2017年のクラシック候補生を確認する(番外編・其の弐)

アロンザモナ 牝 鹿毛 2014.3.13生 新ひだか・広田牧場生産 馬主・ディアレストクラブ(株) 栗東・西浦勝一厩舎

アロンザモナ(2014.3.13)の4代血統表
ストリートセンス
鹿毛 2004.2.23
種付け時活性値:0.25
Street Cry
黒鹿毛 1998.3.11
Machiavellian
黒鹿毛 1987.1.31
★Mr. Prospector 1970.1.28
Coup de Folie 1982.4.2
Helen Street
鹿毛 1982.4.4
Troy 1976.3.25
Waterway 1976.4.21
Bedazzle
鹿毛 1997.4.5
★Dixieland Band
鹿毛 1980.3.20
Northern Dancer 1961.5.27
Mississippi Mud 1973.4.29
Majestic Legend
鹿毛 1985.3.18
★His Majesty 1968.4.15
Long Legend 1978.4.26
リザーブシート
鹿毛 1995.4.11
仔受胎時活性値:0.50

クリエイター
栗毛 1986.6.1
種付け時活性値:0.00
Mill Reef
鹿毛 1968.2.23
Never Bend 1960.3.15
Milan Mill 1962.2.10
Chalon
栗毛 1979.5.5
Habitat 1966.5.4
Areola 1968
インヴァイト
鹿毛 1986.2.4
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
Be My Guest
栗毛 1974.4.12
種付け時活性値:0.75
Northern Dancer 1961.5.27
What a Treat 1962.5.22
Burghclere
鹿毛 1977.4.26
仔受胎時活性値:2.00
Busted
鹿毛 1963
種付け時活性値:1.25
Highclere
鹿毛 1971.4.9
仔受胎時活性値:1.25

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×4>

アロンザモナ(2014.3.13)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ストリートセンス
(Mr. Prospector系)
★クリエイター
(Mill Reef系)
Be My Guest
(Northern Dancer系)
Busted
(Blenheim系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Busted 5.75 or 3.75 叔父ウインクリューガー
(No. 2-f)
11番仔
(不受胎後)

過去の勝ち馬にスティルインラブ(2000.5.2)、スイープトウショウ(2001.5.9)、ローブデコルテ(2004.4.28)、シンハライト(2013.4.11)等も名前を連ねる、淀芝1400mの出世レースである紅梅S(OP)。2017年のレースを制したのは、こうやまき賞2番人気8着から巻き返したアロンザモナ。netkeiba.comの記事によりますと、こうやまき賞で騎乗された小牧太騎手曰く「2歳馬では久しぶりに「これはいい馬やなぁ」と思ったよ。あの馬は絶対に走るわ」とコメントを残されています。なお、アロンザモナ(Alonza Mona)の馬名意味は「女性名より+女性名より」とのこと。

さて、アロンザモナの最優性先祖である曾祖母父Bustedは、その現役時代に”キング・ジョージ”(現英GI)、エクリプスS(現英GI)、フォワ賞(現仏GII)、コロネーションS(現ブリガディアジェラードS、英GIII)、ガリニュールS(現愛GIII)と現行のグループレース5勝を挙げました。なお、Bustedは「壊れた」という意味だそうです。

そんなBustedは種牡馬としても能力を発揮し、

  1. Mtoto(1983.4.1)
    →”キング・ジョージ”、エクリプスS2回、プリンスオブウェールズS(英GII。現英GI)、ブリガディアジェラードS、セレクトS(英GIII)ほか
  2. Weavers’ Hall(1970)
    →愛ダービー(GI)ほか
  3. Bustino(1971)
    →英セントレジャーS(GI)、コロネーションC(英GI)、グレートヴォルティジュールS(英GII)、サンダウンクラシックトライアル(英GIII)、リングフィールドダービートライアル(英GIII)ほか
  4. Busaca(1974.3.8)
    →ヨークシャーオークス(英GI)、ランカシャーオークス(英GIII)
  5. Tromos(1976.3.10)
    →デューハーストS(英GI)ほか
  6. Erins Isle(1978.3.4)
    →サンファンカピストラーノH(米GI。現米GIII)、サンルイレイS(米GI。現サンルイレイH、米GII)、カリフォルニアンS(米GI。現米GII)、ハリウッド招待H(米GI。現チャールズウィッティンガムメモリアルH、米GII)、サンセットH(米GI。現米GIII)ほか
  7. Romildo(1980.5.2)
    →ガネー賞(仏GI)、プランスドランジュ賞(仏GIII)、ラクープ(仏GIII)ほか
  8. Opale(1980.4.18)
    →愛セントレジャー(GI)、メルドS(愛GIII)ほか
  9. Sharannpour(1980.3.16)
    →ボウリンググリーンH(米GI。現米GII)、レッドスミスH(米GII。現米GIII)ほか

等を始めとして、多くの活躍馬を輩出しました。中でも、Mtotoは欧州で選手権距離の強豪が揃った1983年生まれ世代の1頭-ダンシングブレーヴ(1983.5.11)、トニービン(1983.4.7)、シャーラスタニ(1983.3.27)、Bering(1983.3.20)等と同い年-、Bustinoは”キング・ジョージ”におけるグランディ(1972.4.3)との世紀の名勝負で知られていますね。

#Mtoto、その馬名はスワヒリ語の「子ども」の単数形を意味しています。トットちゃんこと黒柳徹子さんが、ユニセフ親善大使としてアフリカに出向かれた際、ムトトの意味を知られてお喜びになったそうな。

*

クリンチャー 牡 鹿毛 2014.3.10生 新冠・平山牧場生産 馬主・(株)ノースヒルズ 栗東・宮本博厩舎

クリンチャー(2014.3.10)の4代血統表

ディープスカイ
栗毛 2005.4.24
種付け時活性値:0.00
アグネスタキオン
栗毛 1998.4.13
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
アグネスフローラ
鹿毛 1987.6.18
ロイヤルスキー 1974.5.24
アグネスレデイー 1976.3.25
アビ
栗毛 1995.5.5
Chief’s Crown
鹿毛 1982.4.7
Danzig 1977.2.12
Six Crowns 1976.4.21
Carmelized
鹿毛 1990.4.9
Key to the Mint 1969.3.9
Carmelize 1972.4.23
ザフェイツ
黒鹿毛 1998.2.27
仔受胎時活性値:1.75
ブライアンズタイム
黒鹿毛 1985.5.28
種付け時活性値:1.00
Roberto
鹿毛 1969.3.16
Hail to Reason 1958.4.18
Bramalea 1959.4.12
Kelley’s Day
鹿毛 1977.5.11
Graustark 1963.4.7
Golden Trail 1958.3.5
ミスシャグラ
鹿毛 1990.1.24
仔受胎時活性値:1.75
Danzig
鹿毛 1977.2.12
種付け時活性値:1.00
Northern Dancer 1961.5.27
Pas de Nom 1968.1.27
Dusty Dollar
鹿毛 1983.3.25
仔受胎時活性値:1.50
Kris
栗毛 1976.3.23
種付け時活性値:1.50
Sauceboat
鹿毛 1972
仔受胎時活性値:0.50

<5代血統表内のクロス:Danzig4×3、Hail to Reason5×4、Graustark5×4>

クリンチャー(2014.3.10)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ディープスカイ
(Halo系)
ブライアンズタイム
(Roberto系)
Danzig
(Northern Dancer系)
Kris
(エタン系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Kris
(エタン)
5.50 叔母ミスイロンデル
(No. 1-k)
10番仔
(不受胎後)

14頭立て14番人気を跳ね返して3馬身差の勝利を収めた淀芝2000mの未勝利戦に続いて、7頭立て5番人気で挑んだすみれS(OP)では4馬身差の快勝を収めました、クリンチャー。今のところダートで良い成績を残しているディープスカイ産駒ですが、すみれSは一昨年のスピリットミノル(2012.3.7)に続いての2勝目。仁川芝2200mとの相性が良いのでしょうか。クリンチャー(Clincher)の馬名意味は「決定打」ということ。クリンチャー、ディープスカイ産駒の決定打となれますでしょうか。

さて、クリンチャーの最優性先祖である曾祖母父Krisは現役時代に14勝を挙げ、その主な勝ち鞍にサセックスS(英GI)、クイーンエリザベス2世S(英GII。現英GI)、セントジェームズパレスS(英GII。現英GI)、ロッキンジS(英GII。現英GI)、ウォーターフォードクリスタルマイル(英GII。現セレブレーションマイル)、チャレンジS(英GIII)、グリーナムS(英GIII)、ホーリスヒルS(英GIII)と、7ハロンから8ハロンのグループレース8勝があります。Krisの生涯成績は16戦14勝、2着2回の100%連対であり、敗れた2着2回は英2000ギニー(GI)と引退レースとなったクイーンエリザベス2世S。前者の勝ち馬はタップオンウッド(1976.2.15)、後者の勝ち馬はKnown Fact(1977.3.15)でした。

そんなKrisの代表産駒には、

  1. Oh So Sharp(1982.3.20)
    →英オークス(GI)、英1000ギニー(GI)、英セントレジャーS、フィリーズマイル(英GIII。現英GI)、ネルグウィンS(英GIII)ほか
  2. Fitnah(1982.3.19)
    →サンタラリ賞(仏GI)、プランスドランジュ賞、ヴァントー賞(仏GIII)、ノネット賞(仏GIII)ほか
  3. フラッシュオブスティール(1983.3.10)
    →愛2000ギニー(GI)、ベレスフォードS(愛GII)、テトラークS(愛GIII)。GIII2勝のナガラフラッシュ(1991.3.17)の父
  4. Unite(1984.4.3)
    →英オークス、愛オークス(GI)
  5. Common Grounds(1985.4.20)
    →サラマンドル賞(仏GI)ほか
  6. Sudden Love(1985.6.10)
    →E.P.テイラーS(加GI)ほか
  7. Rafha(1987.2.19)
    →仏オークス(GI)、メイヒルS(英GIII)ほか
  8. シェイヴィアン(1987.3.31)
    →セントジェームズパレスS、セレブレーションマイルほか
  9. Shamshir(1988.2.21)
    →フィリーズマイルほか
  10. Single Empire(1994.4.23)
    →サンファンカピストラーノH、伊ダービー(GI。現GII)、サンルイレイSほか
  11. Riviera(1994.2.5)
    →アットマイル(加GI。現ウッドバインマイル)、モーヴィックH(米GIII。現エディーD.S)ほか
  12. Balisada(1996.2.10)
    →コロネーションS(英GI)ほか
  13. リーチ(1982.3.2)
    →ロイヤルロッジS(英GII)ほか。2800m時代の東京大賞典(現GI)勝ち馬アドマイヤボサツ(1990.5.15)の父

等を始めとして多数のステークスウイナーがいます。Krisやその全弟Diesis(1980.4.23)、Keen(1981.4.12)の活躍により、エタン(1961.3.14)系は欧州で血を広めました。ただ、兄弟全般にフィリーサイアー寄りの成績であったため、父系よりも母系で生き残っていくことになりそうです。日本ではネオユニヴァース(2000.5.21)、エイシンドーバー(2002.5.15)、クリスザブレイヴ(1994.2.18)等が母父Krisの活躍馬として知られていますね。

閑話休題。クリンチャーの誕生日は2014年3月10日。近年は3月10日生まれのGI勝ち馬が多く輩出されている印象もあります。2016年のJRA賞年度代表馬キタサンブラック(2012.3.10)、香港ヴァーズ(GI)でHighland Reel(2012.2.21)を負かしたサトノクラウン(2012.3.10)、GI3勝の強豪ロゴタイプ(2010.3.10)、ジャパンカップ(GI)と秋華賞(GI)を制したショウナンパンドラ(2011.3.10)、優駿牝馬(GI)勝ちのエリンコート(2008.3.10)。果たして、同じ誕生日の先達に続くことが出来るでしょうか、クリンチャー。……って、スワーヴリチャード(2014.3.10)の記事とほとんど同じことを書いていますね^^;

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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