リンデンリリー 牝 栗毛 1988.3.16生~2008.5.5没 浦河町・向別牧場生産 馬主・林田 秋利氏 栗東・野元 昭厩舎
ミルジヨージ 鹿毛 1975.4.12 種付け時活性値:1.00【12】 |
Mill Reef 鹿毛 1968.2.23 |
Never Bend 鹿毛 1960.3.15 |
Nasrullah 1940.3.2 |
Lalun 1952 | |||
Milan Mill 鹿毛 1962.2.10 |
Princequillo 1940 | ||
Virginia Water 1953.4.18 | |||
Miss Charisma 鹿毛 1967 |
Ragusa 鹿毛 1960.6.15 |
Ribot 1952.2.27 | |
Fantan 1952 | |||
マタテイナ 鹿毛 1960 |
Grey Sovereign 1948.3.30 | ||
Zanzara 1951 | |||
ラドンナリリー 栗毛 1979.5.12 仔受胎時活性値:2.00【8】 |
キタノカチドキ 鹿毛 1971.3.27 種付け時活性値:1.75【7】 |
テスコボーイ 黒鹿毛 1963 |
Princely Gift 1951 |
Suncourt 1952 | |||
ライトフレーム 黒鹿毛 1959.3.15 |
ライジングフレーム 1947 | ||
グリンライト 1947.4.6 | |||
ヤマニガーサント 栗毛 1964.5.19 仔受胎時活性値:1.50【14】 |
ガーサント 鹿毛 1949.4.5 種付け時活性値:1.50【14】 |
Bubbles 1925 | |
Montagnana 1937 | |||
イチクニヒメ 栗毛 1956.4.10 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
イツセイ 栗毛 1948.5.14 種付け時活性値:1.75【7】 |
||
クニハタ 栗毛 1945.4.8 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
<5代血統表内のクロス:Nasrullah4×5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ミルジヨージ (Mill Reef系) |
キタノカチドキ (Princely Gift系) |
ガーサント (Hermit系) |
イツセイ (The Tetrarch系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
キタノカチドキ (テスコボーイ) |
5.75 | 仔ヤマカツリリー (No. 7-d シユリリー系) |
4番仔 (4連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 4F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | リンデンリリー | 牝2 | 53 | 須貝尚介 | 1:26.6 | 3-3 | 49.8 | 420 [0] |
野元昭 | 9 | |
2 | 12 | ナリタレッドバード | 牝2 | 53 | 村本善之 | 1:27.4 | 5 | 1-2 | 50.9 | 480 [0] |
中尾謙太郎 | 1 |
3 | 8 | ヤマヒサエオリア | 牝2 | 53 | 岡部幸雄 | 1:27.4 | クビ | 8-9 | 49.9 | 450 [0] |
沖芳夫 | 4 |
4 | 7 | ムーンメッセージ | 牝2 | 53 | 河内洋 | 1:27.7 | 1.3/4 | 2-1 | 51.2 | 464 [0] |
庄野穂積 | 3 |
5 | 6 | プレーリーラブ | 牝2 | 53 | 南井克巳 | 1:27.8 | 3/4 | 5-4 | 50.6 | 482 [0] |
瀬戸口勉 | 8 |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 4F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | フレンチパッサー | 牝3 | 53 | 角田晃一 | 1:10.7 | 12-12 | 45.8 | 424 [-6] |
大久保正陽 | 11 | |
2 | 14 | レッツビギン | 牝3 | 53 | 菅谷正巳 | 1:10.7 | ハナ | 4-4 | 46.6 | 428 [-6] |
菅谷禎高 | 3 |
3 | 3 | エミノディクタス | 牝3 | 54 | 南井克巳 | 1:10.8 | クビ | 7-9 | 46.4 | 444 [-4] |
福島信晴 | 1 |
4 | 9 | グランドウイナー | 牝3 | 53 | 加用正 | 1:10.9 | 1/2 | 4-4 | 46.9 | 454 [+8] |
瀬戸口勉 | 6 |
5 | 15 | ヤマノカサブランカ | 牝3 | 53 | 武豊 | 1:10.9 | クビ | 10-9 | 46.1 | 444 [+4] |
中村好夫 | 7 |
~ | ||||||||||||
13(降) | 8 | リンデンリリー | 牝3 | 53 | 須貝尚介 | 1:10.2 | 6-4 | 46.0 | 420 [0] |
野元昭 | 9 |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | リンデンリリー | 牝3 | 53 | 武豊 | 2:00.2 | 4-4-2-1 | 35.0 | 428 [0] |
野元昭 | 1 | |
2 | 4 | スイホービート | 牝3 | 53 | 菅谷正巳 | 2:01.0 | 5 | 2-2-1-2 | 35.8 | 434 [-2] |
菅谷禎高 | 2 |
3 | 7 | キタサンピース | 牝3 | 53 | 久保敏文 | 2:01.2 | 1.1/4 | 5-6-6-5 | 35.4 | 492 [0] |
佐藤勇 | 5 |
4 | 5 | レガシーフィールド | 牝3 | 53 | 佐藤哲三 | 2:01.8 | 3.1/2 | 8-8-5-5 | 36.1 | 424 [+2] |
吉岡八郎 | 9 |
5 | 9 | トウカイリラ | 牝3 | 53 | 安田隆行 | 2:02.1 | 2 | 9-9-6-8 | 36.3 | 466 [+6] |
松元省一 | 4 |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 4F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 11 | リンデンリリー | 牝3 | 55 | 岡潤一郎 | 2:01.4 | 4-3-3-4 | 47.1 | 434 [+6] |
野元昭 | 2 | |
2 | 10 | ヤマノカサブランカ | 牝3 | 55 | 安田隆行 | 2:01.5 | 1/2 | 9-9-3-1 | 47.3 | 440 [+14] |
中村好夫 | 8 |
3 | 6 | スカーレットブーケ | 牝3 | 55 | 武豊 | 2:02.2 | 4 | 7-5-7-2 | 47.7 | 460 [0] |
伊藤雄二 | 1 |
4 | 14 | エミノディクタス | 牝3 | 55 | 石橋守 | 2:02.3 | 1/2 | 13-14-13-13 | 47.0 | 454 [+8] |
福島信晴 | 12 |
5 | 12 | クリヨン | 牝3 | 55 | 角田晃一 | 2:02.7 | 2.1/2 | 10-10-10-7 | 47.8 | 404 [-10] |
新川恵 | 13 |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 騎手 | 走破 時計 |
着差 | 調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 11 | リンデンリリー | 牝3 | 岡 潤一郎 | 2:29.6 | 野元 昭 | 1 | |
2 | 16 | ヤマノカサブランカ | 牝3 | 安田 隆行 | 2:29.9 | 2 | 中村 好夫 | 4 |
3 | 14 | スカーレットブーケ | 牝3 | 千田 輝彦 | 2:30.2 | 2 | 伊藤 雄二 | 7 |
4 | 4 | イナズマクロス | 牝3 | 横山 典弘 | 2:30.2 | ハナ | 稗田 研二 | 8 |
5 | 17 | キタノオゴジョ | 牝3 | 江田 照男 | 2:30.2 | アタマ | 松山 康久 | 11 |
*
リンデンリリー。改めて戦歴を振り返ってみれば、栗毛の林田の百合は、芝レースに出走した際には1位入線を譲らなかったのです。1990年12月の京都ダート1400mの新馬戦勝利から返す刀で挑んだ1991年1月の京都芝1200mのKBS京都紅梅賞。1位入線を果たすもインターフェアにより13着降着となり、当年からJRAで導入された降着制度において、関西で最初に適用された馬となったのでした。
新馬からオープン特別で連続して1位入線と、早い時期からその素養の確かさを見せていたリンデンリリー。しかしKBS京都紅梅賞の後に左前足の骨折が発覚し、春のクラシックは断念。夏に復帰し7月の小倉ダート1700m4着、9月の中京ダート1700m2着とダートを2回使って3走目、中1週で臨んだ中京芝2000mの馬籠特別で5馬身差の圧勝。勢いに乗って向かった先は、10月の京都芝2000mのローズS。鞍上に岡潤一郎騎手を初めて迎えた一戦、春のクラシック戦線でも活躍していたヤマノカサブランカ(1988.4.12)、スカーレットブーケ(1988.4.11)等を相手に勝利を収めて重賞初制覇。ローズSは名前を出した春の活躍馬2頭が3角から4角で動き出しても、じっと追い出しを我慢し、直線で内をすくうようにして伸びた馬人が鮮やか。
そうして迎えた本番、11月の京都芝2400mのエリザベス女王杯。18頭立てを11番枠から発進したリンデンリリーと岡騎手。道中、1角~2角では9番手と中団待機。ペースが落ちた向こう正面で馬に無理をさせることなく押し上げて、勝負どころの3角~4角ではいつの間にか絶好位の5番手に進出していたリンデンリリーと岡騎手。いま、映像を見直しても、岡潤一郎という騎手は決して慌てない、勝負勘の良い騎手だったのだと思わされます。直線、馬場中央を満を持して追い出すと、栗毛が鋭く応えて、内に切れ込みながら末脚を発揮。秋の淀の芝の上、影を追うようにして伸びた栗毛、緑の帽子に「桃、緑銭形散、桃袖」の勝負服。決勝点、差して来たヤマノカサブランカには2馬身差を着けての快勝。リンデンリリーと岡騎手、馬人の見事なGI初制覇は、生産牧場、馬主、調教師にとってもそのままGI初優勝となりました。
ただ。
馬と騎手にとって、最初で最後のGI勝利となってしまったのが、ただただ、無念です。
*
私が競馬者としての歩みを始めた頃。馬に携わる人々が命がけであることを教えてくれたのが、1993年1月30日に起きた、岡騎手の落馬事故でした。岡騎手の落馬翌日のスポーツ新聞、その一面、中面と岡騎手について綴られている文章を読むにつけ、事の大きさが突き刺さりました。
冬枯れの 淀のターフに 散りし夢 永遠に忘れじ 君の面影
。
あれから、やがて30年の時が経とうとしています。
けれど、永遠に忘れじ、君の面影。
それでは、これから走る馬、人すべてがどうか無事でありますように。
*
[リンデンリリー(1988.3.16)の主な競走成績]
- エリザベス女王杯(GI)、ローズS(GII)
通算7戦4勝、2着1回。
*
このサイトの管理人、「五十音にて名馬を辿る」の企画で、唯一、何も迷わずに「この馬人のことを書こう」と思ったのが、リンデンリリーさんと岡騎手のことやったって。
競馬者として、真に忘れずにいたいこと、なんでしょうね。