ケイアイノーテック 牡 鹿毛 2015.4.7生 新冠・隆栄牧場生産 馬主・亀田和弘氏 栗東・平田修厩舎
ディープインパクト 鹿毛 2002.3.25 種付け時活性値:1.00 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
Cosmah 1953.4.4 | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 1963.2.17 | ||
Mountain Flower 1964.3.23 | |||
ウインドインハーヘア 鹿毛 1991.2.20 |
Alzao 鹿毛 1980.2.28 |
Lyphard 1969.5.10 | |
Lady Rebecca 1971.2.28 | |||
Burghclere 鹿毛 1977.4.26 |
Busted 1963.3.16 | ||
Highclere 1971.4.9 | |||
ケイアイガーベラ 栗毛 2006.4.27 仔受胎時活性値:2.00 |
Smarty Jones 栗毛 2001.2.28 種付け時活性値:1.00 |
Elusive Quality 鹿毛 1993.1.27 |
★Gone West 1984.3.10 |
Touch of Greatness 1986.4.30 | |||
I’ll Get Along 鹿毛 1992.3.11 |
Smile 1982.3.26 | ||
Dont Worry Bout Me 1983.3.5 | |||
アンナステルツ 鹿毛 1996.3.24 仔受胎時活性値:0.25 |
Danzig 鹿毛 1977.2.12 種付け時活性値:0.50 |
Northern Dancer 1961.5.27 | |
Pas de Nom 1968.1.27 | |||
Edge 栗毛 1978.4.10 仔受胎時活性値:0.25 |
Damascus 鹿毛 1964.4.14 種付け時活性値:1.25 |
||
Ponte Vecchio 鹿毛 1970.3.18 仔受胎時活性値:1.75 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×4>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ディープインパクト (Halo系) |
Smarty Jones (Mr. Prospector系) |
Danzig (Northern Dancer系) |
Damascus (Sword Dancer系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Damascus (ケイアイガーベラ) |
4.25 |
母がGIII2勝馬 (No. 9-e) |
2番仔 (2連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 3F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 11 | ケイアイノーテック | 牡3 | 57 | 藤岡佑介 | 1:32.8 | 33.7 |
456 [0] |
平田修 | 6 | |
2 | 9 | ギベオン | 牡3 | 57 | M.デムーロ | 1:32.8 | クビ | 34.5 |
508 [+6] |
藤原英昭 | 2 |
3 | 17 | レッドヴェイロン | 牡3 | 57 | 岩田康誠 | 1:32.8 | アタマ | 34.1 |
474 [+4] |
石坂正 | 9 |
4 | 16 | ミスターメロディ | 牡3 | 57 | 福永祐一 | 1:33.0 | 3/4 | 34.9 |
486 [+4] |
藤原英昭 | 7 |
5 | 5 | プリモシーン | 牝3 | 55 | 戸崎圭太 | 1:33.0 | クビ | 34.0 |
478 [0] |
木村哲也 | 5 |
2018年の第23回NHKマイルカップ。「栴檀は双葉より芳し」という言葉もありますが、2015年生まれ世代におけるJRA新馬戦勝ち馬の第1号だったケイアイノーテック、東京芝1600mの大一番で出走18頭中唯一となる上がり3ハロン33秒台の切れ味を見せて、見事3歳マイル王に輝きました。最後の最後、よくぞ届いたもの。 ケイアイノーテック、その馬名意味は「冠名+水上の(仏)」ということです。
ケイアイノーテックの鞍上の藤岡佑介騎手は、デビュー15年目の嬉しい嬉しいJRA・GI初勝利。昨日、第66回京都新聞杯(GII)を制したステイフーリッシュ(2015.2.22)を紹介した際、
今回テン乗りとなった藤岡佑介騎手は、2018年は重賞で「上手い」と思わされる騎乗も目立ちます。ホントに、ここいらでJRA・GI勝ちを収めて、さらなる飛躍を見せて欲しいものです。
と書いたら、すぐにJRA・GI勝ちを収めてくれました^^。ジーワン勝利自体は、サマーウインド(2005.5.25)の2010年の第10回JBCスプリント(JpnI)、サマリーズ(2010.5.6)の2012年の第63回全日本2歳優駿(Jpn)により遂げられていましたが、JRAでの勝利は、また格別なものでしょう。ケイアイノーテック、ステイフーリッシュ共にテン乗りによる勝利でしたが、初騎乗で重賞をポンポンと勝たれるのですから、藤岡騎手のその技量、確かなものです。NHKマイルカップは藤岡佑介、藤岡康太の兄弟騎手に縁のあるGIとなり、弟の康太騎手のGI初勝利が、2009年の第14回、ジョーカプチーノ(2006.4.11)によるものでした。また、管理される平田修調教師は、2012年の第17回のカレンブラックヒル(2009.2.19)以来となるNHKマイルカップ2勝目となり、このゴールデンウィーク中にはゴールドドリーム(2013.4.19)により第30回かしわ記念(JpnI)制覇も遂げられており、正に黄金週間となりました。併せて、馬主の亀田和弘氏も嬉しいGI初制覇、生産の隆栄牧場はニシノスキー(1980.4.1)で制した1982年の第34回朝日杯3歳S(現朝日杯フューチュリティS、GI)以来36年ぶりとなるGI級レースの勝利でした。皆様、おめでとうございました。
*
ケイアイノーテックの最優性先祖である曾祖母父Damascusは現役時代に21勝を挙げ、その主な勝ち鞍に第99回ベルモントS(現米GI)、第92回プリークネスS(現米GI)、第104回トラヴァーズS(現米GI)、第49回ジョッキークラブゴールドC(現米GI)、第14回ウッドワードS(現米GI)、第17回マリブS(現米GI)などを含む、1960年代を飾る米国の名馬の一角です。特によく知られているのが、1967年に行われた第14回ウッドワードS。1歳年上のBuckpasser(1963.4.28)、同い年のDr. Fager(1964.4.6)という、やはり米国史上に残る名馬2頭を向こうに回して、10馬身差の大圧勝を収めました。
第14回ウッドワードSのラストは、もっぱらBuckpasserとDr. Fagerの2着争いに焦点が当たり、肝心のDamascusは、ゴール後にちょこっとだけ映っています。2頭のはるか前方でゴールしていたDamascus、神懸り的な強さを見せた一戦でした。
そんなDamascusは種牡馬としても活躍し、米国におけるTeddy(1913)系の中興の祖とも言うべき存在となりました。以下、代表産駒と共に示すGレースのレース名および格付けは、いずれも施行当時のものです。
- Gold and Myrrh(1971.4.5)
→メトロポリタンH(米GI)、ガルフストリームパークH(米GI)ほか - ジヤツジヤー(1971.3.29)
→フロリダダービー(米GI)、ブルーグラスS(米GI)ほか。スーパーショット(1983.4.18)の父 - ラバージヨン(1971.2.23)
→アーリントンワシントンフューチュリティ(米GI)ほか。ニッポーテイオー(1983.4.21)、タレンティドガール(1984.4.27)の母父 - Soy Numero Uno(1973.4.21)
→フューチュリティS(米GI)ほか - Pacific Princess(1973.5.10)
→デラウェアオークス(米GI)ほか。ビワハヤヒデ(1990.3.10)、ナリタブライアン(1991.5.3)、ファレノプシス(1995.4.4)、キズナ(2010.3.5)の祖母 - Private Account(1976.4.26)
→ガルフストリームパークH(米GI)、ワイドナーH(米GI)ほか - Highland Blade(1978.4.26)
→ブルックリンH(米GI)、マールボロC招待H(米GI)、パンアメリカンH(米GI)ほか - Desert Wine(1980.2.23)
→ハリウッドゴールドC(米GI)、チャールズH.ストラブS(米GI)、カリフォルニアンS(米GI)ほか - Time for a Change(1981.1.13)
→フラミンゴS(米GI)ほか - オジジアン(1983.3.17)
→ジェロームH(米GI) 、フューチュリティS(米GI)、ドワイヤーS(米GI)ほか。エイシンワシントン(1991.5.5)の父 - Crusader Sword(1985.4.7)
→ホープフルS(米GI)ほか - Eastern Echo(1988.3.4)
→フューチュリティS(米GI)
カタカナ馬名の産駒もチラホラ見え、そしてまた日本では、やはりPacific Princessの存在が大きいですね。0の理論的にはDamascusが満8歳時のミニモの遺伝を受けたPacific Princess、孫の世代に名馬を続出させました。
*
藤岡佑介騎手にGI初勝利をプレゼントしたケイアイノーテック。藤岡騎手にとっては、武豊騎手の騎乗停止に伴う代役で回って来たチャンスでしたが、それを勝利で射止めたのですから、次走以降も藤岡騎手と共に頑張って欲しいと願います。藤岡騎手、ケイアイノーテックと共に、いざ行かんマイル王者への道。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。