サトノフェイバー 牡 黒鹿毛 2015.4.8生 新ひだか・フジワラフアーム生産 馬主・(株)サトミホースカンパニー 栗東・南井克巳厩舎
ゼンノロブロイ 黒鹿毛 2000.3.27 種付け時活性値:1.50 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
Cosmah 1953.4.4 | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 1963.2.17 | ||
Mountain Flower 1964.3.23 | |||
ローミンレイチェル 鹿毛 1990.4.18 |
マイニング 栗毛 1984.4.4 |
Mr. Prospector 1970.1.28 | |
I Pass 1978.4.8 | |||
One Smart Lady 鹿毛 1984.5.3 |
Clever Trick 1976.3.10 | ||
Pia’s Lady 1971.4.11 | |||
ヴィヴァシャスヴィヴィアン 鹿毛 2005.4.15 仔受胎時活性値:0.25 |
Distorted Humor 栗毛 1993.3.19 種付け時活性値:0.75 |
フォーティナイナー 栗毛 1985.5.11 |
Mr. Prospector 1970.1.28 |
File 1976.4.30 | |||
Danzig’s Beauty 鹿毛 1987.3.7 |
Danzig 1977.2.12 | ||
Sweetest Chant 1978.5.11 | |||
Tuzla 鹿毛 1994.3.12 仔受胎時活性値:0.50 |
Panoramic 黒鹿毛 1987.3.27 種付け時活性値:1.50 |
Rainbow Quest 1981.5.15 | |
イメンス 1979.3.17 | |||
Turkeina 鹿毛 1982.5.23 仔受胎時活性値:0.75 |
Kautokeino 鹿毛 1967.4.3 種付け時活性値:1.50 |
||
Turquoise Bleue 芦毛 1973.2.4 仔受胎時活性値:2.00(0.00) |
<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector4×4>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ゼンノロブロイ (Halo系) |
Distorted Humor (Mr. Prospector系) |
Panoramic (Red God系) |
Kautokeino (Tantieme系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
ゼンノロブロイ | 3.50 or 1.50 |
祖母が米GI馬 (No. 16-c) |
7番仔 (7連産目) |
2018年の第58回きさらぎ賞(GIII)。このレース、デビュー勝ちから臨んだ1戦1勝馬はことごとく跳ね返されてきましたが、58回目にして、そのジンクスは打ち破られました。サトノフェイバーと古川吉洋騎手、デビューの京都芝2000mと同様、積極果敢な逃げ先行策でレースを作り、直線では終始番手のグローリーヴェイズ(2015.3.2)とミルコ・デムーロ騎手との一騎討ち。決勝点前、追い比べで外のグローリーヴェイズが勝るかと思われたところで、二の脚三の脚を使った内のサトノフェイバー、決勝点では僅かに「ハナ」だけ凌ぎ切り、新馬と重賞を連勝するというエリートコースに乗りました。
では、以下にサトノフェイバーのごくごく簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。
Tuzla 1994.3.12 12勝 ラモナH(米GI) サンフランシスコBCマイルH(米GII) ダリアH(米GII) ブエナビスタH(米GII) パロマーH(米GIII)ほか
|ヴィヴァシャスヴィヴィアン 2005.4.15 1勝
||サトノフェイバー 2015.4.8 (本馬) きさらぎ賞(GIII)
|Toscanini 2012.5.12 5勝 フィーニクススプリントS(愛GIII)ほか
サトノフェイバーの祖母TuzlaはラモナHを始めとして8Fから9Fの米グレードレース5勝の活躍馬でした。また、ラモナHを制した1999年には第16回ブリーダーズカップ・マイル(GI)にも挑み、勝ったSilic(1995.5.6)からクビ差の2着と奮闘しました。
記事はサラッと書いていますが、フジワラフアーム、(株)サトミホースカンパニー(=里見治オーナー)、南井克巳厩舎、古川吉洋騎手という組み合わせは、応援したくなります。今をときめく里見オーナー、初所有馬にして初勝利を挙げたのは、工藤嘉見厩舎に所属したミラクルサミー(1989.3.16)という馬で、その鞍上には南井克巳騎手(当時)の姿がありました。そしてフジワラフアーム、工藤厩舎、南井騎手(及び厩舎)と来れば、ウイングアロー(1995.3.25)が思い浮かびます。併せて、南井厩舎の主戦騎手の一人と言っても良い古川騎手。次の日曜日、テイエムジンソク(2012.4.21)とのコンビで20年2ヶ月ぶりのGI制覇の期待が掛かりますが、3歳クラシック戦線にも楽しみな馬が現れました。
サトノフェイバー、その馬名意味は「冠名+恵み」。関わる人、皆にとって恵みを与えてくれる馬、サトノフェイバー。自身にも、さらなる恵みがあらんことを。
*
オウケンムーン 牡 鹿毛 2015.3.14生 安平・ノーザンファーム生産 馬主・福井明氏 美浦・国枝栄厩舎
オウケンブルースリ 栗毛 2005.2.24 種付け時活性値:0.25 |
ジャングルポケット 鹿毛 1998.5.7 |
トニービン 鹿毛 1983.4.7 |
カンパラ 1976.2.19 |
Severn Bridge 1965 | |||
ダンスチャーマー 黒鹿毛 1990.4.18 |
Nureyev 1977.5.2 | ||
Skillful Joy 1979.4.8 | |||
シルバージョイ 栗毛 1993.3.26 |
Silver Deputy 鹿毛 1985.2.25 |
Deputy Minister 1979.5.17 | |
Silver Valley 1979.3.30 | |||
Joy of Myrtlewood 鹿毛 1984.6.7 |
Northern Jove 1968.2.14 | ||
Myrtlewood Lass 1972.3.7 | |||
ムーンフェイズ 鹿毛 2001.3.9 仔受胎時活性値:1.25 |
エリシオ 鹿毛 1993.1.24 種付け時活性値:1.75 |
Fairy King 鹿毛 1982.3.4 |
Northern Dancer 1961.5.27 |
Fairy Bridge 1975.5.4 | |||
Helice 鹿毛 1988.4.4 |
Slewpy 1980.3.28 | ||
Hirondelle 1981.5.5 | |||
アフターザサン 鹿毛 1988.2.22 仔受胎時活性値:1.00 |
Storm Bird 鹿毛 1978.4.19 種付け時活性値:0.25 |
★Northern Dancer 1961.5.27 | |
South Ocean 1967.4.8 | |||
Encorelle 栗毛 1981.4.15 仔受胎時活性値:1.50 |
Arctic Tern 栗毛 1973 種付け時活性値:1.75 |
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Esdee 鹿毛 1971 仔受胎時活性値:0.25 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×4×5×5、Special(♀)5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
オウケンブルースリ (ゼダーン系) |
エリシオ (Fairy King系) |
Storm Bird (Northern Dancer系) |
Arctic Tern (Native Dancer系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
エリシオ (My Charmer) |
4.00 |
伯父にJRA重賞勝ち馬2頭 (No. 5-g) |
6番仔 (不受胎後) |
2018年の第52回共同通信杯(GIII)。2014年のイスラボニータ(2011.5.21)、2015年のリアルスティール(2012.3.1)、2016年のディーマジェスティ(2013.3.24)、2017年のスワーヴリチャード(2014.3.10)と近4年の勝ち馬がクラシック連対馬となっている、名馬の登竜門、東京芝1800mの共同通信杯。今年2018年の勝ち馬は、戦前6番人気もなんのその、第69代菊花賞(GI)馬オウケンブルースリの仔であるオウケンムーンでした。冠名「オウケン」が示すように、福井明オーナーは父仔2代の重賞制覇となりました。また、白いシャドーロールを着けたオウケンムーン、そのクビの高い走法は、父オウケンブルースリ、祖父ジャングルポケットを想起させます。ジャングルポケットの名前を出せば、彼が第35回共同通信杯を制したのは17年前。21世紀最初の共同通信杯、馬齢表示の国際基準への変更に伴い、「4歳S」の表記が無くなった最初の回を制したのが、ジャングルポケットでした。
オウケンムーンの父、オウケンブルースリ。現役時代の主な戦績は菊花賞、京都大賞典(GII)、第29回ジャパンカップ(GI)2着、京都大賞典(GII)2着2回、アルゼンチン共和国杯(GII)2着、京都大賞典(GII)3着、神戸新聞杯(GII)3着と、2400m以上のレースでの好成績が目立ちます。オウケンブルースリ、ジャングルポケット産駒初の牡馬クラシック勝ち馬として、父系継承についてファンの期待は高まりましたが、その種付け頭数/生産頭数を見ると、
- 初年度(2013年)
→23頭/13頭 - 2年度(2014年)
→12頭/12頭 - 3年度(2015年)
→9頭/8頭 - 4年度(2016年)
→8頭/6頭 - 5年度(2017年)
→1頭/確認中
オウケンブルースリは現役の期間が長く、種牡馬入りの時期が遅くなったこともありますが、種付け頭数は低調な推移です。けれど、種付け頭数と生産頭数の割合を確認すれば、その受胎率は75%と高く、オウケンブルースリの母系を遡れば、米国屈指の繁殖族とも言える13号族c分枝Myrtlewood(1932)系。もっと身近に言えば、オウケンブルースリの高祖母はGold Digger(1962.5.28)であり、言わずもがなの大種牡馬Mr. Prospectorの母。オウケンブルースリは母方にGold Digger5×4の牝馬クロスも持っています。また、曾祖母Myrtlewood Lassの孫にチーフベアハート(1993.2.1)がおり、同馬はマイネルキッツ(2003.3.18)、マイネルレコルトの2頭の平地GI馬のほか多様な産駒を送り込んだ名種牡馬として活躍しました。そんな繁殖力豊かな牝系を持つオウケンブルースリ。百発百中の受胎率を見せた2年度の種付けから、オウケンムーンという楽しみな仔を出したのは、サスガというところです。
改めて「府中はトニービンの血」というところを見せてくれた、オウケンムーン。出世レースを制して、目指すは父仔3代のクラシック勝利。メチャ期待しています。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。