Montjeu(1996.4.4)-北の踊り子とその子孫を辿る(No.15)-

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Montjeu(モンジュー) 牡 鹿毛 1996.4.4生~2012.3.29没 愛国・Sir J. Goldsmith生産 馬主・Michael Tabor 仏国・J E Hammond厩舎

Montjeu(1996.4.4)の4代血統表
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
種付け時活性値:1.50【14】
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic
黒鹿毛 1954.2.11
Nearco 1935.1.24
Lady Angela 1944
Natalma
鹿毛 1957.3.26
Native Dancer 1950.3.27
Almahmoud 1947.5.18
Fairy Bridge
鹿毛 1975.5.4
Bold Reason
鹿毛 1968.4.8
Hail to Reason 1958.4.18
Lalun 1952
Special
鹿毛 1969.3.28
Forli 1963.8.10
Thong 1964.4.23
Floripedes
鹿毛 1985.5.11
仔受胎時活性値:0.50【10】

Top Ville
鹿毛 1976.4.5
種付け時活性値:0.00【8】
High Top
鹿毛 1969
Derring-Do 1961
Camenae 1961
Sega Ville
鹿毛 1968.5.1
Charlottesville 1957
La Sega 1959
Toute Cy
鹿毛 1979.5.4
仔受胎時活性値:1.25【5】
★Tennyson
鹿毛 1970.3.22
種付け時活性値:0.00【8】
Val de Loir 1959.5.7
Tidra 1964.3.19
Adele Toumignon
芦毛 1971.4.16
仔受胎時活性値:1.75【7】
ゼダーン
芦毛 1965
種付け時活性値:1.25【5】
Alvorada
栗毛 1960.2.7
仔受胎時活性値:0.50【10】

<5代血統表内のクロス:なし>

Montjeu(1996.4.4)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Sadler’s Wells
(Northern Dancer系)
★Top Ville
(Dante系)
Tennyson
(Brantome系)
ゼダーン
(Grey Sovereign系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Sadler’s Wells 4.00 母が仏GIII勝ち馬
(No. 1-u)
5番仔?
(4連産目?)

*

1999年の第159回ジョッケクルブ賞(仏GI。シャンティイ芝2400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 8 Montjeu 牡3 58 C Asmussen 2:33.50 J E Hammond 1
2 6 Nowhere To Exit 牡3 58 T Quinn 4 John Dunlop 6
3 3 Rhagaas 牡3 58 Frankie Dettori 3 Saeed bin Suroor 4
4 4 Slickly 牡3 58 Olivier Peslier 2 1/2 A Fabre 3
5 5 Tchaikovsky 牡3 58 Mick Kinane 2 A P O’Brien 1

*

1999年の第134回愛ダービー(GI。カラ芝12F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 5 Montjeu 牡3 57.2 C Asmussen 2:30.10 J E Hammond 1
2 2 Daliapour 牡3 57.2 Gerald Mosse 5 Luca Cumani 2
3 9 Tchaikovsky 牡3 57.2 Mick Kinane 5 1/2 A P O’Brien 5
4 1 Beat All 牡3 57.2 Gary Stevens 1 1/2 Sir Michael Stoute 2
5 7 ムタファーウエク 牡3 57.2 Frankie Dettori 3 1/2 Saeed bin Suroor 4

*

1999年の第78回凱旋門賞(仏GI。ロンシャン芝2400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 11 Montjeu 牡3 56 Mick Kinane 2:38.50 J E Hammond 1
2 5 エルコンドルパサー 牡4 59.5 蛯名 正義 1/2 二ノ宮 敬宇 2
3 2 クロコルージュ 牡4 59.5 Thierry Jarnet 6 P Bary 5
4 7 Leggera 牝4 58 T Quinn 5 John Dunlop 8
5 4 Tiger Hill 牡4 59.5 T Hellier 3/4 P Schiergen 7

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2000年の第39回タタソールズゴールドC(愛GI。カラ芝10F110y)の結果


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 3 Montjeu 牡4 57.2 Mick Kinane 2:13.30 J E Hammond 1
2 2 Greek Dance 牡5 57.2 Kieren Fallon 1 1/2 Sir Michael Stoute 2
3 4 ムタファーウエク 牡4 57.2 Frankie Dettori 1 1/2 Saeed bin Suroor 3
4 1 Golden Snake 牡4 57.2 Pat Eddery 2 John Dunlop 5
5 5 Urban Ocean 牡4 57.2 Damien Oliver 2 1/2 A P O’Brien 4

*

2000年の第92回サンクルー大賞(仏GI。サンクルー芝2400m)の結果


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 2 Montjeu 牡4 61 C Asmussen 2:31.40 J E Hammond 1
2 4 Daring Miss 牝4 59.5 Olivier Peslier 5 A Fabre 2
3 1 Sagamix 牡5 61 S Guillot 1 Saeed bin Suroor 3
4 3 Stop By 牡5 61 O Thirion 6 J E Hammond 1

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2000年の第50回”キング・ジョージ”(英GI。アスコット芝12F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 5 Montjeu 牡4 60.3 Mick Kinane J E Hammond 1
2 3 ファンタスティックライト 牡4 60.3 John Reid 1 3/4 Saeed bin Suroor 4
3 2 Daliapour 牡4 60.3 Johnny Murtagh 3 1/2 Sir Michael Stoute 2
4 1 Beat All 牡4 60.3 Kevin Darley 1 Sir Michael Stoute 6
5 7 エアシャカール 牡3 54.9 武 豊 2 森 秀行 3

*

Montjeu。20世紀末の欧州最強馬は、やはり、1999年の第78回凱旋門賞で本邦期待のエルコンドルパサー(1995.3.17)をすんでのところで捉えた姿が印象に残っています。私、凱旋門賞を放送する競馬中継を見る為に実家まで帰った記憶がありますもの。いやー、悔しかった。けれどMontjeuが名馬中の名馬だったからこそ、エルコンドルパサーもこの年の凱旋門賞にはチャンピオンが2頭いたと並び称されることになったのです。Montjeu、映像が残る勝ったレースを見直してみれば、空恐ろしい強さ。特に2000年の第50回”キング・ジョージ”。おかしいですよ、本当に終始「馬なり」ですから。最後の直線は「なんじゃこりゃ^^;」と苦笑いすること請け合いです。ぜひご覧になってみてください。

*

そんな20世紀末の欧州最強馬は種牡馬としてもゴリゴリに活躍馬を輩出しました。Montjeu産駒のGI勝ち馬を確認してみますと、、、

  1. Motivator(2002.2.22)
    英ダービー(GI)、レーシングポストT(英GI)ほか
  2. Hurricane Run(2002.4.13)
    →凱旋門賞(仏GI)、”キング・ジョージ”(英GI)、愛ダービー(GI)、タタソールズゴールドC(愛GI)ほか
  3. Scorpion(2002.2.5)
    →英セントレジャーS(GI)、パリ大賞(仏GI)、コロネーションC(英GI)ほか
  4. Corre Caminos(2002.3.26)
    →ガネー賞(仏GI)ほか。せん馬
  5. Montare(2002.5.14)
    →ロワイヤルオーク賞(仏GI)ほか。牝馬
  6. Sharvasti(2002)
    →エイヴォンデイルC(新GI)ほか。牝馬
  7. Authorized(2004.2.14)
    英ダービー(GI)、英インターナショナルS(GI)、レーシングポストT(英GI)ほか
  8. Nom Du Jeu(2004.9.25)
    →オーストラリアンダービー(豪GI)ほか
  9. Speed Gifted(2004.4.26)
    →ザ・メトロポリタン(豪GI)ほか。せん馬
  10. Wall Street(2004.9.30)
    →カンターラS(豪GI)、オーモンド記念S(新GI)、ホーリックスプレート(新GI)、ソーンドンマイル(新GI)ほか。せん馬
  11. Frozen Fire(2005.2.19)
    →愛ダービー(GI)ほか
  12. Montmartre(2005.3.18)
    →パリ大賞(仏GI)ほか
  13. Roman Emperor(2005.10.15)▲
    →オーストラリアンダービー(GI)ほか
  14. Tavistock(2005.9.3)▲
    →ワイカトスプリント(新GI)、ホークスベイチャレンジS(新GI)ほか
  15. Fame And Glory(2006.3.20)
    →愛ダービー(GI)、コロネーションC(英GI)、アスコットゴールドC(英GI)、タタソールズゴールドC(愛GI)、クリテリウム・ド・サンクルー(仏GI)ほか
  16. Jukebox Jury(2006.2.15)
    →愛セントレジャー(GI)、オイロパ賞(独GI)ほか
  17. ミスケラー(2006.4.19)
    →E.P.テイラーS(加GI)ほか。牝馬
  18. Green Moon(2007.2.16)
    →メルボルンカップ(豪GI)、ターンブルS(豪GI)ほか
  19. Jan Vermeer(2007.2.6)
    →クリテリウム・アンテルナシオナル(仏GI)ほか
  20. Joshua Tree(2007.3.8)
    →カナディアンインターナショナルS(GI)3回ほか
  21. Sarah Lynx(2007.4.18)
    →カナディアンインターナショナルS(GI)ほか。牝馬
  22. St Nicholas Abbey(2007.4.13)
    →ブリーダーズカップ・ターフ(米GI)、ドバイシーマクラシック(UAE・GI)、コロネーションC(英GI)3回、レーシングポストT(英GI)ほか
  23. Masked Marvel(2008.3.6)
    →英セントレジャーS(GI)ほか
  24. Pour Moi(2008.1.10)
    英ダービー(GI)ほか
  25. Recital(2008.1.27)
    →クリテリウム・ド・サンクルー(仏GI)ほか
  26. Camelot(2009.3.5)
    英ダービー(GI)、愛ダービー(GI)、英2000ギニー(GI)、レーシングポストT(英GI)ほか
  27. Offer(2009.5.7)
    →シドニーC(豪GI)ほか。せん馬
  28. Chicquita(2010.1.21)
    →愛オークス(GI)ほか。牝馬
  29. Leading Light(2010.3.6)
    →英セントレジャーS(GI)、アスコットゴールドC(英GI)ほか
  30. Bracelet(2011.1.24)
    →愛オークス(GI)ほか。牝馬
  31. Gallante(2011.3.27)
    →パリ大賞(仏GI)、シドニーC(豪GI)ほか。せん馬

31頭のうち牡馬20頭、せん馬5頭、牝馬6頭と牡馬優勢の仔出しで、仔たちが勝ったレースからはクラシックディスタンスに強い種牡馬ということが見て取れます。その中でも英ダービー馬を4頭も送り込んでいるところが、サスガに20世紀末の欧州最強馬。直仔に英ダービー馬4頭というのは、Montjeuが達成した時点では他にはSir Peter Teazle(1784)、Cyllene(1895)、Blandford(1919.5.26)の3頭しか果たしておらず、Montjeuがいかに優れた選手権距離得意の種牡馬であったかということの証明ではないでしょうか。後にGalileo(1998.3.30)が英ダービー馬5頭を輩出して新記録を打ち立てましたが、Montjeuがもう少し長生きしていたら、先に新記録を打ち立てたのはMontjeuになっていたかも知れません。

Montjeuは初年度産駒のMotivatorが凱旋門賞連覇の名牝Treve(2010.4.7)を輩出し、Pour Moiの仔Wings of Eagles(2014.3.17)がアップセットを見せて英ダービーを制したように孫世代にも活躍馬は見えます。ただ、父系の勢いとしては同系統のGalileoとその仔たちに押され気味という感もあります。ともあれ、後継真打ちとも言えるCamelotはLatrobe(2015.1.28)Sir Dragonet(2016.2.9)Russian Camelot(2017.3.29)Even So(2017.4.25)Sammarco(2019.4.19)Luxembourg(2019.3.24)等を送り込んで頑張っています。新国産の鬼っ子短距離馬だったTavistockは14歳の早世が惜しまれますが世代交代を果たしていますし、日本では2018年の宝塚記念(GI)でミッキーロケット(2013.3.3)の2着だったWerther(2011.10.2)も印象深い。

Montjeu、20世紀末の欧州最強馬の血が、後世に受け継がれていくことを切に願うばかりです。

 

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[Montjeu(1996.4.4)の主な競走成績]

  1. 凱旋門賞(仏GI)、”キング・ジョージ”(英GI)、ジョッケクルブ賞(仏GI)、愛ダービー(GI)、サンクルー大賞(仏GI)、タタソールズゴールドC(愛GI)、フォワ賞(仏GII)、ニエル賞(仏GII)、グレフュール賞(仏GII)
  2. 英チャンピオンS(GI)、リュパン賞(仏GI)

通算16戦11勝、2着2回。

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