中島国治氏関連馬(其の肆)-トロットサンダー(1989.5.10)-

中島国治氏関連馬

トロットサンダー 牡 鹿毛 1989.5.10生~2004.11.20没 鵡川・フラット牧場生産 馬主・(有)有匡→藤本照男氏 浦和・津金沢正男厩舎→美浦・相川勝敏厩舎→内藤一雄厩舎→相川勝敏厩舎

トロットサンダー(1989.5.10)の4代血統表
ダイナコスモス
鹿毛 1983.3.25
種付け時活性値:1.25
ハンターコム
黒鹿毛 1967
Derring-Do
鹿毛 1961
Darius 1951
Sipsey Bridge 1954
Ergina
黒鹿毛 1957
★Fair Trial 1932
Ballechin 1949
シヤダイワーデン
栗毛 1977.4.26
ノーザンテースト
栗毛 1971.3.15
Northern Dancer 1961.5.27
Lady Victoria 1962.2.20
シヤダイプリマ
鹿毛 1970.2.11
マリーノ 1956.3.6
ナイトアンドデイ 1962.3.28
ラセーヌワンダ
栃栗毛 1969.3.24
仔受胎時活性値:0.75
テスコボーイ
黒鹿毛 1963
種付け時活性値:1.25
Princely Gift
鹿毛 1951
Nasrullah 1940.3.2
Blue Gem 1943
Suncourt
黒鹿毛 1952
Hyperion 1930.4.18
Inquisition 1936
ラ・セーヌ
栗毛 1956.6.3
仔受胎時活性値:1.00
リンボー
鹿毛 1949.4.23
種付け時活性値:1.50
War Admiral 1934.5.2
Boojie 1943
ラシフオード
鹿毛 1942.3.12
仔受胎時活性値:1.25
★アスフオード
鹿毛 1925
種付け時活性値:0.00
ラシモア
鹿毛 1934
仔受胎時活性値:1.75

<5代血統表内のクロス:なし>

トロットサンダー(1989.5.10)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ダイナコスモス
(Dante系)
テスコボーイ
(Princely Gift系)
リンボー
(Man o’ War系)
アスフオード
(Blandford系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
リンボー
(ラセーヌワンダ)
4.75
(No. 1-b フラストレート系)
14番仔
(不受胎後)

*

1995年の府中S(準OP)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 11 トロットサンダー 牡6 56 横山典弘 1:33.8 35.3 474
[+6]
相川勝敏 1
2 13 シンコウキング 牡4 56 岡部幸雄 1:34.2 2.1/2 36.0 460
[0]
藤沢和雄 2
3 12 ショウリノメガミ 牝4 54 武豊 1:34.4 1.1/2 36.0 468
[0]
武邦彦 3
4 4 トーワウィナー 牡5 57 田中勝春 1:34.6 1.1/4 36.5 512
[+2]
佐山優 6
5 9 シャインフォード 牡4 56 橋本広喜 1:34.6 ハナ 35.0 434
[+2]
宗像義忠 8

1着2着が後のGI勝ち馬、3着4着が後の重賞2勝馬、5着も後にGIII2着と、時が下って振り返れば豪華な準オープンのマイル戦。1番人気で勝ち切ったのはダイナコスモスの仔、トロットサンダー。

#このレースの10着から12着は順にインタークレバー(1991.4.4)、インターユニーク(1991.2.26)、ドージマムテキ(1990.3.31)と、後のオープン馬が名前を連ねます。本当に豪華な一戦でした。

*

第12回マイルチャンピオンシップ(GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 13 トロットサンダー 牡6 57 横山典弘 1:33.7 34.8 474
[-2]
相川勝敏 4
2 18 メイショウテゾロ 牡3 55 上籠勝仁 1:33.9 1.1/4 35.1 468
[-2]
星川薫 16
3 1ヒシアケボノ 牡3 55 角田晃一 1:33.9 クビ 36.1 558
[+2]
佐山優 2
4 5 ビコーペガサス 牡4 57 武豊 1:34.0 3/4 35.0 434
[+4]
柳田次男 1
5 7 トーワダーリン 牝5 55 猿橋重利 1:34.1 クビ 35.0 422
[-2]
佐山優 13

1995年の第12回マイルチャンピオンシップ。第11回までは1番人気が必ず連対を果たしており「日本一堅いGIレース」だったマイルチャンピオンシップ、その神話が崩れてしまった第12回を制したのは、4番人気のトロットサンダー。出負け加減の発馬から道中は後方を進むと、直線では外から豪快な末脚を発揮。出走18頭中唯1頭の上がり3ハロン34秒台を繰り出して、16番人気(!!)のシンザン記念(GIII)勝ち馬メイショウテゾロ(1992.4.25)に1と4分の1馬身差を着けての快勝でした。

4番人気と16番人気の決着により、馬連104,390円というJRAGIレース史上2位(当時)の大荒れの払い戻しとなりました。私の記憶が確かならば、メイショウテゾロの松本好雄オーナーは、この馬券を取られたはずです。翌日のスポーツ新聞で記事になっていたように覚えています。

*

第46回東京新聞杯(GIII)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 11 トロットサンダー 牡7 58 横山典弘 1:34.4 34.1 472
[-2]
内藤一雄 1
2 6 メイショウユウシ 牡5 56 蛯名正義 1:34.5 クビ 34.8 470
[+2]
伊藤雄二 5
3 14フジノマッケンオー 牡5 57 岡部幸雄 1:34.7 1.1/2 34.7 502
[+2]
中村好夫 4
4 3 トライディード 牡6 54 蛯沢誠治 1:34.9 1.1/2 34.2 470
[0]
加藤修甫 9
5 15 サイレントキラー 牡4 54 橋本広喜 1:35.0 1/2 35.1 540
[+6]
藤沢和雄 8

トロットサンダー、GI勝ち馬として臨んだ満7歳の初戦は東京芝1600mのGIII、東京新聞杯。メイショウユウシ(1991.3.28)との競り合いを振り切り「クビ」だけ先着したのは、サスガにGI馬の貫禄。斤量58kgもなんのその、単勝2.2倍の1番人気に応えました。

*

第46回安田記念(GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 12 トロットサンダー 牡7 58 横山典弘 1:33.1 34.5 472
[-4]
相川勝敏 1
2 8 タイキブリザード 牡5 58 岡部幸雄 1:33.1 ハナ 35.0 536
[0]
藤沢和雄 3
3 2ヒシアケボノ 牡4 58 角田晃一 1:33.2 クビ 35.6 550
[-10]
佐山優 12
4 9 ジェニュイン 牡4 58 田中勝春 1:33.4 1.1/2 35.1 482
[-12]
松山康久 6
5 6 ビコーペガサス 牡5 58 的場均 1:33.6 1 35.2 432
[0]
柳田次男 8

1996年の第46回安田記念。出走17頭中8頭がGI馬という超豪華メンバーが揃った一戦、単勝3.4倍の1番人気に推されたのは戦前までマイル戦7戦7勝、マル父の星トロットサンダー。

トロットサンダーと横山典弘騎手、道中はお決まりの後方待機。直線、大外に持ち出すと、力強く脚を伸ばしました。内ラチ沿いで逃げ粘るヒシアケボノ(1992.2.27)と角田晃一騎手、馬場中央を抜け出しに掛かるタイキブリザード(1991.3.12)と岡部幸雄騎手、そしてその2頭をまとめて外から交わそうとするトロットサンダーと横山騎手。最後の最後の決勝点、緑のメンコを着けた鹿毛の流星、緑の帽子、「黄、黒襷、袖桃縦縞」の勝負服が、「ハナ」「クビ」の勝負を僅かに制していました。

外国産馬や、猛威を振るい始めたサンデーサイレンス(1986.3.25)の血にも負けない。父内国産のマイルの申し子が、並み居る強豪を蹴散らして、1番人気に応えたという結末でした。

#この第46回安田記念は、フジテレビの青嶋達也アナウンサーのGIレース初実況でした。好メンバーが揃い名勝負だったこともあり、レース後に「光栄です」とおっしゃっていたことを覚えています。

*

トロットサンダー、マイル戦は生涯不敗の8戦8勝。

1400mでもなく、1800mでもなく、1600mのスペシャリスト。

そのマイル戦を勝ち切る姿、20年以上が過ぎた今も、鮮やかに記憶に残っています。

トロットサンダー、忘れ難き名マイラーでした。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[トロットサンダーの主な競走成績]

  1. 安田記念(GI)、マイルチャンピオンシップ(GI)、東京新聞杯(GIII)、アイルランドT(OP)
  2. 京王杯SC(GII)、毎日王冠(GII)

通算22戦15勝、2着2回、3着2回。