アーバンシック(2021.3.16)-第85回菊花賞(GI)の勝ち馬+α-

Pedigree

アーバンシック 牡 栗毛 2021.3.16生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)シルクレーシング 美浦・武井 亮厩舎

アーバンシック(2021.3.16)の4代血統表
スワーヴリチャード
栗毛 2014.3.10
種付け時活性値:1.50【6】
ハーツクライ
鹿毛 2001.4.15
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
アイリッシュダンス
鹿毛 1990.3.26
トニービン 1983.4.7
ビユーパーダンス 1983.2.26
ピラミマ
黒鹿毛 2005.5.1
Unbridled’s Song
芦毛 1993.2.18
Unbridled 1987.3.5
Trolley Song 1983.4.13
キャリアコレクション
鹿毛 1995.1.30
General Meeting 1988.4.3
River of Stars 1983.5.6
エッジースタイル
栗毛 2013.1.31
仔受胎時活性値:1.75【7】
ハービンジャー
鹿毛 2006.3.12
種付け時活性値:1.50【6】
Dansili
黒鹿毛 1996.1.27
デインヒル 1986.3.26
Hasili 1991.3.12
Penang Pearl
鹿毛 1996.3.11
Bering 1983.3.20
Guapa 1988.5.4
ランズエッジ
鹿毛 2006.4.2
仔受胎時活性値:1.50【6】
ダンスインザダーク
鹿毛 1993.6.5
種付け時活性値:1.00【12】
サンデーサイレンス 1986.3.25
ダンシングキイ 1983.5.21
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
仔受胎時活性値:1.50【14】
Alzao
鹿毛 1980.2.28
種付け時活性値:0.50【10】
Burghclere
鹿毛 1977.4.26
仔受胎時活性値:1.25【13】

<5代血統表内のクロス:サンデーサイレンス3×4、Lyphard5×5>

アーバンシック(2021.3.16)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
スワーヴリチャード
(サンデーサイレンス系)
ハービンジャー
(デインヒル系)
ダンスインザダーク
(サンデーサイレンス系)
Alzao
(Lyphard系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
スワーヴリチャード 6.00
(【7】+【6】+【14】+【13】)
いとこステレンボッシュ&レガレイラ
(No. 2-f)
2番仔
(2連産目)

*

2024年の第85回菊花賞(GI。京都芝3000m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 13 アーバンシック 牡3 57 C.ルメール 3:04.1 8-8-5-3 35.6 510
[0]
武井 亮 2
2 16 ヘデントール 牡3 57 戸崎 圭太 3:04.5 2 1/2 17-16-8-5 35.8 472
[-8]
木村 哲也 4
3 17 アドマイヤテラ 牡3 57 武 豊 3:04.5 ハナ 15-12-2-1 36.3 482
[+4]
友道 康夫 7
4 11 ショウナンラプンタ 牡3 57 鮫島 克駿 3:04.5 クビ 10-10-10-4 35.8 536
[+6]
高野 友和 6
5 7 ビザンチンドリーム 牡3 57 A.シュタルケ 3:04.6 クビ 12-15-14-10 35.4 456
[-2]
坂口 智康 9
2024年の第85回菊花賞(GI。京都芝3000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.6 – 12.0 – 12.4 – 13.0 – 12.0 –
11.7 – 12.4 – 12.7 – 12.3 – 12.6 –
12.6 – 11.9 – 12.0 – 11.8 – 12.1
ラップの
累計タイム
12.6 – 24.6 – 37.0 – 50.0 – 1:02.0 –
1:13.7 – 1:26.1 – 1:38.8 – 1:51.1 – 2:03.7 –
2:16.3 – 2:28.2 – 2:40.2 – 2:52.0 – 3:04.1
上り 4F 47.8 – 3F 35.9

京都芝3000m、晴の良馬場、18頭立て。

◯ 菊花賞(GⅠ)
本競走は、イギリスの『セントレジャー』に範をとり、1938 年に『京都農林省賞典四歳呼馬競走』として創設された重賞競走。1948 年より現在の名称となった。『皐月賞』、『東京優駿(日本ダービー)』に続く 3 歳クラシック三冠の最終関門。本競走は、「最も強い馬が勝つ」と言われており、3000m の距離を乗り切るスピードとスタミナを兼ね備えた馬に栄冠が輝く。
菊花(きくか)は、菊の花の意。菊は、キク科キク属の多年草で、世界中に 1 万種以上あると言われている。色や形は種類によって多岐にわたり、観賞用だけでなく食用としても用いられる。花言葉は「高貴」「高尚」。

2024年度第5回京都競馬特別レース名解説

終わってみればセントライト記念(GII)の勝ち馬が1着、日本海Sの勝ち馬が2着、茶臼山高原特別の勝ち馬が3着。いずれも前走クリストフ・ルメール騎手によって勝利を収めた馬たちが3着までを占めたのですが、ルメール騎手、戸崎圭太騎手、武豊騎手の名前を見れば、前週チェルヴィニア(2021.2.23)が制した秋華賞(GI)でも3着までに入った騎手たち。そ、そういうことですか、結局は^^;

菊花賞が出入りの激しいレースになるのは、現在の競馬であれば全馬にとって初めての距離となる3000mでは至極当然のことなのかも知れません。1000m通過1分2秒0、2000m通過2分3秒7(1000mのラップ1分1秒7)、3000mのゴール3分4秒1(1000mのラップ1分0秒4)という総合力の勝負に見えた2024年の菊花賞。道中のポジションを「8-8-5-3」と、唯1頭だけ大きく位置を変えることなくキレイに押し上げたルメール騎手はサスガというところであり、鞍上に応えて最後に2馬身半突き抜けたアーバンシックの地力も本当に素晴らしいものでした。1984年の日本中央競馬会のグレード制導入後ということでは、シンボリルドルフ(1981.3.13)、キタサンブラック(2012.3.10)に続く3頭目のセントライト記念から菊花賞の連勝。出した馬名を思えば、共にGI7勝の顕彰馬。アーバンシック、先達に続いて上り詰めて行ってほしいものですね(^^)

シンボリルドルフ(1981.3.13)とゴールドウエイ(1981.5.8)-【1984年】の中央競馬のGI勝ち馬を辿る(No.9)+α-
シンボリルドルフ(1981.3.13)-【1984年】の中央競馬のGI勝ち馬を辿る(No.9)-
キタサンブラック(2012.3.10)-ジャパンカップ(GI)の勝ち馬を辿る(No.36)-
キタサンブラック(Kitasan Black) 牡 鹿毛 2012.3.10生 日高・ヤナガワ牧場生産 馬主・(有)大野商事 栗東・清水久詞厩舎

アーバンシック等2021年生まれ世代は、ウインドインハーヘアの血の凄さを改めて思い知らされた世代でもありました。アーバンシックについて、今一度なじみのある重賞勝ち馬を中心にピックアップした簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。

ウインドインハーヘア 1991.2.20 3勝 アラルポカル(独GI)ほか
|レディブロンド 1998.3.20 5勝 
||ラドラーダ 2006.4.15 4勝 
|||レイデオロ 2014.2.5 7勝 東京優駿(GI) 天皇賞・秋(GI) オールカマー(GII) 神戸新聞杯(GII) ホープフルS(GII)ほか
|||レイエンダ 2015.1.30 4勝 エプソムC(GIII)ほか
||ゴルトブリッツ 2007.4.11 10勝 帝王賞(JpnI) アンタレスS(GIII)2回 マーキュリーC(JpnIII)
|ライクザウインド 2000.3.21 0勝 
||レディスキッパー 2007.3.27 0勝 
|||アドマイヤミヤビ 2014.1.14 3勝 クイーンC(GIII)ほか
||||アドマイヤテラ 2021.2.7 菊花賞(GI)3着
||ハワイアンウインド 2009.4.5 3勝 
|||ルフトシュトローム 2017.1.31 3勝 ニュージーランドT(GII)
|ブラックタイド 2001.3.29 3勝 スプリングS(GII)ほか
|ディープインパクト 2002.3.25 12勝 東京優駿(GI) ジャパンカップ(GI) 有馬記念(GI) 皐月賞(GI) 菊花賞(GI) 天皇賞・春(GI) 宝塚記念(GI) 阪神大賞典(GII) 神戸新聞杯(GII) 弥生賞(GII)ほか
|ランズエッジ 2006.4.2 0勝 
||ロカ 2012.1.26 1勝 ほか
|||レガレイラ 2021.4.12 ホープフルS(GI)
||エッジースタイル 2013.1.31 3勝
|||アーバンシック 2021.3.16 (本馬) 菊花賞(GI) セントライト記念(GII)ほか
||ブルークランズ 2014.1.22 3勝 
|||ステレンボッシュ 2021.2.12 桜花賞(GI)ほか

アーバンシック、レガレイラ、ステレンボッシュという「いとこ」たち。菊花賞馬、ホープフルS勝ち馬、桜花賞馬と並んでしまえば、これは恐れ入谷の鬼子母神m(_ _)m。そしてアーバンシック、レガレイラの父は共にスワーヴリチャード。種牡馬として初年度から2頭のGI馬を輩出したのですから、こちらも立派です。

レガレイラ(2021.4.12)-第40回ホープフルS(GI)の勝ち馬-
レガレイラ(2021.4.12)-第40回ホープフルS(GI)の勝ち馬-
ステレンボッシュ(2021.2.12)-第84回桜花賞(GI)の勝ち馬-
ステレンボッシュ(2021.2.12)-第84回桜花賞(GI)の勝ち馬-

という訳で、今回の菊花賞のゴール前「ウインドインハーヘア」と幾度か叫んだのですけれど、↑の近親牝系図にも名前を追加した、淀の魔術師と共に勝ちに行ってよくよく粘って3着に頑張ったアドマイヤテラの血統表も合わせてアップしておきます。

アドマイヤテラ 牡 芦毛 2021.2.7生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・近藤 旬子氏 栗東・友道 康夫厩舎

アドマイヤテラ(2021.2.7)の4代血統表
レイデオロ
鹿毛 2014.2.5
種付け時活性値:1.50【6】
キングカメハメハ
鹿毛 2001.3.20
Kingmambo
鹿毛 1990.2.19
Mr. Prospector 1970.1.28
Miesque 1984.3.14
マンファス
黒鹿毛 1991.2.23
ラストタイクーン 1983.5.9
Pilot Bird 1983.2.9
ラドラーダ
青鹿毛 2006.4.15
シンボリクリスエス
黒鹿毛 1999.1.21
Kris S. 1977.4.25
Tee Kay 1991.2.9
レディブロンド
鹿毛 1998.3.20
Seeking the Gold 1985.4.7
ウインドインハーヘア 1991.2.20 ♀
アドマイヤミヤビ
芦毛 2014.1.14
仔受胎時活性値:1.50【6】
ハーツクライ
鹿毛 2001.4.15
種付け時活性値:1.00【12】
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
アイリッシュダンス
鹿毛 1990.3.26
トニービン 1983.4.7
ビユーパーダンス 1983.2.26
レディスキッパー
芦毛 2007.3.27
仔受胎時活性値:1.50【6】
クロフネ
芦毛 1998.3.31
種付け時活性値:0.00【8】
フレンチデピュティ 1992.1.30
ブルーアヴェニュー 1990.2.15
ライクザウインド
鹿毛 2000.3.21
仔受胎時活性値:1.50【6】
デインヒル
鹿毛 1986.3.26
種付け時活性値:1.25【13】
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20 ♀
仔受胎時活性値:2.00(0.00)【8】

<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector4×5(父方)、ウインドインハーヘア(♀)4×4>

アドマイヤテラ(2021.2.7)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
レイデオロ
(Mr. Prospector系)
ハーツクライ
(サンデーサイレンス系)
クロフネ
(Deputy Minister系)
デインヒル
(Danzig系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
レイデオロ 6.50 or 4.50
(【6】+【6】+【6】+【8】)
母がGIII勝ち馬
(No. 2-f)
3番仔
(3連産目)

「種牡馬レイデオロ、ウインドインハーヘアの牝馬クロス持ちを最後のクラシックの複勝圏内にねじ込んで来た」と思った血統ファンもいらしたでしょうか^^;。アドマイヤテラ、その馬名意味は「冠名+地球(ラテン語)」ということですが、思えばレイデオロが送り出した初めてのリステッド競走勝ち馬はサンライズアース(2021.2.6)であり「地球」を意味する言葉を馬名に持つ馬たちが出世していますね。

アーバンシックに関する話題が先行してしまうのは仕方がないところですけれど、鞍上を務められたルメール騎手は栗田勝騎手、菅原泰夫騎手に続いて史上3人目となる菊花賞2年連続制覇を果たされました。栗田騎手はシンザン(1961.4.2)とダイコーター(1962.6.8)、菅原騎手はミナガワマンナ(1978.5.15)とホリスキー(1979.4.13)、そしてルメール騎手はドゥレッツァ(2020.4.24)とアーバンシック。

シンザン(1961.4.2)-三冠馬を辿る(No.2)-
シンザン 牡 鹿毛 1961.4.2生~1996.7.13没 浦河・松橋吉松氏生産 馬主・橋元幸吉氏 京都・武田文吾厩舎
ドゥレッツァ(2020.4.24)-第84回菊花賞(GI)の勝ち馬-
ドゥレッツァ(2020.4.24)-第84回菊花賞(GI)の勝ち馬-

古の馬から近時の馬まで、いちおう、記しております。……そうかシンザンの三冠から丸60年でもあるのですね、今年2024年は。たまたまではありますが、ルメール騎手とアーバンシックの勝利によりシンザン、シンボリルドルフとエポックメイキングを果たした三冠馬の2頭の馬名をお届けする記事にもなりました。

「最も強い馬が勝つ」菊花賞を制して見後にクラシックホースに輝いたアーバンシック。管理される武井亮調教師にも開業11年目の嬉しいGI初優勝を贈った栗毛の駿馬、その行く末を楽しみにして、いつもと同じフレーズでこの記事を終えたいと思います。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。