Diamanta(ディアマンタ) 牝 黒鹿毛 2016.3.14生 独国・Gestüt Brümmerhof生産 馬主・Gestüt Brümmerhof 独国・Markus Klug厩舎
Maxios 鹿毛 2008.4.5 種付け時活性値:1.75 |
Monsun 黒鹿毛 1990.3.4 |
Konigsstuhl 黒鹿毛 1976.5.17 |
Dschingis Khan 1961.2.8 |
Konigskronung 1965.1.18 | |||
Mosella 鹿毛 1985.3.25 |
Surumu 1974.2.26 | ||
Monasia 1979.3.3 | |||
Moonlight’s Box 鹿毛 1996.2.2 |
Nureyev 鹿毛 1977.5.2 |
Northern Dancer 1961.5.27 | |
Special 1969.3.28 | |||
Coup de Genie 鹿毛 1991.5.7 |
Mr. Prospector 1970.1.28 | ||
Coup de Folie 1982.4.2 | |||
Diamantgottin 鹿毛 2005.2.26 仔受胎時活性値:0.50 |
★ ファンタスティックライト 鹿毛 1996.2.13 種付け時活性値:0.00 |
Rahy 栗毛 1985.2.18 |
Blushing Groom 1974.4.8 |
Glorious Song 1976.4.22 | |||
Jood 鹿毛 1989.4.17 |
Nijinsky 1967.2.21 | ||
Kamar 1976.5.13 | |||
Dunnellon 鹿毛 1990.2.27 仔受胎時活性値:1.50 |
Shareef Dancer 鹿毛 1980.3.3 種付け時活性値:0.25 |
▲Northern Dancer 1961.5.27 | |
Sweet Alliance 1974.5.14 | |||
Dunoof 芦毛 1983.5.8 仔受胎時活性値:1.50 |
Shirley Heights 鹿毛 1975.3.1 種付け時活性値:1.75 |
||
Sunbittern 芦毛 1970 仔受胎時活性値:1.00 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×4×5、Halo5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Maxios (Bahram系) |
★ファンタスティックライト (Blushing Groom系) |
Shareef Dancer (Northern Dancer系) |
Shirley Heights (Mill Reef系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Maxios | 4.50 |
母が独GIII2着馬 (No. 9-e) |
5番仔 (2連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | Diamanta | 牝3 | 58 | Maxim Pecheur | 2:15.78 | Markus Klug | 11 |
2 | 2 | Naida | 牝3 | 58 | Bauyrzhan Murzabayev | 1 3/4 | Yasmin Almenrader | 7 |
3 | 10 | Durance | 牝3 | 58 | Andrasch Starke | 短アタマ | P Schiergen | 1 |
4 | 11 | Satomi | 牝3 | 58 | Rene Piechulek | ハナ | Markus Klug | 8 |
5 | 7 | Akribie | 牝3 | 58 | Adrie de Vries | 1 1/4 | Markus Klug | 3 |
2019年の第161回ディアナ賞。北半球の主要国における、英オークス(GI)を範とした3歳牝馬限定のクラシックレースの掉尾を飾るのは、ディアナ賞。2019年の第161回は、発馬直後に日本でもおなじみのフィリップ・ミナリク騎手を乗せたIsmene(2016.4.7)が落馬競走中止となった波乱の一戦。波乱は最後まで続き、Ismeneは空馬のまま走り続け、13頭の中では真っ先に決勝点を駆け抜けました。芝2200mのGIレースによる空馬の先頭ゴールといえば、やはり、2008年の第33回エリザベス女王杯(GI)のポルトフィーノ(2005.3.14)を思い出します。
閑話休題。2019年の第161回ディアナ賞において、騎手をその背に乗せた12頭の争いを制したのは、戦前11番人気を跳ね返したDiamanta。最内枠から終始ラチ沿いの3~4番手を進み、直線では真ん中内側をしっかりと抜け出しました。Diamanta、その馬名は恐らくダイヤモンドを意味すると思うのですが、夏の大一番で見事な輝きを見せました。殊勲を遂げた鞍上のマキシム・ペシュール騎手、管理されるマルクス・クルーク調教師は共にディアナ賞初制覇。Danedream(2008.5.7)の生産牧場としても知られるオーナーブリーダーのブリュンマーホフ牧場も、私が調べた限りではディアナ賞初勝利でした。皆様、おめでとうございました。
さて、Diamantaの最優性先祖と判断した父Maxiosは、現役時代に8勝を挙げ、その主な勝ち鞍にムーラン・ド・ロンシャン賞(仏GI)、イスパーン賞(仏GI)、アルクール賞(仏GII)、ラクープ・ド・メゾンラフィット(仏GIII)、トーマスブライアン賞(仏GIII)と仏国のグループレース5勝がある活躍馬でした。Maxiosは母がMoonlight’s Boxということで、日本にも縁のある血です。Maxiosの半兄が、凱旋門賞(仏GI)馬にして輸入種牡馬のバゴ(2001.2.3)ですね。DiamantaはMaxiosの2年度産駒であり、初めてのグループレース勝ち馬となりました。
では、以下にDiamantaのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。
Dunoof 1983.5.8 1勝
|Dunnellon 1990.2.27 4勝
||Diamantgottin 2005.2.26 1勝 ヴィンターケーニギン賞(独GIII)2着
|||Diamanta 2016.3.14 (本馬) ディアナ賞(独GI)
||Delsun 2001.4.30 1勝 ドクトルブッシュ記念(独GIII)3着
|Dundel 1994.4.29 1勝
||Charlotte O Fraise 2004.1.15 2勝 カルヴァドス賞(仏GIII)
||Luck Money 2005.2.15 3勝 コヴェントリーS(英GII)3着
|Seltitude 1996.2.5 3勝 セーネワーズ賞(仏GIII)ほか
Diamantaの牝系は9号族e分枝系。上図には示していませんが、Diamantaの半兄Diamant(2010.4.7)は諾国(ノルウェー)と瑞国(スウェーデン)で7勝を挙げ、スカンジナビア最優秀2歳牡馬に選出されています。渋い。
また、Diamantaの曾祖母であるDunoofは「父Shirley Heights×母Sunbittern」よりHigh Hawk(1980.3.17)の全妹です。High Hawkは6勝を挙げ、その主な勝ち鞍にローマ賞(伊GI)、リブルスデイルS(英GII)、パークヒルS(英GII)、ロワイヤリュー賞(仏GIII)と欧州グループレース4勝があり、1983年の第3回ジャパンカップにも出走して1番人気に推されたことでも知られています。そんなHigh Hawkは世代を重ねる時に真価を見せ、
- In the Wings(1986.1.17)
→ブリーダーズカップ・ターフ(米GI)、サンクルー大賞(仏GI)、コロネーションC(英GI)、フォワ賞(仏GIII)、プランスドランジュ賞(仏GIII)ほか - ハンティングホーク(1990.4.17)
→グレフュール賞(仏GII)ほか。輸入種牡馬としてGII2勝のホットシークレット(1996.5.14)を輩出 - Hawker’s News(1991.4.27)
→リングフィールドダービートライアルS(英GIII) - Morozov(1999.3.9)
→ユベール・ド・ショードネイ賞(仏GII)、バルブヴィル賞(仏GIII)、リス賞(仏GIII)ほか
と4頭のGレース勝ち馬を送りました。上記4頭はいずれも父Sadler’s Wells(1981.4.11)の全兄弟です。この全兄弟4頭において最年長で競走成績も筆頭であるIn the Wingsは、1996年の第16回ジャパンカップ(GI)を制したSingspiel(1992.2.25)の父としても知られています。シェイク・モハメド、High Hawkでジャパンカップを破れた借りを、その血が流れる孫で、13年の星霜を経て返したというところでした。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。