オレハマッテルゼ 牡 栗毛 2000.1.16生~2013.10.30没 早来町・ノーザンファーム生産 馬主・小田切 有一氏 栗東・音無 秀孝厩舎
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 種付け時活性値:1.25【13】 |
★ Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 黒鹿毛 1958.4.18 |
Turn-to 1951 |
Nothirdchance 1948 | |||
Cosmah 鹿毛 1953.4.4 |
★Cosmic Bomb 1944 | ||
Almahmoud 1947.5.18 | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 栗毛 1963.2.17 |
★Promised Land 1954.3.31 | |
Pretty Ways 1953.3.21 | |||
Mountain Flower 鹿毛 1964.3.23 |
Montparnasse 1956 | ||
Edelweiss 1959.2.15 | |||
カーリーエンジェル 栗毛 1990.6.1 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
ジヤツジアンジエルーチ 栗毛 1983.2.22 種付け時活性値:1.50【6】 |
Honest Pleasure 黒鹿毛 1973.3.28 |
What a Pleasure 1965.4.24 |
Tularia 1955 | |||
Victorian Queen 鹿毛 1971.3.24 |
Victoria Park 1957.5.10 | ||
Willowfield 1965.2.26 | |||
ダイナカール 鹿毛 1980.5.10 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
★ノーザンテースト 栗毛 1971.3.15 種付け時活性値:0.00【8】 |
Northern Dancer 1961.5.27 | |
Lady Victoria 1962.2.20 | |||
シヤダイフエザー 鹿毛 1973.2.20 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
ガーサント 鹿毛 1949.4.5 種付け時活性値:1.75【23】 |
||
パロクサイド 栗毛 1959 仔受胎時活性値:1.25【13】 |
<5代血統表内のクロス:Victoria Park4×5(母方)>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
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サンデーサイレンス (Halo系) |
ジヤツジアンジエルーチ (Bold Ruler系) |
★ノーザンテースト (Northern Dancer系) |
ガーサント (Hermit系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
ガーサント (ダイナカール) |
3.25 (【9】+【9】+【6】+【13】) |
全姉エガオヲミセテ (No. 8-f パロクサイド系) |
4番仔 (不受胎後) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 11 | オレハマッテルゼ | 牡6 | 57 | 柴田 善臣 | 1:08.0 | 5-5 | 33.9 | 470 [-4] |
音無 秀孝 | 4 | |
2 | 14 | ラインクラフト | 牝4 | 55 | 福永 祐一 | 1:08.0 | クビ | 5-5 | 34.0 | 470 [+4] |
瀬戸口 勉 | 2 |
3 | 13 | シーイズトウショウ | 牝6 | 55 | 池添 謙一 | 1:08.3 | 1 3/4 | 3-4 | 34.4 | 476 [+12] |
鶴留 明雄 | 3 |
4 | 3 | プリサイスマシーン | 牡7 | 57 | 岩田 康誠 | 1:08.3 | アタマ | 3-2 | 34.4 | 480 [+1] |
萩原 清 | 7 |
5 | 6 | ネイティヴハート | 牡8 | 57 | 内田 博幸 | 1:08.3 | アタマ | 12-13 | 33.7 | 490 [-4] |
坂本 昇 | 11 |
1F毎の ラップ |
11.9 – 10.5 – 11.3 – 11.3 – 11.3 – 11.7 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
11.9 – 22.4 – 33.7 – 45.0 – 56.3 – 1:08.0 |
上り | 4F 45.6 – 3F 34.3 |
桶狭間の電撃の6ハロン戦、晴れの良馬場、18頭立てを6枠11番からスタートしたオレハマッテルゼ、馬群中程を7番手、5番手と徐々に進出し直線を迎えても追い出しを我慢されていた柴田善臣騎手。先に抜け出すとソラを使い遊んでしまうクセを充分に把握されていた柴田騎手、ゴーサインを出したのはラスト1ハロンを切ってから。緑の帽子に「緑、白玉霰、白袖赤二本輪」の勝負服、その勝負服に合わせた緑地に白玉のメンコをまとった栗毛。ダイナカールの子孫に見られる鼻面に近い部分で幅が増す白い流星も鮮やかにオレハマッテルゼ、最後はやはり栗毛の流星ライングラフト(2002.4.4)が差し迫りましたが「クビ」だけ退けたところが決勝点。1200m初挑戦だった2頭によるワンツーという結末でした。
馬名意味の「俺は待ってるぜ」ではありませんが「俺は待ってたぜ」という感もあった、オレハマッテルゼの高松宮記念の勝利。
管理馬エガオヲミセテ(1995.5.27)が不意に逝ってしまった、2000年2月11日の山元トレーニングセンターの火災。その2日後、やはり管理馬ユーセイトップラン(1993.4.25)がダイヤモンドS(GIII)で劇的な勝利を収めて「神様というのは、一度にいろんなことをするものですね」とおっしゃった、音無秀孝調教師。開業12年目、調教師としての初のGI勝ちを贈ったのはエガオヲミセテの全弟でした。
エガオヲミセテの馬主でもあった、小田切有一オーナー。音無師が騎手時代に制した唯一のGIであるノアノハコブネ(1982.5.10)で制した1985年の優駿牝馬(GI)以来21年ぶりのGI勝利。よく知られたエピソードですが、Wikipedia日本語版の記事から引いておきますと、
ノアノハコブネが優駿牝馬(オークス)を制したその日は競馬場に行かず、監督を務めていた少年ソフトボールチームの試合に出かけていた。「GⅠ制覇は馬主を続けていればまた見られるかもしれないが、子どもの日々は二度と帰ってこないから」とのことである。なお、次に小田切の所有馬がGⅠを制したのは2006年のことであった(オレハマッテルゼが制した高松宮記念)。
そしてまた、キングヘイロー(1995.4.28)の高松宮記念以来、6年ぶりのJRA・GI制覇となった柴田騎手。くりかえし繰り出されたガッツポーズ。本当に嬉しかったのでしょう。
オレハマッテルゼがもたらしたGI勝利。それは、オレハマッテルゼに関わる人々の、笑顔を見せてくれたのでした。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。
*
[オレハマッテルゼ(2000.1.16)の主な競走成績]
- 高松宮記念(GI)、京王杯スプリングC(GII)
- 京王杯スプリングC(GII)、東京新聞杯(GIII)
- 京王杯スプリングC(GII)、阪急杯(GIII)
通算38戦9勝、2着8回、3着5回。
*
オレハマッテルゼの祖母は↑の4代血統表のとおりダイナカールさんやけれど、ダイナカールさんは5頭タイム差なしという超激戦となった優駿牝馬を勝たれているな。
はい。そしてダイナカールさんの子孫も僅差で勝ち切る勝負強さを見せる感がありますね。
そうやな。愛娘エアグルーヴ(1993.4.6)も天皇賞・秋(GI)をタイム差なしの「クビ」差で勝ち、孫のアドマイヤグルーヴ(2000.4.30)も1回目のエリザベス女王杯(GI)をタイム差なしの「ハナ」差で勝っているな。
最近では、ダイナカールさんの玄孫にしてエアグルーヴの曾孫のジュンライトボルト(2017.4.27)が、昨年2022年のチャンピオンズカップ(GI)を制した時もタイム差なしの「クビ」差勝ちでした。
こういう「勝負強さ」は母系のDNAのなせる業と思うわ。