Sagace(サガス) 牡 鹿毛 1980.5.26生~1989.5.4没 仏国・Dayton Limited生産 馬主・Daniel Widenstein 仏国・Patrick-Louis Biancone厩舎
Luthier 黒鹿毛 1965.3.22 種付け時活性値:1.50【14】 |
Klairon 鹿毛 1952.3.31 |
Clarion 鹿毛 1944 |
Djebel 1937 |
Columba 1930 | |||
Kalmia 鹿毛 1931 |
Kantar 1925 | ||
Sweet Lavender 1923 | |||
Flute Enchantee 鹿毛 1950 |
Cranach 鹿毛 1938 |
Coronach 1923 | |
Reine Isaure 1931 | |||
Montagnana 鹿毛 1937 |
Brantome 1931 | ||
Mauretania 1930 | |||
Seneca 鹿毛 1973.2.16 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
Chaparral 鹿毛 1966.6.1 種付け時活性値:1.50【6】 |
Val de Loir 鹿毛 1959.5.7 |
Vieux Manoir 1947 |
Vali 1954.4.5 | |||
Niccolina 栗毛 1950 |
Niccolo Dell’Arca 1938 | ||
Light Sentence 1934 | |||
Schonbrunn 鹿毛 1966.4.6 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
Pantheon 鹿毛 1958.3.24 種付け時活性値:1.75【7】 |
★Borealis 1941 | |
Palazzo 1950 | |||
Scheherezade 青毛 1952 仔受胎時活性値:1.25【13】 |
Ticino 鹿毛 1939.2.7 種付け時活性値:1.00【12】 |
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Schwarzblaurot 鹿毛 1947.2.6 仔受胎時活性値:1.00【4】 |
<5代血統表内のクロス:Coronach4×5、Brantome4×5、Blandford5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Luthier (Clarion系) |
Chaparral (Brantome系) |
Pantheon (Teddy系) |
Ticino (Sterling系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Pantheon (Seneca) |
5.25 |
半弟スターリフト (No. 16-c) |
3番仔? (3連産目?) |
*
着 順 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | Sagace | 牡4 | 59 | Yves Saint-Martin | 2:39.10 | P. L. Biancone |
2 | Northern Trick | 牝3 | 54.5 | Cash Asmussen | 2 | Francois Boutin |
3 | All Along | 牝5 | 57.5 | Walter Swinburn | 6 | P. L. Biancone |
4 | Esprit Du Nord | 牡4 | 59 | Gary Moore | 3/4 | J. Fellows |
5 | Strawberry Road | 牡5 | 59 | Greville Starkey | クビ | J. Nicholls |
Sagace。1970年の第49回のSassafras(1967.2.19)、1974年の第53回のAllez France(1970.5.24)、
1982年の第61回のAkiyda(1979.4.21)に続いて、「仏国の至宝」イヴ・サンマルタン騎手4回目の凱旋門賞制覇となった1984年の第63回凱旋門賞。Sagace、重馬場を先行策から外を回して抜け出すという強い馬の見本のような勝ち方で、結果的にサンマルタン騎手にとって最後の凱旋門賞優勝をプレゼントしました。
また、Sagaceにとって唯1回の着外に終わった前年1983年の第62回11着からの巻き返しは、1979年の第58回のThree Troikas(1976.1.25)から第62回のAll Along(1979.4.17)まで続いた「5年連続牝馬勝利」に終止符を打つ、1978年の第57回のAlleged(1974.5.4)以来6年ぶりの牡馬による凱旋門賞勝利でした。
そして、馬主であるダニエル・ウィルデンシュタイン氏にとっては上述のAllez France、All Alongに続いて凱旋門賞3勝目。
そしてまた「フォワ賞1着→凱旋門賞1着」を遂げた馬としては、実はSagaceは20世紀最後の馬でもありました。次に現れるのは時が下って21世紀、2019年の第98回を制したWaldgeist(2014.2.17)まで待たないといけません。
併せてSagaceといえば翌年1985年の第64回も先頭でゴールを果たしたものの、、、という物語もありました。その第64回については、次回の講釈で。
*
種牡馬Sagaceは9歳で早世してしまったこともあり、わずかに3世代しか残せませんでした。ただ、それでも
- アルカング(1988.3.12)
→ブリーダーズカップ・クラシック(米GI)、イスパーン賞(仏GI)、ジョンヘンリーH(米GII)、ウジェーヌアダム賞(仏GII)、プランスドランジュ賞(仏GIII)ほか - Saganeca(1988.3.8)
→ロワイヤリュー賞(仏GII)
と、2頭のGレース勝ち産駒を残しました。特にアルカングが制した1993年のブリーダーズカップ・クラシックは、仏国調教馬アルカングが自身初のダート挑戦でいきなり米国の最高峰のGIレース勝利を収め、競馬ファンをあっと言わせました。
「別路線からの挑戦者」「芝からダート替わり」。国は変われど、馬の習性は変わらず。アルカング、見事なジャイアントキリングでした。
Sagaceの血を母方から意識したのは、代表産駒の1頭である牝馬Saganecaの仔孫の活躍によるものでした。Saganecaは仔に第77回凱旋門賞の勝ち馬Sagamix(1995.3.15)、クリテリウム・ド・サンクルー(仏GI)の勝ち馬Sagacity(1998.4.6)。SagacityはSakhee(1997.2.14)が制した第80回凱旋門賞において武豊騎手を鞍上として3着に入りました。そしてまたSaganecaの孫にJapan(2016.2.22)、Mogul(2017.4.3)という共に複数GI勝ちを果たした兄弟。Japan&Mogul、兄が「ジャパン」というそのままの馬名、弟がアジア圏の香港ヴァーズ(GI)勝ちを収めたということもあり、身近に感じたもの。なお、0の理論的にはSaganeca、Sagacity、そしてJapan&Mogul兄弟の最優性先祖はいずれもSagaceです。
え、今回は記事の力の入り方が強いですって? ええ、それもそのはず。実は私、Sagaceと同じ5月26日生まれでして^^;
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。
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[Sagace(1980.5.26)の主な競走成績]
- 凱旋門賞(仏GI)、イスパーン賞(仏GI)、ガネー賞(仏GI)、コンセイユドパリ賞(仏GII)、フォワ賞(仏GIII)2回、ニエル賞(仏GIII)
- 凱旋門賞(仏GI)、ガネー賞(仏GI)
通算13戦8勝、2着4回。
#余談。念の為、Sagaceが1984年の第63回を勝つ前に「5年連続牝馬勝利」を収めた名牝たちを全頭紹介しておきます。
- 1979年の第58回 → Three Troikas(1976.1.25)
- 1980年の第59回 → Detroit(1977.2.24)
- 1981年の第60回 → Gold River(1977.1.11)
- 1982年の第61回 → Akiyda(1979.4.21)
- 1983年の第62回 → All Along(1979.4.17)
Detroitは愛息カーネギー(1991.2.26)が1994年の第73回を勝利したことにより「史上初の母仔凱旋門賞制覇」を果たしました。