アンモシエラ(2021.2.3)&サンライズジパング(2021.3.16)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.21)-

Pedigree

アンモシエラ 牝 栗毛 2021.2.3生 浦河町・桑田牧場生産 馬主・広尾レース(株) 栗東・松永 幹夫厩舎

アンモシエラ(2021.2.3)の4代血統表
ブリックスアンドモルタル
黒鹿毛 2014.3.2
種付け時活性値:1.50【6】

Giant’s Causeway
栗毛 1997.2.14
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
Storm Bird 1978.4.19
Terlingua 1976.2.7
Mariah’s Storm
鹿毛 1991.4.1
Rahy 1985.2.18
イメンス 1979.3.17
Beyond the Waves
黒鹿毛 1997.5.4
Ocean Crest
黒鹿毛 1991.2.26
Storm Bird 1978.4.19
S. S. Aroma 1981.6.26
Excedent
鹿毛 1985.5.9
Exceller 1973.5.12
Broadway Lullaby 1970.4.23
サンドクイーン
栗毛 2015.2.12
仔受胎時活性値:1.25【5】
ゴールドアリュール
栗毛 1999.3.3
種付け時活性値:1.75【15】
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ニキーヤ
鹿毛 1993.4.4
Nureyev 1977.5.2
Reluctant Guest 1986.2.21
フィエラメンテ
鹿毛 2008.4.25
仔受胎時活性値:1.50【6】
タニノギムレット
鹿毛 1999.5.4
種付け時活性値:0.00【8】
ブライアンズタイム 1985.5.28
タニノクリスタル 1988.4.4
フェアリードール
栗毛 1991.2.13
仔受胎時活性値:2.00(0.00)【16】
Nureyev
鹿毛 1977.5.2
種付け時活性値:1.25【13】
Dream Deal
栗毛 1986.3.7
仔受胎時活性値:1.00【4】

<5代血統表内のクロス:Storm Bird4×4(父方)、Nureyev4×4(母方)、Northern Dancer5×5×5×5、Roberto5×5>

アンモシエラ(2021.2.3)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ブリックスアンドモルタル
(Storm Cat系)
ゴールドアリュール
(サンデーサイレンス系)
タニノギムレット
(Roberto系)
Nureyev
(Northern Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ゴールドアリュール
(サンドクイーン)
5.75 or 3.75
(【5】+【6】+【16】+【4】)
大伯母トゥザヴィクトリー
(No. 9-f)
2番仔
(2連産目)

*

2024年の第50回ブルーバードC(JpnIII。船橋ダート1800m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 1 アンモシエラ 牝3 55 坂井瑠星 1:55.9 5-5-4-4 40.7 476
[-12]
松永幹夫 2
2 4 エコロガイア 牡3 57 笹川翼 1:55.9 クビ 1-1-1-1 41.2 466
[-4]
森秀行 4
3 3 バロンドール 牡3 57 横山典弘 1:55.9 ハナ 6-6-5-2 40.6 524
[0]
松永幹夫 1
4 9 ウルトラノホシ 牡3 57 石川倭 1:56.1 3/4 7-7-6-5 40.6 515
[-7]
真島元徳 5
5 5 ソレナ せん3 57 澤田龍哉 1:56.8 3 9-9-9-9 40.1 468
[0]
矢野義幸 9
2024年の第50回ブルーバードC(JpnIII。船橋ダート1800m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
11.6 – 11.0 – 13.0 – 13.6 – 12.9 – 12.6 – 13.4 – 13.7 – 14.1
ラップの
累計タイム
11.6 – 22.6 – 35.6 – 49.2 – 1:02.1 – 1:14.7 – 1:28.1 – 1:41.8 – 1:55.9
上り 4F 53.8 – 3F 41.2

船橋ダート1800m、晴の良馬場、9頭立て。「砂嵐(ギリシャ語)。母名より連想」という馬名意味のアンモシエラ、母サンドクイーンの馬名を思えば「砂の女王」に輝くのは道理だったのかも知れません。という訳で「全日本的なダート競走の体系整備」により2024年よりダートグレード競走となったブルーバードCを制したのは紅一点だったアンモシエラ。2023年10月の京都ダート1800mの未勝利戦、11月の京都ダート1800mのもちの木賞と連勝を果たし、果敢に挑んだ12月の中山芝2000mのホープフルS(GI)は芝初挑戦でGIはサスガに敷居が高くレガレイラ(2021.4.12)の15着。

レガレイラ(2021.4.12)-第40回ホープフルS(GI)の勝ち馬-
レガレイラ(2021.4.12)-第40回ホープフルS(GI)の勝ち馬-

そうして2024年の初戦となったブルーバードC。NAR勢6頭、JRA勢3頭の争いは、最後はJRA勢3頭による「クビ」「ハナ」の大激戦。逃げたエコロガイア(2021.4.22)、ステーブルメイトのバロンドール(2021.2.15)を決勝点で差し切ってみせたアンモシエラ。白の帽子に「青、袖緑一本輪」の勝負服を乗せ、黒のオーストラリアンブリンカーを頬に着けた栗毛の流星が、見事に重賞初制覇を遂げたという結末でした。

アンモシエラの父ブリックスアンドモルタルはゴンバデカーブース(2021.2.24)、イーグルノワール(2021.2.17)に続いて3頭目の重賞勝ち産駒となり、牝駒による重賞勝ちは初めてとなりました。2021年生まれ世代が初年度となる種牡馬ブリックスアンドモルタル、非サンデーサイレンスの血を導入された吉田照哉氏の相馬眼の確かさをしっかりと示しています。

第36回ブリーダーズカップ・ターフ(米GI)の勝ち馬-Bricks and Mortar(2014.3.2)-
Bricks and Mortar(ブリックスアンドモルタル) 牡 黒鹿毛 2014.3.2生 米国・George Strawbridge Jr.生産 馬主・Klaravich Stables, Inc. and Lawrence, William H. 米国・Chad C. Brown厩舎
シリウスコルト(2021.3.22)&ゴンバデカーブース(2021.2.24)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.10)-
シリウスコルト(2021.3.22)&ゴンバデカーブース(2021.2.24)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.10)-
シュトラウス(2021.1.24)&イーグルノワール(2021.2.17)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.16)-
シュトラウス(2021.1.24)&イーグルノワール(2021.2.17)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.16)-

そしてまたアンモシエラのボトムラインを確認して、はたと気付いてみましたら、

  1. 母サンドクイーンは祖母フィエラメンテが不受胎後の2番仔
  2. 祖母フィエラメンテは曾祖母フェアリードールが不受胎後の10番仔
  3. 曾祖母フェアリードールは高祖母Dream Dealの初仔

と母系3代の世代交代が「母が前年産駒なし後の仔」となっていました。大伯母トゥザヴィクトリー(1996.2.22)もフェアリードールの初仔ですから「空胎後に名馬あり」を改めて思います。まま、サイレントディール(2000.3.19)、トゥザグローリー(2007.2.16)、トゥザワールド(2011.4.12)、トーセンビクトリー(2012.4.23)など連産で輩出された近親活躍馬も多いのですが。アンモシエラ自身も母が2連産目の2番仔ですしね^^;

*

サンライズジパング 牡 鹿毛 2021.3.16生 安平町・追分ファーム生産 馬主・(株)ライフハウス 栗東・音無 秀孝厩舎

サンライズジパング(2021.3.16)の4代血統表
キズナ
青鹿毛 2010.3.5
種付け時活性値:0.50【10】
ディープインパクト
鹿毛 2002.3.25
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao 1980.2.28
Burghclere 1977.4.26
キャットクイル
鹿毛 1990.5.22
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
Storm Bird 1978.4.19
Terlingua 1976.2.7
Pacific Princess
鹿毛 1973.5.10
★Damascus 1964.4.14
Fiji 1960
サイマー
鹿毛 2013.2.26
仔受胎時活性値:1.75【7】
Zoffany
鹿毛 2008.3.18
種付け時活性値:1.00【4】
Dansili
黒鹿毛 1996.1.27
デインヒル 1986.3.26
Hasili 1991.3.12
Tyranny
鹿毛 2000.3.22
Machiavellian 1987.1.31
Dust Dancer 1994.4.25
Serisia
鹿毛 1999.4.29
仔受胎時活性値:1.25【13】
Exit to Nowhere
鹿毛 1988.3.11
種付け時活性値:0.50【10】
Irish River 1976.4.2
Coup de Folie 1982.4.2 ♀
Seralia
栗毛 1995.3.19
仔受胎時活性値:0.75【3】
ロイヤルアカデミーII
鹿毛 1987.2.21
種付け時活性値:1.75【7】
Serafica
鹿毛 1987.1.29
仔受胎時活性値:1.75【7】

<5代血統表内のクロス:Halo4×5、Coup de Folie(♀)4×5(母方)、Crimson Saint(♀)5×5>

サンライズジパング(2021.3.16)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
キズナ
(サンデーサイレンス系)
Zoffany
(デインヒル系)
Exit to Nowhere
(Riverman系)
ロイヤルアカデミーII
(Nijinsky系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ロイヤルアカデミーII
(Nijinsky)
5.50
(【7】+【13】+【3】+【7】)
伯父が豪GI2勝馬
(No. 1-c)
3番仔
(3連産目)

*

2024年の若駒S(L。京都芝2000m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 6 サンライズジパング 牡3 57 武 豊 2:02.8 5-5-6-7 36.1 516
[+4]
音無 秀孝 1
2 5 ミカエルパシャ 牡3 57 松山 弘平 2:03.1 1 3/4 1-1-1-1 36.9 478
[+2]
橋口 慎介 3
3 1 ブエナオンダ 牡3 57 川田 将雅 2:03.4 2 6-5-4-5 36.9 458
[+2]
須貝 尚介 2
4 2 エルフストラック 牝3 55 A.ルメートル 2:03.5 クビ 4-4-4-3 37.1 474
[+12]
中村 直也 6
5 8 ストーンズ 牡3 57 L.モリス 2:03.5 クビ 3-3-2-2 37.2 504
[+4]
友道 康夫 4
2024年の若駒S(L。京都芝2000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.6 – 11.2 – 12.2 – 12.8 – 12.9 – 12.3 – 12.2 – 11.8 – 12.2 – 12.6
ラップの
累計タイム
12.6 – 23.8 – 36.0 – 48.8 – 1:01.7 – 1:14.0 – 1:26.2 – 1:38.0 – 1:50.2 – 2:02.8
上り 4F 48.8 – 3F 36.6

京都芝2000m、曇の重馬場、1頭除外となり7頭立て。若駒Sの21世紀に入ってからの勝ち馬には伯国の大種牡馬となったアグネスゴールド(1998.4.10)、サンデーサイレンスの直系をつなぐのはもしかしたらこの馬のラインかも知れないブラックタイド(2001.3.29)、言わずもがなのディープインパクト、その他にもアンライバルド(2006.4.13)ヒルノダムール(2007.5.20)マカヒキ(2013.1.28)等の姿が見える西の出世レースのひとつ。

◯ 若駒ステークス(L)

若駒(わかごま)は、若い馬のこと。本競走は、春のクラシック戦線を占う一戦として知られている。

2024年度第1回京都競馬特別レース名解説

シンプルなレース名解説ですね^^;。ともあれ、そんな若駒Sの2024年の一戦を制したのはサンライズジパング。その蹄跡を辿りますと2023年6月の東京芝1800mの新馬戦をダノンエアズロック(2021.2.26)の4着、2023年9月の阪神ダート1800mの未勝利戦で上述のアンモシエラを4馬身突き放して勝利、11月の門別ダート1800mのJBC2歳優駿(JpnIII)でフォーエバーヤング(2021.2.24)の2着、11月の東京ダート1600mのカトレアS(OP)でアマンテビアンコ(2021.2.25)の15着、12月の中山芝2000mのホープフルSでレガレイラの3着。戦って来た相手を見れば2024年の芝ダートの両路線で中核を成しそうな馬ばかり。

ナナオ(2021.4.16)&ダノンエアズロック(2021.2.26)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.11)-
ナナオ(2021.4.16)&ダノンエアズロック(2021.2.26)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.11)-
フォーエバーヤング(2021.2.24)-第74回全日本2歳優駿(JpnI)の勝ち馬-
フォーエバーヤング(2021.2.24)-第74回全日本2歳優駿(JpnI)の勝ち馬-
アマンテビアンコ(2021.1.25)&シンエンペラー(2021.4.30)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.17)-
アマンテビアンコ(2021.1.25)&シンエンペラー(2021.4.30)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.17)-

そうして迎えた2024年の初戦となった若駒S。道中は行き脚が付かない感じで後方追走、重馬場で淀の芝内回り1000m通過1分1秒7というペース、4角入口では武豊騎手の派手な左ムチが一発入ったところでも「厳しいか」と思わせました。ところが京都芝内回りBコースの直線323.4mで追われると、大外から目の覚めるような一気の末脚。逃げたミカエルパシャ(2021.3.26)を捉えると後は流す余裕すら見せて、決勝点では1と4分の3馬身差。ちょっとビックリの勝ちっぷりを見せたサンライズジパング、武騎手鞍上では2戦2勝となり、武騎手には18年ぶりの若駒Sの勝利、騎手として史上最多となる8勝目を贈りました。…なんや8勝目って笑

サンライズジパングのボトムラインを眺めますと、サンライズジパング(Sunrise Zipangu)、サイマー(Saimaa)、Serisia、Seralia、Seraficaと「頭文字S」で始まる馬名で連なります。さらに確認すれば「頭文字S」の馬名はサンライズジパングの8代母Sail Serenely(1964.2.13)から8代連続となっています。馬主の(株)ライフハウスは冠名「サンライズ」の松岡隆雄氏のご親族ということで、おなじみ「紫、白星散」の胴色の勝負服ですね。改めて確認しましたら松岡隆雄氏は「紫、白星散、白袖紫星散」、(株)ライフハウスは「紫、白星散、白袖紫一本輪」の服色でした。

サンライズジパング、その馬名意味は「冠名+「日本」を意味する言葉」とのこと。2024年は元日早々から「うーん」と唸るような出来事もありましたので、「陽はまた昇る」とばかりにサンライズジパングの活躍を期待したいと思います。

 

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

武騎手の若駒S8勝を確認しますとタニノジュニアス(1986.4.10)、ナリタタイセイ(1989.3.20)、モノポライザー(1999.4.4)リンカーン(2000.3.18)、ブラックタイド、ディープインパクト、フサイチジャンク(2003.3.26)、そしてサンライズジパング。平成元年の1989年から現行の若駒Sの名称で開催されていますけれど、その初回をタニノジュニアスで勝利されたところから始まり、モノポライザーからフサイチジャンクまで5連覇(!!)、そうして久方ぶりの勝利が令和6年の2024年のサンライズジパングでした。なんだか時間の経過がバグりますが、この間35年。……むぅ、ユタカさん、恐るべし。
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