キセキ 牡 黒鹿毛 2014.5.13生 門別・下河辺牧場生産 馬主・石川達絵氏 栗東・角居勝彦厩舎
ルーラーシップ 鹿毛 2007.5.15 種付け時活性値:1.50 |
キングカメハメハ 鹿毛 2001.3.20 |
Kingmambo 鹿毛 1990.2.19 |
Mr. Prospector 1970.1.28 |
Miesque 1984.3.14 | |||
マンファス 黒鹿毛 1991.2.23 |
ラストタイクーン 1983.5.9 | ||
Pilot Bird 1983.2.9 | |||
エアグルーヴ 鹿毛 1993.4.6 |
トニービン 鹿毛 1983.4.7 |
カンパラ 1976.2.19 | |
Severn Bridge 1965 | |||
ダイナカール 鹿毛 1980.5.10 |
★ノーザンテースト 1971.3.15 | ||
シヤダイフエザー 1973.2.20 | |||
ブリッツフィナーレ 鹿毛 2008.4.19 仔受胎時活性値:1.25 |
ディープインパクト 鹿毛 2002.3.25 種付け時活性値:1.25 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 1969.2.7 |
Wishing Well 1975.4.12 | |||
ウインドインハーヘア 鹿毛 1991.2.20 |
Alzao 1980.2.28 | ||
Burghclere 1977.4.26 | |||
ロンドンブリッジ 栗毛 1995.5.6 仔受胎時活性値:1.00 |
ドクターデヴィアス 栗毛 1989.3.10 種付け時活性値:1.25 |
Ahonoora 1975.4.12 | |
Rose of Jericho 1984.3.14 | |||
オールフオーロンドン 鹿毛 1982.1.31 仔受胎時活性値:1.00 |
Danzig 鹿毛 1977.2.12 種付け時活性値:1.00 |
||
Full Card 鹿毛 1975.4.7 仔受胎時活性値:1.50 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ルーラーシップ (Mr. Prospector系) |
ディープインパクト (Halo系) |
ドクターデヴィアス (Clarion系) |
Danzig (Northern Dancer系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
ルーラーシップ | 4.75 |
伯母ダイワエルシエーロ (No. 22-b) |
3番仔 (3連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 3F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 13 | キセキ | 牡3 | 57 | M.デムーロ | 3:18.9 | 39.6 |
488 [+2] |
角居勝彦 | 1 | |
2 | 4 | クリンチャー | 牡3 | 57 | 藤岡佑介 | 3:19.2 | 2 | 40.2 |
482 [-8] |
宮本博 | 10 |
3 | 14 | ポポカテペトル | 牡3 | 57 | 和田竜二 | 3:19.2 | ハナ | 40.1 |
478 [-4] |
友道康夫 | 13 |
4 | 6 | マイネルヴンシュ | 牡3 | 57 | 柴田大知 | 3:19.5 | 1 1/2 | 40.0 |
458 [+6] |
水野貴広 | 11 |
5 | 15 | ダンビュライト | 牡3 | 57 | 武豊 | 3:19.7 | 1 | 40.8 |
478 [-2] |
音無秀孝 | 4 |
2017年の第78回菊花賞。大雨の超不良馬場で行われたクラシック最終戦、勝利を収めたのは1番人気に応えたキセキ。京都芝3000mの勝ち時計3分18秒9、上がり4ハロン52秒9、上がり3ハロン40秒0という、稀に見る決着。3分18秒9は菊花賞史上5番目に遅い勝ち時計で、3分10秒台の決着は1975年の第36回のコクサイプリンス(1972.3.28)以来、42年ぶりのことでした。この超消耗戦を勝ち切ったキセキ。「最も強い馬が勝つ」と言われる菊花賞、近年はスピード化が強調され2014年の第75回のトーホウジャッカル(2011.3.11)における3分1秒0とは対極の結果でしたが、死力を尽くしたキセキの強さとド根性、永久に語り継がれるべき一戦と思います。
キセキの鞍上であるミルコ・デムーロ騎手は菊花賞初勝利で、牡馬クラシック三冠すべての勝利騎手となりました。管理される角居勝彦調教師は、2004年の第65回のデルタブルース(2001.5.3)、2013年の第74回のエピファネイア(2010.2.11)に続いて菊花賞3勝目で現役トレーナーとしては単独トップ。馬主の石川達絵オーナーは、2010年の初出走以来8年目の嬉しいGI初制覇でした。また生産である名門・下河辺牧場にとっても、初めてのJRA牡馬クラシック優勝となりました。皆様、それぞれにおめでとうございました。
*
種牡馬ルーラーシップは、 キセキの第78回菊花賞制覇により、初年度産駒からクラシックホースを送り出すことに成功しました。今回の菊花賞が産駒のGI初勝利と共に重賞初勝利でもありました。ルーラーシップは、父キングカメハメハはもとより、母エアグルーヴであり、社台グループにとっても成功させなければならない種牡馬の1頭であると思います。キセキで弾みが付いて、その他の産駒の更なる活躍を期待したいものです。今回の菊花賞では、戦前に距離不安で泣きが入りましたが、ダンビュライト(2014.3.3)も5着と頑張りました。
そしてまた、当代の首位種牡馬であるディープインパクトにとっては、母父としてのGI初勝利と共に重賞初勝利でした。キセキの母ブリッツフィナーレはディープインパクトの初年度産駒ですね。ディープインパクトは2017年で15歳であり、15歳の年齢時に母父としてもGI勝ち馬を輩出した名種牡馬にはノーザンテーストがいます-1986年の第46回皐月賞(GI)を制したダイナコスモス(1983.3.25)による-。なお、ディープインパクトの父であるサンデーサイレンスが母父として最初のGI勝ち馬を輩出したのは、存命であれば19歳の2005年でした-第65回桜花賞(GI)を制したラインクラフト(2002.4.4)による-。
それでは、以下にキセキのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。
オールフォーロンドン 1982.1.31 3勝 |ロンドンブリッジ 1995.5.6 3勝 ファンタジーS(GIII) 桜花賞(GI)2着 ||ダイワエルシエーロ 2001.5.11 5勝 優駿牝馬(GI) 京阪杯(GIII) マーメイドS(GIII) クイーンC(GIII)ほか ||ビッグプラネット 2002.5.2 3勝 京都金杯(GIII) アーリントンC(GIII) ||ダイワディライト 2004.4.11 7勝 カペラS(GIII)2着 ||ブリッツフィナーレ 2008.4.19 不出走 |||キセキ 2014.5.13 (本馬) 菊花賞(GI) 神戸新聞杯(GII)2着 毎日杯(GIII)3着 ||グレーターロンドン 2012.5.23 現役 毎日王冠(GII)3着 |ナリタオンザターフ 1998.5.9 3勝 名古屋優駿(統一GIII)
祖母が「夢の架け橋」ロンドンブリッジ、伯母が第65回優駿牝馬の勝ち馬ダイワエルシエーロと筋の通った22号族。叔父グレーターロンドンも現役のオープン馬として活躍中ですね。
祖母ロンドンブリッジは優れたスピード馬でしたが、代を経て、距離をこなす子孫が出ているところが素晴らしい。異系であるTourbillon(1928)系ドクターデヴィアスの血が上手く活かされている好例が、ロンドンブリッジの子孫ではないでしょうか。このあたり、サスガに名門の下河辺牧場。
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キセキは、根性比べとなった第78回菊花賞を制しましたが、夏には新潟芝2000mで1分56秒9という快時計勝ちも見せたように、スピードも持ち合わせています。
真の強者たるべく、道を進むであろうキセキ。激戦の疲れを癒やした後、その強さと、そして速さを、改めて見せて欲しいと願っています。
雨中の決戦、18騎の馬人とその周囲の皆様、本当にお疲れ様でした。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。