ミッキークイーン 牝 鹿毛 2012.2.8生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・野田 みづき氏 栗東・池江 泰寿厩舎
ディープインパクト 鹿毛 2002.3.25 種付け時活性値:0.25【9】 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
Cosmah 1953.4.4 | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 1963.2.17 | ||
Mountain Flower 1964.3.23 | |||
ウインドインハーヘア 鹿毛 1991.2.20 |
▲Alzao 鹿毛 1980.2.28 |
Lyphard 1969.5.10 | |
Lady Rebecca 1971.2.28 | |||
Burghclere 鹿毛 1977.4.26 |
Busted 1963.3.16 | ||
Highclere 1971.4.9 | |||
ミュージカルウェイ 栗毛 2002.5.9 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
Gold Away 鹿毛 1995.1.27 種付け時活性値:1.50【6】 |
★Goldneyev 黒鹿毛 1986.1.29 |
★Nureyev 1977.5.2 |
Gold River 1977.1.11 | |||
Blushing Away 栗毛 1987.3.12 |
Blushing Groom 1974.4.8 | ||
Sweet Revenge 1978.5.5 | |||
Mulika 鹿毛 1987.4.4 仔受胎時活性値:1.50【14】 |
Procida 黒鹿毛 1981.3.23 種付け時活性値:1.25【5】 |
Mr. Prospector 1970.1.28 | |
With Distinction 1973.5.5 | |||
Gazelia 鹿毛 1981.4.20 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
Icecapade 芦毛 1969.4.4 種付け時活性値:0.75【11】 |
||
Dols Jaminque 栗毛 1975.3.31 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ディープインパクト (サンデーサイレンス系) |
Gold Away (Nureyev系) |
Procida (Mr. Prospector系) |
Icecapade (Nearctic系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Gold Away (Away) |
4.25 (【9】+【14】+【5】+【5】) |
母が仏Gレース3勝馬 (No. 2-s) |
3番仔 (3連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 18 | ミッキークイーン | 牝3 | 55 | 浜中 俊 | 1:56.9 | 8-8-8-6 | 34.6 | 434 [-4] |
池江 泰寿 | 1 | |
2 | 9 | クイーンズリング | 牝3 | 55 | M.デムーロ | 1:56.9 | クビ | 12-13-14-14 | 34.1 | 458 [+8] |
吉村 圭司 | 5 |
3 | 6 | マキシマムドパリ | 牝3 | 55 | 幸 英明 | 1:57.1 | 1 1/4 | 5-6-5-3 | 35.0 | 460 [-6] |
松元 茂樹 | 8 |
4 | 12 | アンドリエッテ | 牝3 | 55 | 川田 将雅 | 1:57.2 | クビ | 16-16-10-9 | 34.7 | 448 [-2] |
牧田 和弥 | 7 |
5 | 17 | アースライズ | 牝3 | 55 | 川須 栄彦 | 1:57.2 | アタマ | 14-13-14-14 | 34.4 | 448 [+4] |
矢作 芳人 | 16 |
1F毎の ラップ |
12.0 – 10.5 – 11.3 – 11.6 – 12.0 – 12.3 – 11.9 – 11.8 – 11.6 – 11.9 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.0 – 22.5 – 33.8 – 45.4 – 57.4 – 1:09.7 – 1:21.6 – 1:33.4 – 1:45.0 – 1:56.9 |
上り | 4F 47.2 – 3F 35.3 |
京都芝2000m、晴の良馬場、18頭立て。「京都芝内回り2000m」というトリッキーなコースで引き当てた枠順は大外8枠18番。女王の更なる戴冠を阻むかに見えた要素も、裏を返せば「最後の枠入れとなり、ゲートで待たされない」という側面を持ち合わせていました。立ち遅れだけが心配された女王は、観衆に最も近い枠から無事に発馬。ノットフォーマル(2012.3.17)の玉砕的な逃げで生まれたペースは1000m通過が57秒4。その速い流れの中、道中8番手あたりを追走した女王は、4角手前で手が動き始めたものの、直線で見せた根性が素晴らしかった。桃色の帽子に「白、赤星散、白袖」の勝負服、浜中俊騎手の激励に応えるべく434kgの小柄な鹿毛が懸命に伸びて、ミッキークイーン。最後は外から鋭脚を発揮したクイーンズリング(2012.5.25)をタイム差なしで「クビ」だけ抑えたところが、牝馬二冠の達成の瞬間。共にクイーンを名前に持つ2頭の勝負は、春に優駿牝馬(GI)を制していた女王に軍配が上がりました。
ミッキークイーンが京都芝内回り2000mで刻んだ1分56秒9は、前年2014年にショウナンパンドラ(2011.3.10)が計時した1分57秒0を0秒1塗り替えるレースレコード。鞍上の浜中騎手は秋華賞連覇となり、秋晴れにさわやかな男前の笑顔が2年連続で見られたという結果と相成りました。また、優駿牝馬と秋華賞の2冠を達成したのは、メジロドーベル(1994.5.6)、カワカミプリンセス(2003.6.5)、メイショウマンボ(2010.2.25)に続いて4頭目のことでした。
*
順番は前後しますがミッキークイーンが最初に女王の栄冠を勝ち得た優駿牝馬についても併せて記しておきます。
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | ミッキークイーン | 牝3 | 55 | 浜中 俊 | 2:25.0 | 12-12-9-9 | 34.0 | 430 [+4] |
池江 泰寿 | 3 | |
2 | 14 | ルージュバック | 牝3 | 55 | 戸崎 圭太 | 2:25.1 | 3/4 | 6-5-5-4 | 34.5 | 450 [+6] |
大竹 正博 | 1 |
3 | 17 | クルミナル | 牝3 | 55 | 池添 謙一 | 2:25.2 | 1/2 | 9-8-6-6 | 34.4 | 478 [-10] |
須貝 尚介 | 6 |
4 | 12 | アースライズ | 牝3 | 55 | 三浦 皇成 | 2:25.5 | 2 | 9-10-12-12 | 34.3 | 444 [+6] |
矢作 芳人 | 13 |
5 | 13 | アンドリエッテ | 牝3 | 55 | 川田 将雅 | 2:25.6 | クビ | 15-13-14-13 | 34.3 | 438 [+6] |
牧田 和弥 | 7 |
1F毎の ラップ |
12.5 – 10.6 – 12.5 – 13.0 – 12.7 – 12.6 – 12.5 – 11.9 – 11.9 – 11.3 – 11.6 – 11.9 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.5 – 23.1 – 35.6 – 48.6 – 1:01.3 – 1:13.9 – 1:26.4 – 1:38.3 – 1:50.2 – 2:01.5 – 2:13.1 – 2:25.0 |
上り | 4F 46.7 – 3F 34.8 |
終わってみればディープインパクト産駒が1、3、5着、マンハッタンカフェ(1998.3.5)産駒が2、4着と、2頭の種牡馬の仔が上位5頭を占めた一戦。桜花賞(GI)まさかの9着から巻き返しを図ろうとした1番人気ルージュバック(2012.4.22)。先行5番手辺りから正攻法の競馬で期待に応えようと頑張りましたが、「待った」を掛けたのは忘れな草賞(OP)の勝ち馬ミッキークイーン。桜花賞への出走を「3分の2」の抽選で敗れてしまったものの、そのウップンを晴らすかのように、出走17頭中最速となる上がり3ハロン34秒フラットの鋭脚を繰り出して、当時の優駿牝馬史上2位の好時計となる東京芝2400m2分25秒0で、その名の通り3歳女王を戴冠したのでした。
*
ミッキークイーンは優駿牝馬、秋華賞の牝馬二冠を果たした2010年代の名牝の1頭。21世紀に入ってからは牡馬を凌駕するような豪牝が多く見られますが、ミッキークイーンの戦績を振り返ってみれば、
- 牡牝混合戦→[1-0-1-3]
- 牝馬限定戦→[4-5-2-1]
であり、牡牝混合戦の1勝は2歳時の未勝利戦によるものです。後の牡馬相手のレースは有馬記念(GI)2回、ジャパンカップ(GI)、宝塚記念(GI)とサスガに好メンバーの揃うGIばかりでしたが、2017年の宝塚記念の3着が最高。けれど、男馬相手に控えめに勝ちを譲る姿が却って女馬らしくもありました。
ともあれ、引退レースとなった2017年の有馬記念を除く16戦では、勝っても負けても0秒5差以内という、いつでも僅差で頑張る馬だったミッキークイーン。繁殖牝馬としても、同じ野田みづきオーナーのミッキーロケット(2013.3.3)との間に出来た2番仔ミッキーゴージャス(2020.4.3)が素質馬として活躍を見せてくれています。ミッキークイーン、女王の仔たちのさらなる活躍を期待しています。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。
*
[ミッキークイーン(2012.2.8)の主な競走成績]
- 優駿牝馬(GI)、秋華賞(GI)、阪神牝馬S(GII)
- ヴィクトリアマイル(GI)、阪神牝馬S(GII)、ローズS(GII)、クイーンC(GIII)
- 宝塚記念(GI)、エリザベス女王杯(GI)2回
通算17戦5勝、2着5回、3着3回。
*
ミッキークイーンは祖母Mulika、母ミュージカルウェイに続いて馬名の頭文字が「M」になっているな。
はい。仔たちも野田みづきオーナーの冠名「ミッキー」を継承すると、母仔4代で馬名の頭文字が「M」となりますね。
ミッキークイーンの血がつながって行き、日本で受け継がれる2号族s分枝系のMラインとなって欲しいものやね。