Serpentine(サーペンタイン) 牡 栗毛 2017.3.20生 愛国・Coolmore生産 馬主・Mrs John Magnier & Michael Tabor & Derrick 愛国・A P O’Brien厩舎
Galileo 鹿毛 1998.3.30 種付け時活性値:0.50 |
★ Sadler’s Wells 鹿毛 1981.4.11 |
Northern Dancer 鹿毛 1961.5.27 |
Nearctic 1954.2.11 |
Natalma 1957.3.26 | |||
Fairy Bridge 鹿毛 1975.5.4 |
Bold Reason 1968.4.8 | ||
Special 1969.3.28 ♀ | |||
Urban Sea 栗毛 1989.2.18 |
Miswaki 栗毛 1978.2.22 |
Mr. Prospector 1970.1.28 | |
Hopespringseternal 1971.5.27 | |||
Allegretta 栗毛 1978.3.10 |
Lombard 1967.1.31 | ||
Anatevka 1969.2.13 | |||
Remember When 栗毛 2007.4.7 仔受胎時活性値:0.25 |
Danehill Dancer 鹿毛 1993.1.30 種付け時活性値:1.25 |
デインヒル 鹿毛 1986.3.26 |
★Danzig 1977.2.12 |
Razyana 1981.4.18 | |||
Mira Adonde 黒鹿毛 1986.4.19 |
★Sharpen Up 1969.3.17 | ||
Lettre d’Amour 1979.4.23 | |||
Lagrion 栗毛 1989.3.15 仔受胎時活性値:0.25 |
★Diesis 栗毛 1980.4.23 種付け時活性値:0.00 |
Sharpen Up 1969.3.17 | |
Doubly Sure 1971.5.3 | |||
Wrap It Up 栗毛 1979.5.3 仔受胎時活性値:0.25 |
Mount Hagen 栗毛 1971.3.4 種付け時活性値:1.75 |
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Doc Nan 栗毛 1963.4.20 仔受胎時活性値:1.75 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer3×5、Sharpen Up4×4>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
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Galileo (Sadler’s Wells系) |
Danehill Dancer (デインヒル系) |
★Diesis (エタン系) |
Mount Hagen (Bold Ruler系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Mount Hagen (Moonmadness) |
2.50 |
伯父Dylan Thomas (No. 9-c) |
6番仔 (6連産目) |
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着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
人 気 |
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1 | 14 | Serpentine | 牡3 | 57.2 | Emmet McNamara | 2:34.43 | A P O’Brien | 8 |
2 | 7 | Khalifa Sat | 牡3 | 57.2 | Tom Marquand | 5 1/2 | Andrew Balding | 13 |
3 | 1 | Amhran Na Bhfiann | 牡3 | 57.2 | William Buick | 1/2 | A P O’Brien | 14 |
4 | 6 | Kameko | 牡3 | 57.2 | Oisin Murphy | ハナ | Andrew Balding | 1 |
5 | 3 | English King | 牡3 | 57.2 | Frankie Dettori | クビ | Ed Walker | 2 |
「エプソムダウンズ芝12ハロン6ヤードのクラシックは、オブライエン調教師のためにあるのか!!」。思わず植草貞夫アナウンサーの名調子を引用したくなりました。Serpentine、スー・マグナーの勝負服としては濃紺、桃色に続く第3服色の灰色でしたが、アップセットでもなんでも、勝ったものが強い。Serpentine、形容詞としては「巧妙に誘い込む」という意味もあり、動詞としては「蛇行する」という意味もある単語。エメット・マクナマラ騎手にエスコートされたSerpentineの逃げに巧妙に誘い込まれた後続15頭、タッテナムコーナーを回ってラスト3ハロンを切ったところで「あれ、おかしいぞ」と思った時には既に遅し。Serpentine、蛇行するどころか一直線にゴールまで駆けて、終わってみれば2着のKhalifa Sat(2017.3.24)に5馬身半差の圧勝。前週6月27日にカラ芝10Fのメイドンを9馬身差で初勝利を挙げたばかりだったSerpentine、日本で言えば「連闘」で臨んだ大一番で大仕事を果たしました。そうして↑の結果の通り2着、3着にも人気薄が入って、大波乱に終わった2020年の第241回英ダービーでした。
Serpentineを管理されるエイダン・パトリック・オブライエン調教師は、第222回のGalileo(1998.3.30)、第223回のHigh Chaparral(1999.3.1)、第233回のCamelot(2009.3.15)、第234回のRuler of the World(2010.3.17)、第235回のAustralia(2011.4.8)、第238回のWings of Eagles(2014.3.17)、第240回のAnthony Van Dyck(2016.5.19)、そして今回のSerpentineにより「英ダービー8勝目」となり、ロバート・ロブソン、ジョン・ポーター、フレッド・ダーリンという史上に残る調教師たちを抜いて、単独で「英ダービー最多勝調教師」となられました。今回の出走16頭中6頭がオブライエン師の管理馬でしたが、バリードイルの層の厚さよ。
そしてまた不意の「ダービー&オークス同日開催」でしたけれど、オブライエン師は英ダービーの2レース前に行われた第242回英オークス(GI)ではLove(2017.4.13)により英牝馬二冠達成。
むぅ、バリードイルの層の厚さよ(2回目)。それは「エプソムダウンズ芝12ハロン6ヤードのクラシックは、オブライエン調教師のためにあるのか!!」と思っても、仕方ありません^^;
Serpentineで殊勲を遂げたマクナマラ騎手は「英ダービー初騎乗初制覇」となりました。前週に行われた第155回愛ダービー(GI)
においても7番人気だったTiger Moth(2017.5.16)を駆って、勝ち馬Santiago(2017.3.11)から「アタマ」差2着に食い込むなど良いリズムだったのでしょう。もしかしたら、バリードイル陣営としたら露払いの役回りのつもりだったかも知れませんが、積極果敢な逃げ戦法は、時として馬人に微笑みかけます。
そしてまたSerpentineの父であるGalileoは、第229回のNew Approach(2005.2.18)、第234回のRuler of the World、第235回のAustralia、第240回のAnthony Van Dyck、そして今回のSerpentineにより「種牡馬として英ダービー5勝目」であり、Sir Peter Teazle(1784)、Waxy(1790)、Cyllene(1895.5.28)、Blandford(1919.5.26)、Montjeu(1996.4.4)という史上に残る種牡馬たちを抜いて、単独で「英ダービー最多勝種牡馬」となりました。素晴らしい。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。
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