Jan Brueghel(ヤンブリューゲル。2021.5.7)-第248回英セントレジャーS(GI)の勝ち馬-

Result

Jan Brueghel(ヤンブリューゲル) 牡 鹿毛 2021.5.7生 愛国・Barronstown Stud生産 馬主・Westerberg, Mrs J Magnier, M Tabor, D Smith 愛国・A P O’Brien厩舎

Jan Brueghel(2021.5.7)の4代血統表
Galileo
鹿毛 1998.3.30
種付け時活性値:1.50【22】

Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Fairy Bridge
鹿毛 1975.5.4
Bold Reason 1968.4.8
Special 1969.3.28
Urban Sea
栗毛 1989.2.18
Miswaki
栗毛 1978.2.22
Mr. Prospector 1970.1.28
Hopespringseternal 1971.5.27
Allegretta
栗毛 1978.3.10
Lombard 1967.1.31
Anatevka 1969.2.13
Devoted To You
鹿毛 2007.3.24
仔受胎時活性値:1.25【13】
Danehill Dancer
鹿毛 1993.1.30
種付け時活性値:1.25【13】
デインヒル
鹿毛 1986.3.26
Danzig 1977.2.12
Razyana 1981.4.18
Mira Adonde
黒鹿毛 1986.4.19
★Sharpen Up 1969.3.17
Lettre d’Amour 1979.4.23
Alleged Devotion
鹿毛 1988.4.10
仔受胎時活性値:0.50【18】
Alleged
鹿毛 1974.5.4
種付け時活性値:1.25【13】
Hoist the Flag 1968.3.31
Princess Pout 1966.3.29
Morning Devotion
栗毛 1982.3.26
仔受胎時活性値:1.25【5】
Affirmed
栗毛 1975.2.21
種付け時活性値:1.50【6】
Morning Has Broken
栗毛 1974.5.9
仔受胎時活性値:1.75【7】

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer3×5、Prince John5×5>

Jan Brueghel(2021.5.7)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Galileo
(Sadler’s Wells系)
Danehill Dancer
(デインヒル系)
Alleged
(Ribot系)
Affirmed
(Raise a Native系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Galileo 4.75
(【13】+【18】+【5】+【7】)
全兄Sovereign
(No. 4-k)
9番仔?
(2連産目?)

*

2024年の第248回英セントレジャーS(GI。ドンカスター芝14F115y)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 4 Jan Brueghel 牡3 58.5 Sean Levey 3:04.52 A P O’Brien 1
2 3 Illinois 牡3 58.5 Wayne Lordan クビ A P O’Brien 1
3 5 Sunway 牡3 58.5 Christophe Soumillon 1 1/2+ハナ David Menuisier 4
4 1 Deira Mile 牡3 58.5 Jason Watson (3位降着) Owen Burrows 6
5 2 Grosvenor Square 牡3 58.5 Gavin Ryan 4 1/2 A P O’Brien 3
ヤンブリューゲルが4連勝、土つかずでG1英セントレジャーも制す | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト
英ドンカスター競馬場で現地14日に行われたクラシック最終戦のG1セントレジャー(3歳、セン馬不可、芝14.5ハロン)は、1番人気を分け合うA.オブライエン厩舎の2頭が直線で一騎打ちを演じ、ヤンブリュ

世界最古の3歳クラシックレースである英セントレジャーS。2024年で第248回を数えた真に伝統の一戦は、エイダン・パトリック・オブライエン厩舎の僚馬による「クビ」差の決着。かたやJan Brueghel。今年5月のデビュー以来負け無しで6月の愛インターナショナルS(GIII)、8月のゴードンS(英GIII)と3連勝で迎えた初めてのGIレースが英セントレジャーS。こなたIllinois(2021.2.8)。昨年10月のデビュー勝ちの後、クイーンズヴァーズ(英GII)勝ちのほかパリ大賞(仏GI)2着、クリテリウム・ド・サンクルー(仏GI)3着など7戦すべてで3着を外さない安定性。サスガにオブライエン厩舎というところは2頭の血統にも現れていて、Jan Brueghelは愛ダービー(GI)馬Sovereign(2016.4.9)の全弟、Illinoisは凱旋門賞(仏GI)馬デインドリーム(2008.5.7)の半弟という良血であり、両馬共に父は巨星Galileo。

第154回愛ダービー(GI)の勝ち馬-Sovereign(2016.4.9)-
Sovereign(ソブリン) 牡 栗毛 2016.4.9生 愛国・Barronstown Stud生産 馬主・Mrs John Magnier & Michael Tabor & Derrick Smith 愛国・A P O'Brien厩舎
デインドリーム(2008.5.7)-凱旋門賞(仏GI)が100回を迎えるに当たり(No.10)-
デインドリーム(Danedream) 牝 鹿毛 2008.5.7生 独国・Gestut Brummerhof生産 馬主・Gestut Burg Eberstein & T.Yoshida 独国・Peter Schiergen厩舎
Galileo(1998.3.30)
Galileo(ガリレオ) 牡 鹿毛 1998.3.30生~2021.7.10没 愛国・D Tsui and Orpendale生産 馬主・Mrs John Magnier & Michael Tabor 愛国・A P O'Brien厩舎

道中終始4番手に構えたJan Brueghel、番手先行から進めたIllinois。淡々と流れたレースの勝負はドンカスター芝の直線5ハロンへ。直線に入る前からやや仕掛けたJan BrueghelはIllinoisを目標にするように追撃。残り2ハロンから一騎打ちとなった2頭、追い始める前の手応えはIllinoisのほうに分があるように見えましたが、そこはグループレース2勝を共に「クビ」差で制してきたJan Brueghel。テン乗りとなったショーン・レヴィー騎手の激励に応えると、ステーブルメイトを「クビ」だけ凌いだところがドンカスター芝14ハロン115ヤードのゴールポスト。デビュー以来4連勝で英セントレジャーSを勝利したJan Brueghel、自身のグループレース勝ちはいずれも「クビ」差という勝負強さを以て、鞍上のレヴィー騎手には英セントレジャーS初制覇を、管理されるオブライエン師には英セントレジャーS8勝目をプレゼントしました。「英セントレジャーS8勝となると、最多勝利調教師になるのかな?」と思いましたが、そこはサスガに世界最古の3歳クラシックレース。19世紀に活躍した「北の魔法使い」ジョン・スコット調教師が16勝(!?)という訳の分からない勝利数で、21世紀の今もなお英セントレジャーS最多勝調教師です。

では、以下にJan Brueghelのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。

Alleged Devotion 1988.4.10 不出走
|Humble Eight 1992.2.27 6勝 ハニービーS(米GIII)ほか
||Humbling 1998.4.6 0勝
|||Phola 2006.3.28 5勝 チャーチルディスタフマイルS(米GII) ヒルズボローS(米GIII)ほか
||Stage Call 1999.4.6 5勝 アメリカンターフS(米GIII)2着ほか
|April Starlight 1996.3.12 2勝 レイルウェイS(愛GIII)3着
|Thady Quill 1997.3.14 6勝 オークトゥリーBCマイルS(米GII)2着
|ラグジャリー 1998.4.17 不出走
||ショウナンマイティ 2008.4.2 4勝 産経大阪杯(GII) 安田記念(GI)2着ほか
||ゴーフォザサミット 2015.4.2 3勝 青葉賞(GII)
|Altius 2003.2.13 6勝 ベレスフォードS(愛GII)3着ほか
|Devoted To You 2007.3.24 1勝 愛デビュターントS(GII)2着 パークエクスプレスS(愛GIII)2着
||Sovereign 2016.4.9 2勝 愛ダービー(GI) "キング・ジョージ"(英GI)2着ほか
||Dawn Rising 2017.4.19 4勝 愛セントレジャー(GI)3着ほか
||Jan Brueghel 2021.5.7 (本馬) 英セントレジャーS(GI) ゴードンS(英GIII) 愛インターナショナルS(GIII)

Jan Brueghelの牝系は4号族k分枝系。上述の全兄Sovereignが愛ダービー馬であり、従兄にショウナンマイティ、ゴーフォザサミットと日本での活躍馬が見えます。上図の範囲外ではありますけれど、Jan Brueghelの大叔母にはBalanchine(1991.4.16)がいます。同牝馬は4勝を挙げ、1994年の英オークス(GI)ではウインドインハーヘア(1991.2.20)を2着に下し、そして返す刀で挑んだ愛ダービーはKing’s Theatre(1991.5.1)を始めとする牡馬勢を切って捨てました。

Balanchine(1991.4.16)
Balanchine(バランシーン) 牝 栗毛 1991.4.16生~2021.2.19没 米国・Swettenham Stud生産 馬主・Robert Sangster → Godolphin → Sheikh Maktoum Al Maktoum 英国・Peter Chapple-Hyam → UAE・Hilal Ibrahim → UAE・Saeed bin Suroor厩舎

Balanchineが愛ダービーを制した折は競馬を見始めて間もない頃だったこともあり、月刊『優駿』で「牝馬バランシーンが愛ダービーを制した」と知った時には随分ビックリしたもの。そんなBalanchineはゴドルフィンに初めてのクラシック優勝を贈った馬ということで、やはり特別な存在なのでしょう。例年2月にメイダン芝1800mの古馬牝馬戦バランシーン(UAE・GII)としてその名を残しています。そしてまた愛国でも例年6月にカラ芝6ハロンの2歳牝馬戦バランシーンS(愛GII)が行われています。

欧州の若き長距離王として名乗りを挙げたJan Brueghel。

“It’s an absolute privilege to get the ride from Aidan and the owners. Jan Brueghel looks like a very nice horse who will definitely improve. He gave the impression he could be a Gold Cup horse.

Sean Levey and Jan Brueghel strike in the St Leger after wearing down stablemate Illinois | Racing Post

レヴィー騎手はJan Brueghelに長距離馬としての資質を感じられたのか、ゴールドカップ(英GI)勝ち馬になれるという印象を持たれた模様。厩舎の先輩である14ハロン以上のGI7勝の古豪Kyprios(2018.5.18)のようなスーパーステイヤーを目指すのでしょうか、Jan Brueghel。その牝系から私にとっても気になる存在です。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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