サクセスブロッケン 牡 青鹿毛 2005.5.5生~2022.12.22没 浦河町・谷川牧場生産 馬主・髙嶋 哲氏 栗東・藤原 英昭厩舎
シンボリクリスエス 黒鹿毛 1999.1.21 種付け時活性値:1.25【5】 |
Kris S. 黒鹿毛 1977.4.25 |
Roberto 鹿毛 1969.3.16 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
Bramalea 1959.4.12 | |||
Sharp Queen 鹿毛 1965.4.19 |
★Princequillo 1940 | ||
Bridgework 1955.3.23 | |||
Tee Kay 黒鹿毛 1991.2.9 |
★Gold Meridian 黒鹿毛 1982.4.14 |
Seattle Slew 1974.2.15 | |
Queen Louie 1968.4.9 | |||
Tri Argo 黒鹿毛 1982.5.18 |
Tri Jet 1969.4.3 | ||
Hail Proudly 1969.3.5 | |||
サクセスビューティ 黒鹿毛 1999.4.1 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 種付け時活性値:1.00【12】 |
★Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
Cosmah 1953.4.4 | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 1963.2.17 | ||
Mountain Flower 1964.3.23 | |||
アワーミスレッグス 黒鹿毛 1993.2.14 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
Deputy Minister 黒鹿毛 1979.5.17 種付け時活性値:1.25【13】 |
Vice Regent 1967.4.29 | |
Mint Copy 1970.2.24 | |||
Colonial Waters 黒鹿毛 1985.5.25 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
Pleasant Colony 黒鹿毛 1978.5.4 種付け時活性値:1.50【6】 |
||
Water Cress 鹿毛 1968.4.20 仔受胎時活性値:2.00(0.00)【16】 |
<5代血統表内のクロス:Hail to Reason4×4×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
シンボリクリスエス (Roberto系) |
サンデーサイレンス (Halo系) |
Deputy Minister (Northern Dancer系) |
Pleasant Colony (Ribot系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Pleasant Colony (サクセスビューティ) |
6.25 or 4.25 (【5】+【5】+【7】+【16】) |
母がGII勝ち馬 (No. 4-r) |
2番仔 (2連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
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1 | 15 | サクセスブロッケン | 牡4 | 57 | 内田 博幸 | 1:34.6 | レコード | 2-3 | 35.4 | 522 [+7] |
藤原 英昭 | 6 |
2 | 14 | カジノドライヴ | 牡4 | 57 | 安藤 勝己 | 1:34.6 | クビ | 2-2 | 35.6 | 518 [+10] |
藤沢 和雄 | 3 |
3 | 2 | カネヒキリ | 牡7 | 57 | C.ルメール | 1:34.6 | アタマ | 4-4 | 35.3 | 530 [-3] |
角居 勝彦 | 1 |
4 | 12 | エスポワールシチー | 牡4 | 57 | 佐藤 哲三 | 1:34.8 | 1 1/4 | 1-1 | 36.0 | 482 [-6] |
安達 昭夫 | 5 |
5 | 16 | フェラーリピサ | 牡5 | 57 | 岩田 康誠 | 1:35.0 | 1 1/2 | 4-4 | 35.7 | 502 [0] |
白井 寿昭 | 4 |
1F毎の ラップ |
12.7 – 10.5 – 11.9 – 11.9 – 11.8 – 11.3 – 12.1 – 12.4 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.7 – 23.2 – 35.1 – 47.0 – 58.8 – 1:10.1 – 1:22.2 – 1:34.6 |
上り | 4F 47.6 – 3F 35.8 |
カネヒキリ(2002.2.26)が1番人気、ヴァーミリアン(2002.4.10)が2番人気と既に7歳を迎えていた2頭が人気を分け合った戦前。しかしそこに「待った」をかけたのは若い4歳馬たち。逃げたエスポワールシチー(2005.4.22)、番手追走したカジノドライヴ(2005.3.7)、そして2頭に続いたサクセスブロッケン。1000m通過58秒8という締まった流れの中、上位人気の2頭よりも前々で勝負を図った3頭。東京ダートの直線501.6m、内ラチ沿いを逃げ粘ろうとするエスポワールシチー、楽な手応えで捉えようとカジノドライヴ、両者の間を割って入ろうとする砂の王カネヒキリ。そうして、まとめて負かす勢いで外から鋭脚を使ったのが、桃色の帽子に「黄、緑襷、袖水色二本輪」の勝負服を乗せた青鹿毛の後ろ脚に白いバンテージ。鞍上の内田博幸騎手が右ムチの連打で鼓舞し続けると、ググイっと脚を伸ばし続けたサクセスブロッケン、タイム差なしの勝負を「クビ」「アタマ」だけ先んじたところが決勝点でした。
サクセスブロッケン、前年のJBCクラシック(JpnI)ではヴァーミリアンから0秒1差の2着、ジャパンカップダート(GI)ではカネヒキリから0秒7差の8着、東京大賞典(JpnI)ではカネヒキリから0秒5差の3着、年が明けた初戦の川崎記念(JpnI)ではカネヒキリから0秒7差の3着。どうしても敵わなかった年長馬たちを打ち破った大一番フェブラリーSは、改装後の東京ダート1600mのレコードタイムとなる1分34秒6の快時計勝ちでもありました。
そしてまたサクセスブロッケンのフェブラリーS制覇により、種牡馬シンボリクリスエスは産駒初のJRA・GI勝ちと相成りました。併せてサクセスブロッケンの馬主である髙嶋哲氏もJRA・GI初優勝。髙嶋氏はサクセスブロッケンの母サクセスビューティが制したフィリーズレビュー(GII)がJRA重賞初優勝でしたので、母仔2代でオーナーに「初」をプレゼントしたことになります。
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第26回フェブラリーSの上位馬たちの血統を確認すると、5頭のうち4頭が4代血統構成のどこかに「Deputy Minister」の血を持っている馬たちでした。サクセスブロッケンは祖母父、カジノドライヴは母父、カネヒキリも母父、フェラーリピサ(2004.4.28)は直系祖父。
実のところ、出走16頭のうちDeputy Ministerを持っているのがその4頭だったということでもありました。クロフネ(1998.3.31)の活躍以降、日本のNorthern Dancer系のメインストリームと言っても良いであろうDeputy Minister系。第26回フェブラリーSはその血の確かさを思う一戦でもありました。やっぱり「左回りはDeputy Minister系」です(^^)
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現役引退後はその青鹿毛の美しい出で立ちが請われてか、フェブラリーSを制した舞台でもある東京競馬場で9年に渡り誘導馬として活躍していたサクセスブロッケン。
立派に最後の役目を務め終えたのが2021年2月21日。カフェファラオ(2017.3.3)が1回目のフェブラリーSを制した当日でした。「あとはゆっくり余生を過ごして」と思っていたところ、不意の訃報が流れたのが2022年12月22日。
誘導馬引退から僅かに1年10ヶ月後。サクセスブロッケン17歳、逝くにはまだまだ若かった。
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サクセスブロッケンのフェブラリーSは、テレビ観戦した時、その白熱した好勝負に大きな声が出たのをよく覚えています。サクセスブロッケンや好敵手たちが砂上で熱い戦いを見せてくれたレースは3頭がタイム差なしの紙一重の一戦でした。
そんな訳で今年2023年は「タイム差なしの好勝負を辿る」シリーズをお届けしたいと思います。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。
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[サクセスブロッケン(2005.5.5)の主な競走成績]
- フェブラリーS(GI)、東京大賞典(JpnI)、ジャパンダートダービー(JpnI)
- JBCクラシック(JpnI)、マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)
- フェブラリーS(GI)、東京大賞典(JpnI)、川崎記念(JpnI)
通算19戦7勝、2着2回、3着3回。
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俺、全4勝の内、1回がタイム差なしやった。同じ1990年生まれ世代のスプリングバンブー(1990.5.26)と「クビ」差やった朝日チャレンジC(GIII)。
兄さんと、このサイトの管理人と同じ誕生日のスプリングバンブーさんという応援していた馬どうしのワンツーで、管理人が大泣きしたレースですね。
自分で言うのもなんやけれど、あのレースは感激してくれた人も多かったと思う。11ヶ月ぶりのレースをレコード勝ちしたもんやから。という訳で、おまはんはタイム差なしで勝ったこと、あったっけ?
ええと、僕は2回タイム差なしで勝ったことあります。準オープンの下鴨Sと北陸S。共に「ハナ」差勝ちですが、下鴨Sでは実はエムアイブラン(1992.4.22)を負かしてるんですよ。
おお、「早田牧場新冠支場の1992年生まれ世代の赤メンコ三羽ガラス」の内の2頭の対決を制した訳やな。
はい。その後はエムアイブランに負かされることが多かったのですが(苦笑)。赤メンコ三羽ガラスということでは、マーベラスサンデー(1992.5.31)もタイム差なしの「クビ」差で宝塚記念(GI)を勝ちました。
一所懸命走っていたら僅差の勝ち負けになることもあるな。勝つと負けるでは大違いやけれども。
本当に。兎にも角にも「タイム差なしの好勝負を辿る」シリーズも、何卒よろしくお願いいたします。