Laurel River(ローレルリバー) 牡 鹿毛 2018.2.9生 米国・Juddmonte Farms Inc生産 馬主・Juddmonte UAE・B Seemar厩舎
Into Mischief 鹿毛 2005.3.28 種付け時活性値:1.00【12】 |
Harlan’s Holiday 鹿毛 1999.4.6 |
Harlan 黒鹿毛 1989.3.2 |
Storm Cat 1983.2.27 |
Country Romance 1976.3.2 | |||
Christmas in Aiken 鹿毛 1992.3.25 |
★Affirmed 1975.2.21 | ||
Dowager 1980.5.8 | |||
Leslie’s Lady 鹿毛 1996.3.10 |
Tricky Creek 鹿毛 1986.4.19 |
▲Clever Trick 1976.3.10 | |
Battle Creek Girl 1977.3.10 | |||
Crystal Lady 鹿毛 1990.5.12 |
Stop the Music 1970.3.23 | ||
One Last Bird 1980.4.30 | |||
Calm Water 鹿毛 2011.2.12 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
エンパイアメーカー 黒鹿毛 2000.4.27 種付け時活性値:0.50【10】 |
Unbridled 鹿毛 1987.3.5 |
▲Fappiano 1977.5.19 |
Gana Facil 1981.2.9 | |||
Toussaud 黒鹿毛 1989.5.6 |
El Gran Senor 1981.4.21 | ||
Image of Reality 1976.5.18 | |||
Soothing Touch 鹿毛 2004.4.10 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
Touch Gold 鹿毛 1994.5.26 種付け時活性値:0.25【9】 |
Deputy Minister 1979.5.17 | |
Passing Mood 1978.3.20 | |||
Glia 鹿毛 1999.3.8 仔受胎時活性値:1.00【4】 |
A.P. Indy 黒鹿毛 1989.3.31 種付け時活性値:0.25【9】 |
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Coup de Genie 鹿毛 1991.5.7 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Into Mischief (Storm Cat系) |
エンパイアメーカー (Mr. Prospector系) |
Touch Gold (Deputy Minister系) |
A.P. Indy (Seattle Slew系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Into Mischief (Harlan’s Holiday) |
5.75 (【6】+【6】+【4】+【7】) |
伯母が米GI4勝馬 (No. 2-d) |
3番仔 (3連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破時計 ・着差 |
調教師 | 人 気 |
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1 | 7 | Laurel River | 牡6 | 57 | Tadhg O’Shea | 2:02.31 | B Seemar | 4 |
2 | 11 | ウシュバテソーロ | 牡7 | 57 | 川田 将雅 | 8 1/2 | 高木 登 | 3 |
3 | 10 | Senor Buscador | 牡6 | 57 | Junior Alvarado | クビ | Todd W Fincher | 6 |
4 | 12 | ウィルソンテソーロ | 牡5 | 57 | 原 優介 | 4 3/4 | 小手川 準 | 7 |
5 | 5 | ドゥラエレーデ | 牡4 | 57 | Bauyrzhan Murzabayev | 短アタマ | 池添 学 | 9 |
メイダン・ダート2000m、良馬場、12頭立て。賞金総額1200万米ドル、1着賞金696万米ドルという目も眩むような金額がおよそ2分で動く、世界で2番目の高額賞金レース、ドバイワールドカップ。2024年の第28回は地元UAE調教馬Laurel Riverの独擅場でした。圧巻の逃げ切り勝ち。防衛王者のウシュバテソーロ(2017.3.4)、サウジカップ(沙GI)の勝ち馬Senor Buscador(2018.5.6)等を尻目に、ゴールポストでは8馬身半差の完勝。この8馬身半差はメイダン競馬場で開催されるようになった2010年の第15回以降では2着との最大着差。他馬に手出し、いえ馬ですから脚出しさせなかったLaurel River、これは強かった。恐れ入谷の鬼子母神でした。
ジャドモントが所有するイントゥミスチーフ産駒のローレルリバーはG1初制覇。2020年にアメリカのB.バファート厩舎からデビューし、2022年8月にはG2パットオブライエンステークスで重賞初制覇を飾った。しかし、前売り3番人気に推されていたブリーダーズカップダートマイルを獣医検査で除外されたのを機に実戦から遠ざかり、その間にUAEのB.シーマー厩舎に移籍して今年1月に1200mのアルシンダガスプリントで復帰。前走のバージナハールでパットオブライエンS以来となる勝利を挙げ、今回で初の2000mに挑んだ。
【ドバイワールドC】ローレルリバーが圧巻の逃げ切り、ウシュバテソーロは2着で連覇ならず | JRA-VAN World – 海外競馬情報サイト
Laurel Riverは2018年生まれ世代ですから今年6歳ですが、ドバイワールドカップが10戦目。↑で引いたJRA-VAN Worldの記事でも触れられているように、4歳時の2022年のブリーダーズカップ・ダートマイル(米GI)-勝ち馬はCody’s Wish(2018.5.3)-を除外されたことにより、実戦としては2022年のパットオブライエンS(米GII)1着-実はSenor Buscadorが3着-から1年5ヶ月遠ざかり、今年1月に復帰後の3戦目がドバイワールドカップでした。今回が初めての2000m戦だったLaurel River、ドバイワールドカップを含めて戦歴を辿れば、出走した1400m以上の距離のレースでは5戦5勝の負け無し。Laurel Riverが持つ潜在能力の確かさを信じて、6歳まで待たれたジャドモント陣営に応えたLaurel River、これは立派。
Laurel Riverの血統について簡単に触れておきますと、「父Into Mischief×母父エンパイアメーカー」という組み合わせは、同じジャドモントのオーナーブリード馬で同い年のMandaloun(2018.3.18)と一緒です。
Mandalounは2021年のケンタッキーダービー(米GI)、ハスケルS(米GI)の勝ち馬ですが、この2つのGIの勝利が共に繰り上がり。前者はMedina Spirit(2018.4.5)の失格、後者はHot Rod Charlie(2018.4.11)の降着によるものです。Mandaloun、GIレースを先頭で駆けるのは仔どもたちに託す、というところでしょうか。
閑話休題。Laurel Riverにお話を戻しますと、Laurel Riverの牝系は北米が誇る名牝系の1つである2号族d分枝系のAlmahmoud(1947.5.18)系。Laurel Riverの近親活躍馬を恣意的にピックアップした牝系図で示しますと、
Coup de Genie 1991.4.2 4勝 モルニ賞(仏GI) サラマンドル賞(仏GI)ほか |Moonlight's Box 1996.2.2 不出走 ||バゴ 2001.2.3 8勝 凱旋門賞(仏GI) パリ大賞(仏GI) ガネー賞(仏GI) ジャンプラ賞(仏GI) クリテリウム・アンテルナシオナル(仏GI)ほか ||Maxios 2008.4.5 8勝 ムーラン・ド・ロンシャン賞(仏GI) イスパーン賞(仏GI)ほか |Glia 1999.3.8 3勝 ||Soothing Touch 2004.4.10 0勝 |||Emollient 2010.2.7 6勝 アメリカンオークス(米GI) スピンスターS(米GI) アシュランドS(米GI) ロデオドライヴS(米GI)ほか |||Calm Water 2011.2.12 0勝 ||||Laurel River 2018.2.9 (本馬) ドバイワールドカップ(UAE・GI)ほか ||ドリームオブジェニー 2008.5.15 不出走 |||ファンディーナ 2014.3.10 3勝 フラワーC(GIII) |デネボラ 2001.4.6 2勝 マルセルブサック賞(仏GI)ほか ||Beta Leo 2007.4.25 1勝 |||Senga 2014.3.15 3勝 ディアヌ賞(仏GI)ほか |Fountain of Peace 2002.5.9 不出走 ||サンクイーンII 2008.2.11 1勝 |||ナムラクレア 2019.3.30 現役 キーンランドカップ(GIII) シルクロードS(GIII) 函館スプリントS(GIII) 小倉2歳S(GIII)ほか
Laurel Riverの高祖母Coup de Genieはモルニ賞、サラマンドル賞と仏GI2勝で1993年の仏国最優秀2歳牝馬。Coup de Genieの仔孫の活躍馬には輸入種牡馬バゴのほかファンディーナやナムラクレアなど日本の活躍馬の姿も見えます。なお、↑の近親牝系図には示しませんでしたが、万葉S(OP)の勝ち馬マカオンドール(2018.3.18)はバゴの甥です。
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父が北米の大種牡馬Into Mischief、確かなボトムライン、そしてドバイワールドカップの勝ちっぷりのインパクトから繁殖界への道も開けたであろうLaurel River。ともあれ、6歳にして10戦目というフレッシュさもあり、今年2024年は競走を継続するのではないかと想像します。Laurel River、その卓越したスピードで他馬を圧倒する様。次戦以降も楽しみにしたいと思います。
という訳で、2024年のドバイワールドカップデーの勝ち馬たちについて、メインレースからの逆順ではありますが、サラッと記しておこうと思います。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。