Siyouni(2007.2.14)-北の踊り子とその子孫を辿る(No.16)-

Series

Siyouni(シユーニ) 牡 鹿毛 2007.2.14生 仏国・Haras De Son Altesse L’Aga Khan Scea生産 馬主・H H Aga Khan 仏国・A De Royer-Dupre厩舎

Siyouni(2007.2.14)の4代血統表
Pivotal
栗毛 1993.1.19
種付け時活性値:1.25【13】
Polar Falcon
黒鹿毛 1987.6.1
Nureyev
鹿毛 1977.5.2
Northern Dancer 1961.5.27
Special 1969.3.28
Marie d’Argonne
栗毛 1981.3.21
Jefferson 1967.4.25
Mohair 1974.3.8
Fearless Revival
栗毛 1987.3.3
Cozzene
芦毛 1980.5.8
Caro 1967.4.11
Ride the Trails 1971.5.28
Stufida
鹿毛 1981.3.12
Bustino 1971.4.14
Zerbinetta 1970
Sichilla
鹿毛 2002.2.28
仔受胎時活性値:1.00【4】
デインヒル
鹿毛 1986.3.26
種付け時活性値:1.75【15】
Danzig
鹿毛 1977.2.12
Northern Dancer 1961.5.27
Pas de Nom 1968.1.27
Razyana
鹿毛 1981.4.18
His Majesty 1968.4.15
Spring Adieu 1974.5.10
Slipstream Queen
鹿毛 1990.6.2
仔受胎時活性値:0.75【11】
Conquistador Cielo
鹿毛 1979.3.20
種付け時活性値:0.50【10】
★Mr. Prospector 1970.1.28
K D Princess 1971.4.5
Country Queen
鹿毛 1975.3.26
仔受胎時活性値:1.50【14】
Explodent
鹿毛 1969.5.19
種付け時活性値:1.25【5】
Carrie’s Rough
鹿毛 1965
仔受胎時活性値:0.25【9】

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×4、Nearctic5×5×5、Natalma(♀)5×5×5>

Siyouni(2007.2.14)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Pivotal
(Nureyev系)
デインヒル
(Danzig系)
Conquistador Cielo
(Mr. Prospector系)
Explodent
(Nearctic系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
デインヒル 3.50 半妹がGI2勝馬
(No. 12-b)
初仔

*

2009年の第150回ジャン・リュック・ラガルデール賞(仏GI。ロンシャン芝1400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 1 Siyouni 牡2 57 Gerald Mosse 1:19.50 A De Royer-Dupre 4
2 7 Pounced 牡2 57 Jimmy Fortune 1 1/2 John Gosden 5
3 3 Buzzword 牡2 57 Ahmed Ajtebi 1/2 Saeed bin Suroor 3
4 2 Lope De Vega 牡2 57 Maxime Guyon 3/4 A Fabre 1
5 5 Dick Turpin 牡2 57 Richard Hughes 1 Richard Hannon Snr 2

2009年の第150回ジャン・リュック・ラガルデール賞。後になって振り返ってみれば、このレースの上位5頭はかなりしっかりした戦績を残した馬たちばかりでした。

  1. Siyouni(2007.2.14)
    →本稿の主役。ジャン・リュック・ラガルデール賞(仏GI)ほか
  2. Pounced(2007.4.14)
    →ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフ(米GII)ほか
  3. Buzzword(2007.4.5)
    →独ダービー(独GI)、ラロシェット賞(仏GIII)ほか
  4. Lope de Vega(2007.2.19)
    →ジョッケクルブ賞(仏GI)、仏2000ギニー(GI)ほか
  5. Dick Turpin(2007.4.30)
    →ジャンプラ賞(仏GI)、ヴィットーリオ・ディ・カープア賞(伊GI)、サマーマイルS(英GII)、サンダウンマイル(英GII)、リッチモンドS(英GII)、グリーナムS(英GIII)ほか。

そんな一戦を制したアガ・カーン殿下の緑の勝負服を背にした鹿毛の鼻面に白ひとつのSiyouni。祖父Polar FalconがスプリントC(英GI)勝ち、父PivotalがナンソープS(英GI)勝ち、そして自身がジャン・リュック・ラガルデール賞勝ちと父仔3代で欧州の短距離GI制覇を果たしました。

#3着のBuzzwordは「Pivotal×デインヒル牝馬」ということでSiyouniと近似の配合馬。4着のLope de Vegaは父Shamardal(2002.3.27)との父仔2代の仏二冠馬にして、現代におけるStorm Cat(1983.2.27)系種牡馬の旗手の1頭。そして5着のDick TurpinはNureyev直仔で英GIII2勝のArakan(2000.2.11)を父に持つのですが、実は母父が「ビワハヤヒデ(1990.3.10)の父」であるシャルード(1983.4.15)です。

*

北の踊り子とその子孫を辿る」シリーズはGalileo(1998.3.30)で終わろうと考えていたのです。が、巨星は2021年に不意に逝ってしまいました。

Galileo(1998.3.30)
Galileo(ガリレオ) 牡 鹿毛 1998.3.30生~2021.7.10没 愛国・D Tsui and Orpendale生産 馬主・Mrs John Magnier & Michael Tabor 愛国・A P O'Brien厩舎

↑で引いた記事では種牡馬としての成績についても「言わずもがな」ではありますが、そちらは「北の踊り子とその子孫を辿る」シリーズの後続回に譲りますと書いていたのです。けれど、種牡馬成績がOngoingの馬を書くのであれば現役種牡馬が良いと思い直し、Into Mischief(2005.3.28)とSiyouniを秤にかけて、私と同じ年に生まれたNureyevに思い入れがあることと、4×4のインブリードでNorthern Dancerを強調した配合馬であることから、Siyouniをシリーズ最後の紹介馬にしようと思いました。

2022年のスタッドフィーは14万ユーロ、日本円にして約1950万円という超一流種牡馬まで登り詰めたSiyouni。2022年現時点での代表産駒を確認してみますと、

  1. Ervedya(2012.4.13)
    →仏1000ギニー(GI)、ムーラン・ド・ロンシャン賞(仏GI)、コロネーションS(英GI)ほか。牝馬
  2. Laurens(2015.4.12)
    →ディアヌ賞(仏GI)、サンタラリ賞(仏GI)、ロートシルト賞(仏GI)、サンチャリオットS(英GI)、フィリーズマイル(英GI)、愛メイトロンS(GI)ほか。牝馬
  3. Sottsass(2016.3.24)
    →ジョッケクルブ賞(仏GI)、凱旋門賞(仏GI)、ガネー賞(仏GI)ほか
  4. エトワールII(2016.1.22)★
    →E.P.テイラーS(加GI)ほか。牝馬
  5. ドリームアンドドゥ(2017.2.19)
    →仏1000ギニー(GI)ほか。牝馬
  6. St Mark’s Basilica(2018.3.18)
    →ジョッケクルブ賞(仏GI)、仏2000ギニー(GI)、エクリプスS(英GI)、愛チャンピオンS(GI)、デューハーストS(英GI)ほか

むぅ。弊サイトで記事にしている3頭が本当に強い馬たちですね^^;

第169回ディアヌ賞(仏GI)の勝ち馬-Laurens(2015.4.12)-
Laurens 牝 鹿毛 2015.4.12生 仏国・Bloodstock Agency Ltd生産 馬主・John Dance 英国・K R Burke厩舎Laurens(2015.4.12)の4代血統表Siyouni鹿毛 2007.2....
Sottsass(2016.3.24)-第99回凱旋門賞(仏GI)の勝ち馬-
Sottsass(ソットサス) 牡 栗毛 2016.3.24生 仏国・S.A.S.U. Ecurie Des Moneaux生産 馬主・White Birch Farm 仏国・J-C Rouget厩舎
St Mark's Basilica(2018.3.18)-第46回愛チャンピオンS(GI)の勝ち馬-
St Mark's Basilica(セントマークスバシリカ) 牡 鹿毛 2018.3.18生 仏国・Robert Scarborough生産 馬主・Derrick Smith & Mrs John Magnier & Michael Tabor 愛国・A P O'Brien厩舎

GI6勝の名牝Laurens、ジョッケクルブ賞をレコードで勝ち、凱旋門賞では不良馬場を物ともせず制したSottsass、そして2021年のカルティエ賞年度代表馬St Mark’s Basilica。Sottsassは0の理論的にはSiyouniが8歳時交配のミニモの遺伝を受けており、St Mark’s Basilicaは母父Galileoが8歳時交配のミニモの遺伝を与えています。欧州の種牡馬は、今後は「Galileoフリー」もしくは「Galileoが0化されている」が肝になると思います。Sottsassは「Galileoフリー」、St Mark’s Basilicaは「Galileoが0化されている」ということで、その血が活きてくれることを祈っています。

若干余談的になりますが、Nureyev系が細々となってしまったのは、Sadler’s Wells(1981.4.11)系が爆発的に増えてしまったということもあったのでしょう。かたや叔父Nureyev、こなた甥Sadler’s Wells。勢力としては甥の子孫が圧してしまいましたので。ただ、世代交代が進み、近親性が薄れてきたことにより、Nureyev系も盛り返しに掛かってきた感があります。Sottsass、St Mark’s BasilicaはNorthern Dancerが5代目に退き、そして2頭の仔の代となりますとNureyevが5代目に退くことになりますので、基本は4世代の血統となる0の理論的な見方からすると、分枝が進んで活力を取り戻すというところでしょうか。

*

という訳で、

北の踊り子とその子孫を辿る
No. 馬名
(生年月日)
[F No.]
母の
何番仔?
[料の遺伝]
4代血統構成
母父 祖母父 曾祖母父
1 Northern Dancer
(1961.5.27)

[2-d]
初仔
[2.75]
Nearctic
(Phalaris系)
Native Dancer
(Sickle系)
Mahmoud
(Blandford系)
Peace Chance
(Matchem系)
2 Nijinsky
(1967.2.21)

[8-f]
2番仔
(前年産駒なし後)
[4.75]
Northern Dancer
(Nearctic系)
Bull Page
(Teddy系)
Menow
(Pharamond系)
★Omaha
(Teddy系)
3 Lyphard
(1969.5.10)

[17-b]
3番仔?
(2連産目?)
[4.75 or 2.75]
Northern Dancer
(Nearctic系)
Court Martial
(Fair Trial系)
Formor
(Ksar系)
Biribi
(Rabelais系)
4 ノーザンテースト
(1971.3.15)

[14-c]
4番仔?
(2連産目?)
[4.75 or 2.75]
Northern Dancer
(Nearctic系)
Victoria Park
(Teddy系)
Hyperion
(Gainsborough系)
Abbots Trace
(Rock Sand系)
5 The Minstrel
(1974.3.11)

[8-f]
5番仔?
(4連産目?)
[3.25]
Northern Dancer
(Nearctic系)
Victoria Park
(Teddy系)
Bull Page
(Teddy系)
Menow
(Pharamond系)
6 Be My Guest
(1974.4.12)

[8-c]
5番仔?
(前年産駒なし後?)
[3.00]
Northern Dancer
(Nearctic系)
Tudor Minstrel
(Owen Tudor系)
Stymie
(Himyar系)
Eight Thirty
(Rock Sand系)
7 Danzig
(1977.2.12)

[7-a]
2番仔?
(前年産駒なし後?)
[7.00 or 5.00 or 3.00]
Northern Dancer
(Nearctic系)
★Admiral’s Voyage
(Teddy系)
Petition
(Fair Trial系)
Felstead
(Spearmint系)
8 Nureyev
(1977.5.2)

[5-h]
3番仔
(前年産駒なし後?)
[4.50]
Northern Dancer
(Nearctic系)
Forli
(Hyperion系)
Nantallah
(Nasrullah系)
Gold Bridge
(The Boss系)
9 Deputy Minister
(1979.5.17)

[10-a]
2番仔?
(2連産目?)
[5.75 or 3.75]
Vice Regent
(Northern Dancer系)
Bunty’s Flight
(Fair Play系)
Jabneh
(Black Toney系)
★Polynesian
(Sickle系)
10 Caerleon
(1980.3.27)

[1-s]
5番仔?
(4連産目?)
[3.75]
Nijinsky
(Northern Dancer系)
Round Table
(Princequillo系)
Hail to Reason
(Turn-to系)
Stymie
(Himyar系)
11 Sadler’s Wells
(1981.4.11)

[5-h]
初仔?
[4.25]
Northern Dancer
(Nearctic系)
Bold Reason
(Hail to Reason系)
Forli
(Hyperion系)
Nantallah
(Nasrullah系)
12 El Gran Senor
(1981.4.21)

[8-f]
8番仔
(8連産目)
[4.00]
Northern Dancer
(Nearctic系)
Buckpasser
(Tom Fool系)
Traffic Judge
(Hyperion系)
Mr. Busher
(Man o’ War系)
12+α セクレト
(1981.2.12)

[4-d]
初仔
[5.00]
Northern Dancer
(Nearctic系)
Secretariat
(Bold Ruler系)
Prince John
(Princequillo系)
Royal Charger
(Nearco系)
13 Storm Cat
(1983.2.27)

[8-c]
2番仔?
(2連産目?)
[4.25]
Storm Bird
(Northern Dancer系)
Secretariat
(Bold Ruler系)
Crimson Satan
(Black Toney系)
Bolero
(Rock Sand系)
14 デインヒル
(1986.3.26)

[2-d]
初仔
[4.75 or 2.75]
Danzig
(Northern Dancer系)
His Majesty
(Ribot系)
Buckpasser
(Tom Fool系)
Native Dancer
(Sickle系)
15 Montjeu
(1996.4.4)

[1-u]
5番仔?
(4連産目?)
[4.00]
Sadler’s Wells
(Northern Dancer系)
★Top Ville
(Dante系)
Tennyson
(Brantome系)
ゼダーン
(Grey Sovereign系)
16 Siyouni
(2007.2.14)

[12-b]
初仔
[3.50]
Pivotal
(Nureyev系)
デインヒル
(Danzig系)
Conquistador Cielo
(Mr. Prospector系)
Explodent
(Nearctic系)

と、綴って参りました「北の踊り子とその子孫を辿る」シリーズも、今回で終了です。No.16はSadler’s Wellsが16歳時交配のミニモの遺伝を受けたGalileoで終わるはずだったのに、Siyouniで締めることになったのもまた一興。…どなたですか「Galileoの仔はGI馬が多すぎて、記事が大変になるから回避したんやろう」と、意地の悪いことをおっしゃっているのは(笑)。まま、Galileoについては、私の命があと何十年かつながっていましたら、いつの日にか「巨星とその子孫を辿る」という別シリーズが書ければ良いなと思っています。……むぅ、何歳まで続けるつもりなのか、この辺境WEBサイトを^^;

 

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[Siyouni(2007.2.14)の主な競走成績]

  1. ジャン・リュック・ラガルデール賞(仏GI)
  2. ジャンプラ賞(仏GI)、ロベールパパン賞(仏GII)、フォンテーヌブロー賞(仏GIII)、ラロシェット賞(仏GIII)
  3. ムーラン・ド・ロンシャン賞(仏GI)

通算12戦4勝、2着4回、3着1回。

#Siyouniについてどなたがお話されているのかと思ったら、3歳時の主戦騎手を務められたクリストフ・ルメール騎手でした^^;

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