース 栗東・池江 泰郎厩舎

娘たちとの間にできた仔ら。ドリームジャーニー(2004.2.24)オルフェーヴル(2008.5.14)ゴールドシップ(2009.3.6)。言わずもがなのGI馬たち。血統的な見解は色々あれど、端的な「Phalaris系とTourbillon系のニックス」の好例が立て続けに現れました。

世界的にも貴重なTourbillon(1928)系の父系を育てて来られた日本の馬産は、なんだ言いながら、大したものです。日本のホースマンの皆様は、先人から受け継いできた血の積み重ねを、もっともっと、誇りに思って良いのでしょう。惜しむらくは、その日本で育んだTourbillon系の血が、父系としては風前の灯火になったことですが、それもまた、経済動物の定めなのかも知れません。

せめて私にできることは、メジロマックイーンの記録と記憶を辿ること。競馬者としての最初期に出会ったスーパーホース、メジロマックイーン。眼を瞑れば、「白、緑一本輪、緑袖」の勝負服を乗せたまだら模様の芦毛馬が、緑の芝の上を疾走する姿が蘇ります。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

*

[メジロマックイーン(1987.4.3)の主な競走成績]

  1. 菊花賞(GI)、天皇賞・春(GI)2回、宝塚記念(GI)、産經大阪杯(GII)、京都大賞典(GII)2回、阪神大賞典(GII)2回
  2. 有馬記念(GI)、天皇賞・春(GI)、宝塚記念(GI)

通算21戦12勝、2着6回、3着1回。

*

20世紀の名馬 第12位 メジロマックイーン
20世紀の名馬 第12位 メジロマックイーン M.Mホクトスルタンは最後の希望なのか?  競馬動画→mylist/7354219
メジロマックイーン:競馬の殿堂 JRA

*

マイシンザン
マイシンザン

このサイトの管理人、メジロマックイーンさんについて、古い資料を引っ張り出して来たって?

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

そのようです。今回はこの辺境サイトのコアな閲覧者の方向けに、29年前の雑誌から引いておきます。

[配合]

メジロ牧場が得意とするアウトブリードである。

本馬はヘロド系(トゥルビヨン系・メジロティターン、ザテトラーク系・ボストニアン)2系とエクリプス系(ブランドフォード系・リマンド、セントサイモン系・ヒンドスタン)2系の血で構成されている。二大父系の使用と種付けされた活性値のバランスのよさが、このような名馬の生産要因になっていると考える。彼の頭脳は、人間でいうならば”秀才”である。

KKベストセラーズ、「競馬最強の法則」1993年8月号、P130より-