コマンダーインチーフ(1990.5.18)-初めて意識をして見たクラシック世代を辿る(海外編・No.1)-

espmadrid - 1993 Ever Ready Derby Stakes [sAnWa9gxDkU - 1280x960 - 4m23s] Series
espmadrid - 1993 Ever Ready Derby Stakes [sAnWa9gxDkU - 1280x960 - 4m23s]

コマンダーインチーフ(Commander in Chief) 牡 鹿毛 1990.5.18生~2007.6.12没 英国・Juddmonte Farms生産 馬主・Khalid Abdullah 英国・Sir Henry Cecil厩舎

コマンダーインチーフ(1990.5.18)の4代血統表
ダンシングブレーヴ
鹿毛 1983.5.11
種付け時活性値:1.50【6】
Lyphard
鹿毛 1969.5.10
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Goofed
栗毛 1960.3.29
Court Martial 1942
Barra 1950
Navajo Princess
鹿毛 1974.3.31
Drone
芦毛 1966.4.1
Sir Gaylord 1959.2.12
Cap and Bells 1958.5.21
Olmec
栗毛 1966
Pago Pago 1960.9.1
Chocolate Beau 1958.3.12
Slightly Dangerous
鹿毛 1979.4.8
仔受胎時活性値:0.50【10】
Roberto
鹿毛 1969.3.16
種付け時活性値:0.25【9】
▲Hail to Reason
黒鹿毛 1958.4.18
Turn-to 1951
Nothirdchance 1948
Bramalea
黒鹿毛 1959.4.12
Nashua 1952.4.14
Rarelea 1949
Where You Lead
栗毛 1970.4.23
仔受胎時活性値:2.00【8】
★Raise a Native
栗毛 1961.4.18
種付け時活性値:0.00【8】
Native Dancer 1950.3.27
Raise You 1946
Noblesse
栗毛 1960
仔受胎時活性値:0.25【9】
Mossborough
栗毛 1947
種付け時活性値:1.00【12】
Duke’s Delight
栗毛 1946
仔受胎時活性値:1.25【13】

<5代血統表内のクロス:Turn-to4×5、Native Dancer4×5、Nearco5×5>

コマンダーインチーフ(1990.5.18)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ダンシングブレーヴ
(Lyphard系)
Roberto
(Hail to Reason系)
★Raise a Native
(Native Dancer系)
Mossborough
(Nearco系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ダンシングブレーヴ
(Navajo Princess)
4.00
(【10】+【8】+【9】+【13】)
半兄ウォーニング
(No. 14-f)
7番仔
(7連産目)

*

1993年の第214回英ダービー(GI。エプソムダウンズ芝12F10y)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 6 コマンダーインチーフ 牡3 57.2 Mick Kinane 2:34.51 Sir Henry Cecil 2
2 3 Blue Judge 牡3 57.2 B Raymond 3 1/2 J S Bolger 12
3 13 Blues Traveller 牡3 57.2 Darryll Holland 2 1/2 B W Hills 12
4 9 Cairo Prince 牡3 57.2 W Carson 3 Peter Chapple-Hyam 11
5 1 Barathea 牡3 57.2 M Roberts 短アタマ Luca Cumani 4

父ダンシングブレーヴが2着に敗れた英ダービーの無念を晴らした孝行息子コマンダーインチーフ。英ダービーは当時は代打屋でもあったマイケル・キネーン騎手のテン乗りによる勝利でした。コマンダーインチーフの主戦であったパット・エデリー騎手は、前走ダンテS(英GII)を3馬身差で制していた同じハーリド・ビン・アブドゥッラーの持ち馬の1番人気馬で、やはり主戦を務めていたテンビー(1990.1.21)に騎乗されたのです。戦前まで3戦3勝だったとはいえグループレース勝ちが無かったコマンダーインチーフと天秤にかけると、それは仏グランクリテリウム(GI)勝ちを含み戦前まで5戦5勝だったテンビーを選択されるのは道理です。ただ「最強の刺客」はステーブルメイトだったという結末。英ダービーのゴール前のコマンダーインチーフを捉えた、見開き2ページを使用した月刊『優駿』1993年7月号の大写しの写真は忘れられない一葉です。

日本に輸入された凱旋門賞馬を辿る(其の肆)-ダンシングブレーヴ(1983.5.11)&トニービン(1983.4.7)-
ダンシングブレーヴ(Dancing Brave) 牡 鹿毛 1983.5.11生~1999.8.2没 米国・Glen Oak Farm & Taylor Made Farm生産 馬主・Khalid Abdullah 英国・Guy Harwood厩舎トニービン(Tony Bin) 牡 鹿毛 1983.4.7生~2000.3.10没 愛国・P. J. B. O'Callaghan生産 馬主・Allevamento White Star 伊国・Luigi Camici厩舎

*

1993年の第128回愛ダービー(GI。カラ芝12F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 8 コマンダーインチーフ 牡3 57.2 Pat Eddery 2:31.20 Sir Henry Cecil 1
2 7 Hernando 牡3 57.2 C Asmussen 3/4 F Boutin 2
3 3 Foresee 牡3 57.2 Johnny Murtagh 3 John M Oxx 5
4 4 Regency 牡3 57.2 W Carson 5 Mme C Head-Maarek 3
5 10 Massyar 牡3 57.2 Mick Kinane 2 John M Oxx 3

英ダービー馬とジョッケクルブ賞(仏GI)勝ち馬の激突となった愛ダービー。単勝1.57倍の1番人気馬コマンダーインチーフ、単勝3.25倍の2番人気馬Hernando(1990.2.8)。先行3番手から先に抜け出したコマンダーインチーフ、道中コマンダーインチーフをマークするかのように5番手に構えていたHernando。カラ芝の直線およそ547ヤードのゴールポストまでの2ハロンは英仏のダービー馬どうしのまさに一騎討ちでしたが、軍配は4分の3馬身差でコマンダーインチーフに上がりました。Hernandoが詰め寄りにかかれば、その分だけ伸びたコマンダーインチーフ。これは真に強い馬だけが見せることができる、ライバルのねじ伏せ方です。名手エデリー騎手をして

‘I would say he is now a top horse and I would have to compare him with all the good ones I’ve ridden over the years,’ he said.

Racing: Commander proves Curragh overlord: Pat Eddery hails the dual-Derby winner as among the best he has ridden while the French falter again | The Independent

と言わしめたコマンダーインチーフ、5戦5勝、無敗での英愛ダービーダブル制覇でした。なお、英愛ダービーを無敗で制したのはNijinsky(1967.2.21)Kahyasi(1985.4.2)に続いて史上3頭目の快挙でもありました。

*

現役引退後は日本に輸入されて優駿スタリオンステーションで繋養されたコマンダーインチーフ。代表産駒を確認しておきますと、

  1. アインブライド(1995.4.14)
    →阪神3歳牝馬S(GI)ほか。牝馬
  2. レギュラーメンバー(1997.6.16)
    →JBCクラシック(統一GI)、川崎記念(統一GI)、ダービーグランプリ(統一GI)ほか。牡馬
  3. マイネルコンバット(1997.3.14)
    →ジャパンダートダービー(統一GI)ほか。牡馬
  4. スエヒロコマンダー(1995.3.25)
    →鳴尾記念(GII)、小倉大賞典(GIII)ほか。牡馬
  5. クリールサイクロン(1995.4.14)
    →スプリングS(GII)、新潟3歳S(GIII)ほか。牡馬
  6. ハギノハイグレイド(1996.4.21)
    →東海S(GII)2回、アンタレスS(GIII)ほか。牡馬
  7. トップコマンダー(1997.5.20)
    →日経新春杯(GII)ほか。牡馬
  8. イブキガバメント(1996.4.20)
    →鳴尾記念(GIII)、朝日チャレンジC(GIII)ほか。牡馬
  9. タマモヒビキ(1996.5.22)
    →小倉大賞典(GIII)。牡馬
  10. メイショウキオウ(1997.3.17)
    →中京記念(GIII)ほか。牡馬
  11. ミスイロンデル(1999.3.10)
    →兵庫ジュニアグランプリ(GIII)ほか。牝馬

芝ダート、早生、晩生、多様なタイプが輩出されました。中でもいちばん印象に残っているのは初年度産駒の1頭で結果的に最初で最後のJRA・GI勝ちを収めたアインブライドです。

気が付けば28年前となりますが、古川吉洋騎手のアインブライド以来のGI制覇も期待しています。

*

という訳で今年2025年は全10回の予定で、私が初めて意識をして見たクラシック世代である1990年生まれ世代、1993年に北半球の諸外国でクラシックを制した馬たちを紹介していきたいと思います。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

[コマンダーインチーフ(1990.5.18)の主な競走成績]

  1. 英ダービー(GI)、愛ダービー(GI)
  2. “キング・ジョージ”(英GI)

通算6戦5勝、3着1回。

#コマンダーインチーフの仔と言えば、ゴッドインチーフ(1996.3.19)も忘れ難いですね。エルフィンS(OP)でタイキポーラ(1996.4.28)を8馬身突き放したレースが鮮やかでしたので「今年の牝馬クラシックの主役はこの馬か」と思ったもの。ただ後が続かず早生の早枯れかと思いきや、古馬になってからダートのオープン競走で好戦した姿を見て「偉いなぁ」とも思いました。ゴッドインチーフの砂上手なところは代を経て昇華され、孫にミューチャリー(2016.3.31)が現れたのは素晴らしかった。

ミューチャリー(2016.3.31)-第21回JBCクラシック(JpnI)の勝ち馬-
ミューチャリー 牡 芦毛 2016.3.31生 新冠町・芳住 鉄兵氏生産 馬主・石瀬 丈太郎氏 船橋・矢野 義幸厩舎
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