カルティエ賞年度代表馬を辿る(其の拾肆)-Ouija Board(2001.3.6)-

Horse of the Year

Ouija Board(ウィジャボード) 牝 黒鹿毛 2001.3.6生 英国・Stanley Estate & Stud Co. 生産 馬主・Lord Derby 英国・Edward A. L. Dunlop厩舎

Ouija Board(2001.3.6)の4代血統表
Cape Cross
鹿毛 1994.3.13
種付け時活性値:1.50
Green Desert
鹿毛 1983.4.16
Danzig
鹿毛 1977.2.12
Northern Dancer 1961.5.27
Pas de Nom 1968.1.27
Foreign Courier
鹿毛 1979.4.11
Sir Ivor 1965.5.5
Courtly Dee 1968.3.8
Park Appeal
黒鹿毛 1982.4.9
Ahonoora
栗毛 1975.4.12
Lorenzaccio 1965.2.23
Helen Nichols 1966
Balidaress
芦毛 1973.4.22
Balidar 1966
Innocence 1968
Selection Board
鹿毛 1982.4.21
仔受胎時活性値:0.50
Welsh Pageant
鹿毛 1966.4.3
種付け時活性値:1.75
Tudor Melody
黒鹿毛 1956
Tudor Minstrel 1944.2.16
Matelda 1947
Picture Light
鹿毛 1954
Court Martial 1942.3.20
Queen of Light 1949
Ouija
黒鹿毛 1971
仔受胎時活性値:0.50
★Silly Season
黒鹿毛 1962.2.23
種付け時活性値:0.00
Tom Fool 1949.3.31
Double Deal 1946
Samanda
栗毛 1956
仔受胎時活性値:1.50
Alycidon
栗毛 1945.3.15
種付け時活性値:0.50
Gradisca
栗毛 1943
仔受胎時活性値:1.00

<5代血統表内のクロス:なし>

Ouija Board(2001.3.6)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Cape Cross
(Danzig系)
Welsh Pageant
(Owen Tudor系)
★Silly Season
(Tom Fool系)
Alycidon
(Blenheim系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Welsh Pageant
(Selection Board)
3.50 仔に英ダービー馬Australia
(No. 12-b)
10番仔?
(前年産駒なし後?)

*

2004年の第226回英オークス(GI。エプソムダウンズ芝12F10y)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 3 Ouija Board 牝3 57.2 Kieren Fallon 2:35.41 Ed Dunlop 4
2 6 All Too Beautiful 牝3 57.2 Jamie Spencer 7 A P O’Brien 1
3 2 Punctilious 牝3 57.2 Frankie Dettori 3 1/2 Saeed bin Suroor 3
4 5 Necklace 牝3 57.2 Johnny Murtagh 1 1/2 A P O’Brien 5
5 7 Crystal 牝3 57.2 Michael Hills 18 Brian Meehan 6

*

2004年の第110回愛オークス(GI。カラ芝12F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 4 Ouija Board 牝3 57.2 Kieren Fallon 2:28.20 Ed Dunlop 1
2 2 Punctilious 牝3 57.2 Frankie Dettori 1 Saeed bin Suroor 3
3 3 Hazarista 牝3 57.2 Mick Kinane 3/4 John M Oxx 5
4 1 All Too Beautiful 牝3 57.2 Jamie Spencer 7 A P O’Brien 2
5 7 Marinnette 牝3 57.2 Seamie Heffernan 4 M P Sunderland 7

*

2004年の第6回ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ(米GI。ローンスターパーク芝11F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 5 Ouija Board 牝3 53.5 Kieren Fallon 2:18.25 Ed Dunlop 1
2 3 Film Maker 牝4 55.8 John R Velazquez 1 1/2 H Graham Motion 8
3 12 Wonder Again 牝5 55.8 Edgar S Prado クビ James J Toner 5
4 4 Moscow Burning 牝4 55.8 Jose Valdivia Jr 2 3/4 James Cassidy 8
5 11 Yesterday 牝4 55.8 Jamie Spencer 1 1/4 A P O’Brien 3

*

2005年の第12回香港ヴァーズ(GI。シャティン芝2400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 7 Ouija Board 牝4 55.3 Kieren Fallon 2:28.90 Ed Dunlop 2
2 11 シックスセンス 牡3 54.9 四位洋文 2 3/4 長浜博之 11
3 8 Best Gift せん4 57.2 Douglas Whyte 短アタマ John Moore 5
4 4 Shamdala 牝3 54.0 Christophe Soumillon 1/2 A De Royer-Dupre 5
5 6 Westerner 牡6 57.2 Olivier Peslier 1/2 E Lellouche 1

*

2006年の第113回プリンスオブウェールズS(英GI。アスコット芝10F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 3 Ouija Board 牝5 55.8 Olivier Peslier 2:06.92 Ed Dunlop 3
2 4 Electrocutionist 牡5 57.2 Frankie Dettori 1/2 Saeed bin Suroor 2
3 2 Manduro 牡4 57.2 Christophe Soumillon 3/4 A Fabre 5
4 5 デビッドジュニア 牡4 57.2 Jamie Spencer 3/4 Brian Meehan 1
5 7 Notnowcato 牡4 57.2 Mick Kinane 短アタマ Sir Michael Stoute 5

*

2006年のナッソーS(英GI。グッドウッド芝10F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 1 Ouija Board 牝5 59.4 Frankie Dettori 2:04.47 Ed Dunlop 1
2 3 Alexander Goldrun 牝5 59.4 Kevin Manning 短アタマ J S Bolger 3
3 4 Nannina 牝3 55.3 Jimmy Fortune 2 John Gosden 2
4 7 Chelsea Rose 牝4 59.4 P Shanahan 2 1/2 C Collins 5
5 5 Echelon 牝4 59.4 Kevin Darley 2 Sir Michael Stoute 6

*

2006年の第8回ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ(米GI。チャーチルダウンズ芝11F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 2 Ouija Board 牝5 55.8 Frankie Dettori 2:14.55 Ed Dunlop 1
2 4 Film Maker 牝6 55.8 Edgar S Prado 2 1/4 H Graham Motion 5
3 5 Honey Ryder 牝5 55.8 John R Velazquez クビ Todd Pletcher 4
4 7 Wait A While 牝3 54.0 G K Gomez 1 3/4 Todd Pletcher 2
5 9 Satwa Queen 牝4 55.8 Thierry Thulliez 1 Jean De Roualle 3

*

2004年と2006年のカルティエ賞年度代表馬、Ouija Board(ウィジャボード)。カルティエ賞創設以来、初めて「2回」年度代表馬に選出された名牝は、2005年の第25回ジャパンカップ(GI)5着、2006年の第26回ジャパンカップ3着と2年連続で来日してくれたことでもお馴染みです。そしてまた、ダービー卿の「黒、白第二ボタン」の勝負服。Ouija Boardのオーナーブリーダーである第19代ダービー伯爵は、Ouija Boardの現役当時、所有馬はOuija Board唯1頭でした。

Ouija Boardは2004年の3歳時にGI3勝、2005年の4歳時にGI1勝、そして2006年の5歳時にGI3勝と、3年連続GI制覇を遂げてGI7勝。消長の激しい牝馬でありながら、3年連続でGI勝ちを収めているところが素晴らしい。そしてまた、牝馬限定戦にとどまらず、4歳時の香港ヴァーズは牝馬として3頭目の制覇、5歳時のプリンスオブウェールズSは113回の歴史で牝馬として6頭目の制覇と、牡馬相手に2000m超級のGIを2勝しているところに凄みがあります。

そんなカルティエ賞年度代表馬に2回選出された稀代の名牝は、競走馬として超一流であると共に、繁殖牝馬としても超一流。以下にOuija Boardとその代表産駒について牝系図で記しておきます。

Ouija Board 2001.3.6 (本馬) 10勝 英オークス(GI) 愛オークス(GI) プリンスオブウェールズS(英GI) 香港ヴァーズ(香GI) ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ(米GI)2回 ナッソーS(英GI)ほか
|Our Voodoo Prince 2008.2.9 9勝 イースターC(豪GIII)ほか
|Australia 2011.4.8 5勝 英ダービー(GI) 愛ダービー(GI) 英インターナショナルS(GI)ほか
|Frontiersman 2013.2.10 現役 コロネーションC(英GI)2着 プリンセスオブウェールズS(英GII)2着ほか

Ouija Boardの4番仔Australia(2011.4.8)は第235回英ダービー、第149回愛ダービー、第43回英インターナショナルSとGI3勝を遂げる大活躍。Australiaは「父Galileo×母Ouija Board」というカップリングですが、これは「英ダービー馬×英オークス馬」かつ「愛ダービー馬×愛オークス馬」の組み合わせ。エプソムダウンズ芝12Fのクラシック勝ち馬どうしから送り出された英ダービー馬の第1号はラムタラ(1992.2.2)でしたが、カラ芝12Fのクラシック勝ち馬どうしから送り出された愛ダービー馬の第1号はAustraliaでした(参考WEB:世界の名馬列伝集: オーストラリア)。

#余談。思えばOuija Boardが第226回英オークスで7馬身突き放したAll Too Beautiful(2001.4.30)は、Galileo(1998.3.30)の全妹ですね。また、ラムタラの母Snow Bride(1986.2.28)は第211回英オークスの勝ち馬ですが、Aliysa(1986.2.11)の1位入線失格に伴う、繰り上がり優勝でした。故に「英ダービー1位入線馬×英オークス1位入線馬」の組み合わせから送り出された英ダービー馬ということでは、Australiaが第1号です。

近年、Ouija Boardは不受胎が続いて仔に恵まれていないようですが、Australiaに続く大物の仔を送り出して欲しいものです。そしてまた、母が果たせなかったジャパンカップ制覇を見てみたいと、極東のファンのひとりとして、密かに期待しておきます。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[Ouija Boardの主な競走成績]

  1. 英オークス(GI)、愛オークス(GI)、プリンスオブウェールズS(英GI)、香港ヴァーズ(GI)、ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ(米GI)2回、英ナッソーS(GI)、プリンセスロイヤルS(英GIII)
  2. コロネーションC(英GI)、愛チャンピオンS(GI)、ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ(米GI)
  3. ジャパンカップ(GI)、凱旋門賞(仏GI)、クイーンエリザベス2世カップ(香GI)

通算22戦10勝、2着3回、3着5回。

<参考WEB>

競馬 ウィジャボード 5戦目からのダイジェスト
競馬 ウィジャボード 5戦目からのダイジェスト ウィジャ姐さんの寄せ集め。重賞初挑戦となった英オークスからの18戦です。(2004年カルティエ賞年度代表...
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