ミホシンザン(1982.4.16)-五十音にて名馬を辿る(No.32)-

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ミホシンザン 牡 鹿毛 1982.4.16生~2014.12.4没 浦河町・日進牧場生産 馬主・堤 勘時氏 美浦・田中 朋次郎厩舎

ミホシンザン(1982.4.16)の4代血統表
シンザン
鹿毛 1961.4.2
種付け時活性値:1.00【20】
ヒンドスタン
黒鹿毛 1946
Bois Roussel
黒鹿毛 1935
★Vatout 1926
Plucky Liege 1912
Sonibai
黒鹿毛 1939
★Solario 1922
Udaipur 1929
ハヤノボリ
栗毛 1949.6.4
ハヤタケ
鹿毛 1939
セフト 1932
飛竜 1929
第五バツカナムビユーチー
栗毛 1941.4.16
トウルヌソル 1922
バツカナムビユーチー 1929.4.18
ナポリジヨオー
栗毛 1975.3.31
仔受胎時活性値:1.50【6】

ムーテイエ
栗毛 1958.3.16
種付け時活性値:0.00【16】
Sicambre
黒鹿毛 1948
Prince Bio 1941
Sif 1936
Ballynash
鹿毛 1946
Nasrullah 1940.3.2
Ballywellbroke 1933
タイタイ
栃栗毛 1969
仔受胎時活性値:1.25【5】
Will Somers
黒鹿毛 1955
種付け時活性値:1.25【13】
Tudor Minstrel 1944.2.16
クヰーンスジエスト 1946
Anneiv
栗毛 1964
仔受胎時活性値:1.00【4】
ヴイエナ
栗毛 1957
種付け時活性値:1.50【6】
Singing Sister
栗毛 1954
仔受胎時活性値:0.25【9】

<5代血統表内のクロス:Gainsborough5×5(父方)、Nearco5×5(母方)>

ミホシンザン(1982.4.16)の0の理論的総括
母父祖母父曾祖母父
シンザン
(Bois Roussel系)
ムーテイエ
(Prince Bio系)
Will Somers
(Owen Tudor系)
ヴイエナ
(Aureole系)
形相の遺伝料の遺伝牝系母の何番仔?
ヴイエナ
(タイタイ)
4.00遡ればカネケヤキと同牝系
(No. 9-c)
2番仔
(2連産目)

*

1985年の第34回フジテレビ賞スプリングS(GII。中山芝1800m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢斤量騎手走破
時計
着差調教師
14ミホシンザン牡356柴田政人1:49.5田中朋次郎1
23スクラムダイナ牡356岡部幸雄1:49.81.3/4矢野進2
35アズマゲインズ牡356大崎昭一1:49.93/4仲住芳雄7
41ダイゴトツゲキ牡356稲葉的海1:50.0クビ吉田三郎3
511タイガーボーイ牡356加賀武見1:50.0クビ阿部正太郎10

*

1985年の第45回皐月賞(GI。中山芝2000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢騎手走破
時計
着差調教師
113ミホシンザン牡3柴田 政人2:02.1田中 朋次郎1
29スクラムダイナ牡3岡部 幸雄2:02.95矢野 進4
35サクラサニーオー牡3小島 太2:03.03/4境 勝太郎2
43ブラックスキー牡3郷原 洋行2:03.1クビ矢野 照正5
57スーパーグラサード牡3中野 栄治2:03.2クビ清水 美波18

1985年の第45回皐月賞。「最も速い馬が勝つ」と言われる中山芝2000mのクラシック初戦で、同世代では一歩抜きん出た存在であることを知らしめた5馬身差勝ち。4戦4勝での快勝劇に「3年連続三冠馬の誕生」も期待されましたが、左前脚の骨折で、叶わず。ミホシンザンの真の能力は、このレースの後は、見られなかったのではないでしょうか。

*

1985年の第33回京都新聞杯(GII。京都芝2200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢斤量騎手走破
時計
着差調教師
15ミホシンザン牡357柴田政人2:14.5田中朋次郎1
27スピードヒーロー牡357河内洋2:14.82中尾正4
210フリートホープ牡357猿橋重利2:14.8同着梅内慶蔵5
48サクラユタカオー牡357小島太2:15.11.3/4境勝太郎2
54スダホーク牡357田原成貴2:15.1ハナ古山良司3

*

1985年の第46回菊花賞(GI。京都芝3000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢騎手走破
時計
着差調教師
112ミホシンザン牡3柴田 政人3:08.1田中 朋次郎1
211スダホーク牡3田原 成貴3:08.31・1/4古山 良司2
315サクラサニーオー牡3東 信二3:08.3クビ境 勝太郎5
417サクラユタカオー牡3岩元 市三3:08.62境 勝太郎6
518トレードマーク牡3菅野 昭夫3:08.81・1/4富田 六郎8

1985年の第46回菊花賞。「最も強い馬が勝つ」と言われる京都芝3000mのクラシック最終戦で、世代最強であることを改めて見せ付けたミホシンザン。東京優駿(GI)を制したシリウスシンボリ(1982.3.26)が居ない舞台では敗れる訳にはいきませんでした。

*

1987年の第28回AJCC(GII。中山芝外2200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢
騎手走破
時計
着差通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
12ミホシンザン牡559柴田政人2:15.41-1-1-135.8498
[0]
田中朋次郎1
26スズパレード牡658蛯沢誠治2:15.613-3-6-435.5472
[+8]
富田六郎2
31クシロキング牡558岡部幸雄2:15.6アタマ3-3-3-235.8484
[+2]
中野隆良3
44サクラサニーオー牡557小島太2:15.922-2-3-436.1472
[-8]
境勝太郎4
55メジロディッシュ牝555的場均2:16.643-3-2-236.9462
[+6]
大久保洋吉5

*

1987年の第35回日経賞(GII。中山芝2500m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢
騎手走破
時計
着差通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
11ミホシンザン牡559柴田政人2:33.84-4-3-234.8494
[-4]
田中朋次郎1
24ジュサブロー牡557岡部幸雄2:34.655-5-5-535.4490
[-4]
藤原敏文3
36ダイナガリバー牡458増沢末夫2:34.6アタマ3-3-3-435.6488
[+6]
松山吉三郎2
45ナスノタイザン牡557小島太2:34.81.1/45-5-5-535.6482
[0]
稲葉幸夫5
52メジロボアール牡457的場均2:34.91/27-7-7-735.3428
[+6]
大久保洋吉7

*

1987年の第95回天皇賞・春(GI。京都芝3200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名性齢騎手走破
時計
着差調教師
16ミホシンザン牡5柴田 政人3:20.4田中 朋次郎1
25アサヒエンペラー牡4蛯沢 誠治3:20.6ハナ+1・1/4加藤 修甫4
38スダホーク牡5田村 正光3:20.81・1/2古山 良司3
43マルブツファースト牡5村本 善之3:20.91/2大久保 正陽6
510クシロキング牡5河内 洋3:20.9ハナ中野 隆良5

1987年の第95回天皇賞・春。記録を振り返れば、父の所縁の京都競馬場では3戦3勝。最悪の体調でも、最後の最後まで諦めずに踏ん張ったミホシンザン。決勝点、外のニシノライデン(1981.3.20)の脚勢が優っているかに見えましたが、鞍上のイン突きに応えて「ハナ」だけ譲らずに先頭で駆けました。

*

1980年代(1980年~1989年)に生まれた馬で、中央競馬のGI級競走を3勝以上挙げている馬は16頭。列挙すればミスターシービー(1980.4.7)ニホンピロウイナー(1980.4.27)シンボリルドルフ(1981.3.13)、ミホシンザン(本稿の主役)、ニツポーテイオー(1983.4.21)メジロラモーヌ(1983.4.9)タマモクロス(1984.5.23)イナリワン(1984.5.7)オグリキャップ(1985.3.27)スーパークリーク(1985.5.27)メジロマックイーン(1987.4.3)トウカイテイオー(1988.4.20)ヤマニンゼファー(1988.5.27)ライスシャワー(1989.3.5)ミホノブルボン(1989.4.25)ニシノフラワー(1989.4.19)

いずれ違わぬ名馬たちですが「八大競走を3勝以上している馬」とすると、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ミホシンザン、スーパークリーク、メジロマックイーン、トウカイテイオー、ライスシャワーの7頭。

そして「3勝以上がそれぞれ別の八大競走」となると、ミスターシービー(皐月賞、東京優駿、菊花賞、天皇賞・秋)、シンボリルドルフ(皐月賞、東京優駿、菊花賞、有馬記念、天皇賞・春)、ミホシンザン(皐月賞、菊花賞、天皇賞・春)、スーパークリーク(菊花賞、天皇賞・秋、天皇賞・春)、トウカイテイオー(皐月賞、東京優駿、有馬記念)の5頭。

JRAさんが三冠動画をアップされていましたので-ミスターシービー(1980.4.7)-
ミスターシービー 牡 黒鹿毛 1980.4.7生~2000.12.15没 浦河・千明牧場生産 馬主・千明牧場 美浦・松山康久厩舎
Google 日本語入力の導きにより-シンボリルドルフ(1981.3.13)-
シンボリルドルフ 牡 鹿毛 1981.3.13生~2011.10.4没 門別・シンボリ牧場生産 馬主・シンボリ牧場 美浦・野平祐二厩舎
年度代表馬の同期生を辿る(其の参)-スーパークリーク(1985.5.27)-。
スーパークリーク 牡 鹿毛 1985.5.27生~2010.8.29没 門別・柏台牧場 馬主・木倉誠氏 栗東・伊藤修司厩舎
JRA賞になって以降の年度代表馬を辿る(其の伍)-トウカイテイオー(1988.4.20)-。
トウカイテイオー 牡 鹿毛 1988.4.20生~2013.8.30没 新冠・長浜牧場生産 馬主・内村正則氏 栗東・松元省一厩舎

こうして見れば、ミホシンザンという馬がいかに「駿馬」だったかということが伺えます。「シンザンの最高傑作」は、その二つ名に違わぬ、真の名馬の1頭だったのです。

現役引退に際し、全16戦の手綱を取った柴田政人騎手にこれからはミホシンザンの柴田と呼んでくださいと言わしめた、ミホシンザン。二度の骨折がなければ、どれほどの成績を残せたのか。八大競走3勝という名馬であるにも関わらず、「さらなる可能性」を人々に感じさせた、1980年代のスーパーホースの1頭でした。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

*

[ミホシンザン(1982.4.16)の主な競走成績]

  1. 皐月賞(GI)、菊花賞(GI)、天皇賞・春(GI)、日経賞(GII)、AJCC(GII)、京都新聞杯(GII)、スプリングS(GII)
  2. 有馬記念(GI)
  3. ジャパンカップ(GI)、有馬記念(GI)、天皇賞・秋(GI)、毎日王冠(GII)

通算16戦9勝、2着1回、3着4回。

*

マイシンザン
マイシンザン

……。

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

どうしはったんですか、兄さん?

マイシンザン
マイシンザン

親父、やっぱり「本物の名馬」やったんやなぁ、って。

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

それは兄さんのお父様ですから。このサイトの管理人も「お父さん譲りの生命力も含めて、1980年代を代表する名馬の1頭」って、改めて思ったそうです。

シンザン(1961.4.2)-三冠馬を辿る(No.2)-
シンザン 牡 鹿毛 1961.4.2生~1996.7.13没 浦河・松橋吉松氏生産 馬主・橋元幸吉氏 京都・武田文吾厩舎