岡田繁幸氏(1950.3.19~2021.3.19)-マイネル軍団総帥、逝く-

Obituary

マイネルマックス 牡 鹿毛 1994.4.13生~2008.8.25没 静内・サンコウ牧場生産 馬主・(株)サラブレッドクラブ・ラフィアン 栗東・中村均厩舎

マイネルマックス(1994.4.13)の4代血統表

ブライアンズタイム
黒鹿毛 1985.5.28
種付け時活性値:0.00【8】
Roberto
鹿毛 1969.3.16
Hail to Reason
黒鹿毛 1958.4.18
Turn-to 1951
Nothirdchance 1948
Bramalea
黒鹿毛 1959.4.12
Nashua 1952.4.14
Rarelea 1949
Kelley’s Day
鹿毛 1977.5.11
Graustark
栗毛 1963.4.7
Ribot 1952.2.27
Flower Bowl 1952
Golden Trail
黒鹿毛 1958.3.5
Hasty Road 1951
Sunny Vale 1946
サクセスウーマン
青毛 1986.3.26
仔受胎時活性値:1.75【7】
ハイセイコー
鹿毛 1970.3.6
種付け時活性値:1.75【15】
★チヤイナロツク
栃栗毛 1953
Rockefella 1941
May Wong 1934
ハイユウ
黒鹿毛 1961.4.1
カリム 1953
ダルモーガン 1950.8.12
ヤマノセーハ
栗毛 1980.4.4
仔受胎時活性値:1.25【5】
ダンデイルート
鹿毛 1972.5.10
種付け時活性値:1.75【7】
Luthier 1965.3.22
Dentrelic 1965.3.20
トリーソング
青毛 1961
仔受胎時活性値:0.50【18】
Buisson Ardent
栗毛 1953.2.21
種付け時活性値:1.75【7】
Welsh Crest
鹿毛 1956
仔受胎時活性値:1.00【4】

<5代血統表内のクロス:なし>

マイネルマックス(1994.4.13)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ブライアンズタイム
(Roberto系)
ハイセイコー
(Rockefella系)
ダンデイルート
(Luthier系)
Buisson Ardent
(Relic系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ハイセイコー
(Apelle)
4.50 インターシュプールと同牝系
(No. 9-h トリーソング系)
4番仔
(4連産目)

*

1996年の第48回朝日杯3歳S(GI。中山芝1600m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 1 マイネルマックス 牡2 佐藤 哲三 1:36.3   中村 均 2
2 14 オープニングテーマ 牡2 小池 隆生 1:36.4 クビ 太宰 義人 8
3 13 エアガッツ 牡2 横山 典弘 1:36.4 クビ 栗田 博憲 7
4 2 ランニングゲイル 牡2 武 豊 1:36.5 1/2 加用 正 5
5 15 ダストワール 牡2 河内 洋 1:36.7 1・1/4 白井 寿昭 13

マイネルマックス、佐藤哲三騎手のGI初勝利のお相手。第48回朝日杯3歳Sが行われた1996年12月8日は佐藤騎手の結婚披露宴の前日だったということで、気合が入られた様子。函館3歳S(GIII)1着、京成杯3歳S(GII)1着、朝日杯3歳S1着。1200mのGIII、1400mのGII、1600mのGI。距離とグレード、ホップ・ステップ・ジャンプでの戴冠でした。

マイネルマックスの朝日杯制覇は、マイネル軍団の記念すべき初GIでもありました。それは、1988年の第49回菊花賞(GI)における「マイネルフリッセ事件」から8年の歳月を掛けて、マイネル軍団総帥・岡田繁幸氏と中村均調教師の手と手が重なり直した瞬間でもありました。

年度代表馬の同期生を辿る(其の参)-スーパークリーク(1985.5.27)-。
スーパークリーク 牡 鹿毛 1985.5.27生~2010.8.29没 門別・柏台牧場 馬主・木倉誠氏 栗東・伊藤修司厩舎

現年齢表記3歳春に熱発でローテーションが狂ってから、マイネルマックスの苦難の道のりが始まりました。勝てぬどころか掲示板にも載ることができないレースが多かったものの、それでも5歳冬にクリスマスS(OP)を制して朝日杯以来3年振りの勝利を収め、明けて6歳春。18頭立ての8番人気で挑んだ2000年の第31回マイラーズC(GII)。相棒の佐藤騎手を背にしたマイネルマックスは3年4ヶ月ぶりの重賞制覇を遂げました。2歳王者、往時の輝きを少しだけ取り戻したレース振りでした。

マイネルマックスの最大限のチカラは、残念ながら3歳春の熱発以後は見られなかったように思います。無事であれば、もうひとつくらいはGIを勝ってもおかしくなかった。2歳時に見せた勝負に行っての強さ、僅差を凌ぐ根性。けれど、一度気持ちと身体の歯車がかみ合わなくなれば、なかなかに、戻らぬもの。

サラブレッドという生き物の難しさを改めて教えてくれた、印象に残る大切な一頭でした。

*

[マイネルマックス(1994.4.13)の主な競走成績]

  1. 朝日杯3歳S(GI)、マイラーズC(GII)、京成杯3歳S(GII)、函館3歳S(GIII)
  2. スワンS(GII)

通算40戦6勝、2着2回、3着3回。

*

新極ウマ・プレミアム|日刊スポーツ

岡田繁幸氏、71歳の誕生日に逝かれました。馬だけでなく人の訃報も駆け巡る2021年。だから、しばらく「Obituary」はお休みしたいものですと、ネオユニヴァース(2000.5.21)の記事でも書いたのに……。

マイネルマックス、マイネルラヴ(1995.3.8)マイネルコンバット(1997.3.14)マイネルセレクト(1999.5.29)マイネルレコルト(2002.5.10)マイネルキッツ(2003.3.8)、マイネルネオス(2003.3.30)、マイネルホウオウ(2010.4.23)。マイネル軍団のGI勝利は、その馬の血統のシブさも加味されて、毎回印象に残るものでした。

マイネル軍団総帥の悲願だった東京優駿(GI)制覇の夢は、残された馬と人たちに託されました。総帥の遺児から、東京芝2400mのクラシック最高峰のレースを勝利する馬が現れますように。その祈りと願いを、いち競馬ファンからのせめてもの手向けとして、この記事に残しておきます。合掌。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

『第23回・共同通信杯4S・無名の牝馬から』
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