年度代表馬の同期生を辿る(其の弐)-ゴールドシチー(1984.4.16)-。

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ゴールドシチー 牡 栗毛 1984.4.16生~1990.5.2没 門別・田中茂邦氏生産 馬主・(株)友駿ホースクラブ 栗東・清水出美厩舎

ゴールドシチー(1984.4.16)の4代血統表
ヴアイスリーガル
栗毛 1966.4.4
種付け時活性値:0.25【17】
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic
黒鹿毛 1954.2.11
Nearco 1935.1.24
Lady Angela 1944
Natalma
鹿毛 1957.3.26
Native Dancer 1950.3.27
Almahmoud 1947.5.18
Victoria Regina
栗毛 1958.5.18
Menetrier
黒鹿毛 1944
▲Fair Copy 1934
La Melodie 1939
Victoriana
鹿毛 1952
★Windfields 1943
Iribelle 1942
イタリアンシチー
鹿毛 1979.3.20
仔受胎時活性値:1.00【4】
テスコボーイ
黒鹿毛 1963
種付け時活性値:1.75【15】
Princely Gift
鹿毛 1951
Nasrullah 1940.3.2
Blue Gem 1943
Suncourt
黒鹿毛 1952
Hyperion 1930.4.18
Inquisition 1936
リンネス
鹿毛 1972.2.13
仔受胎時活性値:1.50【6】
フイダルゴ
鹿毛 1956
種付け時活性値:1.75【15】
Arctic Star 1942
Miss France 1946
ジーゲリン
鹿毛 1961.4.7
仔受胎時活性値:0.50【10】
★カバーラツプ二世
黒鹿毛 1952.3.9
種付け時活性値:0.00【8】
ヒロイチ
栗毛 1952.4.9
仔受胎時活性値:2.00【8】

<5代血統表内のクロス:Nearco4×5×5、Hyperion5×4>

ゴールドシチー(1984.4.16)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ヴアイスリーガル
(Northern Dancer系)
テスコボーイ
(Princely Gift系)
フイダルゴ
(Nearco系)
カバーラツプ二世
(Hyperion系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
テスコボーイ
(Hurry On)
5.00
(【4】+【6】+【10】+【8】)
半弟クラウンシチー
(No. 4-m チツプトツプ系)
初仔

*

1986年の第38回阪神3歳S(GI。阪神芝1600m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 2 ゴールドシチー 牡2 本田 優 1:37.1   清水 出美 3
2 6 サンキンハヤテ 牡2 東田 幸男 1:37.1 アタマ 橋口 弘次郎 1
3 5 ファンドリスキー 牡2 岩元 市三 1:37.1 ハナ 布施 正 6
4 8 シンジェット 牡2 清水 英次 1:37.5 2・1/2 吉永 忍 8
5 1 ヤマニンアーデン 牡2 村本 善之 1:37.5 アタマ 池江 泰郎 2
1986年の第38回阪神3歳S(GI。阪神芝1600m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
13.3 – 12.0 – 12.1 – 12.3 – 12.1 – 11.6 – 11.5 – 12.2
ラップの
累計タイム
13.3 – 25.3 – 37.4 – 49.7 – 1:01.8 – 1:13.4 – 1:24.9 – 1:37.1
上り 4F 47.4 – 3F 35.3

黒の帽子に「青、赤袖、白三本輪」の勝負服を乗せた、尾花栗毛に白メンコのゴールドシチー。引っ掛かるようにして先行2番手から4コーナー先頭、直線外から1番人気のサンキンハヤテ(1984.5.10)が競り掛けて来ましたが、決勝点で「アタマ」だけ先んじていました。

ゴールドシチー、その尾花栗毛の派手な容姿のままに、派手でヤンチャなレースぶりで、生産者、馬主、調教師、騎手のいずれにもGI初制覇をプレゼントしました。特に調教師の清水出美師は、この阪神3歳Sが行われた1986年に開業されており、GI初出走で初勝利を収めると共に、重賞も初勝利となりました。

そうしてゴールドシチー、阪神3歳Sの15分前に行われた朝日杯3歳S(GI、現朝日杯FS)を制したメリーナイス(1984.3.22)と共に、1986年のJRA賞最優秀3歳牡馬(当時の馬齢表記は数え年)に同時選出されたのでした。かたや四白流星のメリーナイス、こなた尾花栗毛のゴールドシチー。いでたちの目立つ2頭が、まずは東西で王者を分け合ったのでした。

*

強豪揃いの世代の中で、満2歳時にGI制覇、満3歳時に皐月賞(GI)2着、菊花賞(GI)2着と気を吐いたゴールドシチー。

対戦した順番に挙げると

年度代表馬の同期生を辿る(其の壱)-メリーナイス(1984.3.22)-。
メリーナイス 牡 栗毛 1984.3.22生~2009.3.1没 静内・前田徹氏 馬主・浦房子氏 美浦・橋本輝雄厩舎
JRA賞になって以降の年度代表馬を辿る(其の壱)-サクラスターオー(1984.5.2)-。
サクラスターオー 牡 黒鹿毛 1984.5.2生~1988.5.12没 静内・藤原牧場生産 馬主・(株)さくらコマース 美浦・平井雄二厩舎
JRA賞になって以降の年度代表馬を辿る(其の弐)-タマモクロス(1984.5.23)-。
タマモクロス 牡 芦毛 1984.5.23生~2003.4.10没 新冠・錦野牧場生産 馬主・タマモ(株) 栗東・小原伊佐美厩舎
JRA賞になって以降の年度代表馬を辿る(其の参)-イナリワン(1984.5.7)-。
イナリワン 牡 鹿毛 1984.5.7生~2016.2.7没 門別・山本実儀氏生産 馬主・保手浜弘規氏 大井・福永二三雄厩舎→美浦・鈴木清厩舎

メリーナイス、サクラスターオー(1984.5.2)、タマモクロス(1984.5.23)、イナリワン(1984.5.7)という1984年生まれ世代を代表する牡馬GI馬たち4頭いずれとも一緒に走ったことがあり、メリーナイスには満2歳時のコスモス賞(OP)で勝利を収めています。

そのコスモス賞はゴールドシチーの芝レース初出走でもありました。コスモス賞から直行した阪神3歳Sを制したことにより、ゴールドシチーは満2歳時芝2戦2勝でした。

*

ゴールドシチーは上述のとおり尾花栗毛であり、その容姿の端麗さでも人気を博しました。かつて関西テレビ放送で放映された「私の名馬」という番組では、朝比奈マリアさんが「私の名馬」としてゴールドシチーを挙げられていました。ゴールドシチー、二科展の入賞経験もある朝比奈さんの絵心を突き動かした、グッドルッキングホースでした。「私の名馬」のオープニングには、朝比奈さんの描かれた馬の絵が使われていましたが、その毛色から、恐らくゴールドシチーをモデルにされていたのではないかと思います。

今回、ゴールドシチーの記事を書くにあたり、気付いてしまったのです。ゴールドシチーが死没した日は「1990年5月2日」。ゴールドシチーが、その姿が見えると追い掛けるようにして走った好敵手、サクラスターオー。そのサクラスターオーの生まれ日は「1984年5月2日」。日付けを見た時、なんとも言えず『せつない』と思ってしまった、いのちの不思議な交差。

空の上でも、仲良く、走っていてほしいものです。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[ゴールドシチー(1984.4.16)の主な競走成績]

  1. 阪神3歳S(GI)
  2. 皐月賞(GI)、菊花賞(GI)、札幌3歳S(GIII)
  3. 産經大阪杯(GII)、京都大賞典(GII)、神戸新聞杯(GII)

通算20戦3勝、2着4回、3着3回。

#2023年02月12日(日)記事改め。

ゴールドシチーとは [単語記事] - ニコニコ大百科
ゴールドシチーとは、1984年生まれの日本の元競走馬である。牡・栗毛。 金色のたてがみを持つ美しい馬であった。  主な勝ち鞍 1986年:阪神3歳ステークス(GI) この記事では実在の競走...
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